府中牝馬S
2002/10/13 中山競馬場 芝1800m


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データ分析

■距離変更後の1番人気は抜群の成績
1番人気の成績は[5・1・1・3]だが、距離変更後の6年では[4・1・0・1]と抜群の成績。エリザベス女王杯の前哨戦的な位置づけになったことでハイレベルな馬が参戦し結果を出している。実績馬が1番人気なら信頼度できる。

■好走馬が活躍。前2走5着以下は消し
前走5着以内が16頭と好走馬が活躍。残る4頭のうち3頭が前走6着で大敗馬が巻き返すことは少ない。さらに前2走のどちらかで掲示板を確保していたのは19頭。前2走とも掲示板を確保できなかった馬は基本的に消し。

■6年連続連対中の4歳馬が他世代を圧倒
7歳馬の連対は1頭のみで高齢馬は不振。3歳馬は3頭連対しているが有力馬は秋華賞に向かうので最近は出走自体がほとんどない。中心は13連対の4歳馬。4回のワンツーを含め、6年連続連対中と他世代を圧倒している。


コース分析

中山1800mは内回りでコーナーを4つ回るためハイペースになりにくく、逃げ先行馬に有利なコース。ただし、後続の各馬がそれを意識して早仕掛けになると前に行った馬は息を入れられず直線の坂で失速するケースが目立つ。ペースが上がれば一瞬の鋭い脚のある差し馬なら十分届くことを考慮しておきたい。

府中牝馬Sの過去10年の連対馬の脚質は、逃げ1先行7差し6追込6だが、今年は中山の内回りだけに前残りに注意したい。4つのコーナーを回るため、器用な脚が要求されるので、競馬センスのいい馬に注目したい。

中山は今週もAコース。先週の毎日王冠でマグナーテンが逃げ切ったように楽なペースになると前が全く止まらない。ペース次第だが、早めに上がって行けない差し追込み馬は軽視した方が良さそうだ。


レース展望

中山牝馬Sで1分45秒4の好タイムで好位から抜け出した快勝したダイヤモンドビコーが有力。新潟大賞典とエプソムCは力のいる馬場で惨敗したが、今の中山の高速馬場はこの馬に合う。あとは実績的にローズバドとレディパステルだが、どちらも今の前残りの中山の馬場は歓迎ではないだろう。ある程度前につけてもいいだが、そうした場合にいつもの切れ味が発揮できるかどうか。

あとはここにきて充実が目立つジェミードレスだろう。馬体も成長してきたし、中山の高速馬場も大歓迎。クイーンSを制したミツワトップレディも1800mは守備範囲だし、高速決着にも対応できるので圏内だろう。一発なら復調気配を見せたシルクプリマドンナか。藤田騎手が騎乗するあたりにも勝負気配が感じられる。


有力馬診断

■[8]ダイヤモンドビコー
中山牝馬Sを楽勝しただけに今年の府中牝馬Sが中山で行われるのは陣営も大喜びだろう。流れはこの馬に向いている。ハイペースの中山牝馬Sで好位から上がり34.3秒を使われては5馬身差になるのは当然のこと。まともに走ればまず負けないだろう。今の前残りの馬場もこの馬に見方する。

■[7+]ジェミードレス
休み明けになるが、最終調教の動きからかなり仕上がった感じ。昨年暮れの市川S(1600m)で上がり33秒9を使い1分32秒8のタイムで勝ったように高速決着に不安はない。これまで重賞でイマイチ足りない競馬を続けてきたが、馬が充実してきた今ならチャンスはあるだろう。実際、エプソムCでダイヤモンドビコーに先着している裏づけもある。

■[7]ローズバド
春はひと息だったが、最終調教の動きを見る限りだいぶ復調してきた。後方一気の脚質だけに今の中山の前残りの馬場をいかに攻略するかが課題だが、そのあたりを後藤騎手がどう対処するか、手綱捌きに注目したい。昨年の秋華賞2着、エリザベス女王杯2着の実績はまだ色褪せていない。ここでいい競馬をしてエリザベス女王杯に向かってもらいたいものだ。陣営も当然そのつもりだろう。

■[7]レディパステル
紫苑Sで中山1800mを勝っているが、あまり器用さがないので本質的に広々とした東京コースが向くタイプ。ただそれも乗り方次第。今回は好調田中勝騎手だけに少し見直す手はある。ただ上手く乗っても3着というイメージが中々拭えないというのが正直なところ。

■[6+]ミツワトップレディ
4連勝でクイーンSを制して勢いに乗って参戦してきた。クイーンSは1枠から内々をコースロスなく回ったこともあったが、勝ったことは素直に評価したい。ただし今回は有力馬の斤量が1キロ減ることと初の中山コースという課題もあるだけに通用するかどうかは少し疑問が残る。

■[6+]シルクプリマドンナ
オークスを勝ったあと大不振に陥っていたが、前走のクイーンSの0.5秒差10着でようやく明かりが見えた。3歳秋に秋華賞→エリザベス女王杯→ジャパンCとかなり馬にストレスを与えたことで時間が掛かったが、調教の動き、馬体の張りはだいぶ良くなってきている。今回はメンバーが強くまだ手探りのところはあるが、一発の魅力は十分だろう。


調教診断

■[7−]ジェミードレス
南芝で4頭併せで大外から馬なりのまま先着した。休み明けだが、馬体を大きく見せて、前脚の捌きも鋭く、仕上がりは良さそうだ。もうひと絞りできそうな感じはあるが、牝馬だけにこれでいいだろう。馬体に身が入り、充実期を迎えている。

■[7−]ダイヤモンドビコー
南Wでゼンノエルシドとウインラルスと併せて、最内から気合の乗って走りで併入した。ゼンノエルシドに対抗しようと走る気を見せていたのはこの馬らしいが、その分、鞍上は抑えるのに必死といった感じ。動きにスムーズさがあるし、脚捌きも軽快そのもの。仕上がりは良さそうだ。

■[7/]ローズバド
栗坂で2頭併せで一杯に追われてキビキビとしたフットワークで併入した。追われてからの伸びはそれほどでもなかったが、併せ馬でこれだけ追えれば十分。久々だが、態勢は整ったと判断したい。

■[7/]シルクプリマドンナ
栗坂で2頭併せで一杯に追われるとラスト24.9−12.8秒の切れ味を見せて相手を突き放した。走りに躍動感が出てきたようやく復調なった印象。馬体の張りも出てきて雰囲気はだいぶ良くなってきている。

■[6+−]ミツワトップレディ
栗坂で単走で強めに追われて、重心の低いフットワークで最後までしっかり伸びた。あまり目立つ馬ではないが、前脚もしっかり伸びているし、仕上がりは良さそうだ。順調にきている。

■[6/]ハッピーマキシマム
北Cで単走馬なりのまま、この馬独特の大きなストライドを見せた。徐々に首が使えるようになってきたが、まだ迫力が少し欠ける印象。若干良化しているが、大きくは評価できない。

■[6−]フューチャサンデー
南Wで2頭併せで一杯に追われたが、追われてからの反応がイマイチで遅れをとった。華奢な馬体が解消されてきているが、今回は少し馬体に余裕がある印象。牝馬だけにこれくらいでもいいが、当日の馬体重に注意を払いたい。

■[6−]フレンドリーエース
美坂で単走馬なりで回転の速い脚捌きを見せた。もう少し力強さが欲しいところはあるが、この馬なりに順調にきている。

■[6−]グロリアスドータ
南芝で単走で強め追われて、ラスト35.3−11.7秒でスピード感のある走りを見せた。休み明けだが、キビキビとした動きで仕上がりはまずまず。あとは能力的に通用するかどうかだろう。

確認できず
■メイプルベガ
■レディパステル


相馬眼予想

まず中山の馬場だが、まだ2週目で絶好の状態。芝を15cmから10cmに刈り込んだことでそれほど力が必要ではなくなり、さらに前残りが加速している感じ。スローペースだとよほど切れる脚を使えないと後方からの馬ではまず届かない。今回の馬場は普通に考えれば、前に行くダイヤモンドビコーに有利で、追い込み脚質のローズバドには不利といえる。ただし、ローズバドは極端に早い脚を使えるのでギリギリ届く可能性は残している。後藤騎手がどう騎乗するかもポイントだろう。

次に展開だが、逃げ馬は見当たらずスローペース確実か。中山牝馬Sではハッピーマキシマムが暴走してハイペースになったが、今回はそうはならないだろう。切れる脚を持った馬が揃っている以上、今の馬場を考えればスローの前残りを意識するのは当然だ。ハッピーマキシマムが逃げるかどうかは分からないが、いずれにしてもスローペース確実。後方からの馬が早めにスパートしても前が止まらないのが今の中山。基本的に前に行った馬が粘るところに差し馬がどれくらい差を詰められるかといったイメージになる。

前に行く馬で粘り込めそうなのはダイヤモンドビコー、ミツワトップレディ、シルクプリマドンアの3頭。ミツワトップレディは差す脚もあるが、今の馬場と前走を考慮するとダイヤモンドビコーをマークする早めの競馬になる。ハッピーマキシマムは復調気配があり、大飛びの走法で粘りそうだが、差し馬が不発だった場合のみ。ここでは3連複のヒモあたりで考えておきたい。

差し馬ではレディパステル、ジェミードレス、ローズバドの3頭。レディパステルは器用さはないが、スローの競馬ならある程度前につけられるし、中山牝馬Sのようにダイヤモンドビコーに1秒離されることはない。ジェミードレスはスローでも切れる脚があるのでやれなくはないが、本質的にはある程度早くなって切れ味を生かせる展開の方がいいタイプ。今回は少し割引きが必要だろう。ローズバドは後方一気の競馬では届かないのは後藤騎手の分かっているので、スタイルを変えてくる可能性がある。エリザベス女王杯に向けて自分のスタイルを守ることより、ここ3戦連対できていない現実から好走することが先決だろう。

さあ最終決断。本命はダイヤモンドビコー。1倍台の断然人気、テン乗りの加藤騎手への乗り替わりは気になるが、普通に走ればまず連は外さない。スローのときのシミュレーションはできているし、万が一ハイペースが上がっても中山牝馬Sのレースぶりから全く問題ないだろう。この馬は外せない。対抗はレディパステル。1枠を引いたこと、田中勝騎手に乗り替わったことで今回は前々の競馬で地力を発揮できると判断した。準対抗はジェミードレス。坂本厩舎だけに馬体重をチェックしたい気もあるが、現時点では3番手評価。あとは、ローズバド、ミツワトップレディ、シルクプリマドンナの順。馬券はダイヤモンドビコーからの馬連だが、牝馬だけの当日の状態というのが大きなウェイトを占めるのは言うまでもない。パドック次第で少し点数を絞って買ってみたい。3連複ならハッピーマキシマムを少し押さえておきたい。

◎ダイヤモンドビコー
○レディパステル
▲ジェミードレス
△ローズバド
注ミツワトップレディ
注シルクプリマドンナ


レース回顧

ダイヤモンドビコーは2番手から抜け出すイメージ通りの競馬で優勝。今の馬場のいい中山のお手本のような競馬でこの馬の持ち味を十分に発揮した。馬体もマイナス8キロときっちり仕上げてきたし、中山牝馬Sで強い内容で勝ったコースでこの勝利も当然。今後は天皇賞秋に向かう話もあるようだが、競馬の上手さと時計からギリギリ足りるので出走しても面白そうだ。

ジェミードレスは今の馬場を意識していつもより早めの競馬だったが直線でしっかり伸びて2着。得意の中山コース、高速馬場と条件が揃っていたのでこれくらいは走れて当然。オープン特別で好走していた頃とは馬体が違うので今後も重賞戦線でやれそうだ。本質的にはマイルで切れ味を生かす競馬の方がが合っている。

レディパステルは後方から差してきたが届かず3着まで。やはり4つのコーナーがある中山1800mではスムーズに進められない分、最後届かない。それでも馬体が良化し、調子を上げているので条件が揃えば狙い目十分。京都外回りのエリザベス女王杯はもっとやれるだろう。

ミツワトップレディは3番手を進み理想的な競馬だったが、直線で伸び切れず4着。上がり3F35.6秒とかかったように距離が1F長いか。坂のある中山コースも少し堪えた感じ。

ローズバドは今の馬場と中山1800mを意識して中団につけたが、直線ではいつもの切れ味がなく6着に惨敗。最後は外から差してきたが、4コーナーから直線入り口にかけて他の馬に怯んだ感じもあった。今回は条件が厳しかったが、春よりデキは良くなっているので、末の生かせる展開になれば復活してもおかしくない。



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