ジャパンC
2002/11/24 中山競馬場 芝2200m


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1週前調教診断

■[9+/]ジャングルポケット
栗坂で単走馬なりで迫力のある動きを見せた。タイムは51.1−24.7−12.3秒。馬体を大きく見せて雰囲気の良さが目立った。走る馬独特のものを見せているし、久々でもかなり仕上がっている。馬体もひと回り成長した。2週前の芝での調教の動きも凄かったが、今回も折り合いがつきかなりいい動き。高評価を与えたい。

■[9/]ナリタトップロード
栗坂で単走で一杯に追われると力強いフットワークで最後までしっかり見せた。使い込むと前脚の上がり方が気になる馬だが、今年のナリタトップロードは違う。追われると重心を低くして一気に加速したように前走を上回る動き。もしかすると今回が今年のピークかもしれない。それくらい動きは良かった。

■[8+−]シンボリクリスエス
南Wでゼンノエルシドとラスト軽く仕掛けられたが少し遅れた。タイムは63.9−37.9−12.5秒。どちらが古馬なのかといった感じで落ちついた走りが目に付いた。相変わらず、首を使った柔らかい走りを見せている。高いレベルで好調をキープしている。

■[8−]ノーリーズン
栗CWでゴールドアリュールと併せて一杯に追われると最後はついて行けずに遅れを取った。77.8−63.0−37.5−12.6秒は、これまでのノーリーズンのベストタイムでこの馬としては十分と言える内容。筋肉の張りが徐々に戻ってきているし、デキが悪いということはない。

■[7+−]テイエムオーシャン
北Cでプリエミネンスと併せて強めに追われたが、馬なりの相手に馬体を併せることができず遅れを取った。元々ダートでは走らないので評価は難しいが、馬体はフックラ見せているし、雰囲気は良かった。最終調教では楽な相手でいいので先着させるくらいの余裕が欲しい気がする。

■[7+−]マグナーテン
南Wで単走馬なり調教。気合の乗った走りで64.1−38.5−13.0秒のタイムを出した。ボリューム感のある馬体で少し太く見えるが、これは前走と一緒。柔らかい脚捌きを見せており、前走同様、好状態をキープしている。

【総括】
さすがにジャパンC、調子が悪い馬はいない。その中でも特に目立ったのがジャングルポケット。追い切りに跨った武豊騎手が「ジャパンC連覇が狙える状態」と話したように春より馬体が成長し、かなり良くなっている印象を受けた。管理する渡辺調教師も「使う以上はファンノ期待に応えられる状態でなければならない」と話しているように久々でも仕上がりは全く問題なさそうだ。

あとはナリタトップロードが追われてからの反応が特質ものでこの馬が現時点の調教評価では2番手。シンボリクリスエスも落ち着いた走りで風格が出てきたし、天皇賞秋を勝った反動はなさそうだ。テイエムオーシャンはダート調教で何とも言えないところがあるだけに、当日の馬体重とイレ込みをチェックしてから馬券を買った方がいいだろう。札幌記念で負かしたトウカイポイントがマイルCSを勝ったように能力はこのメンバーでも十分足りものを備えている。

■[9+/]ジャングルポケット
■[9 /]ナリタトップロード
■[8+−]シンボリクリスエス
■[8 −]ノーリーズン
■[7+−]テイエムオーシャン
■[7+−]マグナーテン

レース傾向

───────────     ───────────
■人気別            ■ローテ別(日本馬)
───────────     ───────────
1番人気     3頭     連闘       0頭
2番人気     7頭     中1週      1頭
3番人気     2頭     中2週      0頭
4番人気     1頭     中3週      6頭
5番人気     2頭     〜1ケ月     2頭
6番以下     4頭     〜2ケ月     4頭
10番以下    1頭     2ケ月〜     0頭

───────────     ───────────
■馬連配当別          ■前走着順別(日本馬)
───────────     ───────────
〜10倍     3回     1着       6頭
10倍〜     1回     2着       4頭
20倍〜     0回     3着       1頭
30倍〜     4回     4〜6着     2頭
50倍〜     1回     7〜9着     0頭
100倍〜    1回     10着〜     0頭

───────────     ───────────
■脚質別            ■年齢別
───────────     ───────────
逃げ       0頭     3歳       3頭
先行       9頭     4歳      10頭
差し       8頭     5歳       6頭
追込       3頭     6歳       1頭
                7歳       0頭
                8歳上      0頭

───────────     ───────────
■枠番別            ■東西別
───────────     ───────────
1枠       1回     関東馬      2頭
2枠       2回     関西馬     11頭
3枠       4回     外国馬      7頭
4枠       5回     ───────────
5枠       1回     ■性別
6枠       2回     ───────────
7枠       4回     牡馬      16頭
8枠       1回     牝馬       4頭

データ分析

■2番人気が7連対で堅実。軸に最適
1番人気は00年にテイエムオペラオーが勝つまで14連敗し、過去10年では3連対と不振。逆に2番人気は7連対と堅実で軸として期待できる。6番人気以下が5連対と人気薄の連対も多いので手広く流して高配当を狙いたい。

■G1連対必要だが距離実績にも注目
連対した日本馬13頭のうち10頭にG1勝ち、12頭にG1連対、12頭に芝2400M以上での連対経験があった。世界の一線級と戦うにはこれくらいの実績は当然。距離実績のないG1級が人気になって敗れるので注意したい。

■牝馬が4連対。割り引く必要なし
天皇賞や有馬記念では牝馬の連対は滅多にないが、このレースでは日本牝馬が4連対と活躍している。タフな東京2400Mでこの数字は脅威的。過去に外国牝馬も活躍したように一線級の牝馬なら割り引く必要はない。

■外国馬は高速馬場への適性を最重視
連対した外国馬の内訳は米国2、英国2、独1、豪新1、香港1。外国馬の取捨のポイントは、高速馬場への適性。凱旋門賞馬や英ダービー馬でも高速馬場の適性がなければ大幅に割引き。過去の歴史が証明している。


コース分析

中山芝2200mは4コーナー終りの直線入り口からスタートする外回りコース。直線の坂を2回登ること、さらに内回りとは違い2コーナーから4コーナーまで緩やかなコーナーが続くためペースが落ちにくいことから、逃げ馬には苦しいコースと言える。スローの上がり勝負なら前残りもあるが、ペースが上がると息が入りずらくなりスタミナが要求される。展開次第だが、スタミナ型の差し馬を狙うのが基本になる。

ジャパンCの過去10年の連対馬の脚質は、逃げ0先行9差し8追込3だが、今年は中山コースだけによほどペースが早くならない限りは追い込み馬は苦しいだろう。内回りと違いコーナーが緩いためラップが落ちにくいことから逃げ馬も展開に恵まれない限りは苦しい。外国馬、日本馬とも強い馬が積極的に勝ちに行く競馬をすると激しい競馬になるので、力がないと通用しない。能力を重視して予想したいところ。

中山は今週もAコース。仮柵を外した内側は良好な状態でそこを通った馬が伸びている。外国馬が参戦することで芝を深くする可能性があるので馬場情報には注意を払いたい。日曜日は雨が降りそうなので、どの程度重くなるのかを見極めてから最終決断を下したい気がする。


レース展望

今年は中山芝2200mで行われるジャパンC。目玉となる外国馬の出走はないが、フルゲートの16頭とメンバーは揃った。まず日本馬で注目はジャングルポケット。休み明けだがきっちり仕上がっているし、元々久々を苦にしないタイプ。常識的にはジャパンCを休み明けというのは苦しいが、3歳でジャパンCを制したこの馬には通用しない。ベストは東京コースだが、中山外回りコースなら十分に持ち味を発揮できるだろう。馬体も充実の秋を向かえかなり成長している。

その他では天皇賞秋を制したシンボリクリスエス、2着のナリタトップロード、13着のテイエムオーシャンの3頭が有力。3頭とも調教の動きは良かったし、力を出せるデキに仕上がっている。シンボリクリスエスは今回はおそらく1番人気。外国馬のマークも必然的に厳しくなるので、全てが上手く行った天皇賞秋のようなレースができるかどうか。ただし鞍上はこれ以上は望めないペリエ騎手。持ち味を生かして直線抜け出すシーンもイメージできる。

外国馬ではキングジョージを制したゴーラン、仏オークスを制したブライトスカイ、アーリントンミリオンで2着したサラファンの3頭が実績的に気になるが、雨が降ると他の馬でも出番がありそうだし、全ての順番も変わりそう。ブライトスカイ以外は、まだ強い調教をやった馬がいないので、現時点では何とも言えないところがある。直前に強めに追ってくる馬もいるようなので最後までチェックしたい。基本的にそれなりの調教をしなかった馬は大きく割引きたい。


有力馬診断

■[8+]ジャングルポケット
休み明けでも仕上がりはいいし、昨年のジャパンCを勝ったように能力はここでは1番。中山コースは皐月賞で3着に敗れているが、そのときはスタートで躓いて大外を捲くったことが響いてのものでマイナスにはならない。天皇賞春の3200mに比べたら距離2200mは格段にレースはやりやすいだろう。使い込むと疲れが溜まるタイプなので、人気にならない今回こそが狙い目とみている。

■[8]ナリタトップロード
中山で行われた天皇賞秋で2着し、今年の充実ぶりを示した。年を取るにつれ、馬体、精神面が完成され、どんなレースでも力を出し切るようになってきている。今回も掲示板は外さないだろうが、問題は連対できるかということ。調教の動きを見る限り、今年1番の仕上がり。距離が伸びるのもいいし、際どいレースになるだろう。天皇賞秋では最後しぶとさを見せたが、今回も最後のひと伸びができるかにかかっている。

■[8]テイエムオーシャン
天皇賞秋は不可解な負けを喫したが、その一戦だけではまだ見限れない。陣営は敗因を大幅な馬体減に求め、それをクリアしようと当日輸送ができる美浦トレセンで調整してきた。その甲斐あって馬には大敗したショックは見られないし、相変わらず好気配をキープしている。札幌記念で2着に負かしたトウカイポイントがマイルCSを制したように札幌記念はG1級のレース。そこで楽勝したのだから、牡馬相手でも十分にやれる下地はあるとみている。距離は1ハロン伸びるだけにもしかすると戦法を変えてくるかもしれないが、まともに走れば上位争いできるだろう。

■[8]シンボリクリスエス
天皇賞秋では好スタートを切り、馬込みで折り合って直線で抜け出す完璧と言っていい内容。直線での切れ味は素晴らしかったが、全てが上手く噛み合った印象もある。同じような競馬ができれば上位争いだろうが、今回は1番人気。外国馬のマークもきつくなるだろうし、その圧力に耐えてどこまで末脚の切れ味を維持できるか。距離延長は有利に映るが、青葉賞でかかっていたように走ってみないと分からないところも微妙に残している。

■[7+]ノーリーズン
菊花賞は競走中止になったが、幸い馬には影響なかった。中間の調整も順調だし、皐月賞を勝った得意コースなら期待してみたくなる。ただし、今回は一気のメンバー強化、距離1F延長が大きな課題。皐月賞のような厳しい競馬で我慢比べになると力を発揮できるだろうがどうだろう。神戸新聞杯はシンボリクリスエスに敗れたが、状態が万全ではなかったのでまだ勝負付けは済んでいない。展開次第でこの馬が上位に来る可能性も残している。

■[7+]エアシャカール
天皇賞秋は後方から追い込んで4着と見どころはあった。最終調教でもひと叩きされた上積みが感じられるし、今回はもう少し走れるだろう。ただし、後方からの競馬しかできないため、展開に注文がつく。得意の外捲くりができる展開になれば出番はありそうだがどうだろう。

■[7+]ブライトスカイ
外国馬で最も熱心に乗り込まれているのがこの馬。早いタイムは出していないが、連日時計になっているようにかなり乗り込まれている。前走のオペラ賞を見る限り、瞬発力はかなりのもの。時計勝負に若干の不安はあるが、競馬センスの良さそうな馬なので、ある程度は対応できるだろう。

■[7]ゴーラン
昨年のジャパンC6着は外国馬最先着だったが、それほど見どころはなかった。今年はキングジョージを制し、パワーアップしているようなので注目したいが、中山芝でのキャンターの気配はそれほどでもなかった。金曜日に本馬場で追い切った動きは良かったようなので仕上がりは悪くないようだ。昨年のジャングルポケットとの差をどこまで詰められるか。

■[7]ファルブラヴ
調教の内容は軽めなのは気に入らないが、イタリアの最強馬と言われるその実績は中々のもの。2000mで1分57秒8の持ち時計があるように時計勝負にも対応できそうだ。鞍上はイーグルカフェでジャパンCダートを制したデットーリ騎手。怖い存在だ。

■[7]ストーミングホーム
中山芝でのキャンターでしなやかなフットワークを見せたので注目したが、キングジョージでゴーランに負けたレースぶりを見ると少し買いづらい感じはある。ただし、最近は顔に横にシャドーロールをつけてから走り出したということもあるので、少しは見直しできそうだ。

■[8+]ジャングルポケット
■[8 ]ナリタトップロード
■[8 ]テイエムオーシャン
■[8 ]シンボリクリスエス
■[7+]ノーリーズン
■[7+]エアシャカール
■[7+]ブライトスカイ
■[7 ]ゴーラン
■[7 ]ファルブラヴ
■[7 ]ストーミングホーム

調教診断

■[9+−]ジャングルポケット
栗坂で単走で軽く仕掛けられると最後までしっかりした脚取りで伸びた。タイムは52.4−25.3−12.5秒。少し馬が余裕を持って遊びながら走っていたが、これはある意味好調の印。馬体の張り、動きとも申し分ない仕上がり。

■[9+/]ナリタトップロード
栗DWで単走でラスト一杯に追われると重心の低いフットワークで鋭い伸び脚を見せた。タイムは80.1−39.9−11.9秒。前半セーブ気味に行って末を伸ばす調教で瞬発力が増してきた印象。馬体の張り、動きとも素晴らしく、ほぼ万全の仕上がり。

■[8+−]シンボリクリスエス
南Wでトレジャーと併せて馬なりのまま内から併入した。66.7−38.9−13.0秒と時計は物足りないが、相変わらず落ち着いて走っている。高いレベルで好調キープ。

■[8/]テイエムオーシャン
北Cで2頭併せで外から軽く仕掛けられるとバネの利いたフットワークでラスト12.2秒の伸び脚で先着した。ダートに慣れてきたのか集中して走っている姿は良く見せる。これまでとは比較はできないが、1週目よりは確実に良化している。

■[8−]ノーリーズン
栗CWでゴールドアリュールと併せて一杯に追われたが、相手に突き放された。見た目は良くないが、調教駆けしないのでこれだけ追われれば十分。馬体もきっちりできている。

■[7+/]エアシャカール
栗坂で2頭併せで一杯に追われると最後までしっかりした脚取りで併入した。前走より脚捌きに力強さが少し出てきた印象。大幅な変わり身はないが、この馬なりに若干良化している。

■[7+−]マグナーテン
南Wで単走で強めに追われて、62.6−37.5−13.1秒の好タイムをマークした。藤沢厩舎としてはかなり強めの調教で仕上げてきている。前走から大きく変わった感じはないが、順調にきている。

■[7−]アメリカンボス
南Wで単走で強めに追われて、ラスト12.1秒の伸び脚を見せた。前走も良かったが、今回も馬体の張り、脚捌きとも変わりなく雰囲気は良かった。好調キープ。

■[6+/]アグネスフライト
栗坂で単走でラスト一杯に追われて、55.6−24.6−11.8秒を出した。屈腱炎明けでこれだけ目一杯に追われると心配になってしまうが、寄れながらも最後までしぶとく伸びた。前走より一歩前進。

▼外国馬

■[7+]ストーミングホーム
中山芝でキャンター。馬体のバランスがいい馬で、バネの利いたしなやかなフォットワークが目を引いた。フットワークからは日本の馬場に対応できそうな気がする。キャンターで何とも言えないところはあるが雰囲気は良かった。

■[7+]サラファン
中山芝で単走で馬なり調教。かなり軽めの内容で分かりづらいが、しなやかな脚捌きが目を引いた。トモの作りからパワーがありそうだが、しなやかな走りからスピードもありそう。

■[7+]ゴーラン
中山芝でキャンター。脚の長い馬だが、風格のある顔つきで馬体も中々見栄えがする。脚捌きが少し硬い感じもするが、キャンターだけにこんなものかもしれない。能力はかなり高そうな馬。

■[7]ブライトスカイ
中山芝で単走馬なりのまま軽快なフットワークを見せた。タイムは82.7−39.3−12.8秒。すごくいいという感じはないが、競馬センスの良さそうな馬で雰囲気はいいものがある。

■[7]ファルブラヴ
中山ダートでキャンター。しっかりした作りの馬体で見栄えがする。パワー型で力のいる馬場が向きそうなだが、トモの作りからスピードにも対応できそうな感じもある。

■[6+]イリジスティブルジュエル
中山芝でキャンター。牝馬特有のバランスのいい馬体で走りそうな雰囲気はある。これだけでは何とも評価しにくいところ。

■[6]インディジェナス
中山芝で単走で強めに追われて、67.0−38.2−13.3秒のタイムを出した。あまり迫力は感じられない。

■[9+−]ジャングルポケット
■[9+/]ナリタトップロード
■[8+−]シンボリクリスエス
■[8 /]テイエムオーシャン
■[8 −]ノーリーズン
■[7+/]エアシャカール
■[7+−]マグナーテン
■[7 −]アメリカンボス
■[6+/]アグネスフライト

<外国馬>
■[7+ ]ストーミングホーム
■[7+ ]サラファン
■[7+ ]ゴーラン
■[7  ]ブライトスカイ
■[7  ]ファルブラヴ
■[6+ ]イリジスティブルジュエル
■[6  ]インディジェナス

相馬眼予想

さあジャパンC。日本馬9頭、外国馬7頭の精鋭が揃い、見応えのあるレースが期待できそうだ。とにかく、各馬不利のない競馬で力を出し切って欲しいというのが競馬ファンの願い。直線で各馬横一線になっての豪快な叩き合い。そんな迫力のある競馬を期待したい。

まず中山の馬場だが、土曜日に雨は降ったが発表は良馬場。時期的に若干湿り気のある状態だろう。天皇賞秋のときもそうだったが、中山は最内が多少湿り気が多くなるのが特徴。ただし、先週仮柵を外してAコースになったので、内側の芝のいい部分を走れる馬が有利。そのあたりが微妙だが、芝のいい部分の若干外目というのがおそらくビクトリーロードだろう。各ジョッキーもそれを認識しているので、そこを走れるように仕掛けてくるはずだ。中山の馬場はいいので湿り気が多少あっても、上がりタイムは遅くはならないだろう。

次に展開だが、逃げるのはマグナーテン。いつも通りのペースで行ったらハイペースだが、単騎逃げが望めるメンバーでわざわざそういうことはしない。おそらく岡部騎手のイメージは毎日王冠。ただし、今回は距離が伸びるだけに最初の2ハロンをどう切り抜けるかがポイント。最初スローで行くとかかる可能性があるので、普通に行って道中ラップを落として後続を引きつけ、ラスト3Fを34秒台で乗り切るというのがイメージ。ラップ的には平均程度の流れになりそうだ。

毎日王冠は各馬が天皇賞秋を見越した感じのレースぶりで仕掛けが遅くなったが、今回は本番のジャパンC。欧州の長い直線で差す競馬をしてきた馬は中山コースを考えれば早めに仕掛けていくのは当然。さらに内側の馬場がいいことを含めると各馬の仕掛けは早くなるというのがここでの読み。その読みが崩れるとマグナーテンの逃げ残りも考えられなくはないが、今回は毎日王冠とは違う外回りコース。息の入り方は全く違うので、よほど展開に恵まれない限りは苦しいだろう。

3コーナー手前からペースアップして激しい競馬になることで求められるのは、息の長い末脚と底力。さらに距離は2200mでもスタミナが必要になる。東京2400mの方が底力、スタミナが要求されそうだが、中山の短い直線というファクターがレースを厳しくする。各馬の能力を最重視するのがベストだろう。息の長い末脚、スタミナ、さらに状態面を考慮して、日本馬ではジャングルポケット、テイエムオーシャン、ナリタトップロード、シンボリクリスエスの4頭が該当する。外国馬では、ブライトスカイ、ゴーラン、ファルブラヴの3頭が該当する。

各馬の位置取りは好位から中団あたり。ただし、テイエムオーシャンに限ってはいつも通り先行するとは言い切れない。陣営は今回の作戦を明言していないが、差す競馬をするような気がする。同じ2200mのエリザベス女王杯で前に行って目標にされ最後差されたこと、有馬記念で敢えて3コーナーから押さえて差す競馬に徹して4着したこと、さらに札幌記念で外を強引に撒くって34.5秒の末脚で差し切れたことがその理由。

後ろから来た馬を抜かせないという競馬より、前にいる馬をかわしに行った方がテイエムオーシャンの性格に合っている。イメージは札幌記念より若干後ろの位置取りからの外捲くり。4コーナーで先行集団に並びかけられれば馬場のいいところを通ることも可能だろう。先行して早めにスパートする競馬というのも考えられるが、中団から撒くって各馬を捻じ伏せる競馬ということも考えられる。

さあ最終決断。本命はジャングルポケット。休み明けでもきっちり仕上がっているし、能力的に最上位の存在。息の長い末脚はこれまでのレースで証明済みだしスタミナもある。中山より東京向きなのは明らかだが、天皇賞春の走りを見る限り、右回りでも能力を出せると判断した。本来ならこの馬が1番人気だが、休み明けのため人気にならなかったのはラッキーだろう。1番人気の馬は必然的にマークがきつくなる。それはジャパンCの過去の歴史が証明している。器用さがない分、2、3着ということも考えられなくはないが、最も勝利に近い馬はジャングルポケットだ。

対抗はテイエムオーシャン。過去10年で前走2桁着順の日本馬が巻き返したことはないが、敢えて期待してみたい。昨年の有馬記念で各馬勝負どころで仕掛けて行くところ1頭だけ押さえて流れに乗り切れず、それでも直線でマンハッタンカフェに次ぐ34.1秒の末脚で差して0.4秒差まで迫った。流れに乗っていれば上位と際どかっただろう。今回は勝負どころで控えることはないので、その分ロスのない競馬ができるとなれば当然好勝負。昨年のジャングルポケットが札幌記念3着→菊花賞4着の後にジャパンCを制したように叩き3戦目での前進を期待したい。

準対抗はナリタトップロード。念願の外枠を引いたが、今回は仮柵を外したAコースで内側を走る馬が有利になるだけに単純に外枠がいいとは言い切れない。前走は確かに内々で厳しい競馬になったが、その分ロスなく回れたし、四位騎手お得意の大外ぶん回しもなかった。今回は外枠だけに外々を回るコースロスのある競馬で大外捲くりをするようだと最後伸び切れるかどうか心配。ただし、状態は絶好。少し流れが緩くなって末脚の切れ味が生かせる展開になると浮上する可能性がある。

押さえはシンボリクリスエス。天皇賞秋を勝ったことは素直に評価したいが、全てが上手く行ったというイメージもあるだけに1番人気の今回は同じような競馬をさせてもらえるかどうか。ペリエ騎手はジャングルポケットを負かしに行くというより、自分のレースができるかという方を重視した騎乗になる。直線で弾けるように伸びる末脚はいいものがあるだけにいかに直線までいい位置取りで脚を温存できるかというのがポイントだろう。直線での切れ味はジャングルポケットを凌ぐものがあるだけに勝つ可能性を残している。

あとはノーリーズン。これまでのレースぶり、体型などを考えると距離は1ハロン長い感じはあるが、激しい競馬での我慢比べというのがこの馬のスタイルに合う。ダービーはレース中に骨折、神戸新聞杯は骨折明けで乗り込み不足、菊花賞は落馬と力を出し切れていないが、皐月賞をレコード勝ちしたように坂のある中山コースは合う。鞍上はマイルCSを制した蛯名騎手。押さえは必要だろう。

外国馬はブライトスカイ、ゴーラン、ファルブラヴだが、ブライトスカイ以外は調教をまともにやっていないところも気になるし、日本の馬の方を上位に取りたい。ただし、外国馬は昨年よりレベルは高くなっているのでマークは必要。幸い人気がないので馬券は少し押さえておいた方がいいだろう。ここでは無印にしておくが、そのあたりは考慮しておきたい。

馬券はジャングルポケットからの馬連流しと押さえで○▲△の馬連ボックス。これに外国馬を少し絡めたい。あとはパドックで気配のいい馬がいれば追加するのと3連複を小額買ってみたい。調教診断では[6+/]に留めたが、アグネスフライトがひと叩きされて馬体の張りが戻ってきている。弟のアグネスタキオンが皐月賞を楽勝したようにこの血筋は厳しいレースになると異常な力を発揮することがある。パドックの気配次第になるが、3連複で若干押さえてみたい。

    ◎ジャングルポケット
    ○テイエムオーシャン
    ▲ナリタトップロード
    △シンボリクリスエス
    注ノーリーズン



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