デイリー杯2歳S
2002/10/12 京都競馬場 芝1600m


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データ分析

■波乱傾向強い。中穴狙いに妙味あり
30倍以上が6回、そのうち2回が万馬券と荒れている。距離変更後は万馬券はないが10倍以内もなく、中穴が多く出ている。未対戦のメンバーが集まる2歳戦だけに今後もこの傾向は続く。中穴を積極的に狙いたい。

■前走6着以内でキャリア2戦以上が条件
連対全馬が前走6着以内で7着以下に敗れた馬の連対はない。また夏の2歳重賞は1戦1勝馬でも通用するが、このレースでは距離変更後、連対したことはない。前走6着以内でキャリア2戦以上のというのが条件になる。

■距離経験がなければオープン連対必要
距離変更後5年の連対馬で1600M以上の経験がなかった馬は5頭にはオープンか重賞での連対経験があった。逆に距離経験があればオープン実績は関係ない。距離経験のない馬はオープン実績がなければ消せる。


コース分析

京都外芝1400mは、向こう正面の2コーナー終わりの直線からスタートするコース。外回りコースで直線が長いため、差し追い込みが決まることが多いが、それも条件によって異なる。古馬オープンでは差し追い込みの連対が多いが、2歳馬や下級条件では前に行った馬がそのまま粘り込むことが多い。同じコースでも各馬の条件によってかなり違うので、外回りだから差し追い込み馬という短絡的な考えはしない方がいい。

デイリー杯2歳Sの過去10年の連対馬の脚質は、逃げ3先行8差し5追込4だが、4コーナーで4番手以内の馬が15連対とある程度前につけられる馬でないと苦しい。ただし、人気薄の追い込み馬が4頭連対しているように一発なら追い込み馬。4頭ともこのレースで初めて切れる脚を使っただけに見極めは難しいが、ともに差して勝った経験があった点に注目。早い上がりのない馬でも追い込めるということを覚えておきたい。

京都は今週もAコース。馬場は絶好のなのでペースがそれほど上がらなければ前残りの確率はかなり高い。枠や馬場による有利不利はほとんどない状況なので、現時点での完成度と能力から軸にできる馬を見抜きたい。


レース展望

頭数は多くないが、かなりの好メンバーが揃った印象で、ここを勝った馬は今後の飛躍が期待できそうだ。そんな中でも注目してみたいのが、ブルーイレヴン。初戦は2000mとこのメンバーでは異色な存在だが、スピードがあるのでマイルなら対応できるだろう。まだ緩いところはあるが、相馬眼的にかなりのところまで出世が見込めそうなのでどんなレースをするか非常に楽しみだ。

あとはここに来て馬体の充実ぶりが目立ってきたブルーコンコルドも気になる存在。フサイチコンコルド産駒で馬体がしっかりしていい方に出ている。他ではシルクブラボー、シルクコジーンのシルク勢、函館2歳Sを制したアタゴタイショウと3着馬マイネルモルゲン、新潟2歳S2着のヨシサイバーダインなど底を見せていない馬が多く混戦模様。

もう1頭気になるのが、馬体を見てドキッとさせられたテイエムガルチオー。、馬体と走法がテイエムオペラオーと非常に似ている。父はサンダーガルチだが、母の母がテイエムオペラオーの母ワンスウエド。ここ2戦はダートを使ってきたが、初芝でこのメンバー相手にどこまでやれるか楽しみだ。


有力馬診断

■[8]ブルーコンコルド
小倉2歳Sのときはそれほど馬体は目立ったなかったが、ここにきて馬体が一気に成長し、たくましくなってきた。最終調教でもバランスのいい走りは一際目を引いたし、高評価を与えたい。折り合いがつくし、血統的にも距離は問題ないし、先行できる脚質も今の京都の馬場にマッチする。普通に走れば上位争いできるだろう。

■[7+]ブルーイレヴン
新馬勝ちしたときに相馬眼にヒットしたが、今回は武豊騎手が騎乗してきた。陣営がこの馬の素質を高く評価している証拠だろう。現時点での完成度でブルーコンコルドを上位に評価したが、素質ならこの馬が最上位。ただし、まだ馬体に緩いところがあるので、その分、割り引く必要があるが、それでもこの評価。顔つきや走法から勝負根性がありそうなので混戦になれば抜け出してきそうな気がする。

■[7]シルクブラボー
カンナSでタガノラフレシアを子供扱いしたように現時点の仕上がり、スピードともかなり上位の存在。コジーン産駒で距離はやや微妙だが、馬体的には十分こなせそうな雰囲気を持っている。スピードがあるので今の京都の馬場は合いそうだ。後藤騎手が騎乗するのもプッシュ材料。

■[7]マイネルモルゲン
函館2歳Sは大外を回るロスの大きい競馬で3着だったが、最後の伸び脚は目立っていた。ここにきて馬体も充実していたし、調教も動いたところは素直に評価したい。血統的に距離は微妙だが、1600mまではこなせると考えたい。

■[6+]シルクコジーン
坂路で猛時計を出し、山内厩舎が仕上げてきた。阪神マイルの新馬戦を勝ったように距離は持ちそうだが、少しズブいところがあるので今の京都はややマイナスか。その分、割り引いたがハイペースでしぶとさを発揮できる展開なら浮上するケースも考えたい。

■[6+]アタゴタイショウ
函館2歳Sは内々をロスなく乗って直線で抜け出したように少し展開に恵まれたところはあった。馬体は良くなっているし、追われてからの反応の良さは評価したいが、パワー型なので今の京都の馬場はどうだろう。そのあたりが少し不安。

■[6+]テイエムガルチオー
テイエムオペラオーにそっくりで初芝の今回どんな競馬をするか楽しみだ。ただし、陣営がここ2戦ダートを使ってきたように切れる感じがないので、そのあたりが課題だろう。気にはなるが、馬券的には連下あたりが妥当かもしれない。


調教診断

■[8/]ブルーコンコルド
栗坂で単走馬なりで力強い脚捌きで迫力のある動きを見せた。時計は26.0−12.7秒とそれほどでもなかったが、馬っぷりと走りのバランスの良さが目立った。前走はそれほど目立たなかっただけにこの成長はある意味異常。ここにきて一気に良化している。

■[7+/]ブルーイレヴン
栗坂で2頭併せで馬なりのままラスト25.1−12.4秒の伸び脚を見せた。やや首は高いが、その割りに前脚がしっかり伸びているのは素質が高い証拠。馬体の作り、雰囲気にも走る馬のそれを感じさせる。馬体はまだ緩いところがあるが、それでも前走以上なのは間違いない。

■[7−]シルクブラボー
栗坂で単走で強めに追われて、ラスト24.7−12.3秒の伸び脚を見せた。500キロを越える大型馬だが、重々しさを感じさせないのがこの馬のいいところ。前走同様、好状態をキープしている。

■[7/]マイネルモルゲン
栗CWでマイネミモーゼと併せて、強めに追われると相手を一気に突き放した。相手が走らな過ぎた感じもあるが、函館にいたときよりも馬が成長して良くなってきている。毛づやもいいし、かなりいい状態で出走できそうだ。

■[7−]アタゴタイショウ
南Wで2頭併せで軽く仕掛けられると素早く反応して併入した。馬が走りに集中しているし、馬体の太め感もなく、仕上がりは良さそうだ。

■[7−]シルクコジーン
栗坂で2頭併せで一杯に追われて、最後は一杯になったが49.9−25.3−13.1秒の好タイムをマークした。これだけ追えるのは馬体がしっかりしている証拠。若干ズブい感じのある馬だが、かなり仕上がってきている。

■[6+−]テイエムガルチオー
栗CWで2頭併せで一杯に追われて、タテにブレのない走法で最後までしぶとく伸びた。馬体の作り、走法がテイエムオペラオーにそっくりでいいものを持っているが、欲を言えばもう少し鋭い反応を見せて欲しかったというのが正直なところ。調子自体は悪くないので、初芝でどんな走りを見せるか。

■[6+−]エイシンチャンプ
栗CWで2頭併せで強めに追われて併入した。あまり目立つタイプではないが、各パーツはしっかりしており、今後走ってきそうな馬。力まずに走れているのもいい傾向。前走と同じくらいの仕上がりで出走できそうだ。

■[6+−]ヨシサイバーダイン
南Wで単走で強めに追われて力強い脚捌きを見せたが、走りのバランスがイマイチなのが少し気になった。馬体の張りもありデキは良さそうだが少し引っ掛かる。

■[6−]チキリテイオー
栗坂で2頭併せで一杯に追われたが、伸びがひと息で遅れをとった。あまり強調できるところはないが、この馬なりに順調にきている。

■[6−]ロケットパンチ
南芝で2頭併せで馬なりのまま先着した。もう少し力強さが出てきて欲しいところはあるが、この馬なりに順調。

■[6−]プラチナフェザー
栗坂で2頭併せで馬なりのままリズム良く駆け上がった。この馬なりにいい状態なのだろうが、強調できるところは少ない。


相馬眼予想

まず展開だが、逃げ馬不在で読みにくいが、ポイントは短距離で逃げて勝ってきた馬がいないことだろう。1200mで逃げて勝ってきた馬は抑えが利かずに暴走することが多いが、今回は控える競馬をしてきた馬ばかり。ある程度前につけたいにしても、距離を考えたらゆっくり行きたくなるのは当然だろう。どの馬が逃げるかは分からないが、いずれにしてもそれほどペースは上がらないというのがここでの読み。

ペースが上がらずに直線でヨーイドンの競馬になれば、上がりが早くなるので後ろからの馬ではまず届かない。前々で進めて、直線で切れる脚を使える馬というのが条件になる。先行して切れる脚が使える馬は、ブルーコンコルド、ブルーイレヴン、シルクブラボー、マイネルモルゲンの4頭が該当する。ヨシサイバーダインも前走の走りからは当てはまるが、調教の動きが引っ掛かるのと初めての右回り、輸送などの課題も多いのでここでは無印にする。

あとは能力的にアタゴタイショウとシルクコジーンも上位争いできそうだが、パワー型で早い上がりに対応できるかはやや疑問。アタゴタイショウは最終調教での反応の良さから対応できそうな気もするが、シルクコジーンは強引な競馬をしてどこまで粘れるかといったイメージになる。ここでは2頭とも押さえの評価く。あとテイエムガルチオーだが、鋭さが感じられない調教の動きから、今回は様子見。ここでは無印にしておく。

さあ最終決断。本命はブルーコンコルド。正直なところ、ブルーイレヴンと悩んだが、キャリアと最終調教の動きを評価した。ここにきて一気に馬体が成長してきたように現時点での完成度と勢いはこちらの方が上。今のデキで連を外すようなことがあれば、能力がないということだろう。それくらいデキはいい。対抗はブルーイレヴン。武豊騎手の作戦はおそらく2、3番手からの早め抜け出し。瞬発力はかなりあるのでスローの上がり勝負は今のこの馬には好都合だろう。相馬眼的にも狙い目十分。あとは馬体、気性的に距離延長は問題なさそうなシルクブラボー、調教で切れのある動きを見せたマイネルモルゲンの順。

ブルーコンコルドとブルーイレヴンはそれほど人気にならなそうなので馬券的妙味は十分。馬連◎→○を大本線に◎と○からの流し馬券が基本なるが、オッズ次第でワイド◎→○も考慮したい。3連複なら高配当が見込めそうなので◎○を軸にある程度手広く流してもよさそうだ。予想とパドックでの評価が一致すれば、勝負をかけてみたい。

    ◎ブルーコンコルド
    ○ブルーイレヴン
    ▲シルクブラボー
    △マイネルモルゲン
    注アタゴタイショウ
    注シルクコジーン


レース回顧

シルクブラボーは3コーナーで先頭に立つと直線で後続を突き放す強い内容で優勝。前半3F34.9秒、後半3F34.4秒とラップのバランスは素晴らしく評価できる。コジーン産駒で距離融通性はそれほどないが、マイルまでなら十分やれるだろう。朝日杯FSの有力候補。

ブルーイレヴンは武豊騎手が意識的にスタートを遅らせて後方から追い込む競馬で2着。前走で掛かったことをケアした騎乗はさすが。直線ではコースロスのない最内を突いたが、それでも上がり3Fはメンバー最速の33.9秒。1400mは明らかに短いのでこれだけ走れれば十分だろう。このまま順調にいけばクラシックに乗ってくることは確実。坂のある朝日杯FSではシルクブラボーを逆転する可能性も残しているが、距離適性のあるたんぱ杯に進むかもしれない。

マイネルモルゲンは外々を回るコースロスはあったが、最後はよく追い込んで3着。プラス8キロで馬体もしっかりしてきたし、マイルをこなせたのは今後に向けても大きい。スケールはそれほど大きくはないが、確実に走るのでG3クラスなら十分やれるだろう。

エイシンチャンプは10番人気と人気はなかったが、好位からしぶとく伸びて4着。調教診断で各パーツがしっかりしており今後走ってきそうな馬と書いたようにまだこれから伸びる余地をかなり残しているのもいい。人気になりにくいタイプなので馬券的妙味もある。

ブルーコンコルドは好スタートを切ったことで逃げて直線でも踏ん張ったが5着まで。ボリューム感のある馬体は目立っていたが、思ったよりトモの作りがごつく映った。今回のレースを見る限り、パンパンの良馬場より少し力のいる馬場の方がいいかもしれない。能力はあるので、まだ見限らないでおく。

ヨシサイバーダインは中団を進んだが伸びきれずに6着。パドックで発汗がひどくイレ込みが目立った。プラス10キロで太めも残っていたが、馬体がごつくなり柔軟性に欠けつつあるので、調教で柔らかい動きを見せるかどうかというのが今後のポイントになる。

テイエムガルチオーは中団を進んだが伸び切れずに7着まで。パドックで見ると馬体はまだパンとしていない印象。テイエムオペラオーに似ているが、現状ではスピード決着に向かないのでダートの方が良さそう。

シルクコジーンは6番手から見せ場なく9着に惨敗。馬体がごつく相当なズブさがあるので、今の京都の高速馬場では苦しい。今後はダート路線を進むことになるかもしれない。

アタゴタイショウは6、7番手を進んだがペースが上がるとついて行けず11着に惨敗。パドックでの歩様が硬く状態がひと息だった。荒れ馬場の函館2歳Sを勝ってきたようにスピード決着は向かないのかもしれない。ただ調教では鋭い反応を見せているのでまだ決め付けられないところもある。



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