フェブラリーS
2002/02/17 東京競馬場 G1 ダ1600m

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レース展望

出走有力馬 (GMの気になる馬をピックアップ)

トーシンブリザード
骨折明けの東京大賞典は3着に敗れたが、先行馬総崩れの展開で粘れたの は能力の証。骨折明け、プラス20キロの馬体重、初の古馬相手と 条件はかなり悪かったが、トップと0.5秒差なら評価すべきだろう。 デビューから無傷の8連勝でクラシックを制した怪物が今度は本当の 走りを見せてくれることを期待したい。ただし、まだ馬体は太く映る ので、どこまで絞り込んで来れるかがひとつのキーポイントになる。今 の東京は乾燥して時計が掛かっている。雨が降っても走れないことは ないが、パワーを生かせる力のいる馬場が理想だろう。3歳春には、 アグネスタキオンとジャングルポケットに割って入るならこの馬と 評価してきた馬。状態さえ万全なら、たとえ世界のアグネスデジタルが 相手でも好勝負ができるはずだ。
トゥザヴィクトリー
有馬記念で逃げて3着と能力の高さを改めて証明。昨年のフェブラリ ーSはゴール寸前まで粘り、結局2頭に差されて3着だったが、 更にパワーアップした今なら上位争い必死だろう。一週前 調教で抜群の動きを見せたようにいい状態で出走できそうだ。エリザ ベス女王杯で差す競馬ができたように今回逃げるのか、先行するのか、 それとも差す競馬をするのか分からない。内枠なら思い切って行く ことになるだろうが、外枠なら控える手もある。とにかく展開の キーを握っているのは、この馬に騎乗する武豊騎手であることは 間違いない。全てのファクターを考慮して、天才の作戦を見破りたい。
アグネスデジタル
南部杯、天皇賞秋、香港CとGT3連勝中で1番人気はこの馬か。 ここまで強いと死角を見つけたくなるが、ズバリ死角はある。香港 から帰国して楽をさせたのだろう、馬体には余裕があり、特に腹回 りはまだ太い。人気になるだけに陣営も必死になって調教をしてき ているがどうだろう。このあとにドバイWCがあるだ けにどこまで仕上げてくるか、当日の馬体重には注目したい。あと は時計の掛かっている東京ダート。どちらかというと軽いダートの 方が合うので、このまま雨が降らなければ少し割引が必要か。これ までのレースぶりからあっさり勝たれても仕方がないが、死角があ る以上、それをクリアできないのなら軽視していきたい。
トーホウエンペラー
東京大賞典を制しNAR年度代表馬に選出された。トーシンブリザ ードもそうだが、メイセイオペラ以来、久々の地方大物の参戦だけ にこの馬も十分勝負になるだろう。首を下げて伸びる姿は迫力があ り、今の充実ぶりが伺える。ただし、問題がひとつある。左回りだ。 前々走の浦和記念でもささって追いづらかったように左回りは右回 りほど安定感はない。右回り[13・2・0.1]、左回り[4・ 3・1・1]を見ても明らかだろう。このあたりをどうクリアして くるか陣営も苦心している様子で、ハミを替えてくるという話もあ る。南部杯でアグネスデジタルに3/4馬身まで迫ったところから 能力差はそれほどない。力を出せれば結果がついてくるだろう。
ウイングアロー
東京大賞典は10着に大敗したが、これまで東京コースでは[3・ 2・0・0]でフェブラリーS、ジャパンCダートでも過去2年 連対を確保している。これだけの実績馬だけに軽視できないが、 本質的には1600mの距離は短いので、ペースが早くなって 末脚勝負になることが前提になる。幸い今回はサウスヴィグラス が出走してきたことでスローにはならない。前がガリガリやり合う 展開になれば、今年も最後の大逆転がありそうだ。このレースが 引退レースでレース後に引退式が行われるが、陣営に甘い考えは ない。最後の花道を飾るべく、厳しい調教を課してきている。 今週から復帰する岡部騎手がどんな手綱捌きをみせるかも注目し たい。
ノボトゥルー
昨年は3連勝でこのレースを制したが、その後は厳しいレースが 続いている。前走の根岸Sは59キロを背負って最後に伸びて2 着したように復活気配を感じさせたが、使い込んでいるだけに 上積みはどうだろう。東京コースは[5・3・0・6]と得意に しているので無様な競馬はないだろうが、このハイレベルなメン バーではどうだろう。ただし、鞍上は何と言ってもこのレース 2連勝中のペリエ騎手。最低でも押えは必要だろう。
リージェントブラフ
帝王賞2着、東京大賞典2着の後、ついに川崎記念で念願のGT 制覇を成し遂げた。中1週になるが、すぐに時計を出しているよ うに調子落ちはなさそうだ。直線の長い東京コースは向くが、何 といっても距離1600mが問題。これまで[1・1・1・4] とひと息なのが気になる材料だ。ただし、テンが早くなって末脚 勝負になれば話は別。切れ味ではメンバー屈指の存在だけにやは り注意が必要だろう。好調吉田騎手にも期待がかかる。
イーグルカフェ
中山金杯、東京新聞杯ともう一歩というレースぶりだが、武蔵野 Sでクロフネの2着したレースを評価したいので取り上げておく。 武蔵野Sのタイムは1分34秒7でメンバ ー最速の持ちタイム。3着のシンコウスプレンダが先週すばる Sを快勝したように流れ的に狙い目がありそうだ。力のいるダー トでは辛いが、雨が降って脚抜きのいい馬場になれば、チャンス はあるだろう。57キロで出走できるのもいい。
プリエミネンス
川崎記念は前が詰まった不利もあって5着に敗れたが、距離的 には今回の方が向くだけに注意が必要だ。昨年5月のオアシスS で1分35秒1の好タイムで優勝し、そのとき負かしたのが、そ のあと安田記念で2着したブレイクタイムだけに価値がある。実は 昨年も重い印をつけて期待したが11着と惨敗。昨年よりパワー アップしているのでいい勝負ができそうだが、今年も川崎記念を 使って中1週というのがやはり気になるところだ。力のいるダー トは得意なので雨が降らない方がいいだろう。



■ ステップレース 

日付レース1着馬2着馬
2001/10/27武蔵野Sクロフネイーグルカフェ
2001/11/24ジャパンCダートクロフネウイングアロー
2002/01/06ガーネットSブロードアピールサウスヴィグラス
2002/01/20平安Sスマートボーイマイネルブライアン
2002/01/26根岸Sサウスヴィグラスノボトゥルー



GTレースのポイント
フェブラリーSのポイント
  (ダート状態見極め、東京ダ1600mのコース適性、芝実績馬のダート適性)


過去のレース結果 

1着馬2着馬3着馬馬連配当
1996年 ホクトベガ アイオーユー スギノガイセンモン 6,910円
1997年 シンコウウインディ ストーンステッパー バトルライン 1,570円
1998年 グルメフロンティア メイショウモトナリ シャドウクリーク 11,730円
1999年 メイセイオペラ エムアイブラン タイキシャーロック 3,720円
2000年 ウイングアロー ゴールドティアラ ファストフレンド 1,530円
2001年 ノボトゥルー ウイングアロー トゥザヴィクトリー 2,130円

2001年プレイバック
トゥザヴィクトリーが馬なりで直線入り口で先頭に立って武豊騎手 が仕掛けを伺い直線半ばでスパート。後続を離してトゥザヴィクト リーが粘るかと思われたが、ペリエ騎手のトボトゥルーが直線で 猛然と追い込んでゴール前で差し切った。ペリエ騎手は前年の ウイングアローに引き続きこのレースを連覇。後方から追い込んだ ウイングアローが逃げるトゥザヴクトリーを捕まえて2着に入った。 1番人気のサンフォードシチーは直線で伸び切れず4着に敗れた。



過去8年データ分析

1番人気大不振。3桁配当なく波乱傾向
別定になってからの過去8年で1番人気の成績は[0・1・1・6]で 1連対のみと信頼できない。2番人気は4連対とまずまずだが、 3桁配当は一度もなくかなり波乱傾向。
前走1800m以上を使ってきた馬に注目
G1昇格後の過去5年でみると連対馬10頭のうち8頭が前走で 1800m以上の距離を使っていた点に注目。1200mのガーネットS、 1400mの根岸Sも各1頭連対しているがともに勝ち馬だった。 ガーネットS、根岸S好走馬が人気になって敗退するケースが目立つ ので注意したい。
初ダートは消し。ダート4勝が必須条件
昨年は初ダートのトゥザヴクトリーが3着に踏ん張ったが、ダートの 実績は必要。連対馬16頭に当てはまるのが、ダート4勝以上だ ったこと。ダートである程度揉まれて実績を上げてきた馬で ないと通用しない。

調教診断

トゥザヴィクトリー A↑
栗CWで馬なりだったが、軽快な脚捌きでラスト12.3秒の切れ味を 見せた。スピード感満点の動きも素晴らしいが、何より馬自身が走る気 になっているところに驚かされた。武豊騎手の微妙な手綱捌きに反応し て自らハミを取って伸びたのだ。これまでは追っても止まるのが常だっ たが、今回は自ら加速していったところに今の充実ぶりを感じさせる。 馬体も研ぎ澄まされて、腹回りの張り、トモの張りは素晴らしい。生涯 最高のデキというのはこのことをいうのだろう。最大限の評価を与えた い。昨年最もレベルが高いダート戦で2着した実力を見せてくれるだろう。
トーホウエンペラー A→
南Dでリワードフォコンと併せて、軽く追われると真一文字に伸びて 先着した。重心の低いフットワークは健在で反応の良さが目に付いた。 馬体の張り、毛づやも良く、デキは良さそうだ。東京大賞典のときも 良かったので上積みはないが、高いレベルで好状態をキープしている。
トーシンブリザード A/
船橋ダートで6Fから一杯に追われて、75.8秒−36.0−12. 6秒の早いタイムを出した。前に行った2頭をかなり追いかけたので、 併入に持ち込めなかったが、時計的には問題ないだろう。4コーナー を曲がってくるときの姿は迫力を感じさせた。ただし、まだ絶好調ではな い。馬体はやや太目が残っているし、追われてからの反応も良かった 頃と比べると若干劣る印象。それでも、東京大賞典のときと比べれば かなり上向いているのは間違いない。このひと追いで良化しそうな 気配があるので、最後まで注意が必要だ。
ワシントンカラー A/
美坂で2頭併せで強めに追われて、力強い脚捌きで最後までしっかり 伸びた。前脚が必要以上に上がらなくなって回転の速いフットワーク になってきた。8歳馬だが、前々走より前走、前走より今回と着実に 良化している。ほぼ万全の仕上がりだ。3年前に1番人気で6着に 敗退した雪辱を果すか。
サウスヴィグラス A→
南Dで2頭併せで強めに追われて、舌を出しながらもラスト12.0秒 の伸び脚を見せ、併走馬に先着した。根岸Sのときと同様、首を使って 素早いフットワークで元気一杯の動き。引き続き、馬体の張り、毛づや も良く、好状態をキープしている。デキに関しては問題ないので、あと は距離1600mがどうかだけだ。
アグネスデジタル A→
栗CWで2頭併せで一杯に追われて、6Fから77.0−37.5 −12.9秒とこの日の1番時計を出したが併走馬には半馬身遅れた。 フットワークは力強いが追われてからの反応がイマイチで馬体も腹回 りが若干太く映った。それでも、道中はこの馬のいい時のビュンビュン といったフットワークを見せているので、このひと追いで良くなりそう な感じもある。走れないデキではないが、やや急仕上げの点も考慮して 調教での加点はしないでおく。
ウイングアロー B/
栗Eで単走で馬なりだったが、軽快な脚捌きでラスト11.4秒の切れ 味を見せた。ゴールを過ぎてから重心の低い走りで馬自身が自分の調子 を確かめるような感じでデキは良さそうだ。絶好調時と比べるとやや 迫力に欠ける感じもするが、元々調教駆けしないタイプなので、これく らいの調教でいいだろう。力出せる仕上がりと判断したい。
イーグルカフェ B/
南Wで2頭併せで馬なりだったが、縦のブレのないフォームでスムーズ な調教を消化した。馬に落ち着きが出て走ることに前向きになってきた のが好印象で前走同様より若干良化している。ガルチ産駒で早熟と思わ れがちだが、昨年秋から馬体、走法が良くなってきたように決して早熟 ではない。出遅れずに時計の速い決着という条件がつくが一発あるよう な気がする。
プリエミネンス B→
南Wで強めに追われて、スムーズなフットワークで併走馬に先着した。 中1週になるが馬体減りもなく、調子落ちは感じられない。だたし、 これだけのメンバーが揃った一戦で、中1週を考慮しなくてはいけない 調教ではどうだろう。条件が揃えば時計的にも足りる馬だが、そのあた りが強く推せない理由。
ゴールドティアラ B→
栗坂で馬なりだったが、独特の走法でラスト25.1−12.6秒と いつものようにまずまずのタイムを出した。絶好調時の勢いは感じられ ないが、この馬なりに順調に仕上がっている。

相馬眼予想

 さあ2002年初のGT・フェブラリーS。GT3連勝中のアグネス デジタルを筆頭に昨年ドバイWC2着のトゥザヴィクトリー、昨年の NAR年度代表馬トーホウエンペラー、最優秀3歳馬トーシンブリザード、 そして昨年の覇者ノボトゥルー、一昨年の覇者ウングアローと今のダート 界のフルメンバーが揃った。メンバー16頭中10頭がGT馬という豪華 さだ。ただし、本来ここにいるべきの馬がいない。そうクロフネだ。 クロフネが出走したら、間違いなく1番人気だろうし、その期待に応えら れただろう。クロフネがいなくなったダート戦線は戦国模様。さあ果たして 勝つのはどの馬なのだろうか。

 まず気になる天気だが、日曜日は夕方から雨という予報で微妙なところ だが、それほど量は降らないようなので、ここでは良馬場として予想する ことにする。東京のダートは、土曜日の競馬を見る限り、乾燥して力のい る状態なのは変わりないが、先週より若干早いタイムが出ている。砂厚 調整をしたことによるものなのかは分からないが、今年も早いタイムの決着 になりそうだ。後方から追い込むのはかなり苦しい馬場で、超ハイペ ースにならなければ追い込み馬は苦しいだろう。例年通り、パワーとスピ ードが要求されるレースになるはずだ。

 次に各馬の調子だが、さすがに目標の一戦とあって調子が悪いという 馬は見当たらない。その中でも特に良く見えたのが、トゥザヴィクトリー 。いつもは最後追っても失速する馬が、自ら加速していったのだから驚い た。馬体も研ぎ澄まされて惚れ惚れするほどの仕上がりだ。あとは、地方 馬トーホウエンペラーとトーシンブリザードも調子は良さそうだ。中でも トーシンブリザードが前走より良化し てきている。まだ少し太い感じもするが、迫力のある動きから走れるデキ と判断したい。調教診断で取り上げなかったが、ノボトゥルーも坂路で 最後までしっかり伸びていい動きを見せた。この馬もA/評価に加えたい。

 問題なのはアグネスデジタル。一杯に追われて好タイムを出したが、 追われてからの反応がイマイチで馬体にもまだ余裕がある。陣営も必死に 絞り込んでいるが、やはり急仕上げの感は否めない。能力があるのは 分かっているが、他がこのレースを目標に仕上げてきているだけに若干 割り引いて考えるのが自然だろう。人気がないところでは、ワシントン カラーとサウスヴィグラスの動きが目立っていた。

 次に展開。昨年は森厩舎のノボジャックのノボトゥルーを末脚を生か すためか、スタートしてからしごいて先頭に立ち、そのまま逃げた。こ の2頭は今年も出走しているが、ノボトゥルーが2番枠を引いたため、 ある程度前に行かないと砂を被ってスムーズな競馬ができなくなると 考えれば、後方に下げて追い込む競馬はしないだろう。今年はある程度 前につけての競馬になる。そのため、今回はノボジャックは逃げない。 大外から好位に取り付いて早めにスパートする自分の競馬に徹すること になる。

 ノボジャックが果敢に行かないのなら逃げるのはサウスヴィグラスか トゥザヴィクトリーだろう。スタートのタイミング、芝での加速、相手 の出方など色々あるのでどちらとは言い切れないが、どちらが逃げるに しても競い合いにはならないだろう。では、スローペースかというと そうはならない。今の東京は直線一気の競馬は厳しい状況。当然、騎手 たちはそれを認識しているので好位を取りたいという意識が働けばペー スは上がる。超ハイペースにはならないが、平均より早いペースになる はずだ。

 ここで武豊騎手の作戦について整理しておく。外枠なら差す競馬も考え られるが、3番枠で敢えて控えて砂を被る必要はないだろう。前に行く なら中途半端ではなく、逃げるか2番手という意識でいるはずだ。昨年 のフェブラリーSは、最後止まっただけに今年はそれを考慮してじっく り行きたいところだが、そうはしないとみている。昨年は初めてのダート戦 で全てが手探り状態で直線坂下まで待って仕掛けたが、結局は最後の 最後で止まった。今年の武豊騎手は、昨年のフェブラリーSとドバイ WCの2戦でトゥザヴィクトリーの末脚を計れているし、特徴も理解 している。

 さあ武豊騎手はどう騎乗するのだろう。トゥザヴィクトリーの馬主 はクロフネと同じ金子氏。だからというわけでもないが、クロフネと 同じような騎乗をするとみている。さすがに3コーナー手前からというわ けにはいかないが、3コーナーあたりからスパートして直線早めに 後続を引き離す作戦だ。トゥザヴィクトリーのいいところ はスピードの持続力。昨年のような競馬で叩き合いになったら、勝負 強いタイプではないし、瞬発力のある馬に勝てないだろう。それなら 早めのスパートで後続に脚を使わせて、そのままスピードで押し切って しまえばと考えるはずだ。3コーナーからのロングスパートで直線早め に後続との差を広げてそのまま粘り込むというのが今年の作戦のはずだ。

 トゥザヴィクトリーは直線坂下で後続を離しているので、これを差せ る馬がいるかを考えればいい。トゥザヴィクトリーが早めにスパートする ことで後続もこれについて行くので脚を使わされることになる。最初 からハイペースならともかく、こういう展開では今の馬場状態も考慮 して後方からの差し馬では苦しい。好位から中団につけた差し馬を 狙うのが妥当だろう。候補としては、内からノボトゥルー、トーホウ エンペラー、アグネスデジタル、トーシンブリザード、プリエミネンス の5頭になる。好位・中団の馬がもたつけば後方からの差し馬でも 届くが35秒台前半の末脚がないと苦しいだろう。東京ダート1600mの 適性を考慮して、候補としては、ウイングアローとゴールドティアラ の2頭が該当する。

 もう少し絞り込むとまずゴールドティアラだが、調教の動きに迫力が 感じられなかったこと、一昨年のフェブラリーSより今年の方がレベル が高いことからここでは無印。プリエミネンスは、このコースの適性 が高く時計的にも通用しておかしくないが、中1週の調整でそれほど 良く見えないのでこの馬も無印。ただし、オッズ的には少し押えてもいいだろう。 ウイングアローは末脚の切れは認めるが、今年は一昨年、昨年のような 差し馬有利の展開にならない。元々距離は長い方がいいタイプで早めに 前に行ったら最後止めるだけに今回も後方一気の競馬なら押えの評価が 妥当だろう。あとは昨年の覇者ノボトゥルー。昨年は2連勝した勢いが あったが、今年は根岸S2着は59キロで見どころはあったとはいえ、 勢いという点でマイナス。最終調教でいい動きを見せているが、前に行 って切れる脚を使えるタイプではない。ペリエ騎手の魅力はあるが、 この馬も押えの評価。

 4頭が残ったが更に絞り込むと、トーホウエンペラーは、左回りだと 内にささるというのがネック。毎回ささるわけではないが厳しいレースになるとそういう 面は出やすくなるだけに不安が残る。トゥザヴィクトリーが内ラチ沿いを走る ので南部杯のようにラチを頼ることはできない。あとは時計勝負にも不安 が残る。エルムSでエンゲルグレーゼに0.7秒差をつけられたように 本質的に早いタイムの決着は歓迎ではない。調子の良さで上位争いできる だろうが勝ち切るまではどうだろう。ここでは4番手評価としておく。

 次はアグネスデジタル。自在性と能力を考えるとこの馬が 最上位なのかもしれないが、調子の面でマイナス。白井調教師 の腕は素晴らしいものがあるが、最終調教であれほど強く追ってまで馬体 を絞りたかったかというと答えはノーだろう。急仕上げであれほど強く 追って絞り込むのは、正直なところいいとは思えない。今回は厳しい流れ でスピードとパワーが問われるだけに最後の踏ん張りが利くかは期待より 不安の方が大きい。ドバイWC前に応援したい気もあるが、ここでは3 番手としておく。上位2頭とは離れた3番手という位置付けだ。

 さあトゥザヴィクトリーとトーシンブリザードが残った。勝つのは どちらだろう。トーシンブリザードは東京大賞典で3着に敗れたが、 その時の負け方がバブルガムガムフェローが毎日王冠で3着に負けたと きのイメージとダブるものがある。バブルガムフェローはその後天皇賞秋 を制した。私的なイメージで申し訳ないが、トーシンブリザードの負け方 がいい意味で引っ掛かってくる。またトーシンブリザードは羽田盃 (大井、ダ1600m)で従来のレコードを2秒8更新するレコードを 出している。心肺面の強さがそこからも伺えるし、トゥザヴィクトリー を苦しめるのはこの馬だろう。ただし、最終調教を見る限り、まだ若干 馬体に余裕があるし、動きも絶好調までいっていない。パドックで最終 チェックしたいが、現時点ではトゥザヴィクトリーは交わせないと判断 する。

 フェブラリーSの結論は、トゥザヴィクトリーが勝つということにな った。初ダートの昨年でさえ0.2秒差の3着で、精神的、肉体的にも 成長した今ならこの強豪メンバーを打ち破ることは可能だろう。ドバイ WCを控えているが、この馬の調整過程を見ているとあくまでこの一戦 に全力投球。最終調教で自ら加速していったところを見逃してはいけな い。小さいところだが、こういうところが予想でポイントになることが 結構あるものだ。ホクトベガが成しえなかったドバイWC制覇の夢実現 に向け新・砂の女王が誕生する。

     ◎トゥザヴィクトリー
     ○トーシンブリザード
     △アグネスデジタル
     △トーホウエンペラー
     注ノボトゥルー
     注ウイングアロー


レース結果

 2002年2回東京8日( 2月 17日) 11R  
 第19回 フェブラリーステークス(GI) 
 サラ系4歳以上 1600m ダート・左  
 (混)(指) オープン 定量 
 本賞金: 9400、 3800、 2400、 1400、 940万円 発走 15:40 
 天候:曇  ダート:良  
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
  1 △ 5  9 (外)アグネスデジタル  牡 5 57.0kg  四位洋文 1:35.1        452Kg  -1 白井寿昭  1
  2 ○ 6 12 [地]トーシンブリザード 牡 4 57.0kg  石崎隆之 1:35.3 1馬身    486Kg  -5 佐藤賢二  4
  3 注 1  2 (外)ノボトゥルー    牡 6 57.0kg  ペリエ  1:35.4 1/2馬身  460Kg   0 森秀行   2
  4 ◎ 2  3    トゥザヴィクトリー 牝 6 55.0kg  武豊   1:35.5 1/2馬身  494Kg  +6 池江泰郎  3
  5 △ 4  8 [地]トーホウエンペラー 牡 6 57.0kg  菅原勲  1:35.6 1/2馬身  506Kg  +2 千葉四美  6
  6   3  5 (外)サウスヴィグラス  牡 6 57.0kg  横山典弘 1:36.2 3 1/2馬身  502Kg   0 高橋祥泰  8
  7   2  4 (外)ゲイリーイグリット 牝 7 55.0kg  松永幹夫 1:36.2 ハナ     478Kg  +6 増本豊  14
  8   8 15    プリエミネンス   牝 5 55.0kg  柴田善臣 1:36.3 1/2馬身  476Kg   0 伊藤圭三  9
  9 注 4  7    ウイングアロー   牡 7 57.0kg  岡部幸雄 1:36.3 ハナ     470Kg  +7 南井克巳  5
 10   8 16 (外)ノボジャック    牡 5 57.0kg  蛯名正義 1:36.4 クビ     480Kg   0 森秀行  11
 11   7 14    リージェントブラフ 牡 6 57.0kg  吉田豊  1:36.5 1/2馬身  534Kg   0 大久保洋 10
 12   6 11 (外)ゴールドティアラ  牝 6 55.0kg  江田照男 1:36.7 1 1/4馬身  468Kg   0 松田国英 12
 13   5 10 (地)スノーエンデバー  牡 8 57.0kg  村田一誠 1:36.9 1馬身    510Kg  -7 森秀行  15
 14   3  6 (外)イーグルカフェ   牡 5 57.0kg  田中勝春 1:36.9 ハナ     476Kg  -2 小島太   7
 15   1  1 (抽)イシヤクマッハ   牡 4 57.0kg  本田優  1:36.9 クビ     450Kg  +2 田所秀孝 16
 16   7 13 (外)ワシントンカラー  牡 8 57.0kg  後藤浩輝 1:37.2 1 3/4馬身  510Kg  +2 松山康久 13
 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 ハロンタイム  13.0 - 10.8 - 11.3 - 11.7 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 12.3  
 上り  4F 48.3 - 3F 36.3 
 3コーナー  16-3(2,5)8(1,9)12,15(10,11)13-(7,14)(4,6)  
 4コーナー  16,3,5,2,8(1,9)12(10,15)(11,13)(7,14,6)4  

 <払戻金> 
 単勝 09 350円 1番人気  枠連   5- 6 1,300円 6番人気
 複勝 09 150円 1番人気  馬連  09-12 1,350円 4番人気
    12 210円 4番人気  ワイド 09-12   630円 4番人気
    02 160円 2番人気      02-09   410円 1番人気
                      02-12   700円 5番人気




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