有馬記念
2002/12/22 中山競馬場 芝2500m


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レース傾向

───────────     ───────────
■人気別            ■ローテーション別
───────────     ───────────
1番人気     6頭     連闘       0頭
2番人気     2頭     中1週      0頭
3番人気     3頭     中2週      0頭
4番人気     3頭     中3週      5頭
5番人気     2頭     〜1ケ月     2頭
6番以下     2頭     〜2ケ月    10頭
10番以下    2頭     2ケ月〜     3頭

───────────     ───────────
■馬連配当別          ■前走着順別
───────────     ───────────
〜10倍     4回     1着       9頭
10倍〜     1回     2着       1頭
20倍〜     0回     3着       1頭
30倍〜     3回     4〜6着     6頭
50倍〜     0回     7〜9着     0頭
100倍〜    2回     10着〜     3頭

───────────     ───────────
■脚質別            ■年齢別
───────────     ───────────
逃げ       2頭     3歳       8頭
先行       6頭     4歳       7頭
差し       6頭     5歳       4頭
追込       6頭     6歳       1頭
                7歳       0頭
                8歳上      0頭

───────────     ───────────
■枠番別            ■東西別
───────────     ───────────
1枠       2回     関東馬      7頭
2枠       4回     関西馬     13頭
3枠       2回     
4枠       4回     ───────────
5枠       2回     ■性別
6枠       0回     ───────────
7枠       5回     牡馬      19頭
8枠       1回     牝馬       1頭

データ分析

■9割が6番人気以内。上位人気馬中心
1番人気は6連対だが、2番人気は2連対、3番人気は3連対とそれほど信頼できない。アメリカンボスなど10番人気以下で連対した馬は2頭いるが、18頭は6番人気以内と大荒れは少ない。上位人気馬の組み合わせが中心になる。

■3、4歳馬が活躍。6歳以上馬は大不振
年齢別では3歳馬と4歳馬の活躍が目立つ。逆に不振なのが、6歳以上の高齢馬。昨年アメリカンボスが初めて連対したが、過去10年で3着まで含めても2頭のみと大不振。基本的に6歳以上の高齢馬は軽視したい。

■ステイヤーが強い。長距離G1馬に注目
中山2500Mは展開次第でマイラーもこなせると言われるが、実際はステイヤーが活躍している。その年の春の天皇賞馬は[2・2・0・2]、菊花賞馬は[3・1・0・2]と信頼度は高い。その年の長距離G1馬に注目したい。

■荒れ馬場をこなすパワーのある馬に注目
最終日に行われるため馬場が荒れているが、今年は東京競馬場の改修工事の影響で3連続中山開催になるため、相当な荒れ馬場が予想される。今年に限っては例年以上に荒れ馬場をこなすパワーのある馬に注目したい。


1週前調教診断

■[9+/]ファンモーション
栗CWで単走で強めに追われて、この馬独特のバネの利いたフットワークで最後までしっかり伸びた。しなやかなフットワーク、フックラとした馬体、風格のある顔つきともに見ていて惚れ惚れする。前走はテンションが高いのが気になったが、今回は落ち着いて折り合いもついていた。走りに無駄がないし、これだけの馬はこれまで見たことがない。今年最後の大一番を前にここまではほぼ万全の仕上がり。

■[9+−]ナリタトップロード
栗DWで渡辺騎手を背に一杯に追われると重心の低いフットワークで最後までしっかりした脚取りで伸びた。80.5−38.2−12.5秒はこの日の1番時計。疲れが溜まってくると前脚を掻き込み過ぎて上がってくるが、今年はその兆候がまだ見られない。馬体はかなり引き締まって絞れてきた印象。ラストランに向けて究極の仕上げになる。前走同様、かなり高いレベルで好調をキープしている。

■[9+−]ジャングルポケット
栗DWで藤田騎手を背にラスト一杯に追われて、バネの利いたフットワークで最後までしっかり伸びた。前走の仕上がりもかなり良かったが、今回は走りに伸びやかさが出てきたのが好印象。馬体の張りも素晴らしいし、前走同様かなり高いレベルで好調をキープしている。

■[8+−]イーグルカフェ
美坂で単走で強めに追われて、36.3−24.0−12.2秒の好タイムを出した。余力たっぷりに躍動感のある走りを見せたのは調子良さの表れ。前走の仕上がりも良かったが、高いレベルでキープしている。

■[8+−]シンボリクリスエス
南Wでコイントスと併せて軽く仕掛けられるとブレのない走法で楽々と併入した。タイムは64.1−37.5−12.4秒。使い込まれているので調子落ちがないことが焦点になるが、動きを見る限り全く問題なさそう。前走は若干馬体に余裕があったが、今回は馬体が引き締まってきた。

■[8+/]テイエムオーシャン
南Wで2頭併せで一杯に追われると瞬時に反応して相手を突き放した。北Cのダートが凍結していたためウッドで追われたが、バネの利いたフットワークは目立っていた。激しい競馬が続くが、ムチを入れて一杯に追われたことを評価したい。馬体がさらに回復してきた印象でフックラ見せているのもいい。惨敗続きだが、状態は上向いている。

■[8−]ノーリーズン
栗CWでチャペルコンサートと併せて一杯に追われると最後ひと伸びして先着した。いつも通りの動きで調子落ちは感じられない。元々コロッと見せる馬だが、筋肉の付きがだいぶ良くなってきた印象。

■[7/]コイントス
南Wでシンボリクリスエスと併せて強めに追われて併入した。手応えでは見劣ったが、この馬なりにひと叩きされて調子を上げている。馬体の張りも上々。

■[7−]ヒシミラクル
栗坂で2頭併せで一杯に追われて先着した。攻め馬はあまり目立つ方ではないが、今回は実にしっかりとした脚捌きでこの馬としては良く見せていた。馬に走る気が感じられるし、好気配を保っている。

■[7−]アメリカンボス
南Wで単走で一杯に追われると最後までしぶとく伸びた。タイムは80.3−36.9−11.9秒。かなり使い込まれているが、タフな馬で疲れは全く感じさせない。むしろ前走より動きが伸びやかになってきたし、スムーズな脚捌きも目立った。

■[6+−]アクティブバイオ
栗CWで単走で一杯に追われて6F80.9秒の好時計を出したが、ラストは13.1秒と物足りなさが残った。少し走りがフワフワしているし、前走目一杯の競馬をした反動が少し出ているのかもしれない。あと1週でどこまで良化してくるか。

■[6+−]フサイチランハート
南Dで前に行った2頭を追いかけて一杯に追われたが、逆に2頭に突き放された。この馬なりに動きは悪くはないが、いいときと比べると迫力が少し不足している。あと1週でどこまで持って来れるか。

■[9+/]ファンモーション
■[9+−]ナリタトップロード
■[9+−]ジャングルポケット
■[8+−]イーグルカフェ
■[8+−]シンボリクリスエス
■[8+/]テイエムオーシャン
■[8 −]ノーリーズン
■[7 /]コイントス
■[7 −]ヒシミラクル
■[7 −]アメリカンボス
■[6+−]アクティブバイオ
■[6+−]フサイチランハート

コース分析

中山2500mは、外回りコースの3コーナーの少し手前からスタートし、内回りコースを約1周半するコース。6個のコーナーを通るためペースが上がりにくく、追い込み馬には苦しいコースと言える。差し追い込み馬なら積極的に上がっていける馬でないとよほどペースが上がらない限りは苦しい。直線の坂を2回登るタフなコースで実力が問われるので、能力のある馬が好走することが多いのがこのコースの特徴。

有馬記念の過去10年の連対馬の脚質は逃げ2先行6差し6追込6と差し追い込み馬の活躍が目立つ。内回りを意識して各馬早仕掛けになるので前に行った馬は苦しくなるのがその理由。展開次第だが、自分から動いて行ける差し追い込み馬がデータ的に狙い目になる。

今週も中山はAコース。3週連続でAコースの使用になるが、まだ内側を通った馬が伸びる状況が続いている。ジャパンCもそうだったが、内々をロスなく回れる馬が有利な状況。差し馬でも早めに捲くって直線である程度内側を走れる位置に取り付けないと苦しいかもしれない。11月11日から芝刈りを行っていないので、今週芝刈りをするか注目。ただし、馬場はだいぶ荒れてきているので力のいる馬場というのはそれほど変わらないだろう。


レース展望

中央競馬のラストを飾る有馬記念。今年の出走メンバーは14頭。うち9頭がG1馬と豪華な顔ぶれとなった。昨年の年度代表馬ジャングルポケット、天皇賞秋を制しジャパンCでも日本馬最先着を果たしたシンボリクリスエス、デビュー以来無傷の6連勝で臨んできた怪物牝馬ファインモーションの3頭が人気になりそうだ。馬場状態や展開など、まだ不確定なところはあるが、現時点での展望をお届けしたい。

相馬眼的に狙い目があるのは、ずばりファインモーションとシンボリクリスエス。ファインモーションは馬体、顔つき、走法とも素晴らしく、まさ究極のサラブレットと言っていい馬。エリザベス女王杯で初めて鞭を入れたが、瞬時に重心を下げて加速する姿には思わず鳥肌が立った。長い間競馬をやってきたが、これだけの馬はこれまで見たことがない。馬体の作り、賢そうな顔つき、柔らかい走法、まだ完成はされていないが、現時点でもかなり高いレベルまできているように思える。

最終調教を見る限り、10点満点をつけられる仕上がり。土曜日の輸送、馬場状態、藤沢勢2頭からのマークされるなどの課題はあるが、まともなら無敗の有馬記念馬の誕生だろう。3歳牝馬ではヒシアマゾンが有馬で2着したが、そのとき勝ったのは3冠馬ナリタブライアン。こういう比較はあまり好きではないが、今年のメンバーなら勝機は十分だろう。伊藤雄調教師はファインモーションが復帰したときから有馬記念を考慮して調整してきたことも付け加えておく。

あとはシンボリクリスエスだが、この秋馬体に身が入り、ひと際目を引く馬体になった。首の付け根からお尻までのこれほど水平に見える馬は中々いない。走っていてもバランスが崩れないので、追い出してからの初速度は凄いものがある。テイエムオペラオーも走法にブレがなかったが、シンボリクリスエスもそれに近づいている。この秋は日本馬に負けていないようにここで不用な競馬はしないだろう。

シンボリクリスエスは、当初有馬記念には出走しないという話だったが、ジャパンCでプラス6キロで3着に敗れたことから参戦してきた。ジャパンCで目一杯の競馬をした馬は有馬記念では惨敗するケースが目立つが、調教を見る限りは前走程度のデキはありそうだ。ただし、ひとつ気になるのが距離延長。2000mだと直線で凄い勢いで弾けるが、これまでのレースぶりから距離が伸びると切れが鈍るように思える。青葉賞はスローで切れたが、ダービーの最後の直線ではジワジワとしか伸びなかった。ここをどう考えるかがポイントになる。

人気どころではジャングルポケットとナリタトップロードの2頭。ジャングルポケットは1度使われると体型的に疲れが出る馬でこれまで最低1ヶ月以上の間隔を空けて使ってきただけに中3週というのがポイントになる。ジャパンCは外回りコース、有馬記念は内回りコースでジャングルポケットには外回りコースの方が合う。有馬記念がジャパンCから中3週で内回りコースということを考えると陣営はジャパンCが勝負レースだったか。最終調教は栗DWで6F80.9秒と時計は出たが、非常に評価が難しい動きだった。最終決断はパドックまで持ち越しになる。

ナリタトップロードはデキは安定しているので仕上がり自体は問題ない。ジャパンCの敗因は他馬に擦られたことも多少影響しているようだが、それ以前に外々を回ったことが大きい。Aコースで明らかに内が有利だったことは上位に来た馬を見れば分かるだろう。陣営は希望の外枠を引き喜んだが、そのときの中山コースの状態を知っていれば喜べなかったはずだ。ストレスの大きいレースになればなるほど内でロスなく回らないと最後伸びないのが中山コースの特徴といえる。

ナリタトップロードは有馬記念にこれまで3回出走して7、9、10着に敗れているだけに今年も苦戦を強いられそうな気もするが、距離延長と状態面のアドバンテージがあるので乗り方次第で連対できる圏内にいる。天皇賞秋で最後にひと伸びして2着に突っ込んだのはこれまでのナリタトップロードとは違う姿。馬が競馬を知っているので、前を捕えられる位置取りで追い出しを我慢すれば最後は切れる脚を使えるだろう。ただ7枠を引いたので外々を回る可能性が出てきたのが少し気になるところ。

もう一頭取り上げたいのがテイエムオーシャン。天皇賞秋、ジャパンCと惨敗続きだが、昨年の有馬記念で0.4秒差の6着があるように能力的にこのメンバーでも足りる。最終調教でもバネの利いたフットワークで追われてから瞬時に反応したように美浦入りしてから1番仕上がり。ジャパンCは後方から捲くる強引な競馬をしたが、それでも0.8秒差で最後までしぶとく伸びていた。今回はファインモーションが出走してきたことで競馬がやりやすくなったのが最大のポイント。おそらく好位から正攻法の競馬だろう。シンボリクリスエスがジワジワとしか伸びないようだとギリギリ踏ん張り切れる可能性がある。

穴で取り上げたいのは、岡部騎手のコイントス。天皇賞秋でシンボリクリスエスで優勝、ジャパンCではマグナーテンで4着と今の中山コースを最も乗りこなしているのは岡部騎手だろう。コイントス自身もひと叩きされて調子を上げてきたし、超ハイペースの七夕賞で究極の粘り腰を見せたように消耗戦になるとしぶとさを発揮するタイプ。ここにきて馬体に身が入ってきたし、一発ならこの馬だろう。今年亡くなったサンデーサイレンスの血が最後に騒ぎそうな気もする。


有力馬診断

■[10]ファインモーション
夏から5戦したが余力を残して勝ってきたことがポイント。最終調教で脚捌きに切れが出てきたようにここまで来てもまだ上積みがある。今回は落ち着いているし状態面に不安はない。ウッドコースで物凄いパワーのある走りを見せる馬なので荒れ馬場も苦にしないし、ある程度渋った馬場もこなせるだろう。追われてからの反応、グッと重心が下がったときの分厚いトモと馬体の迫力は凄いものがある。牡馬を含めて、これまでこれほどの馬を見たことがない。既に世界で通用するレベルまできているのかもしれない。馬体、能力的には不安はないが、不安があるとすれば精神面。各馬にマークされてストレスの大きい競馬になった場合だろう。このあたりをいかに小さくするかが武豊騎手の仕事。これまでのような楽な競馬はできないだろうが、状態面のアドバンテージとこの馬の底力で最後のひと伸びできるとみている。

■[9]テイエムオーシャン
最終調教で追われたときに瞬時に重心を下げて加速したが、そのときに馬体の縦の幅がこれまでより増して見えたし、トモの張りもこれまで以上に良く見えた。札幌記念のときは重い感じの馬体の作りだったが、ここにきて馬体が成長して身が入ってきた。今回はファインモーションの参戦によって、マークする馬ができたので競馬はやりやすいだろう。本田騎手は中山コース得意とはいなえないが、前を行くファインモーションの動きに合わせた競馬をすればいいのでそんなに難しくない。札幌記念で見せたインパクトは牡馬G1で通用するもの。昨年の有馬記念は0.4秒差の6着。充実期に入った今なら、それ以上の競馬ができるだろう。

■[9]シンボリクリスエス
天皇賞秋、ジャパンCと目一杯の競馬が続いたが、最終調教の動きを見る限り、前走程度はありそうだ。追われてからの反応の良さと初速度は素晴らしいものがあるが、その後はジリジリとしか伸びないところがあるのでそこをどうカバーするかがポイントだろう。今回は2500mだし、3コーナー手前から各馬仕掛けていく展開だと意外に早く止まることも考えられなくはない。ペリエ騎手が上手く乗るだろうが、長くいい脚を使える上位2頭を果たして捕らえることができるかどうか。ここまで余力残しで来た訳ではないので最後ひと伸びできるかどうかもやや不安が残る。それでもこの秋、日本馬に負けていない強さは本物なので不用な競馬はしないだろう。重馬場は切れが削がれる分、マイナス。

■[8+]ナリタトップロード
器用なタイプではないので外を捲くる競馬が多いが、この秋の天皇賞で馬群を割って差して2着とこれまでとは違うトップロードを見せた。菊花賞をロングスパートで勝ったことでロングスパートこそがこの馬の持ち味と思われがちだが、溜めれば切れる脚がある。今回はラストランでさらに7枠を引いたことで外々を回って早めにスパートするようだとこれまで通り苦しくなるだろう。天皇賞秋のときよりもう少し前で最後の切れ味(しぶとさ)を生かす騎乗をすればチャンスはある。。重馬場もこれまでのレースぶりから全く駄目という感じはない。ある程度はこなせるだろう。

■[8+]ジャングルポケット
最終調教の不可解な動き、中山内回りコースの適性から評価を下げた。厳しい流れになると力を発揮するタイプで流れは向きそうだが、テン乗りの藤田騎手が乗り難しい馬を完璧に乗りこなせるかどうか。大一番での予期せぬ乗り代わりはプラスではないだろう。ただ雨が降って馬場が渋ったのはこの馬に有利に働きそうだ。ダービーでの走りを見る限り、重の鬼なので、前に行った馬の失速具合が大きくなると差し込めるかもしれない。

■[8]コイントス
ここに来て調子を上げてきたところと中山を知り尽くしている岡部騎手が騎乗してきたことを評価した。ロスなく回れる内枠、馬場が渋って時計がかかる状態になるなど徐々に好走条件が整ってきた気がする。馬が充実期に入ったのか、馬体を良く見せているし、これまでのイメージを払拭する走りを見せる可能性がある。一発の魅力十分。

■[8]ノーリーズン
ダービーで骨折、骨折明けの神戸新聞杯は2着したが、菊花賞では落馬と順調さを欠いた。ジャパンCはスローペースで見せ場がなかったが、デキは悪くないので皐月賞のようにしぶとさの生きる流れになれば浮上してきそうだ。ただ有馬記念を勝つにはもうワンランク馬体の成長が欲しい気がする。

■[8]ヒシミラクル
菊花賞はかなり強引な競馬だったが、それでも最後までしぶとく伸びて勝ったように凄いスタミナの持ち主。今回も前半からペースが上がってスタミナの生きる流れになれば、チャンスが出てきそうだ。大外を回るコースロスをいかに押さえるかがポイントだろう。馬場が渋ったのは有利に働きそうだ。

■[7+]イーグルカフェ
フランス遠征以来、馬が充実してきた印象で走りが前向きになった。最終調教でも一糸乱れぬ脚捌きで相手を突き放したように状態の良さは明らか。あとは距離2500mをどうこなすかだろう。状態がいいだけに一発の可能性はある。

■[7+]エアシャカール
ジャパンCで見せ場がなかったのが気掛かり。ただ最終調教の動きは良かったし、デキ自体は悪くない。追い込み馬に乗せたら上手い横山典騎手への乗り代わりは良さそうだし、展開が向けば上位に顔を出すかもしれない。

■[7]アメリカンボス
昨年は超スローペースを先行し粘り込んだが、今年は楽な流れになりそうもないのでやや苦しいか。ただ得意の重馬場でしぶとさを発揮するという望みはある。

■[6+]アクティブバイオ
馬場が渋ったのはいいが、瞬発力がそれほどないので直線で突き抜ける脚があるかどうか。並ぶとしぶとさを発揮するのでそのあたりに期待か。最終調教の動きは物足りなさが残った。

■[6+]タップダンスシチー
状態は悪くないが、メンバーが揃った印象。末の甘いタイプなので先行してどこまで粘れるかという競馬だろう。よほど展開が向かない限りは苦しい。馬場が渋るのもマイナス。

■[6+]フサイチランハート
重馬場はこなせなくはないが、肝心の仕上がり自体がそれほどでもないのがネック。冬場走るタイプだが、さすがにこのメンバーに入ると苦しいだろう。

■[10]ファインモーション
■[9 ]テイエムオーシャン
■[9 ]シンボリクリスエス
■[8+]ナリタトップロード
■[8+]ジャングルポケット
■[8 ]コイントス
■[8 ]ノーリーズン
■[8 ]ヒシミラクル
■[7+]イーグルカフェ
■[7+]エアシャカール
■[7 ]アメリカンボス
■[6+]アクティブバイオ
■[6+]タップダンスシチー
■[6+]フサイチランハート

調教診断

■[10/]ファインモーション
栗CWで武豊騎手を背に単走で強めに追われると力強いフットワークで最後までしっかり伸びた。タイムは78.9−63.6−37.7−12.8秒。バネの利いた走法は相変わらずいいが、脚捌きに切れが出てきた印象でかなり良く見せる。今回も折り合いがついていたし、鞍上の指示通りに動ける賢さも見せている。馬体の張りも申し分なく、夏から5戦した疲れを全く感じさせない。それよりも陣営がこのレースを目標に仕上げてきた印象の方が強い。大一番を前に万全の仕上がり。

■[9+−]ナリタトップロード
栗DWで単走で軽く仕掛けられた程度だったが、重心の低いフットワークで最後までしっかり伸びた。タイムは81.8−39.0−12.2秒。デキが安定しているので、いつも通りの動き。前脚が上がり過ぎることもない。前走同様、かなり高いレベルで好調をキープしている。

■[9/]テイエムオーシャン
南Wで2頭併せでラスト強めに追われると瞬時に反応して楽々と先着した。タイムは80.3−65.6−37.2−12.4秒。馬体がフックラして、トモの張りも良くなってきた印象。この馬本来のバネの利いた重心の低い走りを見せているし、追われてからの反応が明らかに良くなった。前走もデキは良かったが、さらに上昇を感じさせる。ほぼ万全の仕上がり。

■[8+/]コイントス
南芝で馬なりのまま外にトレジャー、内にシンボリクリスエスと併せて直線に向くと首を使った軽快な脚捌きで併入した。前走はやや急仕上げ気味だったが、今回はじっくり乗り込まれて調子を上げてきた。馬にも走る気が出てきたし、雰囲気の良さが目立つ。

■[8+−]イーグルカフェ
南芝で3頭併せの大外を進み、ラスト強めに追われると2頭を一気に突き放した。バランスのいい走法で走りにブレがないところがいい。今のデキの良さを物語る動き。前走のデキをがっちりキープしている。

■[8+−]シンボリクリスエス
南芝でコイントスとトレジャーの内に併せて最内を進んだが、最後は半馬身程度遅れた。岡部騎手が無理をしなかったこともあるが、もう少しピリッとして動きを見せて欲しかったというのが正直なところ。ただ馬自身の雰囲気は悪くはないので、前走程度のデキはありそうだ。

■[8−]ノーリーズン
栗CWで馬なりのゴールドアリュールと併せて一杯に追われるとしぶとく食い下がって併入した。馬体をこれまで以上にフックラ見せているように筋肉のつきが良くなってきた印象。大きな変わり身はないが、この馬なりに徐々に良化している。

■[7+−]エアシャカール
栗坂で前に馬を置いて進める森厩舎独特の調教。坂路半ばで一杯に追われると最後ひと伸びして先着した。前走も良かったので大きな変わり身はないが、前脚の掻き込みは力強さを保っている。前走同様、好調キープ。

■[7−]ジャングルポケット
栗DWで単走馬なり調教。タイムは80.9−66.3−40.5−14.2秒とラストは時計がかかった。不良馬場で前半飛ばしたため、後半はセーブしたが、少し動きが硬直して見えた。ただ抑えたからとも言えなくもないので評価が難しいところ。前半から行きたがったり、落ち着きがないように見えるのが気になるところ。パドックで確認してみないと何とも言えないところはあるが、良くは見えないのでここでは評価を下げる。

■[7−]アメリカンボス
南Wで単走で一杯に追われると伸びやかなフットワークで最後までしっかり伸びた。1週前同様、伸びやかな走りで調子が良さそうだ。馬体の張りも良く、順調にきている。

■[7−]ヒシミラクル
栗坂で単走で一杯に追われるとやや寄れながらも最後までしぶとく伸びた。タイムは52.7−26.4−13.7秒。元々調教の動きは目立たない馬だが、今回は寄れていたのが少し気になった。ただ動き自体は悪くはないので、このひと追いで良くなりそうな気配もある。

■[7−]タップダンスシチー
栗DWで単走で一杯に追われるとリズミカルなフットワークで最後まできっちり伸びた。タイムは83.9−67.1−39.4−12.8秒。使われているので上積みはないが、引き続き好調キープ。

■[6+−]アクティブバイオ
栗CWで単走で気合を入れられながら強めに追われるとしぶとく伸びた。タイムは85.1−68.5−38.9−12.6秒。1週前より若干良くなったが、まだ迫力の点で物足りなさが残る。

■[6+−]フサイチランハート
南芝で単走で強めに追われたが、あまり力強さが感じられなかった。動きにスムーズさが出てきたのはいいが、いい頃と比べるとまだ少し物足りない。

■[10/]ファインモーション
■[9+−]ナリタトップロード
■[9 /]テイエムオーシャン
■[8+/]コイントス
■[8+−]イーグルカフェ
■[8+−]シンボリクリスエス
■[8 −]ノーリーズン
■[7+−]エアシャカール
■[7 −]ジャングルポケット
■[7 −]ヒシミラクル
■[7 −]アメリカンボス
■[7 −]タップダンスシチー
■[6+−]アクティブバイオ
■[6+−]フサイチランハート

相馬眼予想

まず中山の馬場だが、土曜日の競馬が終った時点で芝コースは重馬場。日曜朝の段階でも雨が降っており、重馬場は避けられそうにない状況。土曜日の競馬を見る限り、馬場が渋り時計がかかっており、直線では相変わらず内を通った馬が伸びていた。ただ有馬記念までに4レース使われるので内側はボコボコに荒れる可能性もあるので、内を通った馬が絶対的に有利とは言えなくなるかもしれない。どちらかというと馬場のいいところを選んで走れる逃げ先行馬が有利に働きそうだ。

次に展開だが、逃げ馬不在で読みにくいが前に行ってしぶとさを生かしたいタップダンスシチーが逃げそうだ。2番手以降はアメリカンボス、コイントスが続き、その後にファインモーション、テイエムオーシャン、中団にシンボリクリスエス、ナリタトップロード、ノーリーズン、中団のやや後ろにジャングルポケット、後方からヒシミラクル、エアシャカールという展開。ペースは重馬場を意識して早くなるとは考えにくく、平均よりやや遅い流れだろう。スタンド前を通過し2コーナーあたりまではそのままのペースで進みレースは動かないだろう。

向こう正面まで進むとペースが上がるのが例年の有馬記念。今年もそこで自然にペースアップすることになる。今回の展開のカギを握るのはファインモーションの武豊騎手。誰もがファインモーションの位置取りとスパートのタイミングが気になるはずで武豊騎手の戦法が展開に大きな影響を与えるのは間違いない。では武豊騎手はどういう競馬をするのだろうか。

まず武豊騎手が考えることはファインモーションの持ち味を最大限に引き出すことだろう。秋華賞では長くいい脚を使って後続を引き離し、エリザベス女王杯ではスローペースでラスト3Fからスパートして究極の上がりを使った。どちらもファインモーションの持ち味と言えるが、今回ポイントになるのはシンボリクリスエスの存在。シンボリクリスエスの一瞬の脚は凄いものがあるので、天皇賞秋のように直線での切れ味勝負では分が悪い。さらにマークされ直線入り口で一気に被せられて内に閉じ込められるのも嫌なことだろう。

そうされないためには長くいい脚を使う競馬をするしかない。シンボリクリスエスは一瞬の脚はあるが、距離が長くなるにつれてその切れ味は鈍るし、早めにスパートさせればジリジリとしか伸びないということを武豊騎手が分かっていれば早めにスパートして脚を使わせるはず。一見、何の工夫もないような競馬になるが、これがクリスエスを負かすためには最も有効な手段になる。ファインモーションが各馬に囲まれてスパートできない状況にならなければ、今回も積極的な競馬が見られるだろう。

ファインモーションが早めにスパートすることで有利になるのは、そういうラップに強いテイエムオーシャン、コイントス、ノーリーズンの3頭。この3頭は重馬場も苦にしない。逆に後方から捲くってくるヒシミラクルとエアシャカールは前に追いつくために一気に脚を使わされるので苦しくなる。ただヒシミラクルは菊花賞で驚異的な渋とさを見せたようにギリギリ来れる可能性は残している。昨年は前に行った馬が粘ったが、今年はファインモーションに早めに来られるとさすがに前に行った馬では苦しいだろう。

ジャングルポケットは昨年のジャパンCのように中盤でペースが上がり、スタミナが求められるような流れになると浮上するが、ファインモーションに早めにスパートされると追走に脚を使われるので、その分伸びが鈍りそうだ。重馬場は得意だが、器用なタイプではないので内回りコースでそれを生かし切れるかどうか。最終調教でラスト流したときに見せた硬い動きが一体何を意味するのか。これまでのジャングルポケットではないような気がする。

ナリタトップロードは言われているほど重馬場は駄目ではないし、重馬場になったことで渡辺騎手もプレッシャーから解放されるはず。ファインモーションが早めにスパートすることで長くいい脚を使えるトップロードの特徴を自然に生かせそうな気がする。例年は自分から動いてレースを引っ張ったが、今年は流れに合わせればいいので競馬は楽だろう。外枠が気になったが、雨が降ったことで内側がボコボコになれば、返って外を走れるので好転する可能性もある。

さあ最終決断。本命はファインモーション。自ら早めに動いて直線入り口先頭の正攻法の競馬になるが、それで押し切れると判断した。理由は今の状態の良さと底力。馬体、顔つき、走法など全てが相馬眼にヒットするし、牡馬相手でも全く引けを取ることはまずないだろう。牝馬による無敗での有馬記念制覇の瞬間が楽しみだ。

対抗はテイエムオーシャン。ファインモーションをマークすることで競馬が楽になるのが最大のポイント。本田騎手は中山コースが得意とは言えないが、当日の2Rで芝のレースに1回騎乗するし、今回はコースの状況を掴めるだろう。ファインモーションが早めにスパートして厳しい競馬になることでオーシャン自身も最大パフォーマンスを発揮できそうだ。昨年の有馬記念で勝負どころで控えて最後方まで下げ、それでも直線で強襲して0.4秒差まで追い上げたが、充実期を迎えた今年はもっとやれるだろう。札幌記念で見せたパフォーマンスが牡馬G1で通用することを証明する。

準対抗はシンボリクリスエス。早めにスパートされて脚を使わされてもジリジリ伸びるので、位置取りから考えて上位には残れそうだ。同厩のコイントスと一緒にファインモーションをマークして早めにスパートできない環境を作り出せば負かすチャンスもありそうだが、ファインモーションとは枠が離れているし、またシンボリクリスエス自身が重馬場で他の馬をマークして進めるほど余裕があるかどうか。他の馬が状態面の上積みがあるのに対し、良くて平行線の状態ということからもこの評価が妥当だろう。

押さえは全ての条件が揃わないと苦しくなるが、能力的に十分通用するナリタトップロード、今の中山で最も乗れている岡部騎手が騎乗するコイントス、距離は若干長いが状態面の上積みと厳しいラップで持ち味を発揮できそうなノーリーズン、重馬場で想定以上に他の馬が苦労した場合に浮上するジャングルポケットの順。この中では七夕賞で脅威的な粘りを見せたコイントスがここにきて急激な変化を見せているので気になる存在。同厩舎の馬は人気薄を買えという格言があるが、その通りになる可能性を秘めている。ここでは実績的にナリタトップロードを上位に取ったがほとんど位置づけは変わらない。

馬券はファインモーションからの馬連流しだが、配当は意外につくので印をつけなかった馬も小額押さえておきたい。パドックでの気配次第で単勝と馬単の狙い目があるが、馬連でも配当的には十分なので無理しなくていいだろう。あとは3連複である程度手広く小額買いたいが、堅実に走るコイントスを絡めた馬券が配当的に面白そうだ。

    ◎ファインモーション
    ○テイエムオーシャン
    ▲シンボリクリスエス
    △ナリタトップロード
    注コイントス
    注ノーリーズン
    注ジャングルポケット



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