スワンS
2002/10/26 京都競馬場 芝1400m


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データ分析

■1番人気がGT級でなければ軽視
1番人気の成績は[3・1・0・6]で連対した4頭のうち2頭はGT連対馬で残る2頭も後にGTで連対を果たしていた。レベルの高い一戦だけに1番人気に応えるにはGT級でないと苦しい。GT級でなければ軽視したい。

■3着馬は人気薄。3連複で超大穴出る
ここ5年の3着馬の人気は、11、9、8、11、3番人気と人気薄が多い。実際、98年の1〜3着馬は5−7−9番人気、00年は8−6−11番人気で決着し3連複なら高配当。1番人気が信頼できなければ、3連複で超大穴狙いが面白い。

■重賞5着以内かオープン特別1着が目安
連対馬20頭のうち前走重賞は18頭でそのうち16頭が5着以内だった。前走が重賞でなかった2頭はオープン特別の1着馬。前走が重賞なら5着以内、オープン特別なら1着を目安にしたい。条件勝ち馬では通用しない。

■休み明けは重賞勝ち馬でなければ消し
レベルが高いため重賞実績が必要。連対馬20頭のうち16頭に重賞勝ちがあった。また2ヶ月以上の休み明けは64頭出走して5連対と不振だが、連対した5頭は全て重賞勝ち馬だった。休み明けは重賞勝ち馬以外は消せる。


コース分析

京都外芝1400mは、向こう正面の2コーナー終わりの直線からスタートするコース。外回りコースで直線が長いため、差し追い込みが決まることが多いが、それも条件によって異なる。古馬オープンでは差し追い込みの連対が多いが、2歳馬や下級条件では前に行った馬がそのまま粘り込むことが多い。同じコースでも各馬の条件によってかなり違うので、外回りだから差し追い込み馬という短絡的な考えはしない方がいい。

スワンSの過去10年の連対馬の脚質は、逃げ1先行7差し8追込4で逃げ馬は快速馬エイシンバーリンが2着したのみと不振。レベルの高いメンバーでハイペース必死のため逃げ馬は大幅にマイナス。差し追い込みも決まるが、軸には先行してそのまま押し切れるGT級の実力馬を選びたい。

京都は今週もAコース。若干内側が荒れてきたが、全般的に良好な状態を保っている。内側が荒れてきたので内枠の馬が不利になる可能性があるので土曜日の競馬でそのあたりを見極めたい。今年は前に行く馬が揃っているので差し追い込み馬に注意したいが、G1級なら前に行って押し切れていることを覚えておきたい。


レース展望

マイルCSに向けて好メンバーが揃った。ショウナンカンプが出走してきたことでレースのレベルが高くなりそうなので、ここを勝った馬は本番のマイルCSでも注目できそうだ。18頭のフルゲートで混戦が予想されるが、逆に言うと厳しいレースになることで能力のない馬は抜け出せないとも言える。基本的にマイルCSで活躍できる馬を中心に狙いたい気がする。

そういう意味も含めて注目はモノポライザー。最終調教も動いたし、前走負かしたメイショウラムセスが先週の富士Sを制したように流れもきている。春は調教では動いても何か足りないような気がしたが、今回はそういう印象はない。1400mの早い流れに不安はなくはないが、こちらが思っている以上に良くなっているので一気に重賞制覇することも十分に考えられる。

あとは距離は微妙だが他馬とはスピードが違うショウナンカンプ、1400mベストのゴットオブチャンス、昨年のマイルCS勝ち馬のゼンノエルシドあたりに注目したい。ただし、ショウナンカンプにカルストンライトオやゴットオブチャンスが絡んで行くと超ハイペースになり前崩れの展開もありえる。そういう展開なら、リキアイタイカン、ネイティヴハート、サイキョウサンデーにもチャンスが出てくるだけに展開を読みが重要になる。


有力馬診断

■[8]モノポライザー
調教の動きが前走から一変した。1400mは若干短いが、京都の外回りコースならこなせないことはない。徐々に末脚に磨きが掛かっているので上手く追走できれば一気に差し切ることも可能だろう。今の勢いを評価したい。

■[8]ショウナンカンプ
美坂で楽々とラスト11秒台を出せる馬は美浦にはこの馬しかいない。スプリンターズSでもデキは良かったが、さらに調子を上げている印象。1400mは1F長いが直線に向いてから早めに後続との差を広げてしまえば簡単には差されないだろう。デキの良さを考えると59キロでも軽視はできない。

■[7]ゴッドオブチャンス
休み明けだが、最終追い切りでビッシリ2本時計を出してきた。昨年の3着馬で京王杯SCを勝っているように1400mはベストの条件。休み明けで暴走する可能性もあるが、折り合えばここでも通用する。少し太く見えるので馬体重には注意を払いたい。

■[7]ゼンノエルシド
久々を苦にしないタイプでマイルCSを勝ったように京都コースも走る。春は惨敗続きだっただけに全幅の信頼は置きにくいが今の時計の早い馬場は合うだけにあっさりもある。今回は59キロで次走のマイルCSが目標なのでここで無理はしたくないが、春の惨敗を考えるとそうも言っていられない。ペリエ騎手はきっちり乗ってくるだろう。

■[7]リキアイタイカン
スプリンターズSは7着に敗れたが、そのときより調子をさらに上げてきている。1400の実績はないが、ここにきて馬が良くなっているので注意は必要だろう。一発ならこの馬という気もする。

■[6+]ネイティヴハート
調教を見ていないので何とも言えないが、1400mは適距離の範囲だし、能力的にも上位争いできるものを持っている。ただ57キロだと連対できていないのは少し気になるところ。

■[6+]サイキョウサンデー
使われながら調子を上げるタイプで今回は叩き3戦目。距離的にマイルCSよりこちらの方が適性があるので陣営も狙いの一戦だろう。末脚の切れ味はこのメンバーでも上位のものがある。この馬を知り尽くした四位騎手なのもいい。

■[6+]ダンツジャッジ
これまで連闘で新馬1着、500万条件2着と結果を出しているだけに陣営としては予定の連闘なのだろう。京都1400mは葵Sを勝っているように現時点ではベストのコース。実績馬が力通りの走りができなければ食い込む可能性はある。


調教診断

■[9−]ショウナンカンプ
美坂で単走で強めに追われて、迫力満点の躍動感のある動きを見せた。タイムは35.4−23.4−11.7秒と申し分ないし、スプリンターズSのときより若干調子を上げて印象。ほぼ万全の仕上がり。

■[8+/]モノポライザー
栗坂で単走で一杯に追われて、切れのある動きでこの日の1番時計50.1−25.1−12.8秒を出した。前走はセーブした内容で冴えなかったが、今回は馬が走りに前向きになり動きが一変している。脚捌きの鋭さは特質できるもの。ひと叩きされた上積みはかなりありそうだ。

■[7+/]リキアイタイカン
栗坂で単走で強めに追われて、52.4−24.6−12.3秒とまずまずのタイムを出した。飛びが大きいのでスピード感はないが、ラストの伸びは目立った。馬体を大きく見せているし、仕上がりは上々。ひと叩きされた上積みが感じられる。

■[7+−]ゴッドオブチャンス
美坂で馬なりのままキビキビとした動きを見せた。美坂で37.3−12.1秒を2本出したところは素直に評価したい。馬体をフックラ見せて少し太い気もしなくはないが、仕上がりはまずまず。

■[7−]ダンツジャッジ
栗坂でキャンター。連闘を考慮して軽めだったが、気合の乗った感じで気配は良かった。ここでは前走と同等評価にしておく。

■[6+−]ゼンノエルシド
南Wでシンボリクリスエス、エアスマップと併せて最内を進んだが、最後はあまり仕掛けずに少し遅れた。馬体はフックラして雰囲気はいいが、正直これだけでは判断できない。パドックを見て判断したいところ。

■[6+−]サイキョウサンデー
栗坂で2頭併せで一杯に追われて併入した。あまり調教駆けするタイプではないのでこれで十分。デキはいい意味で平行線。

■[6+−]カルストンライトオ
栗CWで単走馬なりでいつものようにバネの利いたフットワークを見せたが、この馬にしては軽めの内容。少し体に余裕があるのは気になるが、前走程度はありそう。

■[6+−]サニングデール
栗CWで単走で強めに追われたが、少しフワフワした感じの走りで伸びもイマイチに見えた。坂路では豪快な動きをする馬だが、今回は少し物足りない。馬体はもっと充実していた印象があるが、今回は少し寂しく映るのも少し気になるところ。

■[6+−]ナリタダイドウ
栗坂で単走で一杯に追われて最後までしぶとく伸びた。取り立てて強調できるところはないが、この馬なりに順調にきている。前走と同じくらいのデキはありそう。

■[6+/]キシュウファンタジ
栗坂で単走で一杯に追われて50.9秒の好タイムを出した。力強いフットワークで元気一杯の動き。前走より若干調子を上げている。

■[6−]メイショウキオウ
栗Bで単走馬なりで6F80.6秒を出したが、ラストは13.0秒と掛かった。少し馬体に余裕が感じられるが、この馬なりに動いている。ただ叩き良化タイプなのでその点でどうか。

■[6−]アローキャリー
栗坂で単走で強めに追われて、ラスト24.5−12.0秒の伸び脚を見せた。動きは悪くないが、前走から特に良くなった印象はない。

■[6−]スタンドオンエンド
栗坂で単走で目一杯に追われて、回転の速いフットワークを見せた。あまり強調できるところはないが、この馬なりに動きは悪くない。

確認できず
■エイシンコジーン
■クリアーベース
■ナムラマイカ
■ネイティヴハート


相馬眼予想

京都の馬場は内側がだいぶ荒れてきたが、全般的に芝はいいので高速決着になりそうだ。馬場の悪い内々に押し込められると良くないが、馬場の広い外回りコースだけにそれほど気にしなくていいような気もする。ショウナンカンプが出走してきたことで時計が早くなるので、持ち時計のない馬では苦しい。高速決着に対応できる軽いスピードを持った馬を狙うのが基本になる。

次に展開だが、逃げるのはショウナンカンプ。カルストンライトオも早いが今回は少し太い感じがあるので無理に行ってレースを壊すようなことはしないだろう。ただそれでもショウナンカンプのラップは早い。京都で行われた山城Sは逃げて前半33.8秒、後半34.0秒で勝ちタイム1分7秒8。上がり34.0秒はメンバー最速で本格化する前のビリーヴを2馬身半完封した。おそらく今回もこれに近いラップ行き、ラスト12秒弱でまとめれば勝てるというのが陣営の計算だろう。

1400mでこれだけのハイラップで行かれると1200mの経験のない馬は追走に苦労しそう。無理に追走すれば最後は脚が上がるし、ショウナンカンプを負かしに行けば自分が失速しかねない。ただ前に行った馬はある程度追いかけない訳に行かないので、展開的に苦しくなる。差し馬にしても18頭の多頭数でそれを捌くにはよほどの切れ味がないと無理。おそらく直線に向いたときにはショウナンカンプが後続を引き離しているので、そこからどの馬が切れる脚を使って接近するかというイメージになる。

さあ最終決断。本命はモノポライザー。正直なところショウナンカンプと悩んだが、この馬の潜在的な切れ味を評価した。逃げ馬が直線で離した後に差してくるのは武豊騎手の得意パターン。追走に苦労して最後切れる脚が使えないということも考えられなくもないが、こちらの想定以上に良化しているのでこれまで以上の切れ味を発揮できると考えたい。対抗はショウナンカンプ。サクラバクシンオーがこのレースを勝ったようにスプリントG1馬なら通用する。早めにセーフティリードを奪ってしまえば59キロでもそう簡単には失速しないだろう。

準対抗はサイキョウサンデーを抜擢する。TV愛知オープンのように最後に突っ込んでくるイメージが今回の展開に合う。1400mも適距離だし、今回は叩き3戦目で条件が揃っている。押さえにゴットオブチャンス。言わずと知れた1400mのスペシャリスト。58キロでも警戒したい。あとはペリエ騎乗のゼンノエルシド、この中間さらに良化したリキアイタイカンの順。馬券はモノポライザーからの馬連流しだが、ショウナンカンプからの馬券も少々押さえておきたい。もしモノポライザーに2走ボケの兆候が見られるようなら、ショウナンカンプからの馬単というのも考慮しておきたい。

    ◎モノポライザー
    ○ショウナンカンプ
    ▲サイキョウサンデー
    △ゴットオブチャンス
    注ゼンノエルシド
    注リキアイタイカン


レース回顧

モノポライザーとショウナンカンプのどちらを本命にするか悩んで結論はモノポライザー本命。パドックでも2頭とも万全の仕上がりをアピールしていたが、パドック診断の推奨馬券はモノポライザーからの流し馬券にした。パドック診断では2着したリキアイタイカン(9人気)は3番手評価。馬連144倍、馬単557倍と大勝ちするチャンスだっただけに残念だ。予想でモノポライザーを本命にした以上、2頭とも同じ仕上がりなら、モノポライザーを推奨するのが当然のこと。ただパドック診断でショウナンカンプからの馬券を指示できなかったのは反省点。時間的な制約がある中でどこまでニュアンスを伝えられるかは非常に難しいが、今回は色々と考えさせられる一戦になった。このあたりをどこまで改善できるか、今後前向きに対処していきたい。

ショウナンカンプは前半3F33.8秒で後続を引き付けた形の逃げになったが、直線に向くと一気に引き離してセーフティリードを奪うとそのまま逃げ切った。ひと叩きされて調子を上げていたこともあるが、完勝といえる内容。初の1400mを全く苦にしなかったのはこの馬の地力強化の証明だろう。1200mでもラストのラップは落ちるが、今回は11.4−11.7−11.7秒と落ちていないところは評価できる。59キロを背負ってこのレースぶりなら、マイルでもと思ってしまうが、それは来年の楽しみにしておこう。次走は香港スプリント。期待していいだろう。

リキアイタイカンはいつも通り後方を進み、3、4コーナーで徐々に進出するとメンバー最速の34.2秒の末脚を使って2着に食い込んだ。極端に早い上がりを繰り出せるタイプではないが、早い上がりに対応できたのは収穫。この秋、馬体に身が入り一変していたし、調教でもいい動きを見せていただけにこの好走もうなずける。パドックでもこれまではイレ込みがひどかったが、それも徐々に解消してきた。脚の長い独特の走法から、ニュータイプの短距離馬と評してきたが、CBC賞に続きやっと結果を出してくれてうれしい限りだ。1600mのマイルCSでどんな走りを見せてくれるか楽しみにしたい。

ネイティヴハートは直線勝負に徹して、リキアイタイカン同様メンバー最速の34.2秒で追い込んだが惜しくも3着まで。セントウルSでプラス14キロで今回は絞れてくることを期待したが、逆にプラス12キロと増えていたのは陣営も誤算だろう。パドックでも太く見えただけに良く走っている。これまで結果を残せていなかった57キロで3着したことも覚えておきたい。前崩れの展開、馬場の内側が荒れるなどの外部要因があると突っ込んでくるので条件が揃うときは注意しておきたい。

ダンツジャッジは中団からしぶとく伸びて4着。富士Sで騎乗した後藤騎手が走る馬と話していたようにしっかりした好馬体で安定感のある乗り心地は非常にいいのだろう。同厩のダンツフレームと似たようなナイプでタフなところがこの馬の売り。ウォーニング産駒で距離は短い方が良さそうだが、近いうちに重賞を勝てるだろう。追いかけて損のない馬。

モノポライザーは後方4番手を進み、直線馬群を割って伸びたが、トップとは0.9秒差の5着まで。レースぶりからは、やや距離が短い印象で武豊騎手が急がせていた。この距離でもこなせないことはないが、現時点でマイル以上で末脚の切れ味で勝負した方が良さそうだ。まだ馬体は良くなる余地を多分に残しているので、どこかでもうワンランク上への成長があるはず。ただ現時点でも今年のメンバーなら、マイルCSでも楽しみはありそうだ。人気になるので馬券的な妙味は薄いタイプだが、今後どのように成長していくか、それを橋口調教師がどう促していくのかよく見つめていきたい。

サイキョウサンデーは後方3番手から追い込んだが7着まで。プラス10キロの馬体は少し誤算だったが、パドックでは落ち着きもあって良く見せていた。こういうレース展開になると2着にくるイメージのある馬だが、やや位置取りが後ろ過ぎた印象。ただ乗り慣れた四位騎手だけに現状ではこれが精一杯か。全弟のデュランダルが急激に力をつけてきているので近いうちに兄弟対決が実現するだろう。全妹マルカサワヤカも含めて3兄弟の対決をぜひ見てみたいものだ。

サニングデールは6、7番手を進んだが、直線で全く伸びずに9着に敗れた。ファルコンS、函館スプリントSのときは馬体を大きく見せ、馬にも気合が満ち溢れていたが、今回は調教で指摘したように状態面がひと息だったのが敗因だろう。ボリューム感のあった馬体が寂しく見えるだけに復調には時間がかかりそうだ。馬のプライドもあるので、まずは得意の1200mで復活させた方がいいかもしれない。

ゼンノエルシドは2番手を進んだが、直線では全くいいところがなくズルズルと後退し16着に惨敗した。パドックでも馬体をこじんまりと見せていたし、まだ本調子にはないのかもしれない。ペリエ騎手によると馬が自分で競馬をやめてしまったとのこと。次走はマイルCSだろうが、藤沢厩舎がどういう調教をしてくるか注目したい。

ゴッドオブチャンスは4番手を進んだが、直線で全く伸びずに18着に惨敗した。美坂で2本強めに追い切ったことを評価したが、中身がともなっていなかったか。パドックで見た感じではいつも通りに見えただけにこのあたりは判断が難しいところ。ただこういう調教パターンで結果を残せなかったことだけは覚えておきたい。



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