チューリップ賞

チューリップ賞

2002/03/02　阪神競馬場　G3　芝1600m

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■ レース展望

■ レース概要

: ［１回阪神３日芝１６００ｍ　Ｇ３　定量３歳　指定・牝馬］
９３年まではオープンだったが９４年にＧⅢに昇格。桜花賞トライアルで１着から３着までの馬に桜花賞の優先出走権が与えられる。過去１０年の連対馬の中から桜花賞馬とオークス馬がそれぞれ４頭出ており、牝馬クラシックを占う上で重要な一戦。昨年はこのレースを制したテイエムオーシャンが本番も制している。

■ 過去のレース結果　

: 阪神３歳牝馬Ｓ以来となるテイエムオーシャンが圧倒的な１番人気。そのテイエムオーシャンは２番手につけて直線に向くと鞭を使わずに後続を突き放して４馬身差で圧勝した。阪神マイルでは無類の強さを示し本番での好走を約束した。テイエムオーシャンと一緒に前々に行ったポイントフラッグが、一杯になりながらもしぶとく粘って２着を死守した。

: 2000/03/04　チューリップ賞
 2001/03/03　チューリップ賞

■ 過去１０年データ分析

: １番人気は５連対、２番人気は７連対で毎年どちらかが必ず連対。１～３番人気が１６連対で８割を占める。３歳牝馬戦だが人気馬は信頼度できる。１，２番人気馬を軸にした馬券作戦が有効。

: １番人気の成績は［２・３・２・３］だが、万馬券は１度のみでそれほど荒れない。人気馬を軸に３～５番人気へ流しての１０～２０倍前後の中穴狙いに妙味がある。

: ９４年に重賞昇格してからは前走がエルフィンＳ以外の馬は全て１，２着馬。エルフィンＳ組は４，９，８，１２着の馬が巻き返している。エルフィンＳ敗退馬の巻き返しには十分注意したい。

■ コースの特徴

: 大きく、特に逃げ先行馬は不利になる。そうかと言って内枠が有利ではない。外枠からスタートした馬が内に切れ込んでくるため、ごちゃつきやすく、行き場を失って手綱を引くことが良く見られる。このコースではいかにスムーズな競馬ができるかを予想することが重要になる。

チューリップ賞は３歳牝馬の一戦だけに外枠の逃げ先行馬は割り引いて考えたい。過去１０年で７，８枠から先行して連対したのは、ビワハイジ、オレンジピール、テイエムオーシャンの３頭だが、この３頭は既に重賞勝ち馬だったことを覚えておきたい。

■ レース展望

: 例年なら連勝してきた上がり馬がいるものだが、今年は見当たらない。エルフィンＳを勝ったチャペルコンサートは阪神ＪＦは１馬身差の６着。紅梅賞を勝ったカネトシデザイアはフィリーズレビューに向かうため回避したが、この馬も阪神ＪＦで１馬身差の７着。年が明けても３歳牝馬の勢力図は変わっていない。果して、勢力図を塗り替えるような馬がいるのかどうか、それを見極めるのがポイントになりそうだ。

勢力図が変わらないなら阪神ＪＦを優勝したタムロチェリーと３着のオースミコスモ、そしてチャペルコンサートの３頭が有力だろう。タムロチェリーには引き続きペリエ騎手。最低でも押えは必要だ。オースミコスモは武豊騎手から後藤騎手に乗り替わる。クイーンＣの連対馬は２頭ともにマイルで勝ち星を挙げていたことは記憶に新しい。マイル実績ならオースミコスモが断然。軸はこの馬が無難か。

穴馬を探しているが、まだ見つからない。馬体と気配から現時点で少し気になるのは、メイショウフクヒメ。あとはエルフィンＳ３着のシェーンクライト、復調気配のあるオメガグレイスあたりか。

■　ステップレース　

日付	レース	１着馬	２着馬
2001/09/02	小倉２歳Ｓ	タムロチェリー	オースミエルスト
2001/11/04	ファンタジーＳ	キタサンヒボタン	ツルマルグラマー
2001/12/02	阪神ジュベナイルＦ	タムロチェリー	アローキャリー
2002/01/06	紅梅Ｓ	カネトシディザイア	タガノチャーリーズ
2002/02/02	エルフィンＳ	チャペルコンサート	アローキャリー
2002/02/16	クイーンＣ	シャイニンルビー	オースミバーディー

■ 有力馬診断

: 阪神ＪＦで半馬身差の３着。マイル３戦２勝３着１回とマイル実績ならこの馬だろう。中間の調教も順調にこなし、一週前調教で一杯に追われて好タイムを出している。ウッドコースの調教でややフワフワした動きだが、レースではそんなそぶりは見せないのでそれほど気にする必要はないだろう。競馬センスがいいので大崩はない馬。

: 阪神ＪＦ優勝した昨年の最優勝２歳牝馬。放牧から帰厩して一週前調教が始めての時計。急仕上げの感は否めないだけに最後の叩き合いになったときに不安が残る。それでも今回はメンバーが楽。仕上げと相手関係の見極めがポイントになる。

: エルフィンＳでアローキャリーをハナ差交わして優勝。４１０キロ台の馬体でまだ幼さが残るが、切れ味は持っている。多頭数で激しい競馬になったときにどうかの不安はあるが、差し脚はやはり魅力。力強さが出てくればもっと評価できるのだが、現時点では３番手まで。

: ダ１４００ｍの未勝利戦を勝ったばかりでこのメンバーで勝負になるか分からないが、フックラした好馬体で馬は元気一杯。初芝、初距離、初コースと課題ばかり目に付くが少し注目しておきたい。

: エルフィンＳで３着し復調気配を見せた。休養明けの阪神ＪＦではイレ込みがきつく力を出せなかったが、徐々に落ち着いてきたようだ。馬体はいいものを持っているので、一変があるとすればこの馬か。

: 函館で新馬勝ちのあと１１月に復帰し４戦結果が出ていないが少しずつレースぶりが良くなっている。ただし、切れ味が出てきた訳でもないのでまだ信頼できないというのが正直なところ。

: ダートで実績を挙げているが、ここ２戦芝を使って徐々にレースに慣れさせている。エルフィンＳで負けた馬が巻き返すことがあるので少し注意したい。

■ 調教診断

絶好調という馬が見当たらず、Ａ評価の馬はなし。これで善し悪しをつけるのは非常に難しいが、調教のみで高評価した順に説明する。

: 栗坂で一杯に追われて軽快な脚捌きでラスト２４．９－１２．２秒の切れ味を見せた。バネの利いたフットワークで馬は元気一杯。まだ馬体の線は細いが、毛づやの良く体調は良さそうだ。

: 栗ＣＷで２頭併せの外で強めに追われて、ややバランスの欠ける動きだったが先着した。動きは相変わらずフワフワしているが、馬体は太め感なく、仕上がっている。若干背が伸びた印象で伸び伸びとした馬体は好感が持てる。

: 栗坂で２頭併せで一杯に追われて５２秒台を出したが、ラスト１３．８秒とかかった。タイムは出たが阪神ＪＦのときとは迫力の面で劣っている。何とか間に合わせた印象はあるが、やはり急仕上げの感は否めない。

: 栗坂で一杯に追われて５１．４秒と好タイムを出した。重心が低くなってきた印象で脚捌きに力強さが出てきた。前走より若干良化。

: 栗坂で単走でまずまずの動きを見せ若干良化。精神的にも馬体的にもまだ若さを残すが、これから良くなりな気配を持っている。

: 栗ＣＷで一杯に追われて、何度も手前を替えながらもラスト１２．２秒を出した。相変わらずややフワフワとした走りで印象はあまり良くない。それでもこれまでもこんな感じで走れているのでプラスもしないがマイナスにもしない。馬体は細いくらいに仕上がっている

: 栗坂で前の馬を内から抜き去る調教で先着した。森厩舎独特の調教で追われてから伸びたが、まだ少し動きが堅い感じ。良くなっているが絶好調ではない。

: 栗坂で２頭併せで力強い前脚の捌きを見せた。時計は遅いがまっすぐに駆け上がってきたところを評価。使い込まれているが疲れはなさそうだ。

■ 相馬眼予想

　今年のチューリップ賞は例年よりレベルが低い。実績的にはタムロチェリー、オースミコスモ、チャペルコンサートだが、果たしてこの３頭で決着するのかどうか。タムロチェリーは実質追い切りは坂路２本。最終追い切りで目一杯追ったが、まだ本調子にはひと息。オースミコスモは追い切りの本数をこなし、最終調教でもまずまずの動きを見せたが、やはり休み明けは気になる材料、最後の詰めが甘くならないとも限らない。チャペルコンサートは素質の高さは感じさせるが、現時点ではまだ非力なタイプで厳しい流れで阪神の坂はどうだろう。今回はフルゲートの多頭数。期待より不安の方が大きくはないか。この３頭で順位をつけるなら、オースミコスモ、タムロチェリー、チャペルコンサートの順。この３頭を負かす馬は果たしているのかどうか。

　出走する全頭の全戦績、相手関係、上がりタイムなどを再度細かく調べてみた。そこで浮かび上がってきたのが、ステキプレゼント。これまで４戦１勝でダート１４００ｍ勝ちしかないが、戦ってきた相手が強い。イチロースワン、ビワワールド、メガスターダムの３頭は牡馬の一線級。特に２戦目の京都１６００ｍでハイペースで逃げて２着に粘ったところを評価したい。時計は１分３６秒１と遅いが、厳しい競馬で粘れたところに能力が感じられる。３戦目は出遅れて５着に敗れたが、ラスト３４．７秒の切れ味を見せたのも能力の一端。今回は有力３頭が差し馬ということもあり、前々に行く競馬。ヤマシロが逃げなければこの馬が逃げることになるだろう。鞍上は河内騎手、逃げれば競い合いにはならない。単騎逃げならしぶとく粘るのは実証済み。まして各ジョッキーの意識は上位３頭にあるとしたら、馬場のいい阪神コースで逃げ切りがないものか。

　もう一頭は、メイショウフクヒメ。２戦１勝でこの馬もダート１４００ｍ勝ちしかないが、２戦ともにメンバー最速の上がりは能力の証明だろう。今回は、初芝、初距離、初コース、メンバー強化という課題があるだけにそれを一気に克服できるかの心配は当然ある。ただし、調教の動きは最も良く見えたし、馬体もフックラしていい感じに仕上がっているだけに買い材料はあると判断したい。

　あとは、ミスイロンデル。兵庫ジュニアＧ（交流Ｇ３）を勝ちが光るが、これまで９戦してダート２勝で芝は２着が１回あるのみで狙いづらい感は否めない。ただし、ここ２戦の芝戦ではソエ気味だったのも事実。今回は一週前に一杯に追って最終調教は軽めと調教パターンを変えてきたのがいい方に向きそうな気がする。この馬と鞍の合う小牧太騎手だけに一発を期待したい。

　さあこれで６頭が出揃った。本命は、ステキプレゼント。中１週で調教は軽めだったが、馬体減りもなく、しっかり追えているので走れると判断した。対抗は、メイショウフクヒメを抜擢する。状態の良さと瞬発力を評価した。２頭ともに人気薄だが、今年のように上位陣に不安があるチューリップ賞は珍しい。果敢に穴を狙ってみたい。あとは、オースミコスモ、タムロチェリー、チャぺルコンサート、ミスイロンデルの順。馬券はボックスを含めて多点買いでも十分儲けは出るだろう。

　　　　　◎ステキプレゼント
　　　　　○メイショウフクヒメ
　　　　　▲オースミコスモ
　　　　　△タムロチェリー
　　　　　注チャぺルコンサート
　　　　　注ミスイロンデル

■ レース結果

 2002年1回阪神3日( 3月 2日) 11Ｒ  
 第9回 チューリップ賞(ＧＩＩＩ) 
 サラ系３歳 1600ｍ 芝・右  
 牝(指) オープン 定量 
 本賞金： 4000、 1600、 1000、 600、 400万円 発走 15:45 
 天候：曇　 芝：良　 
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 着 予 枠 馬    　　馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 　 3  5 (市)ヘルスウォール　　 牝 3 54.0kg  デムーロ 1:35.2 　　　　　  476Kg  -3 森秀行　  5
  2 ▲ 4  8 (父)オースミコスモ　　 牝 3 54.0kg  後藤浩輝 1:35.3 １／２馬身  422Kg  -4 中尾正　  1
  3 注 5  9  　 チャペルコンサート 牝 3 54.0kg  熊沢重文 1:35.4 クビ　　　  414Kg   0 池江泰郎  3
  4 　 1  2 (父)トーセンフェアー　 牝 3 54.0kg  安藤勝己 1:35.5 １／２馬身  478Kg  +2 飯田雄三  9
  5 　 5 10  　 トーセンエール　　 牝 3 54.0kg  石橋守　 1:35.6 １／２馬身  440Kg  +8 北橋修二 11
  6 　 8 16  　 ジョーフュージョン 牝 3 54.0kg  松永幹夫 1:35.7 １／２馬身  400Kg  -4 柴田光陽 12
  7 　 8 15  　 シェーンクライト　 牝 3 54.0kg  福永祐一 1:36.0 １ 3/4馬身  454Kg  -2 角居勝彦  4
  8 ◎ 6 11 (父)ステキプレゼント　 牝 3 54.0kg  河内洋　 1:36.2 １ 1/2馬身  438Kg  -6 音無秀孝  6
  9 　 2  4  　 クラッシードレス　 牝 3 54.0kg  四位洋文 1:36.3 ３／４馬身  442Kg  +4 白井寿昭 10
 10 　 6 12  　 オメガグレイス　　 牝 3 54.0kg  藤田伸二 1:36.4 クビ　　　  456Kg  +6 森秀行　  7
 11 ○ 7 13 (父)メイショウフクヒメ 牝 3 54.0kg  安田康彦 1:36.4 ハナ　　　  440Kg  -2 安田伊佐  8
 12 △ 2  3 (抽)タムロチェリー　　 牝 3 54.0kg  ペリエ　 1:36.5 １／２馬身  440Kg  -2 西園正都  2
 13 注 1  1  　 ミスイロンデル　　 牝 3 54.0kg  小牧太　 1:37.3 ５馬身　　  420Kg  -6 島崎宏　 14
 14 　 3  6 (市)スズカアンゼラ　　 牝 3 54.0kg  吉田稔　 1:37.5 １ 1/2馬身  454Kg   0 武宏平　 13
 15 　 7 14  　 オカノプレイヤー　 牝 3 54.0kg  須貝尚介 1:37.8 １ 3/4馬身  450Kg  -4 須貝彦三 15
 16 　 4  7 (市)ヤマシロ　　　　　 牝 3 54.0kg  小池隆生 1:39.6 大差　　　  462Kg  -6 崎山博樹 16
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 ハロンタイム　 13.0 - 11.7 - 11.5 - 11.4 - 11.5 - 11.6 - 11.8 - 12.7  
 上り 　4F 47.6 - 3F 36.1 
 2コーナー　 (*5,11)7(1,8,14)(3,4)(9,12,15)-(2,13,16)10,6  
 3コーナー　 (*7,5)(8,11)1(3,4,9,14)(12,15)(2,16)-(13,10)6  
 4コーナー　 (*5,8)(9,11)(7,1,15)(12,14)(3,16)(2,10)4(6,13)  

 ＜払戻金＞ 
 単勝 05 1,670円 5番人気  
 複勝 05   380円 6番人気  
 　　 08   120円 1番人気  
 　　 09   170円 3番人気  
 枠連　  3- 4 2,660円 11番人気  
 馬連　 05-08 2,640円  8番人気  
 ワイド 05-08   980円  8番人気  
 　　 　05-09 1,550円 15番人気  
 　　　 08-09   270円  2番人気

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