エリザベス女王杯
2002/11/10 京都競馬場 芝2200m


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データ分析

■レベル高い。G1級でなければ割引き
連対馬12頭のうち10頭にG1連対があり、勝ち馬6頭にはG1連対はもちろん牡馬混合G1、G2での連対があった。古馬牝馬唯一のG1で各馬がここ目標のため非常にレベルが高い。G1級でなければ大きく割引きたい。

■秋華賞から中3週。今後は3歳馬に要注意
年齢別では3歳2連対、4歳6連対、5歳4連対と4、5歳馬が活躍。ただし3歳馬は2年前に秋華賞から中3週とローテーションが楽になったので注意が必要。昨年も差のない競馬をしたように3歳馬でもG1級なら通用する。

■前年連対馬が出走してくれば要注目
過去6年で2年連続して連対した馬が3頭も出ている。前年連対馬で翌年連対できなかったのはランフォーザドリームのみ。牝馬G1は数が少ないためG1級の馬は多くない。前年連対馬が出走してくれば注目したい。

■3着に人気薄。3連複なら大穴狙える
過去6年の3着馬は11、8、1、5、10、5番人気と人気薄が多い。8番人気以下の3頭は逃げ2追込1で極端な脚質の馬だった。さらに6頭中5頭が関西馬。3連複なら極端な脚質の関西馬を絡めての大穴狙いが面白い。


1週前調教診断

■[8−]ファインモーション
栗CWで単走馬なりで79.0−37.6−12.9秒の好タイムをマークした。前走同様、柔らかいフットワークを見せており、調子落ちは感じられない。前脚の捌きもスムーズだし、適度に気合の乗った走りもケチのつけようがないもの。高いレベルで安定している。

■[7+/]ビルアンドクー
栗CWで単走で一杯に追われるとキビキビとしたブレのないフットワークで79.3−37.4−12.9秒の好タイムを出した。走る馬独特のものを持った馬で良く見せる。馬体にも身が入ってきたし、ここにきての充実してきている。末脚勝負になれば、意外とやれるかもしれない。

■[7+−]ダイヤモンドビコー
南芝でハッピーパスと併せて馬なりで65.3−38.3−12.6秒のタイムで併入した。元々良く見せるタイプだが、終始スムーズな脚捌きで気配の良さが目立った。ほぼ仕上がっているので、あとは調整程度で良さそうだ。好調キープ。

■[7/]レディパステル
南Wで単走で一杯に追われて、しっかりした脚捌きで65.1−37.7−12.1秒をマークした。手前を変えずに走っていたが、これはいつものこと。馬体が引き締まり全体的な気配もいいし、使われながら調子を上げている。

■[7/]ローズバド
栗坂で2頭併せで強めに追われて、51.8−25.0−12.6秒をマークした。馬に走る気が出てきた印象でまじめに走っていた。馬体などは前走から大きく変わった感じはないが、気配は良くなってきている。

■[7−]トーワトレジャー
栗CWで単走で軽く仕掛けられると重心の低いブレのないフットワークで最後までしっかり伸びた。少し太い感じもするが、馬体の縦の幅が増してきたといい方に捉えたい。脚捌きもスムーズだし、依然好調キープ。

■[6+−]スマイルトゥモロー
南Wで2頭併せで一杯に追われて、64.5−36.6−12.3秒で気合の乗った走りを見せた。いつものように鞍上が押さえるのに苦労していたが、かかり気味になるのはいつものことなので心配ない。馬体は春とそれほど変わっていないが、馬は元気一杯。最終調教でどこまで仕上げてくるか注目したい。

■[6+/]ユウキャラット
栗CWで単走で一杯に追われて、80.6−38.8−12.0秒をマークした。馬体が引き締まってきたことで動きに軽さが出てきたのは好印象。前走より若干良化している。

■[6+/]シルクプリマドンナ
栗坂で単走で一杯に追われるとしっかりした脚捌きで登坂した。バネの利いたフットワークになってきたのが好印象。絶好調だった3歳春のデキまで行っていないが、徐々に復調しているのは間違いない。

■[6+−]タムロチェリー
栗坂でホーマンヴェルウインと併せて一杯に追われるとラスト24.6−12.5秒の伸び脚で最後までしっかり伸びた。大きい相手に怯まずに走れているし、このところずっと一杯に追われているように調子自体は悪くない。


コース分析

京都芝2200mは、スタンド前からスタートしトラックを約1周する外回りコース。最後の直線が内回り328mに対し、外回り408mと長いことで差し追い込みでも届くことが多いが、ペースが遅いと直線が平坦のため前残りもあるのがこのコースの特徴。外回りコースでは、3、4コーナーの下り坂で息を入れながらも徐々に進出できる馬が直線でいい脚を使って好走することが多い。

エリザベス女王杯の過去6年の連対馬の脚質は、逃げ0先行4差し2追込6と逃げ馬の連対はない。00年に逃げたトゥザヴィクトリーが4着に敗れたのがいい例だが、逃げ馬はマークが厳しくなるので苦しい。逃げ馬以外、特に脚質は問わないが、最後の直線で混戦になるので切れ味と勝負根性を持った馬を狙いたい。

京都は今週からBコースなので荒れた内側が仮柵でカバーされる。芝の状態はいいので、ペース次第のところはあるが、上がりが早くなることが予想される。基本的に早い上がりに対応できる馬を狙いたい。ファインモーションが秋華賞のように強い競馬して前に行った馬を一層すると差し追い込み馬が飛んでくることも考慮しておきたい。


レース展望

無傷の5連勝で秋華賞を制したファインモーションが能力は抜けているのは間違いだろう。ジャパンCに出走しても好勝負できるだけに牝馬限定戦なら確勝と言ってもいいだろう。古馬より2キロ軽い54キロも有利だ。ただし、それに待ったをかけるのが、ファインモーション自身。月曜日の放馬、そして栗CWで行われた最終調教で引っ掛かって77.9秒を出したところからもテンションが高くなっているのは明らかだ。

ファインモーションは秋華賞のパドックでも若干イレ込んでいたようにレース数を消化するに従い、煩くなってきているのは事実だろう。8月の函館で復帰して以来今回が5戦目。徐々にレース慣れして落ち着いてくるならいいが、今は逆の方向に進んでいる。敢えてここには詳しくは書かないが、最終調教の動きを見る限りファインモーションの死角はあると考えたい。ただし、こういう状態でも1戦くらいは無事に消化してしまうことも考えられるだけに最終的にはパドックでの状態で判断したいと思っている。

ファインモーション以外では、昨年のオークス馬レディパステル、昨年の女王杯2着のローズバド、ペリエ騎乗のダイヤモンドビコーあたりだろう。秋華賞のようにファインモーションが強い競馬をして前を一掃するようだと自分の競馬に徹した馬が有利になるが、そのファインモーション自身が分からない状態なのだから予想は難解だ。距離が伸びていいのはレディパステル。最終調教の動きは良かったので、あとは輸送さえこなせばチャンスはあるだろう。

その他では末脚勝負になれば格下でもビルアンドクーに魅力を感じる。武英智騎手のあたりの柔らかさはいいものがあるし、ムーンライトSでデュランダルに迫った末脚は重賞級のものだった。有力各馬がファインモーションを負かしに行った場合に気楽に乗れるこの馬に漁夫の利があるかもしれない。

ファンタジーSでワナがパドックでイレ込んで4着に敗れたように牝馬の一戦だけに当日の気配までチェックして納得して馬券は買いたいもの。時間との戦いもあるが、パドックを見て、それを即演算してどこまで評価を上下できるか。走る馬も瞬発力が必要だが、予想する人間にも瞬時に判断する瞬発力が必要になる。騎手は数通りもの乗り方をイメージして騎乗すると言うが、予想する側も数通りの予想を用意して臨みたい。


有力馬診断

■[8+]ファインモーション
今さらこの馬の凄さは説明しないが、ジャパンCに出走しても好勝負できる馬なので、このメンバーはいかにも楽。普通に走ればまず負けることはないだろう。楽勝できるはずだ。ただし、普通に走れるかどうかがポイント。秋華賞でも若干パドックでイレ込んでいたし、この中間は月曜に放馬のアクシデント、さらに最終調教でかかり気味に行って予定より早い77.9秒のタイムを出したようにテンションが上がっているのは間違いない。ファンタジーSのワナのようなこともあるので正直なところパドックを見てから判断したいが、現時点では若干割り引いてもこの評価。能力の絶対値が抜けているからには、これ以下には落とせない。ファインモーションが勝つとすると厳しい競馬になるので、そのあたりを考慮して相手を選びたい。

■[7+]レディパステル
クイーンSと府中牝馬Sは小回りの1800mでこの馬向きではなかったのでこの着順でも割引きは不要。東京コースがベストだが、その次にいいのが京都の外回り。昨年3歳で挑戦したエリザベス女王杯でタイム差なしの4着に好走したように牝馬ではトップレベルの存在。昨年は馬場の荒れた内を突いたという不利があってのものだけに勝ちに等しい内容と考えていいだろう。最終調教を見る限り、ここ数戦では1番の仕上がり。競馬の上手さはないだけに底力が要求されるレースというのがベスト。あとは最近不調の蛯名騎手がいかに燃えて騎乗できるかだろう。

■[7+]ローズバド
牝馬G1は3戦2着3回で連対率100%。昨年の活躍は素晴らしかったが、今年はここまで馬券の対象にすらなっていない。これまで陣営の歯切れも悪かったが、ここにきて状態が上向いてきてことで陣営からも強気な言葉が少し聞かれるようになった。最終調教を見る限り、脚捌きに鋭さが出てきたし、復調してきているのは間違いないだろう。今回は陣営が宣言しているように最後方から直線で何頭抜けるかという競馬。嵌ったときの破壊力は凄いものがあるが、前残りの展開だと出番はない。それが追い込み馬の宿命だが、距離、コースの適性はレディパステルと同レベルのものがあるだけに最低でも押さえは必要だろう。

■[7+]ダイヤモンドビコー
牝馬限定戦での強さは特質ものだが、今回は初のG1挑戦、初距離と課題も多い。以前に比べると折り合いがつくようになっているので距離はそれほど気にならないが、問題は2番人気という立場。陣営がペリエ騎手にどう指示しているのかは分からないが、ファインモーションを強気に負かしに行くと最後失速することも十分考えられる。逆にレース巧者のこの馬がファインモーションを徹底的にマークして潰すことも考えられなくもないが、ペリエ騎手はどんな秘策を持って臨むのかどうか。前半それほどペースが上がらずにマイルくらいのレースになるようだとこの馬の切れ味が生きてくるかもしれない。

■[7]ビルアンドクー
1000万条件の馬だが、重賞級の切れ味を持っているので穴馬として注目したい。ムーンライトSでデュランダルに迫った末脚は凄いものがあった。さらに小倉の500万条件で負かしたマチカネタグイナキがその後3連勝したことからもこの馬の能力が伺える。順調に行けば牝馬重賞を勝てる馬になるというのが現時点での読み。ここは先物買いになるが、気楽に末脚勝負ができる立場というのもいいし、各馬がファインモーションをマークして負かしに行くようなことがあれば、33秒台の末脚が炸裂する可能性がある。鞍上は武英智騎手。馬に負担を掛けないしなやかか手綱捌きが最近目立ってきた。初のG1挑戦になるが、鞍上に不足はない。

■[6+]スマイルトゥモロー
脚元に不安が出て秋華賞を捨て、この一戦に賭けてきた。言わずと知れた今年のオークス馬でファインモーションがいなければ3歳馬ではこの馬が1番。オークスで見せた末脚のパファーマンスもいいものがあるし、そのデキがあればここで通用しても不思議でない。ただし、今回は長期休み明け。最終調教を見る限り、1週前よりは良くなっているが、絶好調まではいっていない。京都外回り2200mという条件は合っているだけに当日の気配次第でというイメージになる。

■[6+]チャペルコンサート
秋華賞はファインモーションに真っ向勝負を挑んで1.0秒差の8着に敗れた。休み明けでファインモーション相手では当然の結果とも言えるが、それでもしぶとく粘ったのは能力の証だろう。馬体は410キロ台と小さいが、これだけ走るのだから恐れ入る。ただし、現時点で古馬とやるにはワンパンチ足りない気もするだけに買えても連下くらいの評価になる。

■[6+]ユウキャラット
秋華賞は行きっぷりが悪く前半仕掛けてハナを切ったが、それでも直線でしぶとさを発揮して6着に粘った。使われながら徐々に良くなっているので、逃げ馬のいない今回は楽にハナを切れるだろう。ただし、問題になるのはファインモーションの出方。これまでのレースのように早めにかわしに来るようだと苦しくなるだけに武豊騎手がどんな騎乗をするのかというのがポイントになる。今の京都はペースが遅くなると極端に上がりが早くなり、後方からの馬では届かないことが多い。展開次第のところはあるが、粘り込みに注意しておきたい。


調教診断

■[7+/]レディパステル
南Wで単走で強めに追われると終始集中した走りで気合乗りが目立った。前脚の捌きが少し硬く見えるのはいつも通りだが、鋭さが増してきたのは好印象。走りのバランス、馬体の張りもいいし、ここ数戦では1番の仕上がり。

■[7+−]ダイヤモンドビコー
南Wでハッピーパスと併せて馬なりのまま併入した。クビを使ったしなやかなフットワークは相変わらずで良く見せる。重心が低いのもいいし、前走同様、高いレベルで好調をキープしている。

■[7+/]ローズバド
栗坂で単走で軽く仕掛けられると徐々にラップを上げて最後まで切れのある動きを見せた。タイムは53.8−25.8−12.5秒とそれほど早くはないが、1週前に51秒台を出しているのでこれで十分。脚捌きに鋭さが出てきたように復調気配が感じられる。昨年の絶好調時に近づいてきたのは間違いない。

■[7+−]ファインモーション
栗CWで単走馬なりだったが、前半かかり気味に11秒台のラップを刻むとラストはやや一杯になりながらも13.2秒でまとめた。タイムは77.9−62.6−38.2−13.2秒。あれだけかかり気味に行くとラスト失速しても不思議ではないが、それでもまだ余裕があったところがこの馬の凄いところ。ただし、テンションが上がっているのは間違いないので、当日落ち着いているかがポイントになる。馬体は若干細くなってきているし、脚捌きもやや硬くなりつつあるので、そのあたりにも要注意。ただこのレベルならもう一走くらいは走れてしまえそうな感じもするので判断は難しいところ。当日のパドックでの最終判断を下したい。

■[7+−]ビルアンドクー
栗CWで3頭併せの最内を馬なりのままキビキビとした脚捌きで楽々と先着した。偶然併せ馬になったようだが、いかにも切れるという感じで動きは良かった。1週前同様、好調キープ。

■[7/]チャペルコンサート
栗CWで単走馬なりのまま、ラスト12.3秒の伸び脚を見せた。スピード感はないが、思ってより時計が出ているのがこの馬のいいところ。馬体も丸みを帯びていい感じになってきた。好仕上がり。

■[7/]ジェミードレス
南芝で単走で強めに追われて、61.6−35.7−11.7秒で手足の軽い感じのフットワークを見せた。馬体が引き締まって動きがスムーズになってきた。前走より若干良化。

■[6+/]スマイルトゥモロー
南Wで単走で軽く仕掛けられると四股を一杯に伸ばして伸び伸びとした動きを見せた。1週前より馬が落ち着いて走りに集中しているのはいいが、まだ少し馬体の張りが不足している。

■[6+/]ユウキャラット
栗CWで単走で一杯に追われて80.4−39.2−13.0秒と時計は出たが、追われてからの反応はそれほどでもなかった。馬体が少し引き締まり、秋華賞のときよりは上向いているが、まだ良化する余地を残している。

■[6+/]シルクプリマドンナ
栗坂で単走でラスト一杯に追われると重心の低いフットワークで最後までしっかり伸びて24.6−12.1秒をマークした。まだ絶好調までいっていないが、追われてからの反応も良く一歩前進。

■[6+−]トーワトレジャー
栗CWで単走で強めに追われたが、ラストは13.1秒と少しかかった。新潟記念の前の函館での調教時が絶好調だったが、まだそこまで戻っていない。馬体の張りも少し不足している。

■[6+−]タムロチェリー
栗坂で2頭併せで一杯に追われて、52.6−24.9−12.6秒と時計は出たが馬なりの相手に遅れた。動きは悪くはないが、やや一本調子で追われてからの反応がイマイチ。デキは平行線。

■[6−]ブルーエンプレス
栗DWで単走で一杯に追われたが、口向きが悪くあまり見栄えのしない追い切りになった。強調できるところはない。


相馬眼予想

まず京都の馬場だが、今週からBコースで内側の荒れた部分がカバーされた。内側は若干ボコボコしているが、全般的に良好な状態で上がりタイムが早くなっている。ペースが遅ければ33秒台、若干ペースが上がっても34秒台に収まることがほとんど。ペース次第だが、早い上がりに対応できる馬でないと苦しい。13頭立てと古馬に開放されて以来、最も少ない頭数で行われるだけに直線では各馬横に広がって不利のない競馬になりそうだ。

次に展開だが、逃げるのはユウキャラット。2番手以降はシルクプリマドンナ、ファインモーション、ダイヤモンドビコーが続き、中団にチャペルコンサート、トーワトレジャー、レディパステル、後方にスマイルトゥモロー、ビルアンドクー、ローズバドが続く展開。ユウキャラットは忘れな草賞で前半5F60.5秒で逃げ、ラスト34.8秒で上がって楽勝した競馬が今回のイメージだろう。秋華賞では前半5F59.0秒でラスト4Fから11秒台のラップを刻み直線で失速したので、今回はラスト3Fを11秒台のラップにして粘り込むという作戦になるはず。単騎逃げが打てるからには中盤までは思い通りのラップを刻めるはずだ。

ただし、ファインモーションはラスト3Fの上がりの勝負にはしたくはない。切れ味勝負に対応できなくはないが、これまでそういう競馬をしていないだけに一瞬の切れ味のある馬に差される可能性は少なからずある。これまでの競馬ぶりから他の馬とはエンジンが違うのは明らかなので、自らラップを上げて地力勝負に持ち込んだ方がより確実だろう。陣営がそう考えれば、これまで通り早め先頭で押し切る競馬をするはずだ。早めに動くとレディパステルとローズバドの末脚が怖いが、ファインモーション自身が秋華賞と同じ34.5秒で上がれば差すのは極めて難しくなる。

秋華賞と同じようにファインモーションが早めに動いて地力勝負に持ち込む展開。もしユキャラットの逃げが前半からスローになるようならファインモーションが逃げることも考えられる。それくらいの感覚で武豊騎手は騎乗するはずだ。ラスト4Fから11秒台のラップを刻み、4コーナーで先頭に並びかける秋華賞と同じような騎乗。ファインモーションが早めに動くとこれまでのレースがそうだったように前に行く馬は苦しくなるだろう。ファインモーションが抜け出した後に差し追い込み馬がどこまで迫れるかというレースになる。

ファインモーションが抜け出せずに叩き合いになることも考えられるが、その場合はペリエ騎手のダイヤモンドビコーだろう。ファインモーションを徹底的にマークして進め、直線で叩き合いに持ち込んでダイヤモンドビコーの勝負根性を駆り立てる騎乗。馬体を併せればペリエ騎手の激しいアクションにファインモーションが怯むことも考えられるし、とにかく直線で馬体を併せることに専念するはずだ。中山牝馬Sと同じくらい走れば対等にやれそうだが、今回は初距離の2200mというのが課題だろう。ただ馬体を併せればその分伸びるので2着に残る可能性は高くなる。

後ろからの馬では中団で34秒台前半、後方では33秒台前半の脚が要求される。これに対応できるのは、レディパステル、ローズバド、ビルアンドクー、スマイルトゥモローの4頭。ただし、スマイルトゥモローは休み明けで仕上がりが完全ではないので、パドック次第で評価を上げることを考慮しながらもここでは押さえの評価。ビルアンドクーも末脚勝負は歓迎だが、真の底力という点でレディパステル、ローズバドにはまだ敵わないので、この馬も押さえの評価。ただ逆の発想でレディパステルとローズバドが色気を出して早めに動いた場合はチャンスが出てくる。

ここまでファインモーションが秋華賞と同じような競馬をするという前提で考えてきたが、この中間テンションが上がっていることからパドックでイレ込むことも考えられる。さらに2週連続して栗CWで早いタイムを出しているようにオーバーワークという心配も少なからずある。実際、最終調教を見る限り、馬体が若干細く見えるし、脚捌きもやや硬くなってきている。それでも全く駄目ということではないが、もし大幅な馬体減や極度のイレ込みがあるようなら評価を下げたい。ただ現時点ではその確率はかなり低いと思えるだけに予想はファインモーションが普通の状態ということを前提に進めたい。パドックを見て評価を下げなければいけない状況なら、思い切った判断が必要になる。

さあ最終決断。本命はファインモーション。普通の状態で出てきて普通の競馬をすればまず負けない。テイエムオーシャンが参戦しないことでメンバーにも恵まれたし、初の古馬相手でも全く問題ないだろう。パドックで普通の状態が確認できれば、堅い本命馬になる。対抗はレディパステル。昨年のエリザベス女王杯は前半58.5秒とペースが早かったのでローズバドが届いて2着したが、今年はそこまで早くはならないので中団を進むレディパステルの方が有利と判断した。ここに来て調子を上げてきたし、距離、コースと条件が合うだけにファインモーション以外には負けられないところ。

準対抗はローズバド。後藤騎手がどこまで我慢できるかが見ものだが、切れ味を発揮できる状態には仕上がっている。府中牝馬Sでも他馬の鞭が当たる前に一瞬ビュッと伸びたように春とはデキそのものが違う。あとはペリエ騎手がしぶとく粘らせるダイヤモンドビコー、末脚勝負に賭けるビルアンドクー、パドック次第で評価を上げたいスマイルトゥモローの順。馬券はファインモーションからの馬単流しになるが、レディパステルとの1点目を厚めに勝負したい。あとは3連複。本命狙いは馬単のみにして3連複では穴狙いに徹したい。ファインモーションとビルアンドクーを軸にレディパステル、ローズバド、ダイヤモンドビコーへの3点を強調したい。

    ◎ファインモーション
    ○レディパステル
    ▲ローズバド
    △ダイヤモンドビコー
    注ビルアンドクー
    注スマイルトゥモロー



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