天皇賞(春)
2002/4/28 京都競馬場 G1 芝3200m

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レース展望

レース概要
[3回京都4日 G1 芝3200m 牡・牝・指 定量]
淀の3200Mで行われる最強ステイヤー決定戦。今年で124回を向かえる 歴史のある一戦で、これまでの勝ち馬には超一流馬が名を連ねる。 3歳長距離G1・菊花賞と関連が深いレースで、菊花賞馬のメジロマックイーン とライスシャワーがそれぞれ2勝を挙げている。昨年はテイエムオペラーが制し、 春、秋、春の天皇賞3連覇を決めている。


過去のレース結果 




2001年プレイバック
2001/04/29(祝)12頭 雨・良 TIME:3.16.2
1着テイエムオペラオー
2着メイショウドトウ
3着ナリタトップロード
4着マックロウ
5着アドマイヤボス
馬連 500円

前年G1−5勝、重賞8勝を挙げ無敗だったテイエムオペラオーが大阪杯で まさかの4着に敗れたが、得意の長距離戦で1番人気に支持さ れた。そのオペラオーはレースでもやはり力が違った。中団を進み、 3コーナー過ぎからスパートすると直線早めに抜け出したナリタトップロード を楽々と差し切って優勝した。シンボリルドルフに並ぶG1−7勝目を 挙げるとともに前馬未踏の天皇賞3連覇を達成した。この日 も直前に雨が降り、またしても天を見方につけた。2着には後方 から馬群を割って伸びたメイショウドトウが入り、これでG1−5戦連続 5回目のオペラオーの2着。直線の最後で失速したナリタトップロードは 昨年同様3着に敗れた。
過去の予想結果
2000/04/30 天皇賞(春)
2001/04/29 天皇賞(春)
GTレースのポイント
天皇賞(春)のポイント



過去10年データ分析

長距離GT連対ある1番人気は信頼
1番人気で連対した7頭には長距離GT(菊花賞、天皇賞春)での 連対経験があり、連対を外した3頭にはなかった。連対がなけ ればまずは疑ってかかりたい。連対がなかった無敗のトウカイテイオー も5着に敗れている。
波乱のときも連対馬は長距離実績馬
荒れた95年は1番人気で長距離GT連対がないエアダブリンが消え 近走不振の天皇賞馬ライスシャワーと菊花賞2着馬ステージチャンプで決着。 結果的に荒れたが2頭とも長距離GT実績馬。人気の盲点で波乱 は起きる。
阪神大賞典3着以下からの連対ゼロ
連対馬20頭中17頭が前走重賞で1,2着とかなりハイレベル。4着以下 は日経賞と大阪杯から連対した例はあるが阪神大賞典からは ない。同じ長距離戦だけに阪神大賞典で3着以下に敗退した馬の 巻き返しは難しい。
4着以下なら長距離重賞の連対必要
4着以下から巻き返した3頭のうち2頭が天皇賞春の優勝馬で残る 1頭にも3200Mの重賞での連対経験があった。前走で連対を外して いた馬は最低でも3000M以上の重賞での連対がないと巻き返せない。


コースの特徴
京都芝3200mは、向こう正面の直線半ばからスタートし約2周半回るコース。 向こう正面から3コーナーまでに4mの坂を登るが長距離戦ではこの坂を 2回登ることでスタミナが奪われる。超スローの上がり勝負にならない限り スタミナのある馬が断然有利。3コーナーまでの登り坂から一気の下りと かなり特殊なコースだけに京都コースで好走実績のある馬が活躍する傾向 が強い。

天皇賞春の過去10年の連対馬の脚質は、逃げ0先行7差し9追込4で 逃げ馬の連対はゼロと大不振。最近はスローの上がり勝負になる傾向で 34秒台の切れる脚を持った馬が活躍している。追い込み馬は4頭連対 しているが、馬場が良く前も簡単には止まらないのでやはり展開の 助けが欲しい。


一週前調教診断

サンライズペガサス
栗坂で単走で強めに追われて54.8−25.0−12.5秒とラスト切れの ある動きを見せた。バネの利いたフットワークでデキの良さが伺える。 前走もまだ馬体はコロッとした感じで太く見えたが、今回はかな り絞れてきている。
マンハッタンカフェ
栗CWでアグネススペシャルと合わせて、この馬独特のフットワークで悠々と 先着した。馬体を大きく見せ、毛づやも良く、相変わらず豪快な 前脚の捌きで調子は良さそうだ。一週前としては上々の動き。
ナリタトップロード
栗DWで単走でラスト一杯に追われて12.4秒とまずまずの伸び脚 を見せた。6F88.8秒とこの馬としては軽めの調教だが、馬体の 張り、毛づやはかなりいい状態。馬体の縦の幅が増してきた 印象があるが、貫禄が出てきたのか太目なのかいまひとつ判断 がつかない。最終追い切りでこのあたりも含め判断したい。
ジャングルポケット
栗坂で武豊騎手が騎乗して2頭併せで一杯に追われた。重馬場 のため、タイムは52.8−25.9−13.2秒とかかったが集中して走って いたところに好感が持てた。ひと叩きされて馬体の張りが出て きて良化しているが、調子のいいときはもっとバネの利いた走 りをする馬。走りの重心が低くなったのか、重馬場のせいなのか 何とも言えないので、最終調教で再度チェックしたい。
ボーンキング
栗坂で2頭併せで一杯に追われてしっかりした脚取りで伸びた。 追われてもう少し反応の良さが欲しい気もするが、51.6−37.9 −12.8秒はこの日の1番時計なら合格点。馬体の張り、毛づやも だいぶ良くなってきた印象で前走より良化している。
エリモブライアン>
栗DWで単走で一杯に追われて87.1−43.2−14,0秒とラスト時計が かかった。元々調教駆けするタイプではないが、もう少し最後の 伸び脚を見せて欲しいところ。馬体は前走より引き締まって きた印象で上向いている。


■ ステップレース 

日付レース1着馬2着馬
2001/10/21菊花賞マンハッタンカフェマイネルデスポット
2001/11/25ジャパンCジャングルポケットテイエムオペラオー
2001/12/23有馬記念マンハッタンカフェアメリカンボス
2002/01/05中山金杯ビッグゴールドタフグレイス
2002/01/13日経新春杯トップコマンダーホットシークレット
2002/02/10ダイヤモンドSキングザファクトフサイチランハート
2002/02/16京都記念ナリタトップロードマチカネキンノホシ
2002/02/24中山記念トウカイポイントトラストファイヤー
2002/03/17阪神大賞典ナリタトップロードジャングルポケット
2002/03/23日経賞アクティブバイオタップダンスシチー
2002/03/31大阪杯サンライズペガサスエアシャカール



各レースのラップタイム
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■1999年天皇賞春(スペシャルウィーク)
12.6-12.9-11.8-11.4-12.2-11.6-12.0-13.6- 13.0- 12.5- 13.2- 12.4- 11.8- 11.4- 11.5- 11.4
12.6-25.5-37.3-48.7-60.9-72.5-84.5-98.1-111.1-123.6-136.8-149.2-161.0-172.4-183.9-195.3
 (37.3-34.3)
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■2000年天皇賞春(テイエムオペラオー)
12.6-11.4-11.6-12.5-12.8-12.9-12.4- 13.9- 13.5- 13.2- 12.7- 12.0- 11.5- 11.5- 11.2- 11.9
12.6-24.0-35.6-48.1-60.9-73.8-86.2-100.1-113.6-126.8-139.5-151.5-163.0-174.5-185.7-197.6
 (35.6-34.6)
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■2001年天皇賞春(テイエムオペラオー)
12.5-11.8-10.9-11.1-12.0-12.1-12.0-13.8- 12.7- 13.6- 12.9- 12.5- 12.4- 11.7- 11.9- 12.3
12.5-24.3-35.2-46.3-58.3-70.4-82.4-96.2-108.9-122.5-135.4-147.9-160.3-172.0-183.9-196.2 
(35.2-35.9) 
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■2001年阪神大賞典(ナリタトップロード)
13.0-11.0-11.0-12.0-12.8-12.3-12.6-13.1- 13.1- 12.3- 12.2- 11.9- 11.8- 11.6- 11.8
13.0-24.0-35.0-47.0-59.8-72.1-84.7-97.8-110.9-123.2-135.4-147.3-159.1-170.7-182.5
 (35.0-35.2) 
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■2002年阪神大賞典(ナリタトップロード)
13.6-13.1-13.3-12.9-13.2-12.6-12.7- 13.3- 12.9- 12.4- 11.9- 11.4- 11.1- 11.4- 12.1
13.6-26.7-40.0-52.9-66.1-78.7-91.4-104.7-117.6-130.0-141.9-153.3-164.4-175.8-187.9
 (40.0-34.6) 
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■2002年日経賞(アクティブバイオ)
 6.7-12.2-13.1-12.7-13.0-13.7-13.5-12.9-12.4-12.2-11.8-11.4-11.4 
 6.7-18.9-32.0-44.7-57.7-71.4-84.9-97.8-110.2-122.4-134.2-145.6-157.0 (32.0-34.6) 
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■2001年菊花賞(マンハッタンカフェ)
13.3-11.7-12.3-12.8-12.9-12.6-13.2- 13.1- 12.8- 12.5- 12.7- 12.0- 11.4- 11.7- 12.2
13.3-25.0-37.3-50.1-63.0-75.6-88.8-101.9-114.7-127.2-139.9-151.9-163.3-175.0-187.2
 (37.3-35.3) 
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■2001年ジャパンC(ジャングルポケット)
12.9-11.0-12.4-12.7-12.6-11.5-11.2-11.6- 12.2- 12.5- 11.2- 12.0
12.9-23.9-36.3-49.0-61.6-73.1-84.3-95.9-108.1-120.6-131.8-143.8 (36.3-35.7) 
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■2001年有馬記念(マンハッタンカフェ)
 6.9-12.0-12.1-12.1-12.7-13.6-13.2-12.6- 11.8- 11.5- 11.3- 11.3- 12.0
 6.9-18.9-31.0-43.1-55.8-69.4-82.6-95.2-107.0-118.5-129.8-141.1-153.1 (31.0-34.6) 
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レース展望
世間では3強対決と言われているが、大阪杯で菊花賞馬エアシャカールを 子供扱いしたサンライズペガサスも含めないのはどうだろう。エアシャカ ールを後ろから楽に差す芸当は簡単にできるものではない。ここでの位置 付けは4強対決。菊花賞馬ナリタトップロードとマンハッタンカフェに長 距離の実績がないジャングルポケットとサンライズペガサスがどう挑むか という図式。今回注目したいのは、ジャングルポケット。鞍上にあたりの 柔らかい武豊騎手を確保したというのは長距離戦だけに大きいことだ。菊 花賞、阪神大賞典で折り合いに苦労したが、それを払拭する走りを見せてく れるはずだ。ナリタトップロードは一昨年、昨年同様の走りはできるだろ うが、それで後続を断ち切れるかどうか。ジャングルポケットを負かすと すれば、有馬記念で力づくでテイエムオペラオーを負かしたマンハッタンカフ ェ。馬が前向きになれば前後バラバラの走りになる確率は減るので、蛯名 騎手の手綱捌きにかかっている。サンライズペガサスは菊花賞のときとは 成長度合いが違う。実績のない京都と距離でやや不安はあるが一発の魅力 を秘めている。あとはスタミナあるエリモブライアンとボーンキング、相 手なりに走るアクティブバイオ。



有力馬診断

ジャングルポケット 【9】
菊花賞はその週のコース追いで時計を出し過ぎたのと札幌記念から 約2ヶ月空いていたことで道中で折り合いを欠き、さらに超スロー ペースで動けずに脚を余したのが敗因。3コーナー過ぎで既に手応 えが怪しかったが、それでも大外を回って34.2秒の末脚。 勝ったマンハッタンカフェが最内を回って34.0秒だから、0. 4秒負けたからといっても評価したい内容だ。今回のポイントは折 り合いがつくかどうか。阪神大賞典では小牧太騎手が騎乗したが、 中間の調教も乗れずにレースで初めて騎乗だったし、元々豪快な手綱捌 きの騎手なので、馬がいうことを利かないのは仕方ないだろう。今 回は微妙な手綱捌きができる武豊騎手。馬はハミがかかると行きた がるが、そのハミを揺れる馬の上で微妙に操れるのが武豊騎手。武 豊騎手が乗ると馬がとてつもない末脚を使うことがあるが、馬の 気持ちを損ねずに道中気分よく走らせるこの高等技術があってのものだ。 もちろん馬の上で一糸乱れないで騎乗するのも馬に負担を掛けない ということもある。今回驚いたのが、ジャングルポケットの折り合い が完全についていたこと。既に煩いジャングルポケットを完全に手の内に 入れている。馬もひと叩きされて状態はかなりアップしているし、 死角はほとんど見当たらない。ジャパンCでテイエムオペラオーを 力で負かした能力が、今回は存分に見られるはずだ。
マンハッタンカフェ 【9】
日経賞は3,4コーナーでトモを落とし気味になって蛯名騎手が後 ろを振り返り、直線でも前脚と後脚がバラバラで伸びを欠いて6着 に敗れた。マスコミには報道されていないが、脚元をケアするため に鉄橋鉄を履いていたのが敗因だろう。鉄橋鉄を履いて勝ったこと があるということだが、断然の1番人気の馬に鉄橋鉄を履かせるの はどうか。陣営はメンバー的にそれでも勝てると判断したのだろう が、直前の雨で上滑りする馬場になったのが誤算だろう。セントラ イト記念も同じような走りだったが、その時の蹄鉄は分からない。 元々蹄底の浅い馬で本番前に保護するのは当然のことと言えないも ないが、やや疑問が残るところ。今回は当然勝負鉄だろうが、ポイ ントは馬が前向きに走れるかと京都の芝の生え揃った馬場。馬が前 向きに走る気にならないと前に重心が乗らずに首が上がって前脚と 後脚がバラバラの走りになる。元々トモが薄く前駆の優ったタイプ で前に重心が乗った状態で走れないと後脚でパワーを捕まえられな い。馬をどうやって走る気にさせるか、蛯名騎手の手綱捌き次第だ ろう。あと芝の状態。芝の状態が良かったセントライト記念と日経 賞でバラバラの走りで敗れているし、昨年夏の札幌の力のいる馬場 での2連勝、馬場が荒れた内を通った菊花賞とやや馬場が荒れ始め た有馬記念を優勝と適性は明らかだ。やや力のいる馬場で前脚にか かりがいい状態の方がいい走りができる。今回の京都の芝は非常に いい状態。そのあたりにやや不安がある。あとはこれまでスローの 上がり勝負の競馬で結果を出しているので厳しい競馬になったとき にどうだろう。それでも有馬記念でテイエムオペラオーを力で 負かした内容は評価できるし、上記の不安を解消できる走りができ れば当然勝ち負けだろう。
ナリタトップロード 【8】
京都記念と阪神大賞典を勝ち、天敵テイエムオペラオーが引退して からは馬も自信をつけている。天皇賞春は2年連続3着だが、直前 の雨で末が鈍ったので今年こそはパンパンの良馬場でやりたいとこ ろだろう。雨で馬場が渋ると前脚の掻き込みが強い走法なのでパワ ーを使い切ってしまうのと、前脚が上がり過ぎてその結果ハミのかかり が悪くなるのが最後失速する原因。今年は良馬場でできそうなので 天皇賞制覇のチャンスなのは間違いない。今年で6歳だがこの2戦 の走りを見る限り衰えはないので、一昨年、昨年くらいは走れるだ ろう。直線で抜け出してどこまで粘り込めるか、上位2頭のラスト のパンチ力より劣るのは否めないが、キャリアと長距離適性で上位 争いできるだろう。
サンライズペガサス 【8】
休み明けの大阪城Sで見せた走りと馬体のインパクトはG1で通用 するものと言ってきたが、大阪杯でエアシャカールを楽々と差し切 って子供扱いする姿を見てその考えは確信に変わった。中距離戦な ら既にG1で通用する力を持っている。今回は実績のない長距離戦、 京都コースと課題も多いが、昨年の菊花賞のときとは成長度合いが 違う。大阪杯で走り過ぎた影響か、一週前は細く見えたが、それで も上々の動きだったし、今週は馬体も持ち直してきている。 距離を考えると末脚の切れを最大限に生かす騎乗になるが、スロー の上がり勝負では前も止まらないだけに届かないだろう。全てはこ の馬向きの展開になるかにかかっている。今回も鞍の合う安藤勝巳 騎手だけに一発の魅力は十分だろう。
エリモブライアン 【7.5】
昨年11月のドンカスターSで横山典騎手が乗ってから馬が変わっ てきた印象でステイヤーズSも強い内容で優勝した。昨年は後方を 進んで見せ場なく9着に敗れたが、今年はスタミナがあることが分 かっているし、スローの上がり勝負は向かないので積極的なレース になりそうだ。藤田騎手も思い切って逃げるとも話しており、同じ スタミナ型のキングザファクトの後藤騎手ともども積極的な競馬に なりそうだ。馬体は昨年から特に変わった印象はなく、コロッとし て見栄えは良くないが、スタミナは備えているので見た目だけで判 断しない方がいいだろう。今年乗りに乗っている藤田騎手。有力馬 が崩れればこの馬が食い込んでくるはずだ。
ボーンキング 【7】
叩かれながら調子を上げるタイプで今年3戦してその通り調子を 上げてきた。積極策を取った阪神大賞典でも最後まで粘ったように 距離は問題なさそうだ。京都での上がり勝負は向かないのである程 度のペースで行って上がりがかかる展開が理想だろう。そういう意 味では理想的な2枠と前に行って馬を粘らせるのに長けたデムーロ 騎手で条件は揃っている。
アクティブバイオ 【7】
日経賞を頭差で制し重賞ウイナーの仲間入。相手なりに走るタイプ で今回も大崩はないだろうが、勝つとなるとどうだろう。乱ペース になれば、相手なりに走るズブさが逆に生きてきそうなのでそのあた りに期待か。叩き3戦目で仕上がりは良さそうだ。

調教診断

ジャングルポケット 【10↑】
栗坂で武豊騎手が騎乗し単走で強めに追われて、バネの利いたフット ワークでまっすぐに駆け上がった。1週前とは見違える調教内容でか なり調子を上げている。この馬がジャングルポケットかと思わすほど 折り合いがついて、まさに人馬一体。さすがに武豊騎手、既に手の内 に入れている。時計も51.1−25.2−12.7秒とまずまずだ ったが、それよりも折り合いがついたことを高く評価したい。馬体も 引き締まり、万全の仕上がりで出走できそうだ。負けられない。
サンライズペガサス 【8/】
栗坂で一杯に追われて、50.0−37.6−13.3秒とこの日の1 番時計を出した。最初飛ばしたので最後は一杯になったが、相変わらず バネの利いたフットワークで元気の良さが感じられた。この中間坂路で 1本しか乗っていないのが少々気掛かりだったが、最終調教を見る限り、 馬体もできているし問題ないだろう。前走より若干調子を上げている。
マンハッタンカフェ 【8/】
栗CWで2頭併せで雄大なフットワークで楽々と先着した。ストライド が大きいので早く見えないがラストは11.8秒の切れ味なのだから 恐れ入る。昨年の有馬記念のときと比較すると前脚と後脚の動きの バランスがイマイチの感じはあるが、前走よりは良化しているのは間違 いないだろう。
ナリタトップロード 【8→】
栗DWで単走で一杯に追われて、最後までしっかりとした脚取りでラスト 12.5秒の伸び脚を見せた。いつもより早めに渡辺騎手が追い始めたが、 馬場が少し悪かったせいかやや反応が鈍く見えた。微妙なところだが、 やや前脚の捌きが硬いのと首使いが滑らかでない気がする。それ以外は いつものトップロードで動きが悪いという訳ではないが、前走からの上積 みは感じられない。
アクティブバイオ 【7/】
栗CWでラスト一杯に追われて、回転の速いフットワークでラスト11. 8秒の切れ味を見せた。脚捌きが軽快でいかにも調子が良さそうだ。 馬体もきっちり仕上っており、前走より調子を上げている。
ボーンキング 【7/】
栗坂で2頭併せでラスト一杯に追われて、52.0−25.3−12.5 秒でしっかりした脚取りで1馬身先着した。ラスト仕掛けられるとグイッと 伸びたところが前走との変化点。馬に走る気が出てきたのがいい。
エリモブライアン 【7→】
栗DWで単走で一杯に追われて、ラスト12.9秒とこの馬としては まずまずの伸び脚をみせた。やや腹回りをコロッとみせるがこれは体型。 全体時計はかかったが、この馬なりに好調をキープしている。

相馬眼予想

 出走頭数は11頭と少ないが個性的なメンバーが揃った今年の天皇賞春。 果たして勝つ馬はどの馬なのか、4強での決着になるのかどうか、早速 見極めていくことにしょう。

 まず展開だが、マスコミを含め大半の人が口にするのが逃げ馬不在で スローペース。スローで行って3コーナーから一気にペースアップして 早い上がりでの決着というのが大方の見解だろう。人気になっている ナリタトップロードはこういう競馬で菊花賞を勝っているし、マンハッタン カフェもスローの上がり勝負で菊花賞と有馬記念を勝っているだけにこの 展開は理想的といっていいだろう。それならば2頭で決着という話になる が、誰が考えても人気2頭に有利な展開になることを他の陣営が指をくわ えて見過ごすのだろうか。

 スローの上がり勝負が向かないのは、エリモブライアン、キングザファ クト、ボーンキングの3頭。この3頭は切れる脚はないが長距離のスタミナ があるのが売り。エリモブラアインの藤田騎手が思い切った逃げで勝負する と話しているし、キングザファクトの後藤騎手も黙って見ているつもりはな い、早め早めの仕掛けを考えていると話しており、スローの上がり勝負は 望んでいない。ボーンキングのデムーロ騎手も2, 3番手を進んで行ってどこまで粘れるかという競馬を匂わせている。さらに アドマイヤロードの陣営が逃げ宣言をしたという話も出ているようだが、 末の切れで勝負するこの馬が逃げることはないだろう。

 もう少し整理するとエリモブライアンが最初からハナを切って逃げると いう競馬はないだろう。最初からある程度のペースで逃げて粘り切れる ほど甘くないことは陣営も重々承知。では、どうすればいいのか。1週目の スタンド前まではスローで流してジャングルポケットが折り合いを欠くよう 誘発。1コーナー過ぎから先頭に立ってペースアップすることによっ て後続各馬のスタミナを徐々に奪って行き、最後はスタミナ勝負で上がりが かかる展開というのが理想だろう。

 キングザファクトはダイヤモンドSと同じような競馬で早めに仕掛けて 先頭に立ち直線どこまで粘れるかという競馬。ボーンキングは流れて乗って ペースが上がればついて行って直線で前をかわして粘り込むという競馬に なる。エリモブライアンが1コーナーからペースアップして3コーナー 手前からスパートするが、キングザファクトがこれに加わって更に激しい ペースアップになり、ボーンキングがこの2頭にしぶとくついていく展開 になるというのがここでの読み。

 こんな展開でもナリタトップロードはいつも通り3コーナーからのロング スパートの競馬になるが、地力の違いで先頭に立つにしても最後のスピード が落ちるのは必死だろう。それでも後続が差してこれなければ勝てるのだが どうだろう。臨機応変の騎乗ができればチャンスはあるが、今回は1番人気 、やや苦しいか。ナリタトップロードが早めにくることで前に行った3頭は 苦しくなるのは否めないだろう。

 マンハッタンカフェは蛯名騎手が日経賞のことを相当気にしているし、 積極的な正攻法の競馬で結果を出したいはずだ。そうだとすると中団を進む この馬も3コーナーから一気にスパートして有馬記念のような競馬になるだろう。ただし、 菊花賞とは違うペースで果たして最後まで伸び切れるかどうか。菊花賞のとき でさえ最後ふらつきながらの脚だっただけにやや不安が残る。ただし、それを 払拭した有馬記念の内容からは堂々と先頭に立って押し切れるだけの力を持っ ているのは間違いないが、馬が前向きに走るか、いい状態の芝など、走って みないと分からないところも多い。

 ジャングルポケットは、ナリタトップロードとマンハッタンカフェをマーク しながら中団で折り合いをつけ、3,4コーナーでロスのない内を回 って直線勝負の競馬だろう。先に仕掛けるナリタトップロードとマンハッタン カフェを目標に直線で差す競馬。ナリタトップロードとマンハッタンカフェ が最後やや止まり気味になることを想定してゴール前で少しだけ 差す競馬になる。前にいる馬を捕えに行くことでジャングルポケットの勝負根性 を引き出す作戦だ。

 あとはサンライズペガサス。安藤勝巳騎手はこの馬の末脚を生かす競馬に 徹して後ろから行くが、ペースがやや早く後ろから行ってもスタミナ勝負に なる可能性があるので切れる脚を使えるかどうかは正直なところやってみな いと分からない。イメージはマヤノトップガンが早仕掛けになったサクラロー レルとマーベラスサンデーを差し切った97年の天皇賞春になるが、果たして 実績のない長距離と京都コースでそれだけの脚を使えるかどうか。期待半分、 不安半分といった感じだ。

 さあ最終決断。本命は、ジャングルポケット。休み明けの阪神大賞典は ナリタトップロードにあっさり負けたが、この中間の上昇度と折り合いの ついた調教から十分逆転できると判断した。人馬一体の調教を見た時点で かなりの手応えを感じたが、それに加えてスローの上がり勝負にならない 展開なら、ジャングルポケットの底力を十分に発揮できるだろう。レースで はスタンド前を通るし歓声もあるだろうから少しは折り合いを欠くシーン が見られるかもしれないが、そこは武豊騎手、絶妙なハミ使いで何とカバー してくれるだろう。

 対抗は、マンハッタンカフェ。これまで言ってきたように課題が多いが、 対抗候補に考えたサンライズペガサスも課題が多いのが事実。配当的には サンライズペガサスだが、ここではマンハッタンカフェの実力を素直に評価 した。相馬眼的にも長距離向きは明らかだし、スピードに乗ってからの持続 力、爆発力はおそらくメンバー1番だろう。課題を全てクリアするようだと ジャングルポケットを振り切ってしまうことも考えられる。

 あとは状態面と展開を考慮して。サンライズペガサス、ナリタトップロード の順。ナリタトップロードの行きっぷりが悪く、前に行った馬を捕えられない 場合はエリモブライアンの前残りも考えられるので押えておきたい。さらに 予想に反してエリモブライアンが積極的な競馬をしなかった場合は、マンハッ タンカフェとナリタトップロードで決まる可能性もあるのでこの2頭の馬券も 少々押えておきたい。個人的にはジャングルポケットの単勝で勝負してみたい。

     ◎ジャングルポケット
     ○マンハッタンカフェ
     ▲サンライズペガサス
     △ナリタトップロード
     注エリモブライアン


レース結果

 2002年3回京都4日( 4月 28日) 11R  
 第125回 天皇賞(春)(GI) 
 サラ系4歳以上 3200m 芝・右 外  
 牡・牝(指) オープン 定量 
 本賞金: 13200、 5300、 3300、 2000、 1320万円 発走 15:40 
 天候:曇  芝:良  
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 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 ○ 4  4    マンハッタンカフェ 牡 4 58.0kg  蛯名正義 3:19.5        504Kg  -6 小島太   2
  2 ◎ 6  7    ジャングルポケット 牡 4 58.0kg  武豊   3:19.5 クビ     474Kg  -4 渡辺栄   3
  3 △ 5  5 (父)ナリタトップロード 牡 6 58.0kg  渡辺薫彦 3:19.6 1/2馬身  498Kg   0 沖芳夫   1
  4   2  2    ボーンキング    牡 4 58.0kg  デムーロ 3:19.8 1 1/4馬身  500Kg  -6 松田国英  6
  5 ▲ 7  9    サンライズペガサス 牡 4 58.0kg  安藤勝己 3:19.8 ハナ     480Kg  -6 石坂正   4
  6   7  8 (外)キングザファクト  牡 5 58.0kg  後藤浩輝 3:20.2 2 1/2馬身  478Kg   0 谷潔   10
  7   1  1    トシザブイ     牡 6 58.0kg  池添謙一 3:20.3 1/2馬身  492Kg  +2 音無秀孝 11
  8   3  3 (父)ホワイトハピネス  牡 5 58.0kg  小原義之 3:20.4 1/2馬身  444Kg   0 小原伊佐  9
  9   6  6    アクティブバイオ  牡 5 58.0kg  四位洋文 3:20.5 1/2馬身  490Kg  +2 崎山博   7
 10   8 11    アドマイヤロード  牡 4 58.0kg  須貝尚介 3:20.7 1 1/4馬身  448Kg   0 橋田満   8
 11   8 10    エリモブライアン  牡 5 58.0kg  藤田伸二 3:21.5 5馬身    482Kg  -6 清水出美  5
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 ハロンタイム  13.3 - 13.5 - 12.8 - 12.9 - 13.2
        - 12.4 - 12.0 - 13.4 - 13.0 - 12.9
        - 12.7 - 11.9 - 11.2 - 11.4 - 11.1 - 11.8  
 上り  4F 45.5 - 3F 34.3 
 1コーナー  10,2,11,8-(4,5)-7-6,1,9,3  
 2コーナー  10(11,2)8(4,5)7-6,1,9,3  
 3コーナー(2周目)  (*10,2)(11,8)(4,5)7(3,6)1-9  
 4コーナー(2周目)  (10,*2,8)5(11,4)7(1,6)3,9  

 <払戻金> 
 単勝 04 290円 2番人気  
 複勝 04 120円 3番人気  
    07 110円 2番人気  
    05 100円 1番人気  
 枠連   4- 6 530円 3番人気  
 馬連  04-07 540円 3番人気  
 ワイド 04-07 210円 3番人気  
     04-05 170円 1番人気  
     05-07 170円 2番人気  




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