カブトヤマ記念
2002/10/20 福島競馬場 芝1800m


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データ分析

■トップハンデ不振。軽量馬に要注意
トップハンデの成績は[0・3・0・8]で勝ち星がなく、昨年のマイネルブラウが56キロで5着に沈んだようにあまり信頼できない。中心は53〜55キロのある程度背負った馬だが、ここ2年連対中の軽量馬に注意したい。

■外枠の馬に大きなアドバンテージを
枠番別連対数では外枠が断然。福島で行われた7回のうち1〜5枠は2、3枠が各1回に対し、外枠は6枠3回、7枠5回、8枠4回。福島は馬場が荒れると外枠が有利になる。外枠の馬に大きなアドバンテージを与えたい。

■3着に人気薄多い。3連複で大穴狙い
5番人気以下が6勝で単勝や馬単の狙いもあるが、おすすめは3連複。過去10年で3着に8番人気以下が6頭も来ている。3着に来た6頭のうち5頭が追い込み馬。人気薄の追い込み馬を絡めた3連複で超大穴狙いが面白い。


コース分析

正面スタンド前のゴール手前1Fからスタートし、約コースを1周するコース。小回りコースでコーナーがきつくペースが上がりにくいため、基本的に逃げ先行馬に有利なコースといえる。東京コースで追い込んで勝っても、このコースでは追い込み切れないといったケースが目立つ。ゴール前に1mの登り坂はあるが、全般的に平坦なので、東京や中山などの急坂を登るパワーは要求されない。福島コースで好走した経験のある馬の活躍が目立つのも特徴で、平坦小回りをこなす器用な脚が要求される。

カブトヤマ記念の過去10年の連対馬の脚質は、逃げ1先行9差し7追込3。前に行ってそのまま粘り込むか、大外を捲くって差すかどちらかのパターン。基本的に先行馬が有利だが、競い合いになってペースが上がるようだと外からの差し馬でも届く。このレースでは展開の読みが重要になる。

福島は今週もAコース。馬場はつかみ所がないといった印象で前残り、外目を捲くる馬どちらとも一概に言い切れない。力のある馬は先行してそのまま押し切る競馬をするので、基本的には先行馬が狙い目だが、福島特有の大外捲くりの馬にも注意を払いたいところ。メンバー的にも難解な一戦になりそう。


レース展望

難解な一戦。この言葉がピッタリのメンバー構成で各馬一長一短があり、さらにハンデ戦でそれに拍車をかけている。大穴も狙えそうだが、基本スタンスは変えたくない。混戦だからこそ、調子の良さと福島1800mの適性を重視したい。それを考えた上でハンデ差を突いて逆転があるのかどうかということになる。

調子の良さならツジノワンダーとメジロサンドラを取り上げたい。どちらも先行脚質で今の福島コースに合うだけにチャンスはありそうだ。あとは人気になっているヒマラヤンブルーだが、前走でイレ込んで競馬にならなかっただけに当日の気配を見てないことには何とも言い難いところがある。

福島の天気も微妙だが、もし雨が降ると外を回った馬が有利になることも十分に考えられるだけに予想は最後まで慎重に進めたい。前日としてはある程度絞り込んでおき、当日条件が合っているかという検証が必要になる。それくらいしないと的中にありつけそうにない気がする。

有力馬診断

■[7]ツジノワンダー
アイルランドTを勝ち中1週になるが、最終調教の動きを見る限り、好調をキープしている。最近はマイル路線を使われているが、1800mも適距離の範囲。時計の早く力のいる馬場が最も得意だが、今の少し荒れてきた馬場も十分こなせる。結構、ムラなところがあるのは気になるが、今の調子の良さを生かせれば上位争いできるだろう。

■[7]ホーマンウイナー
調教は見れなかったが、ひと叩きされたことで調教も動いたようなので狙い目はありそう。マイルがベストで1800mはギリギリだが、福島の小回りなら対応可能だろう。スプリングSでタニノギムレットと0.4秒差4着の実績もあり、52キロのハンデはかなり有利に映る。

■[7]ヒマラヤンブルー
札幌記念5着だけ走れば、このメンバーなら勝てそうだが、気になるのは前走でのイレ込み。2.3秒差の8着に大敗した後だけに全幅の信頼は置きづらいところ。最終調教ではバランスのいい走りを見せており、調子落ちは感じられないが、どうだろう。当日の気配次第でどこまで評価を上げられるかというイメージになる。

■[6+]ウインブレイズ
休み明けで乗り込みが少し不足しているが、最終調教では馬が走る気を見せていたし動きも良かった。大型馬だけに若干割引きは必要だろうが、堅実に走る馬なのでそれほど評価は下げたくない。福島TVオープンは4コーナーで不利があって4着に敗れたが、それでも0.2秒差なら見直す手もありそうだ。

■[6+]ダイタクバートラム
今回は休み明けだが、気のいいタイプで久々はあまり苦にしない。調教でもいつも通りの動きを見せており、走れるデキに仕上がっている。同じ平坦小回り1800mの小倉大賞典で0.3秒差3着あるように小回りコースもこなせる。ただそのときの鞍上は武豊騎手。追い込んで届かないことも考慮しておいた方がいいだろう。

■[6+]メジロサンドラ 
今回は馬体が細く見えるが、調教の動きは良かった。ベストは長距離だが、一昨年のカブトヤマ記念0.4秒差4着、府中牝馬S0.4秒差4着があるようにこなせる範囲。大外枠は気になるが、しぶとさを発揮できる展開になれば、チャンスはあるだろう。

■[6+]バンブーマリアッチ
7歳馬だが、相変わらず元気一杯で大きな衰えは感じられない。1800mはベストだし、ハンデ54キロなら狙い目はありそうだ。重馬場は苦にしないので雨が降るようだとさらにチャンスは広がる。

■[6+]カンファーベスト
7月に復帰してから1800mを3戦して2、1、2着と連を外していない。前走は馬体減もあり、勝ち馬に5馬身突き放されたが、それほど初コースを考えれば大きく割り引く必要はないだろう。今回は50キロの軽ハンデなら一発ありそうだ。

■[6+−]サンヴァレー
最終調教では少し太く見えたが、馬体が充実してきたとも取れなくもないので当日のパドックを見てみたい気がする。共同通信杯を勝ったように1800mはベストの距離。単騎でスムーズに行けるようだの残る可能は否定できない。和田騎手が乗るとイレ込むところがあるが、そのあたりが改善されているかどうか。

調教診断

■[7−]ツジノワンダー
北Cで単走で強めに追われるとクビを使った力強いフットワークで迫力のある動きを見せた。気合乗りも良く、前走時のデキをがっちりキープしている。

■[7/]メジロサンドラ
栗CWで2頭併せで一杯に追われて、80.9−37.3−12.2秒の好タイムで併入した。もっとモッサリ見せるタイプだが、今回はスピード感があったのは好印象。少し馬体が細くなり過ぎた感じもあるが、動きはいいので力を出せるだろう。

■[7−]ヒマラヤンブルー
栗CWで2頭併せで強めに追われるとしぶとく伸びて併入した。走りのバランスはいいし、折り合いがついていたのが好印象。前走はイレ込んで大敗したが、調子落ちは感じられない。

■[6+/]ウインブレイズ
南Wで3頭併せで一杯に追われて軽快なフットワークで先着した。大型馬だが重々しさを見せていないし、馬も走る気を見せている。間隔は空いたが仕上がりは良さそう。

■[6+/]バンブーマリアッチ
栗坂で単走で一杯に追われるとクビを使って最後までしっかり伸びた。脚捌きもスムーズで調子は良さそう。絶好調まではいかないが、仕上がりはまずまず。

■[6+−]ダイタクバートラム
栗坂でフェリシタルと併せて強めに追われるとしぶとく伸びて先着した。休み明けだがいつもと同じような動きで久々を感じさせない。特に強調できるところはないが、この馬なりに順調にきている。

■[6+−]カンファーベスト
南Wで単走で強めに追われて、首を使った重心の低いフットワークで最後までしっかり伸びた。やや馬体を細く見せているのが気になるが動きは良かった。いい意味でデキは平行線。

■[6+−]サンヴァレー
栗CWでトッププロテクターと併せて一杯に追われて、77.7−38.5−12.6秒の好タイムをマークした。時計は出たが、少し体に余裕があるので当日の馬体重に注意したい。馬体のタテの幅が増して充実してきたのかもしれないので当日のパドックで判断したい。

■[6+−]トウショウアンドレ
栗坂で単走で強めに追われるとしぶとく伸びたが、まだ少し迫力が不足している印象、馬体はだいぶ仕上がってきたが、もう少し力強さが欲しいところ。

■[6−]トーホウドリーム
栗CWで単走で一杯に追われて最後までしぶとく伸びたが、馬体がこじんまりとして見えるのが少し気になる。ウッドではこんなものかもしれないが、迫力が感じられないのはマイナス。

■[6−]シルクサンライズ
南Wで2頭併せで一杯に追われると鋭く伸びて相手を突き放した。見た目は良かったが、ラストは13.0秒と掛かっているのは少し不満。順調にきているがそれほど強調できない。

■[6−]グランパドドゥ
栗DWで単走で目一杯に追われたが、まだフワフワとした感じが残っている。前走から特に変わった印象はない。

確認できず
■ホーマンウイナー
■マルタカサイレンス


相馬眼予想

まず馬場だが、内側にローラーをかけたことで土曜日は内々を通った馬が伸びていた。基本的に前残りで差し馬でも早めに捲くって行ける馬でないと届かない状況。馬場は例年より悪くないが、少し力のいる馬場であることは間違いない。前に行った馬が粘り込む可能性が高いが、それもペース次第。展開の読みが重要になる。

次にその展開だが、逃げるのはサンヴァレーとブリンカーをつけて1枠で中館騎手と条件が揃ったグランパドドゥの2頭。これにヒマラヤンブルーが絡んでいくことになるが、問題のペースはどうだろう。この3頭ともロスのない内枠で有利に進められるだけに玉砕的な逃げを打つとは考えにくい。サンヴァレーがイレ込むと超ハイペースも考えられるがどうだろう。どう見ても早くなりそうなメンバーのときは意外にペースは落ち着くこともあるので、ここでは平均ペース程度と考えたい。ハイペースにならないので後方からの馬では届かないだろう。

今の調子と福島1800mの適性を加味して、前に行って粘れそうなのは、ヒマラヤンブルー、メジロサンドラの2頭。あとは中団からの差し馬になるが、ホーマンウイナー、ツジノワンダー、ウインブレイズ、ダイタクバートラム、カンファーベストの5頭が該当する。1800mベストのサンヴァレーの粘り込みも考えられるが、当日の気配を見てみないことには何とも言えないところがあるので、ここでは無印。パドック次第で押さえるということにしておきたい。

さあ最終決断。本命はホーマンウイナー。ハンデ52キロは有利だし、好位を追走できる脚質も今回のレースにマッチする。正直なところ上位5、6頭はそれほど差がないが、レース巧者のこの馬を上位に取り上げてみたい。対抗はツジノワンダー。ムラ馬で狙いずらいところはあるが、状態の良さに注目してみた。前走芝で勝ってきたところを素直に評価したい。準対抗はヒマラヤンブルー。展開が向くし、巴賞くらい走れば上位争い必死だろう。ただ前走イレ込んでまともな競馬ができなっただけにそのあたりにやや不安が残る。

あとは堅実に走るウインプレイズ、少し前が早くなれば差し脚が生きるダイタクバートラム、ハンデ50キロが魅力なカンファーベスト、調子が良さそうなメジロサンドラの順。馬券はホーマンウイナーからの馬連流しだが、ツジノワンダーとヒマラヤンブルーからの馬券も押さえておきたい。一発ならサンヴァレーの前残りなので、イレ込んでいなければ買ってみたい気はする。

    ◎ホーマンウイナー
    ○ツジノワンダー
    ▲ヒマラヤンブルー
    △ウインブレイズ
    注ダイタクバートラム
    注カンファーベスト
    注メジロサンドラ


レース回顧

1着でゴールしたカンファーベストが直線でグランパドドゥとサンヴァレーの進路を妨害して10着に降着。予想は外れたが、パドック診断でウインブレイズとカンファーベストを取り上げて馬券購入指示しただけに残念な結果。出走馬13頭のうちカンファーベストの郷原騎手だけが乗り替わりではなく、郷原騎手自身、馬の癖を分かっていたじはずなので左鞭を一杯に入れて追ったのはいかがなものだろう。あれだけよれれば降着は当然だろう。グランパドドゥも際どいところにいただけにレースそのものを壊してしまった印象。

ウインプレイズは後方から徐々に進出して直線でジワジワ伸びて2着でゴールも繰り上がりで優勝。休み明けで陣営はからは仕上がりひと息と伝えられていたが、当日はマイナス12キロで馬体をスッキリ見せ、走れる状態に仕上がっていた。結果的に調教で馬自身が走る気を見せていたところを評価したのは正解だった。荒れ馬場を苦にしないタイプなのでこれからの時期はさらに楽しめそうだ。

シルクサンライズは4番手を進み直線でしぶとく伸びて2着を確保。最低の14番人気だったが、ベストの平坦1800mで復活した。49キロだっただけにあまり評価はできないが、良く穴をあける馬なので覚えておきたい。過去に6回の連対の人気は、10、4、7、1、10、14人気と人気薄での連対が非常に多い。また今回先行して粘れたのは収穫だろう。父はサッカーボーイ。ラジオたんぱ賞のカッツミーもそうだったが、サッカーボーイ産駒は福島でよく走ることを覚えておきたい。

メジロサンドラは好位から徐々に下がって行ったが最後に盛り返して3着。マイナス20キロでいかにも細く見えたが、調教で動いていたように今回は踏ん張れた。ただし馬体減は気になる材料で次走は少しは戻して欲しいところ。本質的に距離はもっと長い方がいいだろう。

カンファーベストは外から豪快に伸びて差し切ったが、内に切れ込んで2頭の進路を妨害し10着に降着。パドックで取り上げたように減っていた馬体が回復しデキは良かったが、郷原騎手の左鞭で内に切れ込んでしまった。ただし、ハンデ50キロにしても重賞で通用することを証明できたのは今後に向けて大きいこと。平坦巧者なので福島記念、中日新聞杯などで楽しめそうだ。

ホーマンウイナーは2番手を進んだが直線で失速して11着に惨敗。デキは良かったが、積極的に勝ちに行ったのが裏目に出た印象。スプリングSのレース内容が良く評価したが、古馬と戦うには1400〜1600mの方がいいかもしれない。叩き2戦目なのでまだ良くなる余地を残している。

ツジノワンダーは後方を進んだまま全く見せ場なく12着に惨敗。馬場が悪かったことで馬の機嫌を損ねたのか全く走る気が見られなかった。元々こういう面はあったが、テン乗りの小林淳騎手だったことも多少影響したか。ここまで走らないと馬場が悪いと良くないタイプと決め付けた方がいいかもしれない。

ヒマラヤンブルーはスタートで後手を踏むと後方のままで13着に惨敗。現状は前に行かないとだめな馬なので仕方ないが、正面スタンド前からのスタートも多少影響した印象。前走あたりから煩い面を見せているだけに今後も注意が必要になる。



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