阪神ジュベナイルF
2002/12/01 阪神競馬場 芝1600m


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レース傾向

───────────     ───────────
■人気別            ■ローテーション別
───────────     ───────────
1番人気     3頭     連闘       2頭
2番人気     2頭     中1週      0頭
3番人気     4頭     中2週      2頭
4番人気     2頭     中3週      7頭
5番人気     0頭     〜1ケ月     3頭
6番以下     7頭     〜2ケ月     0頭
10番以下    2頭     2ケ月〜     6頭

───────────     ───────────
■馬連配当別          ■前走着順別
───────────     ───────────
〜10倍     1回     1着      12頭
10倍〜     2回     2着       1頭
20倍〜     1回     3着       3頭
30倍〜     1回     4〜6着     2頭
50倍〜     2回     7〜9着     1頭
100倍〜    3回     10着〜     1頭

───────────     ───────────
■脚質別            ■枠番別
───────────     ───────────
逃げ       3頭     1枠       5回
先行       8頭     2枠       1回
差し       6頭     3枠       2回
追込       3頭     4枠       1回
                5枠       2回
───────────     6枠       3回
■東西別            7枠       2回
───────────     8枠       4回
関東馬      6頭
関西馬     14頭

データ分析

■1、2番人気の決着ゼロ。かなり波乱含み
1番人気は3連対、2番人気は2連対で1、2番人気同士で決着したことは1回もなく、かなり波乱傾向。6番人気以下が9連対で人気薄同士の決着が3回もある。本命は押さえに回して中大穴を狙うのがこのレースでは有効。

■牝馬は仕上がり早い。久々でもOK
中3週の馬が多いが、2ヶ月以上空いた馬も6連対。朝日杯では2ヶ月以上空いた馬の連対はないが、仕上がりの早い牝馬と言われるだけあって久々を苦にしない。前走好走して間隔を空けてきた馬は逆に狙い目となる。

■ファンタジーS好走馬は信頼できない
前走ファンタジーSで3着以内に好走した馬の成績は[0・1・2・10]。京都1400Mと阪神1600Mの違いを如術に表している。ファンタジーS組で連対したのは1、7、5、3、10着馬。好走した馬よりある程度負けている馬が狙い目。

■1枠の馬が人気薄で激走。穴で注目
7番人気以下で連対した7頭のうち、実に4頭が1枠の馬だった。4頭とも前走惨敗して人気を落としていたが巻き返している。この時期の2歳馬だけにコースロスのない内枠は有利。穴なら1枠の人気薄が絶好の狙い目。


コース分析

阪神芝1600mはスタートが2コーナーのポケット地点にあるため、外枠はコースロスが大きく、特に逃げ先行馬には不利なコースと言える。ただし、そうかと言って内枠が有利ではない。外枠からスタートした馬が内に切れ込んでくるためごちゃつきやすく、行き場を失って騎手が手綱を引くこともしばしば見られる。このコースではどの馬がスムーズな競馬ができるかを読むことが重要になる。

阪神JFの過去10年の連対馬の脚質は、逃げ3先行8差し6追込3と脚質は問わない。ハイペースと直線の坂で逃げ先行馬は苦しいが、ここで押し切った馬が後のG1で活躍しているように能力のある馬なら十分対応できる。また阪神1600Mの外枠は不利と言われるが、このレースでは6〜8枠は9連対と多い。桜花賞でも6〜8枠が11連対しているように差し馬なら言われているほど不利にならないので注意したい。

阪神は前4日がAコース、後4日がBコースで行われる。開幕週で芝は絶好の状態。馬場より枠順の方を重視したい。データ分析にも書いたが、穴でロスなく回れる1枠の馬に注意したい。2歳馬で不確定要素が多いので予想は難しいが、能力と現時点での完成度を中心に枠順と展開を加味すればおのずと結果は出るだろう。


レース展望

2歳牝馬女王決定戦。ファンタジーSのワナのように直前でイレ込んで人気を裏切ることもあるし、当然のことだが2歳牝馬は不確定要素が大きい。阪神1600mはスタートしてすぐに2コーナーに向かうためごちゃつきやすいが、今年はフルゲートの18頭でさらにごちゃつきそうだ。ストレスの大きいレースになれば、力のない馬では通用しない。能力と現時点での完成度を重視して予想してみたい。

注目はピースオブワールド。3戦3勝で1番人気確実だろう。相馬眼的にも走る馬のそれを感じさせるし、とにかく走る。調教でもそうだが、大きな馬体で迫力を感じさせる動きは魅力たっぷりだ。大きな不利がなければ上位争いは必死だろう。あと相馬眼的にオースミハルカにも注目したい。前走はイレ込み、大幅馬体減と最悪の状況だったが、それで勝ってしまうのだから大した馬だ。バネの利いた走りからも素質が感じさせるし、鞍上はペリエ騎手。狙い目十分だろう。

この他ではファンタージーS2、3着のシーイズトウショウ、トーホウアスカ、コスモス賞を快勝したブランピュール、新潟2歳Sの勝ち馬ワナなど伏兵は多彩。アドマイヤグルーヴが抽選に落ちたのは残念だが、同じアドマイヤのアドマイヤテレサが出走してきた。人気はなさそうだが、新馬戦で見せた33.7秒の末脚は見どころがあった。鞍上は武豊騎手。一発の魅力は残している。


有力馬診断

■[8+]ピースオブワールド
京都1400mで3連勝。ファンタジーSでも最後余裕があったように着差以上に強い内容だった。京都1400mで好走してきた馬は阪神JFで惨敗するケースが目立つが、これまでのファンタジーSの勝ち馬とは馬体と能力が違う。2歳馬離れした馬体は相馬眼的に狙い目十分。スタートでごちゃついて極端に位置取りが悪くなったり、直線で前が壁になって追えないということさえなければ上位争い必死だろう。新馬で見たときからこの舞台に立つと思っていた馬、期待したい。

■[7+]オースミハルカ
前走のりんどう賞は大幅馬体減、イレ込みによる発汗ととても買える状態ではなかったが、それでもレースでは好位から抜け出して優勝した。このときの3着シーイズトウショウがファンタジーSで2着。単純に考えてもオースミハルカには重賞で好勝負できる力を備えている。新馬のときからバネの利いたフットワークで素質の高さが目立っていたが、無事にG1の舞台に上り詰めてきた。当日の体重減、極端なイレ込みがなければここでも通用するはずだ。

■[7+]アドマイヤテレサ
新馬戦で直線だけで全馬をごぼう抜きにした末脚が凄かった。馬体を見ても完成度が高く、こんな馬がまだ関西にいたのかと思わせたほど。今回が2戦目でキャリアがないのは気になるが、調教の動きもいいし魅力に溢れている。アドマイヤグルーヴの抽選落ちで武豊騎手が騎乗するのも有利だ。武豊騎手が抽選落ちに備え、この馬をキープしていたことからも勝負になることが分かるだろう。18頭のフルゲートでごちゃつくので騎手の占める割合は高くなる。世界平和とテレサだと出来過ぎた話という気もするが馬には魅力がある。

■[7 ]ブランピュール
コスモス賞で見せた少し首の高い走法がテイエムオーシャンそっくりだったが、同じ西浦厩舎の管理馬で妙に納得できた。オーシャンよりスケールは小さい感じはあるが、柔らかい脚捌きからは素質の高さが感じられる。距離1800mを経験しているのもいいし、この馬も圏内にいる。本田騎手は今年の阪神で[0・5・1・39]と未勝利だが、阪神JFで2勝しているように大きな問題にはならないだろう。

■[7 ]シーイズトウショウ
ファンタジーSでピースオブワールドに完敗しただけに勝つまではどうかと思うが2着争いの圏内にはいる。阪神マイルで2着があるようにコース経験はアドバンテージ。使われながらパドックでイレ込まなくなっているように精神面の成長が見られる。父はサクラバクシオーだが、馬体を見る限りマイルの距離は十分こなせる範囲。調子はいいので上位に顔を出せるだろう。

■[6+]トーホウアスカ
ファンタジーSは大外一気の追い込みで3着に入った。今回は距離経験のないマイルでさらにロスのある外枠と楽ではないが、前走のような脚が使えれば上位に来れるだろう。ただし、ひと叩きされた上積みはそれほど感じられないし、微妙に距離が影響しそうな気がするので少し評価を下げた。

■[6+]ワナ
ファンタジーSはイレ込みがきつく内々で苦しい競馬で0.6秒差の4着。新馬で阪神コースを勝ち、マイルの新潟2歳Sを勝っているように今回は条件が上向く。馬体はそれほどでもないが、レースを見るとパワーがあるので坂のある阪神コースは合いそうだ。末脚の爆発力は魅力だが、イレ込みがどうしても付きまとう。当日の気配次第で評価を上げられるか判断したい。

■[6+]ヤマカツリリー
馬体にはまだ幼さを残すが、柔らかい脚捌きから素質の高さが伺える。ひと叩きされて良化してきているし、一気に化けそうな感じがあるだけに注意は必要だろう。陣営がアンカツに依頼したように勝負気配が漂う。一発大穴ならこの馬かもしれない。母はエリザベス女王杯を勝ったリンデンリリー。来年のクラシックに乗ってくるだろう。

■[8+]ピースオブワールド
■[7+]オースミハルカ
■[7+]アドマイヤテレサ
■[7 ]ブランピュール
■[7 ]シーイズトウショウ
■[6+]トーホウアスカ
■[6+]ワナ
■[6+]ヤマカツリリー

調教診断

■[8+−]ピースオブワールド
栗芝で2頭併せで強めに追われて、ラスト軽く仕掛けられると34.4−11.7秒の切れ味を見せた。2歳馬とは思えない馬体の迫力、走りっぷりは惚れ惚れする。走りのバランスもいいし、前走同様、好状態で出走できそうだ。

■[8+/]アドマイヤテレサ
栗DWで2頭併せで一杯に追われると力強いフットワークで最後までしっかり伸びて先着した。激しい叩き合いになったが、これだけ追えるのは調子のいい証拠。ラスト12.1秒の伸び脚も良かったし、かなり仕上がっている。馬体の完成度も高く、有力馬と比較しても見劣らない。

■[8/]シーイズトウショウ
栗CWで単走で一杯に追われて、ラスト11.7秒の切れ味を見せた。ファンタジーSのときも良かったが、前脚の掻き込みがさらに鋭くなってきた印象で良く見せる。調教駆けするタイプだが、馬が集中して走れているところを評価したい。

■[8/]オースミハルカ
栗CWで単走で強めに追われて、バネの利いた回転の速いフットワークでスピード感のある走りを見せた。若干馬体が細い感じもあるが、馬は元気一杯なのでここでは割り引かない。キビキビとした動きは好感が持てるし、現時点での仕上がりも高い。あとは当日の馬体重とイレ込み次第だろう。

■[7+−]ブランピュール
栗CWで2頭併せで馬なりのまま大きく先着した。時計は遅いが追えば伸びそうな感じの走りで中々良く見せる。柔らかい脚捌きで素質も感じさせるし、能力はかなり高そう。馬体もボリューム感があって見栄えがする。久々でも力は出せるだろう。

■[7/]ヤマカツリリー
栗坂で単走で強めに追われて、ラスト25.5−12.5秒の上々の伸び脚を見せた。脚捌きに柔らかさがあり、素質はいいものがある。走る雰囲気を持った馬でひと叩きされて若干上向いている。

■[6+−]トーホウアスカ
栗CWで3頭併せで軽く仕掛けられると最後は大きく先着した。控えめだったこともあるが、あまり勢いが感じられかたかった。良くて平行線程度。

■[6+−]ユキノスイトピー
栗坂で単走で強めに追われて、あまり早くは見えなかったが50.9秒の好タイムで駆け上がった。いつもまじめに走る馬で調教の動きも上々。使い込まれているが調子落ちは感じられない。いい意味で平行線。

■[6+−]メイプルロード
栗坂で単走で一杯に追われて、最後までしぶとく伸びた。少し久々を感じさせるが、このひと追いで良くなってきそうな雰囲気がある。馬は夏より若干パワーアップしている。

■[6+−]ソルティビッド
栗坂で単走で小気味いいフットワークで飛ばして49.7秒と早いタイムを出した。この馬なりに調子は良さそうだが、最後一杯になっていたように距離がどうかだろう。調子自体は前走程度はある。

■[6+−]ワナ
栗坂でラスト強めに追われたが、あまり反応せずに13.4秒かかった。前走は武豊騎手が騎乗したので時計が出たが、今回は落ち着かせることに主眼を置いているのでこれでいいだろう。ただ、徐々にメンバーが強化されるにつれ、それほど目立たなくなってきた感じはある。

■[6+−]リリーキャスケード
栗CWで単走馬なりだったが、しっかりした馬体で雰囲気は良かった。関東馬だが栗東で調教され、好気配を保っている。

■[6+−]グランドサファイヤ
栗CWで単走で一杯に追われて、ラスト12.1秒の伸び脚を見せた。それほど迫力はないが、首を使えているし、この馬なりに調子は良さそう。

■[6+−]トーセンリリー
南Wで単走で強めに追われて首を使って走っていたが、余裕のある走りを見せた。大きな馬で多少モッサリとした感じはあるが、仕上がり自体は悪くない。

■[6−]テイエムトキメキ
栗Bで単走で一杯に追われて最後までしっかり走った。この馬なりに調子は悪くはないが、あまり強調できるところはない。

■[6−]マイネラベンダー
南Wで単走で一杯に追われるとしぶとく伸びたが、それほど目立つものではなかった。デキは平行線。

■[6−]ホワイトカーニバル
美坂でキャンター。これだけでは何とも評価しにくいが、馬体はだいぶ充実してきている。ここではこの評価に留めておく。

■[6−]プラントパラダイス
栗坂でラスト強めに追われて馬は一生懸命に走っていたが、時計も遅くあまり強調できるところはない。
■[8+−]ピースオブワールド
■[8+/]アドマイヤテレサ
■[8 /]シーイズトウショウ
■[8 /]オースミハルカ
■[7+−]ブランピュール
■[7 /]ヤマカツリリー
■[6+−]トーホウアスカ
■[6+−]ユキノスイトピー
■[6+−]メイプルロード
■[6+−]ソルティビッド
■[6+−]ワナ
■[6+−]リリーキャスケード
■[6+−]グランドサファイヤ
■[6+−]トーセンリリー
■[6 −]テイエムトキメキ
■[6 −]マイネラベンダー
■[6 −]ホワイトカーニバル
■[6 −]プラントパラダイス

相馬眼予想

まず阪神の馬場だが、開幕週で絶好の状態。土曜の競馬を見ると当然のことだがペースがある程度落ち着くと前に行った馬が止まらない。阪神JFはフルゲートの18頭。各ジョッキーはできるだけいい位置につけようと必死だろう。阪神1600mはスタートしてすぐに2コーナーに向かうため、外枠はコースロスがあり不利になる。そのため外枠の馬は好位置につけようと2コーナーに殺到すると内から来た各馬も譲らないので、そこでごちゃつく。前に行きたいホワイトカーニバルが大外枠に入った。今年は2コーナーでごちゃつく可能性はかなりありそうだ。各馬が力を出し切るレースになって欲しいがそこに波乱の目も少なからずあるかもしれない。

次に展開だが、逃げるのは1枠を引いたソルティビット。陣営は逃げないつもりでも1枠からスタートして外から他馬に来られると行ってしまうだろう。2番手に大外枠からホワイトカーニバル、内枠の有力馬が3番手以降に続く展開。ピースオブワールドはファンタジーSで好スタートを切り、前半行きたがったように今回も前に行く。2コーナーでごちゃついて後方に下げるより、スムーズに前につけて力で押し切るという競馬だろう。ピースオブワールドが前に行くことでペースはある程度早くなる。最近はスローの上がり勝負が主流だが、今回はペースは遅くはならないだろう。

ある程度のペースで行くと距離経験のない馬はバテて下がってくる。差し馬はそれらの馬を捌かなければ行けないので大変だ。どの馬がバテて下がってくるかを予想して、この馬の後ろにつけたら駄目、ここなら前が開くなどの読みが騎手に求められる。差し馬には騎手のレベルが問われることになる。それらを完璧にできるのが歩く競馬辞典と言われる武豊騎手。既に17頭の特徴をインプット済みだろう。あとはペリエ騎手もそれができる騎手。全ての馬をどこまで研究しているかだが、ペリエ騎手の場合はそれ以上のセンスがある。武豊騎手のアドマイヤテレサ、ペリエ騎手のオースミハルカにはアドバンテージを与えたい。

2コーナーでごちゃつく紛れはあるかもしれないが、ペースがある程度早くなることで能力が問われることになる。相馬眼的にそれらに対応できそうな馬をピックアップするとピースオブワールドを筆頭にオースミハルカ、アドマイヤテレサが続く。さらにブランピュール、ヤマカツリリーも素質が高く、シーイズトウショウは現時点での完成度が高い。基本的にはこの6頭の競馬だろう。あとはワナ、トーホウアスカ、メイプルロードだが、ワナはイレ込み、トーホウアスカは外枠と距離、メイプルロードは仕上がりの面で不安がある。この3頭についてはパドック次第で押さえるかどうかを判断したい。ここでは無印にしておく。

さあ最終決断。本命はピースオブワールド。ペリエ騎手がプレッシャーをかけてきそうなのは気になるが、普通に走れば勝つのはこの馬だろう。ただし、これまで厳しい競馬を経験していないので、今回はそれなりに苦しい競馬になる。それでも最後ひと伸びできると判断した。対抗はオースミハルカ。調教でバネの利いた走りを見せているように仕上がりはいいが問題はイレ込み。パドックでワナの後ろを回るというのは少し気になる材料。イレ込みがきついようなら評価を下げたい。

準対抗はアドマイヤテレサ。キャリア1戦なのは気になるが、新馬戦で見せた豪脚はやはり魅力がある。鞍上は武豊騎手。狙わない手はないだろう。上手く馬群を捌ければ、ピースオブワールドを苦しめる場面もありそうだ。あとは前に行く分、紛れがなさそうなブランピュール、まだ馬体はパンとしていないが素質とアンカツ騎乗を評価してヤマカツリリー、阪神得意の池添騎手が騎乗するシーイズトウショウの順。馬券はピースオブワールドから馬連流しと○→▲だが、最終的にはパドック次第。特にオースミハルカのイレ込みがどれくらいかチェックしたい。

    ◎ピースオブワールド
    ○オースミハルカ
    ▲アドマイヤテレサ
    △ブランピュール
    注ヤマカツリリー
    注シーイズトウショウ



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