マイルCS
2002/11/17 京都競馬場 芝1600m


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1週前調教診断

■[8+/]アドマイヤコジーン
栗坂で単走でラスト強めに追われて首を使った柔らかいフットワークで最後までしっかり伸びた。タイムは52.1−24.9−12.5秒。リズムよく走れているし、手応えも前走よりかなり良くなった。ひと叩きした上積みを感じさせる動きで春の絶好調時に近づいている印象。

■[7+−]トウカイポイント
南Wで2頭併せで馬なりのまま併入した。軽めだったが、気合の乗った走りで追えば一気に伸びそうな気配が感じられた。バネの利いたフットワークもいいし、馬体をフックラ見せて前走同様、好気配を保っている。

■[7−]リキアイタイカン
栗坂で単走で一杯に追われると最後は一杯になりながらもしぶとく伸びた。タムは52.2−25.2−12.9秒。追われてからのビュンとした反応がなかったのは少し不満だが、馬体の張り、気配は上々。この馬なりに好調をキープしている。

■[7−]ブレイクタイム
栗坂で単走馬なりで53.3−24.5−12.4秒を出した。それほど早くは見えないが時計が出ているのこの馬の凄いところ。最近は暴走気味に行って猛時計を出すことがなくなったように馬が折り合えるようになってきている。前走同様、好調キープ。

■[7/]グラスワールド
南Wでテレグノシスと併せて一杯に追われると最後までしぶとく伸びて併入した。タイムは63.9−36.3−12.6秒。前走より若干動きが軽くなってきた印象で叩かれた上積みが感じられる。もう少ししなやかさが欲しい気もするが、現時点ではまずまずの仕上がり。

■[6+/]テレグノシス
南Wでグラスワールドとの併せ馬。ラスト鞭を入れられて一杯に追われるとしぶとく伸びて併入した。あまり調教駆けするタイプではないが、春当時よりブレのない走法になってきたのは目を引いた。馬体減を心配していたが、現状は前走程度を保っており心配なさそうだ。前走より若干良化している。

■[6+−]ダンツフレーム
栗坂で2頭併せで一杯に追われたが、最後は相手に突き放された。時計は51.5−25.2−12.9秒と出たが、やや動きに迫力が欠けている印象。宝塚記念のときは馬に走る気が満ち溢れていたが、それと比較すると物足りない。普通の馬なら悪くはないが、調教と実戦が結びつくタイプなので、ここでは敢えて厳しい評価にしておく。

■[6+−]アローキャリー
栗坂で2頭併せでラスト一杯に追われて58.8−24.3−12.2秒のタイムを出した。少しフワフワとした感じはあるが、最後の伸び脚は良かった。前走から大きく変わった感じはないが、この馬なりに順調にきている。


データ分析

■1番人気にG1連対歴なければまずは疑え
1番人気の成績は[5・2・0・3]だが、勝った5頭のうち3頭が安田記念馬で1頭が皐月賞馬だった。中距離G1馬が出走して1番人気になれば信頼できる。G1連対経験のない馬が1番人気になるようならまずは疑ってかかりたい。

■1、2枠は連対ゼロ。外枠の馬が狙い目
枠番別では1、2枠の連対はなく、外枠に連対馬が集中している。2連続開催で馬場の内側が荒れているので内枠の馬は仮柵を外すなどがないと苦しい。外枠からスタートしてスムーズに流れに乗れる馬が狙い目となる。

■マイル実績のない馬は大幅に割引き
連対馬の条件として距離実績が挙げられる。連対馬20頭のうち17頭がマイルで2勝以上で連対率5割を満たしていた。さらに14頭が芝ダート問わずマイル戦の重賞勝ち馬だった。マイル実績のない馬は大幅に割引きたい。

■3着に人気薄5割。3連複なら大穴狙い
1番人気が強く大荒れは少ないが3連複なら話は別。過去10年で3着に9番人気以下が5頭来ている。5頭とも前走負けて人気を落としていたのが共通点。狙いは勝った馬より負けた馬。3連複での大穴狙いが面白い。


コース分析

京都外芝1600mは、2コーナー奥のポケット地点からスタートするコース。外回りコースで直線が長いため、差し追い込みが決まりやすいことが特徴。ゆったりとしたコーナーと広々とした直線で紛れが生じにくく、能力のある馬が力を発揮しやすいコースと言える。ポイントは3コーナー過ぎの下り坂。ここをスムーズに乗り切った馬が直線で鋭い伸び脚を使うことが多い。

マイルCSの過去10年の連対馬の脚質は、逃げ2先行8差し5追込5で逃げ馬は2連対と不振。差し追い込み馬の活躍が目立つが、人気になるG1級ならそれほど脚質は問わない。面白いのが人気薄。8番人気以下で連対した3頭は全て追い込み馬だった。一発大穴なら追い込み馬が狙い目。

京都は今週もBコース。先週のエリザベス女王杯で33秒台の上がりタイムが記録されたように馬場は依然として良好な状態。ペースが遅くなると前に行った馬が止まらないので注意が必要。実際、昨年は前半35.4秒と遅くなり、2番手を進んだゼンオエルシドが制している。まずは展開を読んでどの馬に有利になるのかを見極めたい。


レース展望

安田記念を制したアドマイヤコジーンが実績、調子を考えても最短距離にいるのは間違いない。前走のスプリンターズSは、久々でイレ込んでいたし、決して万全のデキではなかったが、それでも2着に踏ん張った。能力の高さもあるが、、最後までレースを諦めないのがこの馬のいいところ。今回も大崩れは考えられない。ただし、今の京都は馬場が良く早い上がりが要求される。並んだら抜かせないが、負けるとすれば切れ味のある馬だろう。12月に香港マイルCが引退レースになるが、今回が日本でのラストラン。アドマイヤコジーンらしいレースを期待したい。

その他で最も魅力を感じているのは、人気になりそうだがブレイクタイム。天皇賞秋は余計な一戦だったが、最近は使ってもガタッと来るところがなくなっているので問題ないだろう。京王杯AHで折り合って直線で抜け出したときの迫力は相当なものだった。そのとき4馬身突き放したミデオンビットが富士Sで3/4馬身差の2着。普通に考えれば富士S組に負けることはないだろう。京王杯AHでこの馬の迫力に周りの馬が走るのをやめたという話があるようにGT馬に必要なものを備えている。01年の安田記念2着は決してフロックではない。

あとはかなり混戦模様。本来ならダンツフレームだが、天皇賞秋の惨敗を見ると手が出しづらい。ただし、この最終調教では復調を感じさせる動きを見せた。さすがに関西リーディングを誇る山内厩舎といったところだろう。圏内にいる。あとはエイシンプレストンとモノポライザー。エイシンプレストンは昨年のマイルCSで2着。ベストのマイルなら当然圏内だろう。モノポライザーは休み明けでメイショウラムセスを差し切っているし、切れ味勝負なら出番がありそうだ。ただ馬体はまだ2ランク上に成長する余地を残していることを付け加えておく。

人気がないところでは、富士Sで前が詰り完全に脚を余したトウカイポイント。札幌記念2着の内容はGTで通用していいもの。ハイペースで折り合って末脚を生かすのが最もいいことが分かっているだけに怖い存在。あとはデュランダル。マンデームスメに並び、この夏の上がり馬だが、3連勝で一気にGT挑戦するところまで来た。さすがにこのメンバーでは苦しいが、アドマイヤコジーンとブレイクタイムが強い競馬をして、それを負かしに行った馬が失速することも考えられる。賞金上位馬の回避で出走できるツキというのも見逃せない。

この他にも富士Sで上位に来たメイショウラムセス、ミデオンビット、グラスワールド、テレグノシスがいるが、富士S自体がそれほどレベルが高くなかったように思えるのであまり強調できない。この中ではMHKマイルCを勝ったテレグノシスが気になるが、アドマイヤコジーン、ブレイクタイムと比較するとまだそのレベルまで行っていないような気がする。今のところこの4頭については展開次第で連下という評価にとどめたい。


有力馬診断

■[9]アドマイヤコジーン
ラストランに向けここまで万全の仕上がりできた。安田記念やスプリンターズSの走りを見るとある程度力のいる馬場で押し切る競馬が合うように見えるが、それはこの馬の能力で踏ん張って克服してきたもの。今年最も強い競馬をしたのが馬なりのまま2着に3馬身半差をつけた阪急杯。あのときのバネの利いた素軽いこそがこの馬の本質という気がする。おそらく早めに仕掛けて押し切る競馬になるだろうが、阪急杯で見せた軽さがあれば、今の京都の馬場でも十分対応できるだろう。1番人気でマークはきつくなるだろうが、後藤騎手は強気に攻められる騎手。期待していいだろう。

■[8]ブレイクタイム
京王杯AHで見せた折り合いと直線で抜け出すときの迫力は凄かった。そのときに4馬身突き放したミデオンビットが富士Sでメイショウラムセスに3/4馬身差の2着。ブレイクタイムの能力が引き立って見えるのは当然だろう。ただし今年の新潟は飛びの大きい大型馬に有利だったのも事実。軽快さと切れ味が要求される今の京都では抜け出したとしても最後の最後で差される不安は拭い去れない。ハイペースの安田記念で先行して2着したようにある程度ペースが早くなった方が持ち味が生かせそうだ。3着も考えられるだけに全面的に信頼というところまではいかない。

■[8]エイシンプレストン
天皇賞秋は8着に敗れたが、ベストとはいえない2000mで時計の早い決着だっただけに悲観する内容ではない。今回は6勝を挙げている得意のマイル戦。昨年のマイルCSはスローペースになったが、33.7秒の末脚を繰り出して2着に突っ込んできた。力のいる芝が得意というイメージがあるが、マイル戦なら軽い馬場でも対応できる柔軟性を持っている。あとは斤量57キロ。58キロを背負うとやや切れがなくなるが、57キロだとこれまで結果を出しているように切れが違う。内枠を引いただけにいかにスムーズな競馬ができるかということがポイントになる。

■[7+]トウカイポイント
富士Sで脚を余して5着に敗れたレースも惜しかったが、それより札幌記念で2着したレースぶりを評価したい。これまではある程度長い距離を使ってきたが、ハイペースで末脚を生かすのが最も合うことが分かったのでマイル戦を使うのは当然だろう。中山記念でエイシンプレストンやミレニアムバイオといった強敵を負かしているし、ここに入って能力的に見劣るという感じはない。まともな競馬ができれば一発あっても不思議ではない。

■[7+]ダンツフレーム
天皇賞秋は外枠でロスのある競馬だったが、14着と精彩を欠いた。馬体重は戻していたが、中身が伴っていなかったのだろう。今回は1週前はイマイチだったが、最終調教では坂路で迫力のある動きを見せたようにギリギリ間に合った印象。絶好調だった宝塚記念当時には及ばないが、走れる状態には仕上がっている。パワー型なのでもっと馬場が荒れて時計がかかった方がいいが、厳しいレースで底力が問われる展開になれば浮上する可能性がある。京都マイルの大外枠は中山2000mのように不利にはならない。あとは当日ギラギラとした雰囲気が戻っているかだろう。

■[7]テレグノシス
3歳馬ではNHKマイルCを勝ったこの馬が格上。ただし春からそれほど馬体の成長が感じられないし、レース前にイレ込むようになっているのが気になるところ。富士Sでは中山の前残りの馬場を考慮して前に行ったが本来は後方から差してこその馬。今回は差しに徹することになるだろう。調教の動きはそれほど目立たないが、NHKマイルC当時もこんな感じだったので割り引かなくていいだろう。翌日に結婚式を控えた勝浦騎手がどんな騎乗を見せるか。

■[7]グラスワールド
毎回堅実に走るので大崩れはないタイプ。安田記念のときは馬場入場後に鞍を付け直すアクシデントで馬がかなりイレ込んでいた。それでも0.2秒差の4着に好走したのはこの馬の底力以外何モノでもないだろう。派手さはないが、先行してしぶとく伸びる脚質は安定感抜群。おそらく強気な競馬でアドマイヤコジーンに真っ向勝負を挑むので、それに勝てるかどうかだろう。

■[7]モノポライザー
休み明けのポートアイランドSで後方から楽々と34.4秒の末脚を繰り出して快勝。そのとき負かしたのが富士Sを勝ったメイショウラムセスと重賞級の能力を持っているのは間違いないだろう。展開に注文はつくが、折り合ったときの切れ味はいいものがあるし、そういう競馬が得意な武豊騎手が騎乗するだけに侮れない存在。ただし、内枠、多頭数、確たる逃げ馬が不在のメンバー構成など課題も多い。おそらく掲示板あたりにも持ってくるだろうが、どこまで上に来れるか。

■[6+]デュランダル
この夏の上がり馬だが、一気にGT挑戦するところまで来た。ここ2戦33秒台の末脚を繰り出しており、末脚勝負になれば持ち味が生かせそうだ。ただし、これまでとはメンバーが違うだけに道中のペース自体も違ってくる。どこまでスムーズな追走ができるか、そのあたりが課題だろう。有力馬が競い合って前崩れの展開になれば一発があるかもしれない。


調教診断

■[9/]アドマイヤコジーン
栗坂で単走でラスト一杯に追われて、この馬独特の両前脚を一緒に出す柔らかいフットワークで最後までしっかり伸びた。タイムは51.0−25.1−12.8秒。首を使ったリズミカルな走り、馬体の張りともに申し分なく、国内ラストランに向け、ほぼ万全の仕上がり。

■[8/]ブレイクタイム
栗坂で単走でラスト軽く仕掛けられると最後までしぶとく伸びた。タイムは51.0−25.1−12.8秒とラスト13秒を切ってきた。今回も前半暴走しなかったように折り合いに進境を見せている。馬体の張りも良く、前走より若干調子を上げている。

■[7+/]メイショウラムセス
栗CWで単走馬なりで首をリズミカルに振るこの馬独特のフットワークで最後まできっちり伸びた。馬体をフックラさせながら仕上げてくるのは伊藤雄二厩舎の腕。前走より軽快さがさらに増してきたし、使われているが若干調子を上げている。

■[7+/]テンザンセイザ
栗CWで3頭併せで一杯に追われるとラスト12.0秒の伸び脚で先着した。前脚を掻き込むフットワークは前走時より鋭さを増してきた印象で良く見せる。馬体にも張りがあるし、馬も集中して走れているのもいい。前走より調子を上げている。

■[7+−]エイシンプレストン
栗CWで単走で一杯に追われるとこの馬独特のキレのある前脚の捌きで最後までしっかり伸びた。タイムは80.4−37.8−12.4秒とこの馬にしては平凡だが、動きは悪くない。天皇賞秋のときも良かったので大きな上積みはないが、好調をキープしている。

■[7+/]グラスワールド
南Wで単走で強めに追われてラスト12.0秒の伸び脚を見せた。大型馬でスピード感はそれほどないが、走りに窮屈なところがなくなり、だいぶ素軽くなってきた。まだ絶好調まではいっていないが、ひと叩きされた上積みが感じられる。

■[7+−]リキアイタイカン
栗坂で単走で一杯に追われて、51.1秒、ラスト12.3秒の伸び脚を見せた。脚が長いのであまりスピード感はないが、それでも早いタイムが出るのがこの馬のいいところ。ラストの伸び脚も良かったし好状態を保っている。馬体の充実ぶりも目立つ。

■[7+−]トウカイポイント
南Wで単走馬なりで64.9−38.6−13.2秒のタイムを出した。相変わらず馬体は太めに思えるくらいのボリューム感を保っている前走も良かったので大きな変わり身はないが好状態をキープしている。

■[7/]ダンツフレーム
栗坂で2頭併せでラスト一杯に追われると最後は相手を突き放した。タイムは53.6−24.3−11.9秒。1週前より動きに迫力が出て良くなった。絶好調だった宝塚記念のデキにはないが、ギリギリ間に合った印象。

■[7−]モノポライザー
栗坂で単走馬なりでやや控えめに53.1−25.3−12.0秒を出した。バネの利いたフットワークで気合の乗った走りはいつも通り。前走ビッシリ仕上げたので大きな上積みはないが、この馬なりに好調子をキープしている。

■[7/]エイシンスペンサー
栗CWで2頭併せで一杯に追われて、ラスト11.8秒の上々の伸び脚を見せた。馬体がスッキリ絞れたことで動きが鋭くなって切れ味が出てきた。かかるところもないし、精神面の成長も見せている。好仕上がり。

■[6+/]テレグノシス
南Wで2頭併せて馬なりのまま併入した。手前を何度も変えていたがこれはいつものこと。あまり調教駆けしないタイプなので、それほど動きは目立たないが、前走よりは若干良くなっている。NHKマイルCを勝ったときも調教の動きは目立たなかったことを付け加えておく。

■[6+−]デュランダル
栗CWで四位騎手を背に単走でラス強めに追われて、キレのあるフットワークで最後までしっかり伸びた。四位騎手が仕掛けると即座に反応していたのが好印象。やや馬体が硬い感じもあるが、これはいつものこと。使われているので上積みはないが、この馬なりに好調をキープしている。

■[6+−]ミデオンビット
南芝で単走で一杯に追われて、78.4−65.3−37・0−12.7秒で最後までしぶとく伸びた。もっとタイムが出ていいような気もするが、馬体の張りは上々でいい状態を保っている。大型馬特有の重さもあるが、この状態で高速決着に対応できているのだから問題ないのだろう。

■[6+−]ゼンノエルシド
南Wでペリエ騎手を背にシンボリクリスエスと併せて内から持ったままで併入した。気合の乗った走りで動きはまずまず。実戦では走らないが、この馬なりにデキは悪くない。

■[6+−]ミツワトップレディ
栗坂で単走馬なりで54.7−26.0−12.6秒のタイムを出した。これと言って強調材料はないが、動きが悪いということはない。この馬なりに順調。

■[6+−]ディヴァインライト
南Wで2頭併せで強めに追われて併入した。これと言って強調できるところはないが、元々調教駆けしないタイプなのでこれくらい追えていれば十分。この馬なりに順調。

■[6+−]アローキャリー
栗坂で単走でラスト一杯に追われて、24.3−12.0秒の伸び脚を見せた。このところラストを伸ばす調教に馬が慣れてきた印象。ただし前走からあまり変わってきた印象はない。


相馬眼予想

まず京都の馬場だが、若干内側が荒れている感じでそこを通った馬が伸びないというところまではいかないが、少し外目を通った馬が伸びている。例年よりは荒れていない印象なので内枠が絶対に不利という感じではないが、外からスムーズな競馬ができる馬の方が有利だろう。ハイペースにならなければ上がりが早いので基本的にある程度前に行ける馬の方が有利。ただし究極の末脚がある馬ならぎりぎり届きそうなイメージもある。

次に展開だが、逃げるのはミデオンビットだろう。アローキャリーは末を生かす調教をしているように差す競馬をするので、ミデオンビットが押し出される形で逃げることになる。敢えて競りかけて行く馬もいないので流れはそれほど早くならない。昨年は前半3F35.4秒のスローになったが、さすがにそこまでは遅くならないしてもやや平均より遅いペースになりそうだ。ただし昨年と違うのが、前に行って強い競馬をして押し切れる馬が出走していること。アドマイヤコジーンの出走によりレースのレベルが上がるというのが今年のポイントだろう。

後藤騎手のイメージはズバリ阪急杯。好位から直線入り口で先頭に立ちそこから粘り込む正攻法の作戦だろう。それで粘れる力が今のアドマイヤコジーンにはあるし、阪急杯で見せた軽快な末脚があれば京都で切れ負けすることもない。ただしそれに待ったをかけるのが松永騎手のブレイクタイム。今の調子の良さ、京王杯AHのレースぶりから陣営が自信を持っているのは明らか。となればアドマイヤコジーンを負かしに行くしかないだろう。追って切れるタイプではないのでアドマイヤコジーン同様、早めに先頭に立ってそのまま粘り込む競馬になる。

好位につけたアドマイヤコジーンとブレイクタイムが3コーナー手前から徐々にスパートする展開。直線入り口で先頭に並びかけて2頭の追い比べになる。まず2頭の順位をつけるとアドマイヤコジーンの方が上。あくまで阪急杯のような軽快な末脚が使えるという前提だが、切れ味で圧倒できるだろう。550キロの巨漢馬ブレイクタイムに外から並びかけられると戦意を喪失する馬もいるが、精神的に強いアドマイヤコジーンなら問題ないだろう。直線半ばでアドマイヤコジーンが先頭、ブレイクタイムが2番手を進むところに差し馬がどこまで来れるかというレースになる。

その差し馬だが、3コーナーなら一気にペースアップするにしても前半楽をした各馬は簡単には止まらない。基本的に中団より前の馬になるが、後方からの馬でも究極の切れ味のある馬は2着ならギリギリ届きそう。中団あたりから差す馬の候補はグラスワールド、エイシンプレストン、トウカイポイント、テレグノシスの4頭。後方から究極の切れ味で追い込む馬はモノポライザー、デュランダルの2頭が該当する。底力にやや疑問が残るメイショウラムセスとテンザンセイザは調教の動きは絶好だが、ここでは押えの評価。印はつけないが、馬券はオッズ的に本命から小額押えたい。

さあ最終決断。本命はアドマイヤコジーン。スプリンターズSでは久々でイレ込んだが、今回は調教の動きもしなやかだし、いつもの強いアドマイヤコジーンが見られそうだ。スワンSでショウナンカンプが他馬を圧倒したようにスプリンターズSで上位争いした馬の能力が高いことは明らか。出遅れや前が詰まる不利などがなければ勝てるだろう。後藤騎手にはいつも通りに強気な競馬をしてもらいたい。

対抗はブレイクタイム。直線の最後でやや失速して差し馬に差されるイメージはなくはないが、以前より早い上がりに対応できるので2番手にした。京王杯AHで見せたインパクトはG1で通用するものだし、昨年の安田記念で2着した実績からもこの評価が妥当だろう。準対抗はエイシンプレストン。叩き良化型で最も得意なマイル戦。57キロで出走できるのもいいし、昨年同様の末脚を使ってくれるだろう。3枠でややごちゃつきそうなので福永騎手の手綱捌きに期待がかかる。少しロスはあっても外から差す競馬の方がいいだろう。

あとは最終調教でぎりぎり間に合ったダンツフレーム、前走の白秋Sで見せた末脚は本物を予感させるデュランダル、直線でバラける展開で末脚が生かせるトウカイポイント、馬体の成長は物足りないが能力は見劣らないテレグノシスの順。モノポライザー、グラスワールドもそれほど差はないが、どうも2着のイメージが湧かないためここでは無印。オッズ的に本命から小額押えてもいいだろう。

馬券はアドマイヤコジーンからブレイクタイム、エイシンプレストンへの馬連が本線。あとはタテ目を押えてアドマイヤコジーンからの馬連流しになる。かなりオッズが割れているため、1番人気のアドマイヤコジーンからでも配当は見込めるので手広く買った方がいいだろう。スワンSで2着したリキアイタイカンは全く人気はないが、ショウナンカンプが強過ぎただけで例年ならこの馬が勝っていたといってもいい内容。マイル実績はないが大穴で小額押えておきたい。

    ◎アドマイヤコジーン
    ○ブレイクタイム
    ▲エイシンプレストン
    △ダンツフレーム
    注デュランダル
    注トウカイポイント
    注テレグノシス



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