ダイヤモンドＳ

ダイヤモンドＳ

2002/02/10　東京競馬場　G3　芝3200m

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■ レース展望

■ 出走有力馬　（ＧＭの気になる馬をピックアップ）

: 万葉Ｓ（京都芝３０００ｍ）で最後方から直線一気を決めて快勝。超スローペースでこの馬の末脚を信じて最後方に控えた武豊騎手は凄いが、それ以上に３４．０秒の切れ味で差し切った馬を誉めるべきだろう。３歳春から素質の高い走りを見せていたが、ここにきてようやく馬体の幅が出て、能力を出せるようになってきている。馬体も４６０キロまで増え、まさに充実の４歳といった感じだ。今回は昇級初戦だが、元々重賞で走っていたので気にすることは何もない。前走のデキを保っていれば、あっさり勝つことも可能だろう。切れ味が身上の馬なので雨で馬場悪化すると苦しくなるかもしれない。

: １０００万条件を勝ったばかりで挑戦したＡＪＣＣ杯で後方一気を決めて初重賞制覇。別定戦で負かした相手がボーンキング、ミスキャスト、マチカネキンノホシなら各馬休み明けといっても価値がある。今回はＡＪＣＣ杯が評価されてトップハンデの５７．５キロ。切れ者アドマイヤロードとは２．５キロ差は少々辛いが、その他の馬とは勢いが違う。上位争いは必死だろう。馬体も充実ぶりが目立ってきている。

: 久々の万葉Ｓで３着し持ち前の長距離適性を示した。昨年のダイヤモンドＳは３着で、今年はひと叩きした上積みが見込めるだけに見どころがありそうだ。ただし、これまで重賞では今一歩足りなかった馬だけにそれほど信頼できないというのが正直なところ。今週で短期免許が切れるファロン騎手がこの馬のジリ脚をどう対処するか。早め先頭で粘り込む競馬で活路を開く可能性はある。

: 長期休養明けで２回使われたが、まだ本来の動きには戻っていない。ただし、徐々に良化しているのは間違いないので、今回も前回よりいい競馬ができるだろう。１月末時点ではまだ馬体が太く見えるので、どこまで絞り込めるかがポイントのひとつ。あとは気合乗り。ここ２走ともパドックでノホホンとしており、もっと気合を出して欲しいところだ。パドックを注目したい。

: 万葉Ｓは直線でやや前が詰まって６着だが、それほど差はなかった。昨年暮れのグッドラックＨの走りが印象的でジリジリ伸びる末脚は長距離向けと感じさせるものだった。陣営はその後、万葉Ｓ、そして今回と長距離戦にぶつけてきたのもうなずける。５３キロのハンデなら一発の魅力がある。使い込んでいるので、状態面は特に気をつけたい。

: 迎春Ｓで右寛ハ行のため取り消したが、その後は２３，３０日に時計を出しているように取消の影響はそれほど大きくなさそうだ。昨年のウェルカムＳでビッグゴールドと際どい勝負をしたように中々の切れ味を持っている。長距離も不安がないので、最終調教次第で上位に取り上げたい。

■ 過去のレース結果　

年	１着馬	２着馬	３着馬	馬連配当
１９９６年	ユウセンショウ	オースミベスト	ホッカイルソー	３，０２０円
１９９７年	ユウセンショウ	ビッグシンボル	タマモハイウェイ	１，３５０円
１９９８年	ユーセイトップラン	ステイゴールド	トキオエクセレント	１，０５０円
１９９９年	タマモイナズマ	ロングワールド	タヤスメドウ	１３，４２０円
２０００年	ユーセイトップラン	ジョーヤマト	スエヒロコマンダー	３７，５８０円
２００１年	イブキヤマノオー	メジロランバート	トシザブイ	９９０円

: 道中は４，５番手で鞍上のペリエ騎乗にガッチリ手綱を押えられて直線に向くと先に抜け出したメジロランバートを差し切って初重賞制覇。ペリエ騎手の豪腕に馬も素直にならざるを得なかったのだろう。それくらい今回は折り合いがついていた。冬至Ｓ（１６００万下）１着→日経新春杯５着のステップだったが、前走で１回重賞を経験できたことも大きかったように思える。

■ 過去１０年データ分析

: 過去１０年で１番人気［３・１・１・５］だが、２，３番人気が計７連対と堅実。１～３番人気が連に絡まなかったことは１度しかなく、軸は１～３番人気が妥当。

: トップハンデは［２・０・３・８］で不振。５４～５６キロの馬の連対多いが、穴なら人気薄の軽ハンデ馬。５０，５１キロの馬が２回万馬券を演出している。

: 連対馬２０頭中１７頭が３０００ｍ以上で連対、残る３頭も２５００ｍ以上で勝ち星があった。長距離実績のある馬を選びたい。

■ 調教診断

: 栗ＣＷで一杯に追われれると素晴らしい反応を見せて併走馬を突き放した。ひ弱さが抜け、馬体の縦の幅が増してきた印象で非常に良く見せている。馬体の張り、毛づやも申し分なく、調子の良さが伝わってくる。走りにダイナミック感が出てきたのも好印象で、ほぼ万全の仕上がり。

: 南Ｗで強めに追われて、軽快な脚捌きで最後までしっかり伸びた。前々走くらいから馬体に身が入ってきた印象があったが、更に馬体を大きく見せて充実してきている。これまでのイメージでは重賞では足りない気がするが、このデキなら見直さないといけないかもしれない。それくらいデキは上向いている。

: 美坂で一杯に追われて、ラスト２Ｆ２４秒台を出して最後まできっちり伸びた。脚捌きもだいぶ力強さが戻り、首も使えるようになってきているが、まだ本調子にはひと息。それでも前走よりは良化しているので、メンバー的に注意が必要。

: 南Ｗで強めに追われて、リズミカルなフットワークでまずまずのタイムを出したが、重心が高くフワフワとした感じだったところがやや不満。馬場が悪かったせいもあるが、調教での加点はなし。

■ 相馬眼予想

　１３頭中オープン馬は４頭のみで９頭が条件馬。ＡＪＣ杯でＧ２を勝ったフサイチランハートにしても前々走で１０００万条件を勝ったばかり。上昇しているのは認めるが、トップハンデの５７．５キロでは絶対ではない。今年のダイヤモンドＳは荒れムードが漂う。

　週初めはアドマイヤロードを本命に考えていたが、ここにきて考えが変わった。理由は２つある。１つ目の理由はロードブレーブが作り出すペース。ご存知の通り、この馬は長距離戦でも１０００ｍ６０秒を切るくらいのハイペースで逃げる。万葉Ｓとは全く逆の展開で切れ味よりスタミナ勝負になる公算がかなり高い。 早めに行ったら末脚が切れるかはやってみなくては分からない。天才武豊騎手は当然この展開を想定しているだろうから、どう対処してくるかも見ものだ。２着狙いなら連はあるが、勝ちに行ったら危険な気がする。

　２つ目に理由は、今週から仮柵が取られたＡ１コースの馬場。芝の状態は良好で先週までの馬場とは違う。土曜日のバレンタインＳで前に行った２頭で決まったように前が止まらない。アドマイヤロードはパンパンの良馬場はいいが、ハイペースでスタミナ勝負となったときにスタミナのある馬が簡単に止まらないとしたら、差すのは難しいだろう。やはり本命はつけられない。

　もう少し展開について整理するとロードブレーブがハイペースで逃げて、各馬が縦長に追走する形になる。２，３番手はケイエムチェーサーとメジロロンザンでは早めに追いかけることはない。 離して逃げるロードブレーブは、２週目の３，４コーナーで相当息を入れられるはず。スタミナもあるし、ハンデ５３キロで鞍上は石崎騎手。マークは必要だろう。

　３，４コーナーでの差があれば、各ジョッキーは早めに仕掛けざるを得ない。最後はスタミナ勝負で上がりはかなり掛かりそうだ。こんな展開でロードブレーブを差せる馬を探せばいい。候補としては、 好位からスタミナを生かしてジリジリ伸びて粘り込むタイプか、 平均・ハイペースでの差し馬でスタミナを兼ね備えたタイプになる。

　能力と調教状態を考慮してピックアップすると、まず前者は、シンボリオレゴン、ペインテドブラックの２頭が該当する。後者は、フサイチランハート、セイコーサンデー、キングザファクトの３頭が該当する。これに逃げるロードブレーブと差すアドマイヤロードを加えた７頭を残すことにする。

　さあ最終決断。本命は、セイコーサンデー。調教の動きがフワフワとしていたのが気になり調教での加点はなしだが、敢えてこの馬から入りたい。決め手となったのが、ペースに関わらず長くいい脚を使えるところ。特に東京コースは２戦２連対と得意にしており、５３キロで柴田善騎手なら狙ってみたい。調教を何度も再確認したが、動きは悪くないし、フワフワ見えたのは馬場が悪かったせいと判断した。元々フサイチランハートと力差はないことも付け加えておく。

　対抗は、シンボリオレゴン。ハイペースの迎春Ｓを制して調子に乗っている。これまで６戦連対がなかった東京コースで勝ったのは成長の証。馬体も前々走くらいから充実してきており、今回も張り詰めた馬体が目立っている。これまでのイメージから重賞では荷が重いと思ってしまいがちだが、昨年の中山金杯３着という実績もある。充実期に入った今なら期待してみたい。展開もこの馬に向く。

　準対抗は、フサイチランハート。調教診断には書かなかったが、この馬も調子がいい。トップハンデは辛いが、母の父リアルシャダイで距離延長は苦にしないだけに狙い目はある。

　あとは、アドマイヤロード、 キングザファクト、ロードブレーブ、 ペインテドブラックの順。頭数は多くなったが、パドックで見極めて絞りたい。

　　　　　◎セイコーサンデー
　　　　　○シンボリオレゴン
　　　　　▲フサイチランハート
　　　　　△アドマイヤロード
　　　　　注キングザファクト
　　　　　注ロードブレーブ
　　　　　注ペインテドブラック

■ レース結果

 2002年2回東京6日( 2月 10日) 11Ｒ  
 第52回 ダイヤモンドステークス(ＧＩＩＩ) 
 サラ系４歳以上 3200ｍ 芝・左  
 (混)[指] オープン ハンデ
 本賞金： 4300、 1700、 1100、 650、 430万円 発走 15:35 
 天候：曇　 芝：良　 
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 着 予 枠 馬    　　馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 注 7 10 (外)キングザファクト　 牡 5 53.0kg  後藤浩輝 3:19.8 　　　　　  472Kg  -8 谷潔　　  6
  2 ▲ 5  6  　 フサイチランハート 牡 5 57.5kg  江田照男 3:20.0 １ 1/4馬身  496Kg  +4 河野通文  4
  3 　 4  4  　 トシザブイ　　　　 牡 6 55.0kg  ファロン 3:20.0 クビ　　　  482Kg -12 音無秀孝  2
  4 ◎ 5  7  　 セイコーサンデー　 牡 4 53.0kg  柴田善臣 3:20.1 クビ　　　  464Kg  +4 鈴木康弘  3
  5 △ 8 12  　 アドマイヤロード　 牡 4 55.0kg  武豊　　 3:20.7 ３ 1/2馬身  450Kg -10 橋田満　  1
  6 　 2  2 (父)ケイエムチェーサー 牡 6 50.0kg  吉永護　 3:20.8 ３／４馬身  476Kg -16 吉永正人 13
  7 　 7 11  　 ゴールドレジェンド せ 6 49.0kg  北村宏司 3:21.3 ３馬身　　  430Kg  -4 角居勝彦 10
  8 　 8 13  　 タガノビジョン　　 牡 7 51.0kg  高田潤　 3:21.5 １ 1/2馬身  482Kg  -6 松田博資 12
  9 注 4  5 (市)ロードブレーブ　　 牡 7 53.0kg  石崎隆之 3:21.6 １／２馬身  494Kg  -8 山内研二  8
 10 　 1  1 (父)メジロロンザン　　 牡 6 52.0kg  吉田豊　 3:22.0 ２ 1/2馬身  494Kg  +2 大久保洋  9
 11 ○ 3  3  　 シンボリオレゴン　 牡 5 54.0kg  田中勝春 3:22.5 ３馬身　　  486Kg   0 高橋祥泰  7
 12 　 6  9 (父)ロットシュナイダー 牡 4 49.0kg  田面木博 3:24.0 ９馬身　　  488Kg  +2 土田稔　 11
 13 注 6  8  　 ペインテドブラック 牡 6 56.0kg  蛯名正義 3:24.7 ４馬身　　  492Kg   0 鈴木康弘  5
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 ハロンタイム　 13.1 - 11.4 - 12.0 - 11.5 - 12.1
 　　　　　　 - 12.1 - 13.3 - 13.1 - 13.3 - 13.0
 　　　　　　 - 13.6 - 12.6 - 12.3 - 12.4 - 11.7 - 12.3  
 上り 　4F 48.7 - 3F 36.4 
 1コーナー　 5-3=1,9=13,2,11,4,10(6,8)-7-12  
 2コーナー　 5=3-1,9-13(2,11)4(6,10)8,7-12  
 3コーナー(2周目)　 (*5,3)1,9,11(2,10)(13,6,4,8)-7,12  
 4コーナー(2周目)　 (*5,3)(1,9)(11,6,10)2(4,8)(13,7)12  

 ＜払戻金＞ 
 単勝 10 1,130円 6番人気  枠連　  5- 7 1,540円  7番人気
 複勝 10   280円 4番人気  馬連　 06-10 5,180円 24番人気
 　　 06   320円 5番人気  ワイド 06-10 1,750円 27番人気
 　　 04   170円 2番人気  　　　 04-10   750円  6番人気
 　　         　  　　　  　　　 04-06 1,030円 11番人気

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