共同通信杯
2002/02/03 東京競馬場 G3 芝1800m

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レース展望

出走有力馬

チアズシュタルク
シンザン記念で外から34.5秒の切れ味を見せて2着。馬体がだいぶ しっかりしてきた印象で良くなっている。首が高い走法なのが少し気に なるが、それ以上に柔らかい走りの方に魅力を感じる。このように一戦 一戦力をつけていく馬がクラシックで活躍するが、まさにこの馬がそれ。 相手関係と東京コースを使っておきたいという理由で中2週でも使って きたが、馬は元気一杯なので心配いらないだろう。最低でも2着して このあとのローテーションを楽にしたいところだ。この馬を今後を決め る上で重要な一戦になる。
ココモキング
初戦はダイナマイトキッズに破れたが、その後2連勝。全てダート12 00mというのが気にならなくもないが、勝ちっぷりとタイムは凄い ものがある。500キロを超える大型馬だが、重々しさがなく、全体的 に柔らか味があり、非常に良く見せる。さらに走っているときの前駆の 捌き、首の使い方、顔つきなどからも大物感を感じさせる。初芝になる が能力的には通用するはず。馬場の荒れ具合によっては、チアズシュ タルクを脅かす存在になりそうだ。
セイコーアカデミー
東京スポーツ杯2歳Sは外から追い込んで4着とまずまずの走り。まだ 底を見せていないのでここでも期待できそうだ。久々になるので仕上が りがポイントだが、馬体はできているので心配いらなそう。切れ味勝負 になれば、この馬の良さが生かせそうだ。
ロイヤルマイル
ジュニアCは3着に敗れたが、大外から追い込んで力のあるところを 見せた。ここ2戦34秒台の脚が使えているので、このメンバーでも 末脚比べなら出番がありそうだ。器用なタイプではないので、少頭数 になる今回はいいだろう。名前はマイルだが、距離は大丈夫。
サスガ
京成杯は好位から伸び切れずに7着敗退。プラス6キロとやや重かった が、直線での手応えは良かったので、厳しい言い方だが上位2頭とは 能力の差かもしれない。今回どこまで巻き返してくるか半信半疑だが、 最近行きたがるそぶりを見せているので、距離短縮でいい方向に向くか もしれない。
アイアムツヨシ
シンザン記念で逃げて0.3秒差の4着と力のあるところを見せた。 前にいってしぶとい馬で堅実な走りが目立つ。インパクトがないので 人気にならないが、仕上がりが早いのでまだ通用する。相手なりに 走るのでワイド向きの馬。



過去のレース結果 

1着馬2着馬3着馬馬連配当
1996年 サクラスピードオー エイシンコンカード マイネルエンペラー 900円
1997年 メジロブライト セイリューオー ペイストリーシェフ 670円
1998年 エルコンドルパサー ハイパーナカヤマ ミツルリュウホウ 200円
1999年 ヤマニンアクロ キンショーテガラ ソウシュン 114,650円
2000年 イーグルカフェ ジーティーボス マルターズホーク 4,920円
2001年 ジャングルポケット プレジオ スイートゥンビター 610円


調教診断

チアズシュタルク A→
栗坂で2頭併せで一杯に追われて、ラストまでしっかり伸びた。この 一戦に賭ける陣営の意気込みが伝わってくる追い切りで、かなり目一 杯に追ってきている。中2週が続くが馬体減りも見られず、調子落ち は感じられない。前走もデキは良かったので一気の良化とはいかないが、 バネの利いたフットワークは健在。力の出せる状態と判断する。
ココモキング A→
南Wで強めに追われて、力強い脚捌きで迫力のある動きを見せた。 リズミカルな動きで引き続き好調をキープ。大型馬だが馬体のバランス が良く、調教でも素質の高さを感じさせる。パワー型だが素軽いが あるので芝で十分やれそうな気がする。
セイコーアカデミー B/
南Wで強めに追われて、軽快な脚捌きで併せた馬と併入した。追えば 一気に伸びそうな気配で動きの良さが目立った。馬体も引き締まり、 久々だが仕上がりは良さそうだ。
サスガ B→
南Wで3頭併せの真中を馬なり調教。最後まで3頭併せでまずまずの 追い切りだったが、前走から一気に良化した印象はない。だからと いってどこが悪いというわけではなお。この馬なりに順調。

相馬眼予想

 過去10年の連対馬のうち、実に7頭がのちのGTを制している共同通信杯。 昨年はここを勝ったジャングルポケットがダービーとジャパンCを制しただけ に今年も注目が集まっている。京成杯、シンザン記念と比べると小粒というの が世間の見解のようだが、果たして本当にそうなのだろうか。全体的なメンバ ーの質でいうと負けているかもしれないが、上位陣はそうではないというのが 現時点での見解。今年のクラシックのカギを握る馬が出走してきているという 意識で予想した方がいいだろう。

 まず最も気になるのが天気。朝から雪が降る可能性があり雨でもそれほど 大降りにはならなそうだが、夜まで降り続くそうなので馬場は重馬場か不良馬場だ ろう。雪が降るとダートに変更もありえるが、ここでは芝で行われることを 前提に予想することにする。雨が降れば先週の東京新聞杯のような力のいる 馬場は避けられない。アドマイヤコジーンが優勝したようにとにかくパワー型 を狙った方が良さそうだ。不良になるようだとダート実績のある馬にも注意し た方がいいだろう。

 次に各馬の調子だが、良く見えたのはチアズシュタルクとココモキングの 2頭。特にチアズシュタルクは目一杯に追って、陣営のやる気度はかなりの もの。馬もそれに応えるように力強い脚捌きで伸びていた。ココモキングも かなりの器を感じさせる馬体と走法でこの馬もほぼ万全。あとはセイコーア カデミーが久々になるが、気配の良さが目立った。サスガ、ロイヤルマイル も特に悪いといった印象はなく、順調に調教を消化している。

 次に展開だが、逃げるのはサンヴァレー。淀みのない平均ペースで行く馬 だが、さすがに馬場が悪いと若干セーブ気味だろう。平均よりやや遅い感じ になる。2番手はアイアムツヨシで3番手以降は各馬かたまっての追走にな りそうだ。サンヴァレーは切れる脚がないので、3,4コーナーから早めに 動いて後続に脚を使わせる作戦に出るだろう。

 ここでのポイントは、騎手たちは先週の東京新聞杯でのアドマイヤコジー ン前残りのイメージがあるので、早めに行って粘り込んだ方がこの馬場では いいという意識になること。サンヴァレーが動けば好位グループは早めに捕 らえにかかるはず。馬場が悪く力のいる状態で差し馬は不利だが、早めに動 いた馬は直線の坂で苦しくなるので差し馬でも中団くらいにつけられれば 届くだろう。

 馬場適性を考慮して前に行って粘り込む馬の候補は、サンヴァレー、 アイアムツヨシの2頭。ただし、サンバレーはこれまで1800mで結果を 出せていない点と目標にされ早めにこられる分辛くなるとみてここでは無印。 あとは基本的に差し馬。候補としては、セイコーアカデミー、チアズシュタルク、 ココモキング、ロイヤルマイル、ストロングブラッドの6頭。ストロング ブラッドは、まだ1戦1勝でレースぶりに見どころはあったが、ここでは 買えても抑えの評価としておく。

 さあ最終決断。本命は、チアズシュタルク。姉のチアズグレイスが不良 馬場のチューリップ賞を大敗しただけに馬場は気になるが、飛びがそれほど 大きくないし、坂路で力強い脚捌きを見せるように力のいる馬場は十分こな せるはずだ。中団よりやや前につけて直線坂で各馬がバテたところを一気に 差し切る作戦でいい。あまり勝ちを意識して早めに動かなければ、馬場が 悪くても差し脚が生かせるはずだ。

 対抗は、ココモキング。血統的には短距離向きだが、一度スピードに乗 ってしまえば簡単には落ちないタイプの馬なので短距離専門ではない。 今回は初芝で時計勝負になると辛いが、幸い雨で馬場が悪化するので狙い 目は十分。直線で外からジワジワと伸びて2着を確保するはずだ。

 準対抗は、セイコーアカデミー。本来は良馬場での切れ味勝負の方がい いが、力のいる馬場もこなせそうなので取り上げたい。あとは馬場次第の ところはあるが、サスガアイアムツヨシロイヤルマイルの順。

     ◎チアズシュタルク
     ○ココモキング
     ▲セイコーアカデミー
     △サスガ
     注アイアムツヨシ
     注ロイヤルマイル


レース結果

 2002年2回東京4日( 2月 3日) 11R  
 第36回 共同通信杯(GIII) 
 サラ系3歳 1800m 芝・左  
 (混)(特指) オープン 別定 
 本賞金: 4200、 1700、 1100、 630、 420万円 発走 15:35 
 天候:雨  芝:稍重  
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 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 ◎ 3  4    チアズシュタルク  牡 3 55.0kg  藤田伸二 1:50.4        464Kg  -2 山内研二  1
  2   1  1 (父)サンヴァレー    牡 3 56.0kg  田中剛  1:50.4 クビ     460Kg  +2 岩元市三  7
  3 ▲ 3  3    セイコーアカデミー 牡 3 55.0kg  石崎隆之 1:50.6 1 1/4馬身  444Kg  +2 鈴木康弘  6
  4 △ 7 12    サスガ       牡 3 55.0kg  横山典弘 1:51.0 2 1/2馬身  516Kg   0 藤沢和雄  2
  5   8 14 (市)リバートレジャー  牡 3 55.0kg  須貝尚介 1:51.0 ハナ     460Kg   0 須貝彦三 11
  6 ○ 5  7 (外)ココモキング    牡 3 55.0kg  柴田善臣 1:51.0 アタマ    534Kg   0 二ノ宮敬  3
  7   6 10    チョウカイフライト 牡 3 55.0kg  田中勝春 1:51.1 1/2馬身  464Kg  -8 中野隆良 10
  8   4  6    サントニービン   牡 3 55.0kg  佐伯清久 1:51.2 クビ     460Kg  -2 高橋成忠  9
  9   8 13 (父)ストロングブラッド 牡 3 55.0kg  北村宏司 1:51.4 1馬身    470Kg  +6 増沢末夫  8
 10 注 4  5 (父)アイアムツヨシ   牡 3 55.0kg  江田照男 1:51.4 アタマ    480Kg  -4 杉浦宏昭  4
 11   2  2 (父)ワイルドユース   牡 3 55.0kg  菊沢隆徳 1:51.6 1 1/2馬身  490Kg   0 尾形充弘 12
 12   6  9    ライブインザムーン 牡 3 55.0kg  村田一誠 1:51.8 1 1/4馬身  452Kg  -2 小島太  13
 13 注 7 11    ロイヤルマイル   牡 3 55.0kg  後藤浩輝 1:52.0 1 1/4馬身  498Kg  -4 松山康久  5
 14   5  8 (父)ナリタキセキボーイ 牡 3 55.0kg  小野次郎 1:52.3 1 3/4馬身  490Kg  -8 萱野浩二 14
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 ハロンタイム  12.9 - 11.6 - 12.3 - 12.3 - 12.3 - 12.5 - 12.2 - 12.0 - 12.3  
 上り  4F 49.0 - 3F 36.5 
 2コーナー  1-7(5,9)(4,8)2(3,6,13)11,10,14-12  
 3コーナー  1=7(5,9)8(4,6,13)(3,11)14(2,10)-12  
 4コーナー  1=7,9(5,8,13)(4,11)(6,14)3,10(2,12)  

 <払戻金> 
 単勝 04 220円 1番人気  枠連   1- 3 1,300円  6番人気
 複勝 04 120円 1番人気  馬連  01-04 1,580円  6番人気
    01 300円 7番人気  ワイド 01-04   720円  6番人気
    03 220円 4番人気      03-04   500円  4番人気
                      01-03 1,670円 24番人気

レース回顧

このサイトのイチ押し3歳馬「チアズシュタルク」が見事に初重賞制覇。 直線で苦しいところはあったが、悪い馬場をものともせずに 伸び切れたのは底力以外何ものでもない。やはり相当な能力を 持っていると確信できた。皐月賞前に一戦使うという話もある ようだが、そのあたりは馬の状態と相談だろう。昨年ジャングル ポケットがそうだったように皐月賞に直行でもいい気がする。 いずれにしても、今後も追いかけていきたい。

予想では、前に行った馬ではサンヴァレーとアイアムツヨシを取り上げた が、残したアイアムツヨシが10着で無印にしたサンヴァレーが2着では 当たらない。サンヴァレーが目標にされて直線入り口で早めに後続 にこられるのをイメージしていたが、あそこまで離して逃げると 予想できなかったのが敗因。サンヴァレーは勝っても人気にならな いタイプなので、今後もどこかで穴をあけそうな気がする。大敗 と好走のギャップが激しいが、しっかりマークしておいた方がいい だろう。

チアズシュタルク
中団を進み、直線で馬群を捌くのに苦労したが、外に出してから の伸び脚は素晴らしく、ゴール寸前で逃げたサンヴァレーをきっちり 捕えて優勝した。直線坂下ではサンヴァレーの逃げ切りかと思った が、加速がついてからの末脚は力強さと切れを感じさせるもの でやはりタダ者ではない。パワーがあるので荒れ馬場はそれほど 苦にしないが、本質的には良馬場の方がいいだろう。一戦ごとに 馬体もしっかりしてきて、今回はだいぶ研ぎ澄まされた感じで やっと能力に仕上げがついてきた印象。姉チアズグレイスとは違った タイプで、馬体は小さいがその分切れ味を備えている印象。何度も 言うが、一戦一戦強くなっていくタイプがクラシックで活躍する。まさ にチアズシュタルクはその状態でこのまま無事にクラシックに出走できれ ば、間違いなく好勝負できるだろう。中2週続きだったが、今回 勝てたことでゆったりとしたローテーションを組めるのも有利に働く はずだ。これだけいい走りができるが、まだ成長する余地を多分 に残しているので、これからどんどん強くなるだろう。首を下げ 気味に重心の低い走りになったときがこの馬が更に真価を発揮 するときということを付け加えておく。
サンヴァレー
12秒台前半の一貫としたペースで逃げて最後まで粘って2着。逃げ の渋とさは3歳屈指の存在か。平均的なラップを刻んで最後まで 落ちないところはこの馬の底力が確かだからなのだろう。パドック では、目立つタイプではないので見落としがちだが、バランスのいい 馬体と気合がじんわり乗って気配は良かった。肩から腰にかけて の線もきれいで、このあたりは父ウイニングチケットから受継いだと感じ させる。現時点での仕上がり具合が高いので、単騎で逃げる展開 なら次走も注意した方がいいだろう。今回ラップが最後まで 落ちなかったことに注目すると2000mもこなせそうだ。
セイコーアカデミー
中団を進み、直線最内を突いて差してきたが、前を捕えるところ まで行かずに3着まで。直線で一瞬いい脚を見せたが、最後一杯 になったのは馬場のせいだろう。久々だったが、パドックではキビ キビとして歩様で調子の良さが目についた。この状態を保って いれば、条件戦なら楽勝できるだろう。
サスガ
最後方から直線追い込んだが、トップとは0.6秒差の4着敗退。 京成杯で前に行って止まっただけに後方一気の競馬をしたが、 この馬場ではやはり苦しい。それでも追い込む競馬の方がこの 馬には向くことが分かったのは収穫だろう。パドックでは、やや 迫力に欠ける感じで馬体がこじんまりと見えたのが気になった。 京成杯のときは気合乗り、馬体の張りが素晴らしかっただけに 少し気になる材料。次走は馬体減など注意した方がいいだろう。
ココモキング
掛かり気味に2番手を進み、直線でサンヴァレーを捕らえにかかった が、切れる脚がなく6着敗退。道中掛かったように馬が息を入れ ずにまじめに走り過ぎてしまったのが敗因。1200m戦のみしか 経験がないことがモロに出てしまった感じ。雄大な馬体は目立つ が切れ味がない印象で少し評価を下げたい。平均的な流れで 前に行って雪崩れ込む競馬が現時点ではあっていそうだ。

次走の狙い馬 セイコーアカデミー
今回も切れ味を見せたが最後前と脚色が一緒になったのは 稍重の馬場のせいだろう。パドックでも調子の良さが伺えた が、このひと叩きで更に良化してきそうだ。まだ1勝馬なので 次走は確勝を期して条件戦に出走か。人気になりそうだが、 積極的に狙ってみたい。




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