アルゼンチン共和国杯
2002/11/03 中山競馬場 芝2500m


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データ分析

■軽量馬大活躍。穴なら50〜53キロの馬
ハンデ戦らしく軽量馬の活躍が目立つ。50〜53キロで連対した9頭のうち、実に8頭が6番人気以下で穴ならこのタイプが狙い目。57キロ以上で連対した3頭にはG1での連対かG2勝ちがあったようにこれが条件になる。

■6歳以上の高齢馬はほとんど出番なし
年齢別では4歳と5歳の活躍が目立つ。過去10年で6歳以上の高齢馬はエルウェーウインのみと大不振。最近5年では[0・0・1・20]で3着が1回とほとんど出番がないのが実状。6歳以上の高齢馬は基本的に消し。

■3連複なら10〜100万馬券が狙える
50倍以上になった6回のうち、人気馬と人気薄での決着が2回、人気薄同士の決着が4回で馬単ならさらに大穴が狙える。それより面白いのが3連複。3着に10番人気以下が来たことが4回あり、3連複なら超大穴も夢ではない。


コース分析

中山2500mは、外回りコースの3コーナーの少し手前からスタートし、内回りコースを約1周半するコース。6個のコーナーを通るためペースが上がりにくく、追い込み馬には苦しいコースと言える。差し追い込み馬なら積極的に上がっていける馬でないとよほどペースが上がらない限りは苦しい。直線の坂を2回登るタフなコースで実力が問われるので、能力のある馬が好走することが多いのがこのコースの特徴。

アルゼンチン共和国杯の過去10年の連対馬の脚質は逃げ0先行5差し7追込8と差し追い込み馬の活躍が目立つが、今年は中山コースだけに追い込み馬はハイペースにならない限り軽視したい。小回りコース特有の器用な脚と直線の坂を克服するパワーが要求されるので、中山コースで好走経験のある馬を重視したい。

中山は今週からCコース。雨の影響でだいぶ内側が荒れてきたが、仮柵が3m外に移動するので荒れた部分はカバーされそうだ。馬場がいいと今の中山はハイペースにならない限りは基本的に前残りと考えていいだろう。芝丈にもどの馬が有利になるか変わるので週末の馬場情報は必ずチェックするようにしたい。


レース展望

7歳馬アメリカンボスが有馬記念2着の実績を評価されて58.5キロのトップハンデ。毎日王冠で3着して復調気配を見せているが、トップハンデを克服できるかどうか。過去10年のトップハンデの成績は[1・1・2・8]で連対率は17%しかない。さらにアメリカンボスは7歳馬だが、最近5年で6歳以上の馬が21頭出走して[0・0・1・20]で3着が1回あるのみ。今年は中山だけに一概には言えないがデータ的には苦しい立場にあるのは間違いない。

このレースのパターンはズバリ新興勢力の活躍。過去10年の連対馬20頭のうち7頭が前走条件戦でこれが波乱の要因になっている。実績馬が能力を発揮して勝つ場合も少なくないが、穴ならこのタイプが狙い目だろう。今年の出走馬では前走で1000万条件を勝ってきたサンライズジェガーとユキノサンロイヤルが該当するが、距離適性を考えるとサンライズジェガーに魅力がある。ハンデは53キロ。一発の魅力はありそうだ。

あとは実績馬だが、能力的にそれほど差のないメンバーが揃った印象。日経賞の1〜3着馬アクティブバイオ、タップダンシスチー、コイントスに昨年のこのレースの勝ち馬トウカイオーザ、AJC杯を勝ったフサイチランハートなどどこからでも入れそうな気がする。少しのことで着順が入れ替わりそうなので、展開、馬場、鞍上などを考慮して総合的に判断した方がいいだろう。


有力馬診断

■[7+]タップダンスシチー
調教を見る限り、今絶好調と言える仕上がり。日経賞2着の実績もあるし、この馬から入るのが妥当な気がするが、気になるのは鞍上。デキがいいだけに強気な競馬をしそうだが、そうすると末が甘くなる可能性がある。ただし、朝日CCで最後まで伸びて勝ったように春よりパワーアップしているのは明らか。そのあたりをどう判断するかがポイントになりそうだ。

■[7]サンライズジェガー
相手なりに走るタイプだし、ハンデ53キロならこのメンバーでも魅力がある。これまでの実績からベストは2000mと思っていたが、前走勝ったときにレースぶりが最も強かったところを見ると距離が伸びた方がいいように思える。父リアルシャダイ、母トウショウボーイという血統的な裏づけも十分。鞍上に岡部騎手を確保したように陣営の勝負気配も漂っている。

■[7]コイントス
札幌記念3着以来でやや急仕上げ気味なのが気にならなくもないが、最終調教ではそれなりに動いていた。日経賞はスローの上がり勝負になって3着に敗れたが、それ以降の充実ぶりを見ればここでも十分に通用する存在。56キロも有利だし、鞍上にはペリエ騎手と条件は揃っている。

■[7]アクティブバイオ
最終調教を見る限り、絶好調ではないが、前走からの変わり身は見せた。ひと叩きされた後に一気に変わるタイプで過去にもこのパターンで2勝を収めている。パンパンの良馬場での切れ味勝負より少し時計のかかった方がいいので、今の中山の馬場は少し気になるが、34秒台の脚があるので究極の切れ味勝負にならなければ問題ないだろう。

■[6+]アメリカンボス
毎日王冠3着でようやく復調気配を見せ、最終調教でも伸び伸びとしたフットワークを披露した。デキは良さそうだが、58.5キロのハンデは楽ではないだろう。前走で切れ味勝負に対応できたことで狙い目はなくはないが、やや確度は下がる。

■[6+]キングザファクト
中山芝2500mで3戦2連対と得意コース。富士Sでひと叩きされて調子は上がってきたようだ。この馬のいいところはバテないところ。ただし逆に切れ味はそれほどないので上がり勝負になると苦しい。そのあたりを考慮して早仕掛けになりそうだが、それで粘れるかどうかは少し微妙なところ。ただマークされない分、競馬はしやすいだろう。

■[6]フサイチランハート
休み明けで調教の動きがパツとしないが、初戦から結果を出すタイプなので少し注意したい。スローの上がり勝負になると辛いが、ペースが上がって前崩れになるようだと突っ込んでくる可能性がある。展開の読みとパドック次第で少し押さえてもいいかもしれない。


調教診断

■[8/]タップダンスシチー
栗DWで単走で一杯に追われると首を使った力強いフットワークでラスト12.1秒の伸び脚を見せた。馬体がしっかりして完全に本格化した印象。顔つきもいいし、おそらく今絶好調だろう。ほぼ万全の仕上がり。

■[7−]サンライズジェガー
栗CWで単走で一杯に追われるとスムーズな前脚の捌きで最後までしぶとく伸びた。馬体の縦の厚みが増し、ボリューム感が出てきた。ここにきて馬が成長している。大きな上積みはないが、好調をキープしている。

■[7/]アメリカンボス
南Wで単走で強めに追われて、伸び伸びとしたフットワークを見せた。首が高いのは相変わらずだが回転の速いフットワークは最近は見られなかったもの。前走より調子を上げてきたが、元々調教は動くタイプなので過大評価はできない。

■[6+/]ユキノサンロイヤル
南Wで単走で強めに追われると首を使った柔らかい走りを見せた。5F65.7、ラスト13.0秒と軽めだったが、動きは良かった。ひと叩きされてこの馬なりに調子を上げている。

■[6+−]コイントス
南Wでエアスマップと併せて強めに追われると楽々と先着した。5F62.8秒と時計も出たが、馬がリズム良く走れているのは好印象。やや急仕上げの感じもするが、久々を苦にしないタイプなので少し判断が難しいところ。

■[6+/]アクティブバイオ
栗CWで単走で強めに追われると最後までしぶとく伸びた。前走より前脚の掻き込みが鋭くなった分、調子を上げている。ただし、走っているときの勢いや全体的な雰囲気は春の方が良かったように思える。

■[6+−]スエヒロコマンダー
栗坂で単走で一杯に追われると最後までしぶとく伸びた。前走から特に変わった印象はないが、いい意味でデキは平行線。

■[6+−]トウカイオーザ
栗坂で2頭併せで強めに追われるとこの馬の持ち味のしぶとさを発揮して先着した。脚捌きに力強さが感じられないが、こういうタイプなので、ここでは割り引かない。ただ前走から大きく変わった感じもない。

■[6+−]フサイチランハート
南Wでミデオンビットを併せて強めに追われて併入した。久々でも馬体の太め感はないし、動きも悪くはないが、これと言って強調できるところはない。この馬なりに順調といったところ。

■[6−]エアスマップ
南Wでコイントスと併せて強めに追われたが、ラスト13.6秒かかって少し遅れた。藤沢厩舎にしては強めに追ってきたが、イマイチ動きが冴えなかった。少し迫力に欠ける印象。

確認できず
■キングザファクト
■ビッグバイキング


相馬眼予想

まず中山の馬場だが、今週からCコースで痛んだ部分が仮柵によってカバーされ、全体的に良好な状態。土曜日の1000万条件の芝1200mの勝ちタイムが1分8秒6だったように相変わらず高速決着になっている。ペースが緩くなると前に行った馬の上がりが早くなるので差し切るのは難しいが、ある程度早くなれば差し馬の出番もある。徐々に前残りから脱しつつある馬場と考えていいだろう。

次に展開だが、スエヒロコマンダーの出走取消で逃げ馬がいなくなった。行くとすれば、ビッグバイキング、エアスマップ、アメリカンボスあたりだが、いずれにしてもペースが早くなることはないだろう。春の日経賞と同じようなスローの上がり勝負になりそうだ。日経賞のラスト3Fは34.6秒(11.8−11.4−11.4秒)で、勝ったアクティブバイオは4番手を進み34.3秒で上がっている。スローの流れで折り合って、ラスト3Fを34秒前半で上がれることが条件になりそうだ。

ただしラスト3Fの切れ味で勝負したくない馬もいる。有馬記念を地力で押し切って2着したアメリカンボスはその典型だろう。今回は58.5キロ背負っていることからも切れ味勝負は分が悪い。コイントスとキングザファクトも同じように早めにスパートして地力勝負にした方がより持ち味を生かせるタイプ。そのため、中盤まではスローペースでも向こう正面でペースが上がる可能性がある。スローの上がり勝負になるのか、それとも早仕掛けして行く馬がいるのか、メンバーの実力が接近しているだけにそれを読むことがポイントだろう。

最近はスローの上がり勝負になる傾向が強いが、今回は早仕掛けになるというのがここでの読み。おそらくアメリカンボスの江田騎手は有馬記念をイメージして乗るし、コイントスのペリエ騎手も積極的な騎乗になりそう。さらに絶好調のタップダンスシチーに騎乗する佐藤哲騎手も前が動けば強気な騎乗をしてくるだろう。向こう正面から徐々にペースアップすることはほぼ間違いない。それでもラスト34秒台後半から35秒台前半の脚は必要になる。

展開をもう一度整理すると向こう正面でアメリカンボスとコイントスが徐々にラップを上げて行き、この2頭にタップダンスシチーとキングザファクトが絡んで行く展開。直線で積極的に前に行った馬の力比べになったところに中団以降の馬がどこまで迫れるかというイメージになる。まず積極的に前に行く馬の中では、絶好調のタップダンスシチーが最有力候補。これに続くのが56キロが有利なコイントスだろう。アメリカンボスは良化してきているのは間違いないが、58.5キロはいかにも不利。割引きは必要だろう。キングザファクトは中山2500m得意だが、今の中山の時計の早い馬場というのが気になる。

差し馬ではアクティブバイオ、サンライズジェガー、フサイチランハートあたり。アクティブバイオは春のデキまで戻り切れていないので今回は割引きが必要だろう。サンライズジェガーは1000万条件を2連勝しての格上げ挑戦になるが、53キロと今の勢いからこのメンバーなら通用しそうだ。フサイチランハートは実力的には引けを取らないが、今回は休み明け。順調に来た馬と比べるとやはり見劣るだけに割引きが必要だろう。

さあ最終決断。本命はタップダンススチー。正直なところ、この馬が完全に抜け出している訳ではないが、今の調子、展開など総合的に判断すると連軸として期待したいのはこの馬。早めに抜け出すと差し馬に差されそうなイメージが中々払拭できないが、朝日杯CCで最後ひと伸びして重賞制覇したところを評価した。押せ押せで使った春よりデキはいいので、抜け出した後もしぶとく粘ってくれるだろう。あくまで連軸としての期待になる。

対抗はサンライズジェガー。本来ならコイントスになるが、仕上がり面を考慮してこの馬を上位に評価した。2400mの前走の内容がこれまでのレースで1番良かったのは、長距離に適性がある証明だろう。鞍上は今最も乗れている岡部騎手と条件も揃った。準対抗はコイントス。ペリエ騎手が3度目の騎乗でこの馬の最大パフォーマンスを発揮してくるだろう。上手く行けば勝つ可能性さえある。あとは、アクティブバイオ、アメリカンボス、キングザファクトの順。パドックで気配のいい馬が入れば追加したい。

    ◎タップダンスシチー
    ○サンライズジェガー
    ▲コイントス
    △アクティブバイオ
    注アメリカンボス
    注キングザファクト



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