ファンタジーS
2002/11/03 京都競馬場 芝1400m


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データ分析

■連対12頭全てが前走3着以内に好走
連対全馬が前走3着以内で3着以下に敗れた馬が連対したことはない。無敗の素質馬か、条件戦またはオープで3着以内に好走した馬というのが連対馬のパターン。これに当てはまらければ重賞実績馬でも消せる。

■コースロスなく回れる内枠の馬に注意
8、13番人気で穴をあけた2頭は逃げ馬と2番手を進んだ馬。穴なら前に行った馬だが、コースロスなく回れる内枠の馬にも注意したい。00年を除き1、2枠のどちらかが必ず連対している。穴ならこのタイプが狙い目。

■多頭数ならキャリア3戦以上の馬を重視
多頭数で行われた最近3年の連対馬のキャリアは5、6、8、3、3、1戦と5頭が3戦以上のキャリアを積んでいる点に注目。キャリアの少ない馬が全く駄目とは言わないが、多頭数ならキャリア3戦以上の馬を重視したい。


コース分析

京都外芝1400mは、向こう正面の2コーナー終わりの直線からスタートするコース。外回りコースで直線が長いため、差し追い込みが決まることが多いが、それも条件によって異なる。古馬オープンでは差し追い込みの連対が多いが、2歳馬や下級条件では前に行った馬がそのまま粘り込むことが多い。同じコースでも各馬の条件によってかなり違うので、外回りだから差し追い込み馬という短絡的な考えはしない方がいい。

ファンタジーSの過去6年の連対馬の脚質は、逃げ3先行5差し3追込1で、4コーナーで4番手以内の馬が9頭と前々に行った馬の活躍が目立つ。多頭数になったここ3年の連対馬は全て6番手以内と前に行った馬で占められる。差し追込み馬は多頭数による紛れと外を回るコースロスで届かないことが多い。多頭数なら差し追込みは少し割り引いて考えたい。

京都は今週もAコース。若干内側が荒れてきたが、スワンSでも1分19秒台が出たように全般的にいい状態を保っている。ペースが遅くなると上がりが34秒台の決着になるので、後方からの馬ではおそらく届かない。2歳戦だけに競馬センスのいい馬で早い上がりに対応できる馬を重視したい。


レース展望

登録馬は19頭と多かったが結局出走馬は12頭に落ち着いた。注目は新潟2歳Sを勝ったワナと京都芝内1400mのかえで賞を勝ったピースオブワールドの2頭。ワナは武豊騎手が騎乗してかなり人気になりそうだが、現時点での仕上がり具合とパフォーマンスを考えると外せない存在。ピースオブワールドも前走で見せた切れ味は素晴らしく、まだ馬体はパンとしていないがここでも十分好勝負できるだけに力はある。2頭のどちらを本命にするか非常に悩むところだ。

その他では函館2歳Sで2着したトーホウアスカ、すずらん賞でオースミハルカを負かしたソルティビット、相手なりに堅実に走るシーズトウショウの3頭だろう。トーホウアスカは今の京都の軽い馬場でどうかという感じもあるが、競馬センスのいい馬で馬体も成長してきているので何とか対応できるそうだ。ソルティビットは早めに栗東入りし、このレースに賭ける陣営の意気込みを買ってみたい気はする。

馬券は軸を当てれば流し馬券で的中できそうだが、その軸がまだ決まらない。最悪2頭からの流し馬券という手もあるが、それでは収支は見込めないだろう。新馬券を上手く使って最適な馬券作戦を組み立てたいところ。あとは2歳牝馬だけに当日の気配までチェックしてから馬券を買った方がいいだろう。


有力馬診断

■[8]ピースオブワールド
かえで賞での直線での切れ味は凄かったが、内々でロスなく進められたのも有利に働いた。まだ馬体がパンとしていない状態でこれだけ走れるのだから大したものだが、厳しいレースの経験をしていないというのが、今のところのウイークポイント。ただし、今回は12頭立てならそれなりにスムーズな競馬ができるだろう。スムーズに折り合えば末脚の切れ味は1番。ワナが強敵だが際どい勝負ができるだろう。

■[8]ワナ
新潟2歳Sは出遅れて直線では前が詰る最悪のパターンだったが、それでも直線で抜け出して勝つのだから能力は高い。レースを見ると豪快さが目立つが、調教で見ると大人しそうな馬で動きにしなやかさがあるのだから不思議だ。最終調教でトシザダンサーに先着したように久々だが仕上がりは悪くない。目標がはっきりしているときの武豊騎手の手腕は冴えるだけにこの馬から入る手も十分考えられる。

■[7]ソルティビッド
すずらん賞で逃げてハナ差で優勝。稍重のため時計はかかったが、オースミハルカを3着に退けているところは評価しないといけないだろう。距離が1F伸びるのはやや不安なところもあるが、陣営がそのあたりを考慮して距離の長い栗東の坂路で調整しているところは評価したい。馬体を見ても完成度が高いので、人気の2頭が牽制し合うようだと粘り込みがあるかもしれない。

■[7]トーホウアスカ
函館2歳Sで2着後に休養し今回は3ヶ月ぶりの出走になるが、最終調教では久々を感じさせない動きを見せた。パワー型で函館の荒れ馬場をこなしたのはうなずけるが、この馬の良さはパワー型でも軽快さがあるところ。京都の早い馬場もこなせそうだ。ここにきて馬体がひと回り成長してきたし、動きにも迫力が出てきている。ソルティビット同様、2頭が牽制し合うようなら、この馬も粘り込む可能性がある。

■[6+]シーイズトウショウ
りんどう賞でオースミハルカに0.1秒差の3着。だいぶイレ込みもマシになり力を出せるようになってきた。相手なりに走るので上位には来るだろうが、勝ち切るにはもうワンパンチ欲しい気がする。

■[6+]シャトルフジ
全く人気はないが、前走で逃げてメンバー最速の34.1秒で上がったところを評価したい。京都の軽い馬場が合うようでこれまでとは走りが一変した。今年初年度のタイキシャトル産駒でまだ傾向が掴みにくいが、一発の魅力はある。


調教診断

■[7+/]ピースオブワールド
栗CWで2頭併せでラスト強めに追われると鋭く反応し、相手を一気に突き放した。まだ全体的にパンとしていないが、それでもこれだけ走れるのだから能力は相当なもの。重心の低い柔らかいフットワークは、走る馬のそれを感じさせる。中1週続きなのは気にならなくもないが、調教の動きからは高評価を与えたい。

■[7+/]ワナ
栗坂でトシザダンサーと併せて、ラスト軽く仕掛けられた程度で先着した。トシザダンサーは必死だったが、この馬には余裕があったところが凄いところ。馬体を大きく見せているし、全体的な気配も上々。次走の阪神JFを意識して少し余裕を持たせているが、それでも上々の仕上がり。

■[7/]トーホウアスカ
栗CWで3頭併せで一杯に追われるとラスト11.8秒の伸び脚で2頭を突き放した。前脚を前に投げ出すこの馬独特の走法で首も上手く使えており、久々を感じさせない。馬体も全体的にパワーアップしている印象。好仕上がり。

■[7/]ソルティビッド
栗坂で単走で強めに追われると最後までしっかりした脚取りで登坂した。首を使ってリズム良く走れている姿から競馬センスの良さが感じられる。走っていて苦しいところがないのもいい。好仕上がり。

■[7/]シーイズトウショウ
栗CWで単走で一杯に追われるとスムーズなフットワークでまっすぐに伸びた。力強い脚捌きと馬体のバランスが目を引いた。使われながら着実に調子を上げている。

■[6+/]アサカマグマ
栗CWで2頭併せで一杯に追われると最後までしっかり伸びて先着した。少し力強さが出てきた分、良くなっている。この馬なりに順調。

■[6+−]トーセンリリー
南Wで単走で強めに追われるとラスト37.8−12.3秒と上々のタイムを出した。あまり強調できるところはないが、馬が走りに前向きだし、この馬なりに調子は良さそうだ。

確認できず
■シャトルフジ
■ダイキチムスメ
■ネイビーズドーター
■プラントパラダイス
■ペルル


相馬眼予想

まず京都の馬場だが、今週もAコース。若干内側が荒れてきたが、全般的に良好な状態を保っている。昨年のファンタジーSは内側の馬場が荒れて、各馬外々を回したが、今年はそういうことはなさそうだ。このレースでは内枠の馬がよく連対するが、ずっとAコースを使ってきた今年はそれも微妙。多頭数で内側の馬場がいいのなら別だが、今年は12頭の少頭数。あまりそれにこだわる必要もないだろう。

次に展開だが、逃げるのはソルティビッドかトーホウアスカだろう。2頭の陣営とも控える競馬もできると逃げを否定しているが、2頭ともスピードタイプの馬なので、押さえて行けるかはゲートを出てみないと分からないというのが本音だろう。行きたがれば無理に押さえるよりは行かせた方がいいと考えているはずだ。ある程度流れは早くなるというのがここでの読み。これまでそういうレースをしてきた馬が重賞レースでいきなり折り合うことはまずないだろう。

ある程度早い流れで進み、直線に向いて後続を待って仕掛けるか、それともそのまま一気にゴールに飛び込むかというレースになると見ている。前に行った馬が粘り込むところに差し馬がどこまで詰め寄って差し切れるかというイメージになる。今の調子と現時点での完成度を考慮して、前に行って粘れそうなのは、ソルティビッド、トーホウアスカの2頭。差し馬は、ピースオブワールド、ワナ、シーイズトウショウの3頭が該当する。

さあ最終決断。本命はピースオブワールド。500キロの雄大な馬体でしなやかなフットワークを見せるこの馬の素質と能力の高さに賭けてみたい。前走の内容が良過ぎて人気になってしまったが、デビュー当初から高評価を与えてきた馬。中1週続きでも出走に踏み切った坂口正大師の判断を信じたい。外枠で必要以上のコースロスをする競馬だと問題あるが、12頭の少頭数なら普通の競馬ができるだろう。直線でワナに並ぶと良くないので一気に差し切りたい。

対抗はワナ。かなり人気になっているが、仕上がりがいいだけにこれ以上評価は落とせない。武豊騎手でなくてもこの評価は変わらない。準対抗はソルティビッド。外国産馬らしく現時点での完成度は高いので行き切ってしまうと残り目もありそうだ。上位2頭が想定以上に追走に苦労するようだと逃げ切りも考えられる。あとは調教動いたトーホウアスカとシーイズトウショウが押さえ。

ピースオブワールドとワナの2頭が本線ではオッズ的な魅力はないが、現時点の予想はこれしか出せない。あとはパドックと新馬券の活用。重賞の独特の雰囲気でイレ込むこともあるので最後までチェックした方がいいだろう。もしイレ込んだり、大幅な馬体減があるようなら評価を下げるというのが基本スタンスになる。ピースオブワールドの馬単でいけるかどうかはパドックで最終的な判断を下したい。

また3連複でも上位2頭絡みだとほとんど妙味はないが、印をつけた馬以外でも3着なら可能性はある。シャトルフジ、ペルルの2頭がその候補になる。あとはピースオブワールドとワナが牽制して仕掛けが遅れた場合のソルティビッドとトーホウアスカの粘り込みが考えられる。オッズは馬連で40倍。あまり点数は買いたくないのは事実だが、このオッズなら小額押さえておいても良さそうだ。

    ◎ピースオブワールド
    ○ワナ
    ▲ソルティビッド
    △トーホウアスカ
    注シーイズトウショウ


レース回顧




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