皐月賞
2002/4/14 中山競馬場 G1 芝2000m

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レース展望

レース概要
[2回中山8日 G1 芝2000m 牡・牝・指 定量]
今年で62回を迎える伝統ある3歳クラシック。牡馬と牝馬の混合戦だが 牝馬の参戦はほとんどない。俗に皐月賞は「早い馬が勝つ」と言わ れるが、最近はダービー、菊花賞との関連性も強くなってきており、 スピードだけでは通用しない。昨年はアグネスタキオンが無敗で皐月賞を 制したが、その後骨折して引退となってしまったのは残念。


過去のレース結果 




2001年プレイバック
2001/04/15(日)18頭 晴・良
1着 アグネスタキオン (河内)
2着 ダンツフレーム  (藤田)
3着 ジャングルポケット(角田)
4着 シンコウカリド  (田中勝)
5着 ダービーレグノ  (幸)
TIME 2.00.3
単勝7 130円 枠連4−7 610円 馬連7−14 780円
デビュー以来3戦3勝のアグネスタキオンが単勝1.3倍の圧倒的 人気に指示された。そのタキオンはゲート入りを嫌がりファン は肝を冷やしたが、いざゲートが開くと積極的に前に 行き、直線で楽に後続を突き放して優勝し無敗の皐月賞 馬が誕生した。馬体を見ても一頭だけ次元の違う雰囲気 を漂わせていたが、レースでも能力の違いを見せつける結果 となった。2着はメンバー最速の35.2秒で差してきたダンツフレーム 。1度はジャングルポケットにかわされかけたが、しぶとく差し 返した。2番人気のジャングルポケットは、スタートで躓いたことで 後方からの競馬を強いられ、大外を豪快に捲くって伸びた が、最後は脚が上がって3着に敗れた。
過去の予想結果
2000/04/16 皐月賞
2001/04/15 皐月賞
GTレースのポイント
皐月賞のポイント
  (馬込みを気にしない差し馬が有利、実力と余力のバランスをチェック)



過去10年データ分析

1〜4番人気を中心に本命中穴狙い
1番人気の成績は[3・2・1・4]で連対5割。97年に11,10番人気が 連対して大波乱になったが、その年以外は上位人気馬で占め られている。計15連対の1〜4番人気を中心に本命・中穴狙い に妙味がある。
弥生賞馬不振。仕上がり具合に注意
弥生賞馬の成績は[1・0・3・3]と大不振。逆に2,3着馬が各3連対 で2,3着馬の方が信頼できる。弥生賞組の取捨のポイントは、弥生 賞で余力を残せたかとダービーを意識した緩い仕上げでないか の2つ。
2勝以上と2000M連対が条件
連対全馬が2勝以上で1勝馬は消し。距離経験も重要で16頭が 2000M戦で連対しており、残る4頭は全て重賞勝ちがあり、うち 2頭は朝日杯の勝ち馬だった。人気薄でも2勝以上と2000M連対 が条件になる。
スプリングS組は余力残しが条件
スプリングS組の連対馬4頭はそれ以前に重賞勝ちがあり、既に 皐月賞に出走可能だったことがポイント。スプリングSで権利を取った 馬が連対したことはない。目一杯の競馬をせずに余力を残して 出走してきた馬が狙い。


コースの特徴
中山芝2000mは、直線の坂を2回登るタフなコースで特に逃げ馬には 苦しいコース。落ち着いた流れなら前残りもあるが、基本的には 差し馬が狙いとなる。内回りコースのため、いい脚を長く使う馬よ り一瞬の切れ味のある馬が活躍している。

皐月賞の過去10年の連対馬の脚質は、逃げ3先行6差し6追込5 で差し追い込み馬の活躍が目立つ。ただし、今年の中山の馬場 は例年とは違うので注意が必要。この時期の馬場は荒れて非常に 時計がかかるものだが、ニュージーランドTで1分32秒1が出たように かなりの高速馬場となっている。ただし、ひとつ注意しないと いけないのが、意外と力がいる状態ということ。ダービー卿CTの グラスワールドやトレジャーといったパワー型の馬が活躍しているように 単なるスピード馬では乗り切れないというのが特徴。詳細は土曜日 の競馬を見てからだが、現時点では軽いスピード馬よりパワー型で スピードのある馬が有利とみている。


一週前調教診断

ローマンエンパイア
栗CWでチトセサクセスと併せて、ラスト36.6−11.6秒の切れ味を見 せ、相手をぶっち切った。軽く仕掛けられると即座に 反応して、力強いフットワークで駆け抜けた。馬体の張りも申し 分なく、一週前としては完璧な仕上がり。
タニノギムレット
栗坂で2頭併せで一杯に追われて50.9秒の好タイムを 出し先着した。相変わらず、力強いフットワークを見せ馬 は元気一杯。前走の最終調教より少し迫力が欠ける 印象もあるがまだ一週前なら十分といえる動き。 スプリングSは厳しいレースだったが、調子落ちは感じられ ない。
チアズシュタルク
栗坂で2頭併せで馬なり調教。相変わらず前脚の捌き が豪快で馬も走る気十分。ただし、ひとつ気になるの が前から見たときの線が細くなった感じがするとこ ろ。これまでは筋肉がプリプリと盛り上がっていた馬体 がやや細く見える。いい意味で馬体が引き締まったの か、それとも毎日杯の疲れなのかは判断できないので、 最終調教での動きと馬体の張りに注目したい。
モノポライザー
栗坂でダイタクリーヴァと併せて馬なりで51.7−25.0−12.7の 好タイムを出した。バネの利いたフットワークでかつ力強い脚捌き から素質の高さを感じさせる。馬体もひと回り大きくな って、かなりパワーがついてきた印象。やや馬が走りに前向 き過ぎる感じもあるので、そのあたりを最終調教でチェック したい。
バランスオブゲーム
南Wで2頭併せで馬なり調教。柔らかい身のこなしで 馬体もフックラ見せ調子は良さそうだ。直線での手前の 替え方もスムーズで、1週前としてはまずまずの動き。
シゲルゴッドハンド
栗坂でパワフルなフットワークで最後までしっかり伸びた。馬体 に重量感が出てきて迫力を増してきて気配はまずまず。 前走のデキをがっちりキープしている。
タイガーカフェ
南Wで3頭併せで一杯に追われて、外から鋭く伸びて先着 した。ラスト36.6−12.6秒で最後までしっかりした脚取りを 見せ調子は良さそうだ。少し注文つけるとしたら、追われ てからすぐに反応できる切れが欲しいところ。
ファストタテヤマ
栗坂で一杯に追われて、ラスト12.5秒と元気一杯の動きを 見せた。ここにきて毛づやが良くなってきた印象で調子 は良さそうだ。
ヤマノブリザード
南芝で3頭併せで馬なり調教。馬体がフックラ見せ、柔らか いフットワークでデキは良さそうだ。北海道で鍛えられてきた だけに一杯に追って仕上げて欲しい気もするが、そこ は藤沢厩舎の方針、口出しするつもりはない。
サスガ
南芝で3頭併せで馬なり調教。しなやかなフットワークを見せ、 調子落ちは感じられない。この馬なりに順調。
アドマイヤドン
栗DWでラスト一杯に追われて12.3秒の伸び脚を見せた。 ラストの時計は出たがフワフワとして走りであまり良く見 えない。まだ馬体もやや細く見え、馬体の張りがイマイチ なのが少し気になるところ。1週間でどこまで朝日杯 FSのデキに近づけるか松田博厩舎の腕に期待したい。 (6日に坂路で51.2秒を出したようが動きは未確認)


レース展望
重賞4連勝中のタニノギムレットが中心。ただし、この馬で絶対と いう訳ではない。スプリングSでも道中の行きっぷりが悪か ったように同じような位置取りからの競馬では、今回は メンバーが違うだけに届かない可能性がある。そうかと言っ て早めに仕掛けたら直線の坂で失速することも考えられ る。四位騎手がどんなレースをするか読み切った上で印をつ けたい。2番手は現時点ではローマン エンパイヤ。京成杯と弥生賞で見せた末脚に切れ味は素晴らし いものがある。こちらが予想する以上に馬体が良化してき たのも評価した理由だ。3番手はチアズシュタルク。一戦一戦強く なってきた馬がクラシックで活躍するが、この馬もその典型。 例年の皐月賞なら十分本命をつけられる馬だが、今年は 上位2頭のレベルが非常に高い。前に行く脚があるので上手 く立ち回れれば後続を完封するだけの力は持っているだ けに蛯名騎手の手綱捌きに期待がかかる。あとは、3戦3勝 で未知の魅力を秘めるモノポライザー、若葉Sの内容と馬っぷり の良さが目立ったシゲルゴットハンド、今のスピード馬場を見方に つけそうな弥生賞馬バランスオブゲーム、2歳チャンピオンのアドマイヤドン に注目したい。


■ ステップレース 

日付レース1着馬2着馬
2001/09/02新潟2歳Sバランスオブゲームスターエルドラード
2001/09/02小倉2歳Sタムロチェリーオースミエルスト
2001/09/22札幌2歳Sヤマノブリザードマイネヴィータ
2001/10/13デイリー杯2歳Sファストタテヤマホーマンウイナー
2001/11/10京王杯2歳Sシベリアンメドウアグネスソニック
2001/11/17東京スポーツ杯2歳Sアドマイヤマックスマチカネアカツキ
2001/12/09朝日杯フューチュリティSアドマイヤドンヤマノブリザード
2001/12/22ラジオたんぱ杯2歳Sメガスターダムマチカネアカツキ
2002/01/13京成杯ヤマニンセラフィム(同着)ローマンエンパイア
2002/01/14シンザン記念タニノギムレットチアズシュタルク
2002/02/03共同通信杯チアズシュタルクサンヴァレー
2002/02/10きさらぎ賞メジロマイヤーアグネスソニック
2002/02/23アーリントンCタニノギムレットホーマンウイナー
2002/03/03弥生賞バランスオブゲームローマンエンパイヤ
2002/03/17スプリングSタニノギムレットテレグノシス
2002/03/23毎日杯チアズシュタルクダイタクフラッグ

各レースのラップタイム
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00年皐月賞  12.4-11.0-12.0-12.5-12.3-12.7-12.6-12.3-12.0-12.0  
        12.4-23.4-35.4-47.9-60.2-72.9-85.5-97.8-109.8-121.8  (35.4-36.3)
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01年皐月賞  12.5-11.5-11.8-12.3-11.8-12.2-12.4-12.4-11.5-11.9  
        12.5-24.0-35.8-48.1-59.9-72.1-84.5-96.9-108.4-120.3  (35.8-35.8)
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朝日杯FS   12.1-10.9-11.4-11.8-11.5-12.1-12.1-11.9            
        12.1-23.0-34.4-46.2-57.7-69.8-81.9-93.8              (34.4-36.1)
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たんぱ賞2歳S 12.8-11.4-13.2-13.0-13.0-12.7-12.2-11.7-11.6-11.8  
        12.8-24.2-37.4-50.4-63.4-76.1-88.3-100.0-111.6-123.4 (37.4-35.1)
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京成杯     12.7-12.1-11.8-12.0-12.0-12.2-12.3-12.3-11.3-11.7  
        12.7-24.8-36.6-48.6-60.6-72.8-85.1-97.4-108.7-120.4  (36.6-35.3)
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シンザン記念  12.3-11.1-12.1-12.4-12.0-11.6-11.4-11.9            
        12.3-23.4-35.5-47.9-59.9-71.5-82.9-94.8              (35.5-34.9)
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共同通信杯   12.9-11.6-12.3-12.3-12.3-12.5-12.2-12.0-12.3
        12.9-24.5-36.8-49.1-61.4-73.9-86.1-98.1-110.4        (36.8-36.5)
---------------------------------------------------------------------------------
きさらぎ賞   12.9-11.6-12.3-12.3-12.3-12.5-12.2-12.0-12.3       
        12.5-23.5-35.0-47.4-59.8-72.0-83.9-95.8-107.6        (35.0-35.6)
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アーリントンC 12.5-10.8-11.4-12.0-12.2-12.3-11.2-11.5            
        12.5-23.3-34.7-46.7-58.9-71.2-82.4-93.9              (34.7-35.0)
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弥生賞     12.7-11.8-12.4-13.3-13.0-12.3-11.9-11.5-11.4-11.7  
        12.7-24.5-36.9-50.2-63.2-75.5-87.4-98.9-110.3-122.0  (36.9-34.6)
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スプリングS  12.2-11.1-11.4-12.0-12.2-12.5-12.1-11.8-11.6       
        12.2-23.3-34.7-46.7-58.9-71.4-83.5-95.3-106.9        (34.7-35.5)
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若葉S     12.9-11.1-12.4-12.5-12.2-12.9-12.5-11.6-11.2-12.2  
        12.9-24.0-36.4-48.9-61.1-74.0-86.5-98.1-109.3-121.5  (36.4-35.0)
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毎日杯     12.6-11.3-12.9-12.5-12.4-12.3-11.9-11.7-12.2-12.4  
        12.6-23.9-36.8-49.3-61.7-74.0-85.9-97.6-109.8-122.2  (36.8-36.3)
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有力馬診断


タニノギムレット 【10】
シンザン記念、アーリントンC、スプリングSと重賞3連勝。特に アーリントンCで一瞬のうちに後続を突き放した末脚は、昨年の共 同通信杯のジャンングルポケット以上のインパクトで、今年のダー ビー馬はこの馬だろうと思わせた。続くスプリングSでも直線の坂 で物凄い伸び脚で先に抜け出したテレグノシスを差し切った。阪神 と中山の坂であれほどの伸び脚を見せる馬は未だ見たことがない。 3歳時のエアシャカールの末脚も相当なものだったが、それを一枚、 いや2枚は超えている。前脚を豪快に掻き込む走法なので脚元が心配 なところもあるが、とにかく無事に行って欲しい馬だ。これだけの 名馬を目にすることは滅多に ないし、今後どこまで強くなるのか夢を持たせてくれる馬。タニノ ギムレットの走りをしっかりと目に焼き付けようではないか。これ だけの馬、まともに走ればまず負けることはないだろう。しかし、 18頭の多頭数でごちゃつきやすい中山コースだけに絶対ではない。 スプリングSのようにゴチャついて大外から追い込んではいくらこ の馬の末脚が脅威的といっても届かないだろう。それくらい今の中山 は前に行った馬の上がりも早い。四位騎手がスプリングSでこの馬に 騎乗してどれくらいのパフォーマンスかを把握できているだけに自信 を持って騎乗してくれるだろう。期待したい。

ローマンエンパイア 【9】
京成杯は1着同着、弥生賞は2着だったが、ロスのある大外から 追い込んでのものだけに着差以上に強い内容といっていいだろう。 特に弥生賞で見せた33.7秒の上がりは大外を回ってのものだけ に究極の末脚といえるものだ。京成杯のときにはこの馬体では クラシックはどうかと思わせたが、その後の成長はこち らの予想を遥かに超えていた。これならクラシックでいけると確信 して弥生賞では超自信の本命でその期待に応える末脚。例年の皐月 賞なら本命をつけられる馬だが、今年は一頭怪物がいる。その怪物 を強引に負かしに行く競馬をすると最後失速する可能性がある。そ れでも現時点での仕上がり具合はこの馬が1番。既に古馬のような 雰囲気で気負うところがないのはG1では大きな武器だ。武幸四郎 騎手には自分の騎乗センスに自信を持って乗ってもらいたい。
チアズシュタルク 【9】
シンザン記念2着の後、共同通信杯と毎日杯で重賞連覇し予定通り クラシックに駒を進めてきた。一戦一戦力をつけて行く馬がクラシ ックで活躍するがこの馬はその典型。追われてからの反応の良さと 騎手の指示通り動ける競馬センスは大きな強味だろう。毎日杯を見 てもスパッと切れる脚はないが追ってバテないというのがこの馬の いいところ。どちらかというと東京コースのダービーの方が向くよ うに思えるが、決してここで好勝負できない訳ではない。上位2頭 の末脚が切れるだけにとにかく道中上手く立ち回って直線で凌ぎ切 れるかどうかという競馬になる。2頭の仕掛けが遅れたり、ごちゃ ついたりすれば競馬センスのいいこの馬が最初にゴールに飛び込む ことは十分考えられる。
モノポライザー 【8】
3戦3勝で迎えた弥生賞は熱発で回避。賞金面で出走できるかもあ ったが無事に出走してきた。1月以来となるのはマイナスだが、そ のマイナスを埋めるのに十分なほど馬体が成長してきている。やや 華奢な感じの馬体に実が入ってフックラとしてきたのを見ると休ん だことが逆にプラスに転換できたのではないか。柔らかい筋肉、首 を低くした状態での前脚の鋭い脚捌き、騎手の指示通りに動ける賢さ、顔つ きとどれを取っても走る馬に共通するものだ。ただし、まだ良化す る余地を多分に残している状態なので、強力な上位3頭を今回負か すのはどうだろう。エアグルーヴも古馬になってから馬体が一気に 良化したようにモノポライザーもこれから大変身が見込めそうだ。 将来的にタニノギムレットを負かすとすれば、おそらくこの馬だろ う。パンパンの良馬場での切れ味勝負で逆転する可能性を秘めてい る。
ヤマノブリザード 【7】
朝日杯FSで2着した末脚は混戦になったときに強味になるが、こ の馬の持ち味である地方の雑草魂みたいなものが藤沢厩舎に入った 後に薄れてきているのが少し気になるところ。弥生賞は直線でよれ て5着に敗れただけに今回は外をスムーズに進めて競い合いにした いところだろう。弥生賞のときより馬体の縦の幅が増してきており、 状態面はアップしているだけに一発の魅力は残している。
バランスオブゲーム 【7】
弥生賞は超スローペースで逃げ切り勝ちしたが、ラスト34.6秒 の末脚で後続を突き放したところは見どころがあったし評価できる 内容。本質的に逃げ馬でないので今回は好位からの競馬になるが、 スピードの持続性があるので今の中山の高速馬場を見方につければ 一発があるかもしれない。ただし、今回は弥生賞のような楽な競馬 ではないし、先行馬が多く揃っているので道中でのストレスも全く 違うだけにそのあたりに不安が残る。
アドマイヤドン 【7】
若葉S前に他馬に蹴られたことで調教内容も悪く、かなり調子を崩 したが、ここにきてだいぶ持ち直してきた。若葉Sではややイレ込 み加減で発汗していたし、状態が悪かっただけに3着に負けたとい ってもそれほど評価を下げる必要はないだろう。やや馬体や脚捌き が堅い感じがするので、そのあたりが改善されれば上位争いできる はずだ。中間の調教状態を見る限りは、そこまで良化しているよう には見えないので今回は少し割り引いた方が賢明だろう。
タイガーカフェ 【6】
弥生賞で3着した後もすこぶる順調でかなり厳しい調教で鍛えられ ている。馬体のバランスがいい馬で筋肉も柔らかさがあって走る馬 のものだが、上位陣と比べるとやや迫力に欠ける印象は否めない。 これから一気に良くなりそうな気配はあるが、今回はどこまでやれ るか。


調教診断

ローマンエンパイア 【9/】
栗CWでチトセサクセスと併せて、一杯に追われる相手を尻目に 馬なりで先着した。馬体の張り、脚捌き、雰囲気とも文句無しで 好調をキープしている。弥生賞の後にやや疲れが出たようで早い 時計が不足している感じもあるが、最終調教を見る限り、その心 配はいらなそうだ。既に古馬のような雰囲気で馬も自信を持って 走っているところがいい。貫禄もついてきた。
タニノギムレット 【9/】
栗坂で馬なりで53,2−26.2−12.8秒と軽めの調教だ ったが、豪快なフットワークは健在でバネの利いた走りを披露し た。一週前に一杯に追われて50秒台を出しているので、この調 教で問題ないだろう。前走より馬体が引き締まり、前走よりも若 干調子を上げてきている。
チアズシュタルク 【9/】
栗坂で2頭併せでラスト一杯に追われると豪快な脚捌きで併走相 手に先着した。追われてからの反応が特質ものでどこで一杯に走 ればいいのかを馬が完全に把握できている。毎日杯の疲れを心配 したが、この動きと馬体の張りなら何も問題ないだろう。堂々と クラシックを迎えられる仕上がり。
モノポライザー 【8↑】
栗坂で2頭併せで馬なりのまま51.5−24.9−12.6秒 の好タイムで併走相手を突き放した。武豊騎手の手綱はピクリと も動かなかったが馬自ら伸びたところを評価したい。一週前は馬 が気負っていたが、完全に折り合っていたのは正直驚いた。この 折り合いは武豊騎手が騎乗したからなのか、馬に落ち着きが出た からなのかは分からないが、それにしても文句のつけようがない 調教。ここにきて急上昇している。
ホーマンウイナー 【8/】
栗CWで一杯に追われて、伸びやかなフットワークでラスト11. 9秒の切れ味を見せた。前脚の捌きが力強さが出来てきたのが好 印象。馬体の張りも良く、一戦一戦着実に良化してきている。こ の馬としてはこれまで一番の仕上がり。
タイガーカフェ 【7/】
南Wで2頭併せで一杯に追われると鋭く反応して併走馬を突き放し た。脚捌きに切れがあるのと前脚がまっすぐに伸びたところを を評価したい。前走よりかなり良化している。
メガスターダム 【7/】
栗CWで単走で一杯に追われて、ラスト12.0秒の切れ味を見せ た。重心の低い走りは好調時のもの。前走より良化している。
バランスオブゲーム 【7→】
南Wで2頭併せの内側を馬なりで併入した。脚捌きもスムーズで 何より落ち着いているのがいい。弥生賞同様、好調キープ。
アドマイヤドン 【6/】
栗DWで2頭併せで一杯に追われたがラストややもたついて併走 馬に半馬身遅れた。だいぶ動きは良くなってきたが、まだフット ワークが小さいのが気になるところ。
ヤマノブリザード 【6/】
南芝で馬なりでコイントスと併せて軽めの調教。馬体の張り、脚捌 きもスムーズで馬体をフックラ見せて状態は上向き。ただし、G1 で強力メンバーを前にこの軽い調教は藤沢厩舎といってもやや疑問 が残るところ。
メジロマイヤー 【6/】
栗CWでバンブーユベントスと併せて楽々と先着した。あまり調教 駆けするタイプでないが、この馬独特の前脚の捌きは健在で動きは 良かった。この馬なりに順調。
シゲルゴッドハンド 【6→】
栗坂で一杯に追われて50.6秒の好タイムを出したがラスト14. 0秒かかり一杯になった。若葉Sでは迫力を感じさせた馬体がやや 迫力がなくなっている印象を受けた。良くて平行線か。

相馬眼予想

 桜花賞とは違って前に行きたい馬が内枠に揃った。前に行く各馬は 逃げにこだわってはいないが、逃げるのは中舘騎手を起用したメジロ マイヤーか。1,2番人気のタニノギムレットとローマンエンパイヤ が差し馬のため、前に行く各騎手はスローに落として前残りにしたい ところだが、今回はそうはならない。各陣営のタニノとローマンの評 価はかなり高いので、2頭を気にするというよりも自分の競馬に徹し てどこまでやれるかという意識の方が強い。とにかくスムーズに進め てどこまで粘れるかという競馬に徹することになるはずだ。

 こんな意識のジョッキーが多いと逃げ馬に競いかけなくてもペース は上がる。前に行った馬はペースが早くても各馬接近しているので馬 に与えるストレスが大きいので、最後の直線で抜け出して粘り込むの は至難の業だろう。当初は前残りの馬が穴をあけると考えていたがそ れは否定したい。おそらく前で進めた馬で抜け出すのは弥生賞を勝っ たバランスオブゲーム。スピードの持続力と今の中山の高速馬場はこ の馬に合っている。オッズ的に押えてもいいが、ここでは無印にする。

 狙いは差し馬。タニノギムレットとローマンエンパイアは前走で位 置取りが後ろ過ぎたことから、今回の陣営の作戦は2頭ともにに中団 からの競馬だろう。不利のない外目を進出して直線で突き放す作戦だ。 タニノの四位騎手とローマンの武幸四郎騎手は自分の馬に絶対の自信 を持って臨んできているので仕掛けが遅れるということはまずない。 どちらかが動けばもう一方も動くし、前に行った方が動かなくても自 ら動いて勝ちに行く競馬に徹するはずだ。

 ここでのポイントはタニノ、ローマンともにやや強引なレースをす るということ。2頭の末脚は抜けているが、強引なレースをすること で最後の詰めがいつもより甘くなる。そこにわずかだが逆転の目があ る。タニノとローマンより前に位置して長くいい脚を使えるタイプと 最後に一瞬の切れ味が使えるタイプにチャンスがある。前者に該当す るのはチアズシュタルクのみ。後者はモノポライザーとヤマノブリザ ードの2頭が該当する。

 さあ最終決断。本命は、タニノギムレット。ローマンの息の長い末 脚は怖いが、おそらくあまり行き脚のないローマンよりタニノの方が 前に位置できるし、エンジンのかかりが遅いローマンを後ろに置いて 自分からスパートできるアドバンテージは大きいはずだ。タニノの反 応の良さは特質ものでアーリントンCでもラスト2Fで11.2秒の ラップを出しているようにここでローマンとの差を広げてしまえば差 し切られることはないだろう。勝ってダービーに行くのはこの馬だ。

 対抗は、ローマンエンパイア。タニノギムレットを前に見て進めら れるので武幸四郎騎手も仕掛けどころが分かって競馬は楽だろう。 2歳のさざんか賞で出遅れて大外を捲くったにも関わらず、1分21 秒2で2着を5馬身突き放したレース内容は圧巻。時計を比較すると その時点で古馬のレベルに達しているのだから脅威的だ。現時点の仕 上がり具合はメンバー中1番なのは間違いないだろう。人気でも外せ ない存在だ。

2001年12月16日 阪神競馬場
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■さざんか賞     12.4-10.5-11.0-11.8-12.2-11.4-11.9
 ローマンエンパイア 12.4-22.9-33.9-45.7-57.9-69.3-81.2      (33.9-35.5)
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■阪神牝馬S     12.8-10.7-11.0-11.5-11.6-11.8-11.7-12.4
 エアトゥーレ    12.8-23.5-34.5-46.0-57.6-69.4-81.1-93.5 (34.5-35.9)
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■1000万下    13.0-11.5-11.7-11.5-11.7-11.8-11.5-11.7
 ミレニアムバイオ  13.0-24.5-36.2-47.7-59.4-71.2-82.7-94.4 (36.2-35.0)
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 *タイムはレースのラップ

 準対抗は、チアズシュタルク。同厩のサクセスビューティが桜花賞 で同じ18番枠を引いて大敗したが、中山2000mは大外枠がそれ ほど不利にはならない。それに逃げ先行馬が内枠に揃ったので、好ス タートを切れれば好位に取りつくことも可能だろう。18番枠をマイ ナスにはしない。今回は毎日杯よりも仕上げてきているし、騎手も目 一杯追うので本来の鋭い脚が見られるだろう。中山を知り尽くした蛯 名騎手の手綱捌きに期待したい。

 押えは、モノポライザーとヤマノブリザードの2頭。モノポライザ ーは、仕上がりがいいがまだこれから成長して良くなる余地を多分に 残している。一瞬の脚ならメンバー中1番のものはあるが、厳しい流 れでそれを発揮できるかどうかはやや疑問のため今回は評価を下げた。 ヤマノブリザードは、1番人気の弥生賞で5着に敗れたことで人気を 下げているが、朝日杯FSで2着した実績の方を評価したい。弥生賞 をひと叩きして臨むローテーションは理想的だし、鞍上の岡部騎手も 間違いなくプラス。軽めの調教はやや気にならなくもないが、馬体の 仕上がりは問題ないので押えておきたい。

     ◎タニノギムレット
     ○ローマンエンパイア
     ▲チアズシュタルク
     △モノポライザー
     注ヤマノブリザード


レース結果

 2002年2回中山8日( 4月 14日) 11R  
 第62回 皐月賞(GI) 
 サラ系3歳 2000m 芝・右  
 牡・牝(指) オープン 定量 
 本賞金: 9700、 3900、 2400、 1500、 970万円 発走 15:40 
 天候:晴  芝:良  
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 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1   1  2    ノーリーズン    牡 3 57.0kg  ドイル  1:58.5        474Kg  +4 池江泰郎 15
  2   5  9 (市)タイガーカフェ   牡 3 57.0kg  デムーロ 1:58.8 1 3/4馬身  482Kg   0 小島太   8
  3 ◎ 6 11    タニノギムレット  牡 3 57.0kg  四位洋文 1:58.8 ハナ     484Kg  +2 松田国英  1
  4   4  7 (父)ダイタクフラッグ  牡 3 57.0kg  江田照男 1:58.8 アタマ    496Kg  +2 鹿戸明  13
  5   2  4 (父)メガスターダム   牡 3 57.0kg  松永幹夫 1:59.0 1 1/2馬身  494Kg   0 山本正司 16
  6   2  3    サスガ       牡 3 57.0kg  安藤勝己 1:59.1 1/2馬身  512Kg  -4 藤沢和雄 10
  7   4  8    アドマイヤドン   牡 3 57.0kg  藤田伸二 1:59.3 1馬身    450Kg -12 松田博資  4
  8   1  1 (父)バランスオブゲーム 牡 3 57.0kg  田中勝春 1:59.3 ハナ     460Kg  -4 宗像義忠  7
  9   7 14 (父)ホーマンウイナー  牡 3 57.0kg  幸英明  1:59.5 1 1/4馬身  426Kg  -2 安田隆行 17
 10 注 7 15 (地)ヤマノブリザード  牡 3 57.0kg  岡部幸雄 1:59.5 クビ     500Kg   0 藤沢和雄  6
 11   7 13 (父)ゼンノカルナック  牡 3 57.0kg  福永祐一 1:59.7 1 1/2馬身  436Kg -10 北橋修二 14
 12 ▲ 8 18    チアズシュタルク  牡 3 57.0kg  蛯名正義 1:59.8 1/2馬身  464Kg  -2 山内研二  5
 13   3  6    シゲルゴッドハンド 牡 3 57.0kg  柴田善臣 2:00.0 1馬身    482Kg  +4 坪憲章  11
 14 ○ 5 10 (父)ローマンエンパイア 牡 3 57.0kg  武幸四郎 2:00.2 1馬身    506Kg  +4 古川平   2
 15   8 16 (父)ファストタテヤマ  牡 3 57.0kg  安田康彦 2:00.2 ハナ     456Kg  +4 安田伊佐 12
 16 △ 6 12    モノポライザー   牡 3 57.0kg  後藤浩輝 2:00.2 クビ     446Kg  +4 橋口弘次  3
 17   8 17 (市)マイネルリバティー 牡 3 57.0kg  梶晃啓  2:00.4 1馬身    498Kg  +2 稲葉隆一 18
 18   3  5 (父)メジロマイヤー   牡 3 57.0kg  中舘英二 2:01.7 8馬身    466Kg  -6 田島良保  9
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 ハロンタイム  12.0 - 10.9 - 12.1 - 12.2 - 12.0 - 11.8 - 11.7 - 11.7 - 12.2 - 11.9  
 上り  4F 47.5 - 3F 35.8 
 1コーナー  (*5,7)(1,9)(6,17)(4,14)8(2,13)18(11,12)(10,15)-16-3  
 2コーナー  (*5,7)(1,9)(4,6,17)(2,8,14)13,18(11,12)15,10,16,3  
 3コーナー  (*5,7)(1,9)(4,6,17)14(2,8)18,12(3,13)(11,15)-(10,16)  
 4コーナー  (5,*7)9(1,6)(4,2)14(3,8,18,12)17(13,11)15(10,16)  

 <払戻金> 
 単勝 02 11,590円 15番人気  
 複勝 02  1,970円 15番人気  
    09    450円  8番人気  
    11    130円  1番人気  
 枠連   1- 5  2,040円  9番人気  
 馬連  02-09 53,090円 76番人気  
 ワイド 02-09 10,450円 75番人気  
     02-11  5,050円 48番人気  
     09-11  1,180円 12番人気  




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