中山牝馬Ｓ

中山牝馬Ｓ

2002/3/9　中山競馬場　G3　芝1800m

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■ レース展望

■ レース概要

: ［１回中山５日Ｇ３　芝１８００ｍ（混）牝［指］　ハンデ］
４歳以上限定の牝馬重賞ハンデ戦。京都牝馬Ｓ、中山牝馬Ｓ、マーメイドＳと続く牝馬重賞戦線の中盤戦で、唯一のハンデ戦だけに荒れる傾向が強い。昨年は１着に４番人気のエイシンルーデンス、２着に８番人気のグリーンプラネットが入り、万馬券決着となった。

■ 過去のレース結果　

: エイシンルーデンスがハナを切ってマイペースで逃げる展開。２番手には京都牝馬Ｓ２着が評価され１番人気となったタイキダイヤが追走したが直線で失速。直線で勢いがあったのは逃げたエイシンルーデンスの方で一気に後続を突き放して最後は一杯になりながらも１着でゴール。チューリップ賞以来、２年ぶりの重賞制覇。２着には最後方から捲くって追い込んだ８番人気のグリーンプラネットが入り、馬連は万馬券。１番人気のグレイスナムラは後方から伸びたが前を捕えるところまで行かず４着に敗れた。

: 2000/03/11　中山牝馬Ｓ
 2001/03/10　中山牝馬Ｓ

■ 過去１０年データ分析

: １番人気の成績は［１・２・４・３］で３連対、２番人気は２連対で１，２番人気馬同士の決着は１回もない。人気馬の信頼度はかなり低くく、当然配当も１０倍以下が１回しかなく波乱含み。中穴狙いの馬券作戦が有効。

: ハンデ戦では軽量馬が波乱を演出することが多いが、５０キロが１頭、５２キロが２頭の計３頭しか連対していない。波乱の中心は１１頭が連対している５３～５５キロの馬。軽量馬よりもある程度背負った馬を狙いたい。

: 牝馬重賞では条件戦やオープン戦を勝った上がり馬が活躍する傾向があるが、このレースでは重賞実績のある馬の活躍が目立つ。連対馬２０頭中１５頭が重賞で連対している。近走不振の実績馬の巻き返しに注意したい。

■ コースの特徴

: 中山１８００ｍは内回りでコーナーを４つ回るためハイペースになりにくく逃げ先行馬に有利なコース。後続の各馬はそれを意識して早仕掛けになりやすく直線の坂で失速するケースが目立つ。ただし、一瞬の鋭い脚のある差し馬なら十分届くことを考慮したい。

中山牝馬Ｓの過去１０年の連対馬の脚質は、逃げ４先行５差し８追込３で逃げ馬の成績は［２・２・２・４］と連対率４割、ワイドなら６割と活躍している。牝馬の一戦でペースが落ち着きやすいのが特徴で前に行った馬が有利。差し馬なら長くいい脚を使う馬ではなく、一瞬の決め手のある馬が狙い。

■ レース展望

: 荒れるハンデ戦として知られる中山牝馬Ｓだが、中心はレディパステル。休み明けで紫苑Ｓを快勝しているようにそれほど久々を苦にしないタイプで狙えそうだ。秋華賞馬ティコティコタックは使い込むとあまり良くないのでそろそろ体調に注意。あとはダイヤモンドビコーだろう。やや重かった京都牝馬Ｓでさえ２着と力のあるところを見せた。穴馬として魅力があるのは、ショウナンバーキンとカリスマサンオペラあたり。

■ 出走有力馬

: このメンバーでオークス１着、秋華賞３着、エリザベス女王杯４着の実績は一枚上。休み明けも昨年の紫苑Ｓで快勝しているようにそれほど苦にしないタイプ。一週前の調教でもまずまずの動きを見せている。関西に行くとややテンションが上がるが今回は中山。ハンデ５５．５キロなら期待通りの走りを見せてくれるだろう。

: やや重め残りだった京都牝馬Ｓで２着に善戦。叩かれながら調子を上げており今回は休み明け３戦目。藤沢厩舎だけに強く追わないが、本数をこなしており体勢は整っている。堅実に走るので上位争いは間違いないが、目標にされる分、やや苦しくなりそうな気もする。

: エリザベス女王杯３着で完全復調したが、その後は牡馬相手に惨敗。今回は牝馬同士の一戦だけにチャンスはあるだろうが、使い込んでいるので体調には要注意。一瞬の決め手はあるが、今回はトップハンデの５６．５キロ。武幸四郎騎手の仕掛けどころと合わせてこのあたりがポイントになる。

: 秋華賞５着でその際のレデイパステルとの差が０．３秒。今回の斤量はレディパステルより５．５キロ軽い５０キロ。斤量的には逆転があって不思議でないが、追い込み一手なので展開の助けが必要だ。このところ中山では昨年の新潟で好走してきた馬が活躍している。中山記念のトウカイポイント、弥生賞のバランスブゲームがそうだ。ショウナンバーキンも古町Ｓで好タイム勝ちがある。今の中山の馬場に合いそうだ。

: ここ５走８，６，７，９，５着だが、着差はそれほどなく、最後はいい脚を使っている。一昨年の中山金杯の勝ち馬で牡馬相手に重賞を制しているのはこの馬だけ。中山牝馬Ｓは重賞実績のある人気薄が活躍するレース。時計の早い決着にやや不安はあるが、一発の魅力は十分だ。

■ 調教診断

: 南Ｗで馬なりだったが、しなやかな脚捌きで最後までしっかり伸びた。馬体きっちり出来ており、久々でも好仕上がり。力を出せるデキと自信を持って判断する。

: 南芝で馬なりで時計は遅かったが、柔らかいフットワークは相変わらずで好調子をキープしている。やや重めだった馬体も引き締まってきて良く見せている。

: 美坂で強めに追われて力強い脚捌きで切れのある動きを見せた。前走より動きに鋭さが出て上昇気配。馬体も昨年より成長している。

: 栗坂で強めに追われたが、クビを横に向けて行きっぷりはイマイチ。調子のいいときはバネの利いたフットワークで駆け上がるが今回はそれが見られない。能力があるのは認めるが、調教は評価できない。

■ 相馬眼予想

　荒れるハンデ戦、中山牝馬Ｓ。過去１０年で１，２番人気同士の組み合わせは一度もなく、馬連が３桁に収まったのは１回のみと波乱に満ちたレースとなっている。いつものように各馬の調子と展開から絞り込んでいく。

　まず中山の馬場だが、昨年とは全く違ってかなりいい状態を保っており、早い時計が出ている。トウカイポイント、バランスオブゲームと高速馬場の新潟で活躍した馬が好走していることも見逃せない。今回は古町Ｓで１分３２秒７で勝った実績馬あるショウナンバーキンが該当する。ただし、古町Ｓは５００万条件。それほど過大評価するのはどうだろう。

　次に各馬の調子だが、良く見えたのがレディパステルとダイヤモンドビコーの２頭。特にレディパステルは一週前の動き、馬体の仕上がり具合からも久々を感じさせない。ダイヤモンドビコーは絶好調まではいかないが前走より良化。問題はティコティコタックでいいときのフットワークが見られない。今回はトップハンデで初の中山コースだけに軽視する。他ではショウナンバーキンが動きに鋭さが出てきて若干良化、バイラリーナがきびきびとした動きで好気配を見せていた。

　次に展開だが、確たる逃げ馬がいない。スタートして各馬の出方を伺いながら進むことになるのでスローペースだろう。スローで進むと中山１８００ｍは前に行った方が有利だが、各ジョッキーはそれを意識して早めに仕掛けていくことになる。

　ここでのポイントはレディパステルの蛯名騎手。秋華賞で大外を回し過ぎて届かずに３着、エリザベス女王杯では外が伸びる馬場なのにコースロスを意識して内を突いて４着とこの馬に関しては調教師とひと悶着あっただけに変な騎乗はできないという意識は強いはず。ではどう騎乗するのだろう。

　レディパステルは紫苑Ｓを勝っているが１８００ｍは若干距離不足。またエンジンの掛かりが遅いことから直線で差して届かないケースが考えられる。逆にレディパステルのいいところは長くいい脚が使えるところとスタミナ。これを最大限に生かすには自分から早めに動いて前後の馬に脚を使わせることだ。直線だけの切れ味勝負だけは絶対に避けたいところだろう。内枠を引いたこともあり、道中は４，５番手。３コーナー手前からスパートして４角で先頭集団というイメージだ。

　レディパステルが積極的な競馬をすることで前に行った馬は苦しくなる。前で粘れるのはダイヤモンドビコーだけだろう。あとは差し馬で高速馬場に対応できて一瞬の切れ味があるタイプだ。候補としては、ショウナンバーキン、バイラリーナ、カリスマサンオペラ、ハギノスプレンダー、タイキトゥインクル、ハッピーマキシマムの６頭が該当する。

　更に絞り込むとタイキトゥインクルはターコイズＳのときのような楽な競馬でないと力は出せないとみて無印。ハッピーマキシマムは今の勢いは買えるが、大型馬で本質的に東京コースの方が向くので買えても押さえまで。 ハギノスプレンダーは高速決着は向くが、絞れてこないことには買いずらく、ここでは押えの評価としておく。

　さあ最終決断。本命は、レディパステル。久々になるが調教の動きと馬体の仕上がりから力を出せると判断した。関西に輸送するとテンションが高くなるが今回は中山、まず連は外さない。積極的な競馬によって直線でダイヤモンドビコーと合わせ馬になるのもこの馬にはいいはずだ。

　対抗は、ダイヤモンドビコー。京都牝馬Ｓで重め残りで最後差し返す脚を見せたように地力勝負アップは確実。スローで掛かる心配はあるが、そこはペリエ騎手、最低限に押えてくれると信じたい。

　あとは、白富士Ｓで最後の伸び脚が目立ったカリスマサンオペラ、秋華賞５着と斤量から格下でも一発があっていいショウナンバーキン、牝馬限定戦に滅法強いバイラリーナの順。牝馬だけにパドックは必見。レディパステルが久々で気負うようなら評価を下げたいし、ハギノスプレンダーが絞れて好馬体を見せるなら評価を上げたいところ。

　　　　　◎レディパステル
　　　　　○ダイヤモンドビコー
　　　　　▲カリスマサンオペラ
　　　　　△ショウナンバーキン
　　　　　注バイラリーナ
　　　　　注ハギノスプレンダー

■ レース結果

 2002年1回中山5日( 3月 9日) 11Ｒ  
 第20回 ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(ＧＩＩＩ) 
 サラ系４歳以上 1800ｍ 芝・右  
 (混)牝[指] オープン ハンデ 
 本賞金： 4200、 1700、 1100、 630、 420万円 発走 15:35 
 天候：晴　 芝：良　 
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 着 予 枠 馬    　　馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 ○ 7 12 (市)ダイヤモンドビコー 牝 4 55.0kg  ペリエ　 1:45.4 　　　　　  472Kg  -4 藤沢和雄  1
  2 　 6  9 (父)ティコティコタック 牝 5 56.5kg  武幸四郎 1:46.2 ５馬身　　  438Kg  -2 松田正弘  3
  3 ◎ 3  3  　 レディパステル　　 牝 4 55.5kg  蛯名正義 1:46.4 １ 1/4馬身  452Kg   0 田中清隆  2
  4 　 1  1  　 ピンクプルメリア　 牝 5 52.0kg  江田照男 1:46.4 クビ　　　  464Kg  +2 池江泰郎  7
  5 ▲ 5  7  　 カリスマサンオペラ 牝 5 54.0kg  柴田善臣 1:46.6 １ 1/2馬身  468Kg  +2 崎山博樹  8
  6 △ 2  2 (父)ショウナンバーキン 牝 4 50.0kg  吉田豊　 1:46.6 ハナ　　　  450Kg  +6 大久保洋  6
  7 　 8 13 (父)ハッピーマキシマム 牝 5 53.0kg  菊沢隆徳 1:46.8 １ 1/2馬身  534Kg  -2 奥平真治  4
  8 注 3  4  　 バイラリーナ　　　 牝 5 53.0kg  小林淳一 1:46.8 アタマ　　  458Kg   0 後藤由之 10
  9 　 6 10  　 タイキトゥインクル 牝 6 51.0kg  梶晃啓　 1:46.8 ハナ　　　  476Kg  -2 伊藤正徳  5
 10 　 7 11  　 メジロバーバラ　　 牝 5 51.0kg  勝浦正樹 1:47.0 １ 1/2馬身  468Kg  +2 高橋裕　 11
 11 　 8 14  　 ヴァイタルトラック 牝 7 49.0kg  柴田未崎 1:47.8 ５馬身　　  460Kg   0 中野栄治 14
 12 　 4  6 (父)タイムフェアレディ 牝 4 51.0kg  田中勝春 1:48.1 １ 3/4馬身  416Kg  +2 中野栄治 13
 13 　 4  5  　 グロリアスドータ　 牝 7 52.0kg  後藤浩輝 1:48.3 １ 1/2馬身  484Kg  +6 小西一男 12
 14 注 5  8  　 ハギノスプレンダー 牝 6 53.0kg  岡部幸雄 1:48.8 ３馬身　　  482Kg  -4 鮫島一歩  9
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 ハロンタイム　 12.1 - 11.3 - 11.7 - 11.0 - 10.9 - 11.8 - 12.1 - 12.5 - 12.0  
 上り 　4F 48.4 - 3F 36.6 
 1コーナー　 11,13(5,4)12,10(1,3,7)9,2,14-8,6  
 2コーナー　 11,13-(5,4)-12(1,10)(9,3)7-(2,14)-8,6  
 3コーナー　 13=11(5,4)-(1,12)(9,10,3)7-(2,14)-(8,6)  
 4コーナー　 13=(11,4)5-12(1,9,3)-(10,7)2-(14,6)-8  

＜払戻金＞ 
 単勝 12 260円 1番人気  
 複勝 12 120円 1番人気  
 　　 09 190円 3番人気  
 　　 03 120円 2番人気  
 枠連　  6- 7   750円 2番人気  
 馬連　 09-12 1,170円 3番人気  
 ワイド 09-12   410円 2番人気  
 　　　 03-12   190円 1番人気  
 　　　 03-09   410円 3番人気

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