2014年 6月 8日(日) 3回東京2日 天候:小雨 馬場状態:不良
11R 第64回安田記念
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝 1600m 17頭立
------------------------------------------------------------------------------
着枠 馬 馬名 性齢 騎手 斤量 タイム 3F 人体重 廐舎
------------------------------------------------------------------------------
1 5 10 ジャスタウェイ 牡 5 柴田善臣 58 1.36.8 37.1 1 498 (栗)須貝尚介
2 6 12 グランプリボス 牡 6 三浦皇成 58 1.36.8 37.2 16 502 (栗)矢作芳人
3 6 11 ショウナンマイティ 牡 6 北村宏司 58 1.37.3 37.3 10 502 (栗)梅田智之
4 5 9 ダノンシャーク 牡 6 内田博幸 58 1.37.4 38.2 9 444 (栗)大久保龍
5 8 17 ワールドエース 牡 5 ウィリア 58 1.37.4 37.8 3 466 (栗)池江泰寿
6 3 6 $グロリアスデイズ セ 7 モレイラ 58 1.37.5 38.1 13 482 [外]サイズ
7 8 15 サダムパテック 牡 6 田中勝春 58 1.37.5 37.6 17 512 (栗)西園正都
8 7 13 フィエロ 牡 5 岩田康誠 58 1.37.6 37.7 6 496 (栗)藤原英昭
9 2 3 カレンブラックヒル 牡 5 秋山真一 58 1.37.9 38.4 5 466 (栗)平田修
10 7 14 クラレント 牡 5 川田将雅 58 1.38.0 38.8 11 494 (栗)橋口弘次
11 1 1 グランデッツァ 牡 5 石橋脩 58 1.38.0 38.3 4 506 (栗)平田修
12 3 5 エキストラエンド 牡 5 横山典弘 58 1.38.1 37.7 12 468 (栗)角居勝彦
13 2 4 リアルインパクト 牡 6 戸崎圭太 58 1.38.4 39.2 14 520 (美)堀宣行
14 8 16 トーセンラー 牡 6 武豊 58 1.38.7 39.3 8 458 (栗)藤原英昭
15 4 7 ホエールキャプチャ 牝 6 蛯名正義 56 1.38.7 38.5 7 480 (美)田中清隆
16 4 8 ミッキーアイル 牡 3 浜中俊 54 1.38.8 39.7 2 472 (栗)音無秀孝
17 1 2 レッドスパーダ 牡 8 四位洋文 58 1.39.8 40.3 15 532 (美)藤沢和雄
------------------------------------------------------------------------------
LAP :12.3-11.1-11.7-12.0-12.0-11.8-12.1-13.8
通過:35.1-47.1-59.1-70.9 上り:73.4-61.7-49.7-37.7 平均:1F:12.10 / 3F:36.30
単勝 10 \170
複勝 10 \110 / 12 \2200 / 11 \600
枠連 5-6 \2630 (11)
馬連 10-12 \18730 (40)
ワイド 10-12 \5890 (61)/ 10-11 \1070 (9)/ 11-12 \25990 (109)
馬単 10-12 \20330 (50)
3連複 10-11-12 \91160 (211/680)
3連単 10-12-11 \373470 (805/4080)
ジャスタウェイは中団の後ろにつけ、メンバー最速の37.1秒で先に抜け出したグランプリボスをハナ差交わしてレースを制した。レーティング世界1位のジャスタウェイ、12年の安田記念2着馬グランプリボス、昨年の安田記念2着馬ショウナンマイティで決着。不良のタフな馬場で底力が問われ、古馬G1で実績のある3頭で決着した。ミッキーアイルが逃げて前半3F35.1秒、5F59.1秒。ジャスタウェイは直線で外に出せず厳しい位置にいたが、馬場の悪い内に進路を取ってしぶとく伸び、グランプリボスとの叩き合いを制した。かなり厳しいレースになったが、最後は底力で捻じ伏せた。これだけ厳しいレースにも関わらず、馬は自ら前を捕まえようとしていた。かなり精神面が強くなっている。ドバイ遠征明けで絶好調ではなかったが、このレベルの馬になると普通に仕上がれば力を出せるのだろう。今年になって馬体がスケールアップし、心身とも完全に本格化している。これで芝1600mは[3−2−0−1]で上がり3Fは全てメンバー最速。芝1800mは[2−3−0−2]、芝2000mは[1−0−1−2]、芝2200m以上は[0−0−0−2]で距離が延びるほど率は落ちるが、万能型で距離はこなせるタイプ。昨年の天皇賞(秋)でジェンティルドンナに4馬身差をつけて圧勝したのはダテではない。今後は未定だが、秋は凱旋門賞に向かうプランがある。
ハーツクライ産駒はオークス、ダービー、安田記念と3週連続でG1を制した。今年の重賞でハーツクライ産駒は[6−6−2−22]、5番人気以内は[6−6−1−7]で連対率60%。ちなみに今年の重賞でディープインパクト産駒は[15−14−12−76]、5番人気以内は[12−13−11−34]で連対率35.7%。連対数はディープインパクト産駒だが、率はハーツクライ産駒が上回っている。
グランプリボスは中団から馬群を割ってメンバー2位の37.2秒で抜け出したが、最後にジャスタウェイに差されてハナ差の惜しい2着。抜け出した後に外に寄れたことが響いた。まっすぐに走っていれば勝った可能性が高いが、休み明けで苦しくなった面もあるのだろう。不良馬場でタフなレースになり、国内マイルG1[2−2−0−3]の実力馬が16番人気で波乱を演出した。最終調教で馬体の造り、動きが良く、久々を感じさせなかったが、陣営は弱気なコメントを連発していた。矢作調教師は競馬ファンのために馬券的な妙味を作る調教師で時々このパターンで穴をあける。覚えておいて損はない。三浦騎手はNHKマイルCのタガノブルグに続き、東京マイルG1でブービー人気を2着に持ってきた。今年の東京芝1600mで三浦騎手は[4−5−0−13]で連対率40.9%。何かを掴んだのではないか。グランプリボスはひと息入れてマイルCSを目指すことになりそう。成績にムラがあるため、人気になりにくいタイプ。ダイタクヘリオスもそうだったが、人気で負けて人気が落ちたときに激走している。マイルCSでも条件が揃えば狙い目はある。
ショウナンマイティは出遅れて後方を進み、直線で馬場の荒れた内を突いてメンバー3位の37.3秒で伸びて0.5秒差の3着。前の2頭に離されたが、後方から上がりをまとめて3着争いを制した。稍重の大阪杯で大外一気を決めたように渋った馬場をこなすタイプ。土曜のように水が浮く不良馬場は良くないが、日曜は小雨程度で極端に悪化しなかったのが良かったのだろう。人気はなかったが、昨年の安田記念2着馬が地力を示した。近走不振に陥っていたが、最終調教は軽快なフットワークで馬体の張り、毛づやが良くなり、叩き3戦目の上積みを感じさせた。今春のG1で北村宏騎手は[0−0−2−4]でオークスのバウンスシャッセに続き3着。07年以降のG1で[0−1−3−53]で連対率1.8%と不振だが、最近は腕を上げており、いつ連対圏に突入してもおかしくない。直線で苦し紛れに内を突くレースが多いため、他馬&騎手の癖を分析し、直線のコース取りに重点を置いた騎乗を心掛ければ結果が出るはずだ。ショウナンマイティは左第2中手骨々折、左第4中手骨々折を発症し、3ヶ月以上の休養を要する見込み。G1馬になれる能力を持った馬。復活を期待したい。
ダノンシャークは3番手から早めに先頭に立ったが、ラスト1Fで力尽きて3着に0.1秒差の4着。内田騎手が積極的な騎乗で見せ馬を作ったが、流れを考えるともう少しタメた方が馬券圏内の可能性は高かったか。昨年の安田記念3着馬。前走阪急杯は惨敗したが、立て直して得意コースで力のあるところを見せた。京都芝外1600mは[1−2−3−1]の巧者。秋のマイルCSに向けて大久保龍厩舎がどのようにしてパフォーマンスを引き上げてくるか注目したい。
ワールドエースは中団を進み、最後に外から伸びて3着に争いに加わって5着。不良馬場で行きっぷりが悪く、外枠から外を回ったこともあり伸び切れなかった。1〜3着馬は500キロ前後の馬格のある馬。466キロの中型馬が初めて58キロを背負ったことも影響したのだろう。前走マイラーズCをレコードで勝っただけに良馬場の高速決着が理想だったが、不良馬場で力を出せなかった。秋のマイルCSは得意の得意の京都で57キロ。このまま無事に進めてマイルの経験を積んでいけば、マイルCSでチャンスがある。
フィエロは出遅れて後方を進み、直線で外から伸びたが、最後は前が壁になって目一杯に追えず8着。3着とは0.3秒差だけに出遅れず、直線でスムーズなら3着争いに加われたのではないか。G1初挑戦だったが、パドックで馬体の造りは見劣らなかった。G1を狙える資質があるため、藤原英厩舎がG1に耐えられる底力をいかにして強化するかに懸かっている。不良馬場のG1で厳しいレースを経験したことは今後の糧になる。相馬眼的にマイルCSで主役を張る存在になっても何らおかしくない。
|