シルクロードS
2002/02/03 京都競馬場 G3 芝1200m

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レース展望

出走有力馬

トロットスター
マイルCSは状態は良かったが6着に敗退。その後休養して久々に なるので仕上がりがカギ。高松宮記念が目標なのでそれほど仕上げて はこないだろう。あとはハンデ59.5キロ。スプリントGT2勝馬 にこの斤量はやや甘い気もするが、馬格がある馬ではないので、末脚 の切れ味は鈍るはずだ。この馬に関しては毎度のことだが、今回も 評価が難しい。
リキアイタイカン
CBC賞でGUを制覇し今年はGT獲りに挑む。中々馬体がしっか りしてこないが、能力があるので重賞でも好勝負できている。馬体が しっかりして、重心の低い走りになったら、GTも見えてくるだろう。 今回も馬は元気なので結構やれそうだ。55キロはかなり有利。
ジョンカラノテガミ
CBC賞は外から差して早め先頭にたったが、リキアイタイカンに 強襲され惜しい2着。昨年6月のバーデンバーデンCを使った頃か らレースぶりが安定してきている。末脚勝負ならここでも十分に通用 する。大型馬だけに冬場で絞りづらいので、そのあたりがポイント。
サイキョウサンデー
オープンで2連勝し勢いに乗ってきた。前走は後方から馬群を割って 抜け出す強い内容で今の充実ぶりが伺える。3歳時に能力のあると ころを見せていたが、気性が激しいのが幸いしてこれまで結果が出せ なかった。ただし、ここ2戦はそれがいい方向に向いている。四位 騎手がすっかり手の内に入れているので、その点はもう心配いらない。 上位陣が久々なので、仕上がりの良さでこのメンバーでもやれそうだ。
ノボリユキオー
淀短距離Sは差して来たがいつものように最後伸び切れずに3着。 3回使われて徐々に調子を上げてきているので注意が必要だ。 直線で坂のない京都コースなら狙い目がある。



過去のレース結果 

1着馬2着馬3着馬馬連配当
1996年 フラワーパーク ドージマムテキ ヒシアケボノ 2,470円
1997年 エイシンバーリン ビコーペガサス シンコウキング 19,830円
1998年 シーキングザパール マサラッキ シンコウフォレスト 1,680円
1999年 マイネルラヴ アグネスワールド サウンドワールド 1,340円
2000年 ブロードアピール トロットスター タイキダイヤ 7,060円
2001年 トロットスター タイキトレジャー ツルマルザムライ 260円


調教診断

ノボリユキオー A/
栗CWで一杯に追われて、首を使った走りで最後まで力強い伸び脚 を見せた。だいぶ走りのバランスが良くなってきた印象で、前走より 良化している。馬体が引き締まり、腹回りもだいぶスッキリ見せる ようになっている。力を出せる仕上がり。
ジョンカラノテガミ A/
美坂で馬なりでラスト2F23.2秒−11.9秒の好タイムを 出した。やや馬体に余裕があるが、張り、毛づや、軽快な脚捌きは 十分合格点。短距離戦なので、これくらいの仕上がりでいいだろう。 馬体を大きく見せているのも好感が持てる。前走よりやや良化。
サイキョウサンデー A→
栗坂で回転の速いフットワークで最後までしっかり伸びた。切れる という感じではないが、これはいつも通り。馬体減りもなく、この 馬なりに好調をキープしている。
リキアイタイカン A→
栗坂で一杯に追われて、ラスト2F25.1秒−12.6秒の切れ 味を見せた。脚が長いのでどうしてもバランスが悪く、力強さを 感じさせないが、これはこの馬の特徴で気にする必要はない。前走 同様走れるデキと判断したい。
トロットスター B/
南Wで3頭併せで一杯に追われたが、ラストの追い比べで併走馬に 若干遅れた。それでも追われての反応は上々で仕上がりはそれほど 悪くない。まだ若干腹回りに余裕があるが、以前もこれくらいで走 っているので、力は出せると判断したい。ただし、絶好調時はもっと 前脚の出方が柔らかいということをつけ加えておく。

相馬眼予想

 高松宮記念に向けて重要な短距離重賞「シルクロードS」。昨年の覇者で スプリントGTを2勝したトロットスターが59.5キロで出走してきた。 昨年は58キロだったが、今年は1.5キロ増量されたことでどうなるのか 本当に悩ましいところだ。先週の京都牝馬Sでは58キロのビハインドザマ スクが優勝しただけに実力馬なら大丈夫と考えてしまいがちだが、本当に 大丈夫なのだろうか。トロットスターの取捨がこのレースの的中へのカギで あることは間違いない。

 まず京都の馬場だが、天気予報では朝から昼にかけて雨が降るということ で馬場は悪くなりそうだ。それほど多くは降らないようだが、馬場は稍重程度 か。やや力のいる馬場になりそうだ。内側がだいぶ荒れてきているので、 外を通れる馬の方が有利になる。土曜日のミレニアムバイオに騎乗した武豊騎手 が先行してかなり大外を回したことからも明らかだ。

 次に各馬の調子だが、有力各馬はみなまずまずの状態で甲乙がつけがたい。 良化という点に注目するとノボリユキオーだ。3回使われて調教でやっとこ の馬らしさが出てきている。問題のトロットスターは、絶好調ではないが、 追われてからの反応もいいので走れない状態ではない。昨年の高松宮記念や スプリンターズSもそうだが、1200mだと完調でなくても走れてしまう のがこの馬の特性。今回は割り引かないでおく。

 次に展開だが、逃げるのはケイワンバイキングか。いずれにしても16頭 の多頭数でこのメンバーならペースが遅くなることはまずありえない。極端 ハイペースにはならないので、スプリント重賞の平均的な流れだろう。各 騎手たちは、トロットスターが59.5キロを背負っているだけにマークする のではなく、自分の競馬に徹して結果を出すというスタンスで臨んでくるだ ろう。

 内側の馬場は荒れており雨が降ればさらに悪化するので、各騎手は内を通る のは避けるはず。前に行った馬も外目に回すので、4コーナーでは各馬が外に 膨れて回ることになる。あまりに外に回し過ぎると内回りコースで直線が 短いだけに届かない。差し馬なら馬群を割ってこれるタイプでないと差し切る のは難しいだろう。

 稍重の馬場を考慮して、好位差しでの候補は、キタサンチャンネル、ノボリ ユキオー、タイキダイヤの3頭。重馬場得意のタイキダイヤは更に馬場が悪化し た場合は評価を上げたいがここでは無印。キタサンチャンネルは、マイルで 持っていかれるように距離短縮はいい方に向きそうなので抑えの評価として 残したい。中団以降の差し馬では、ジョンカラノテガミ、リキアイタイカン、 サイキョウサンデー、トロットスターの4頭が該当する。

 本命は、トロットスター。59.5キロは確かに不利だが、稍重の馬場、 馬群が割れる脚と条件が揃っている。重馬場は鬼の部類なので、恵みの雨 になりそうだ。良馬場ならCBC賞1,2着の2頭を上位に取りたいが、 2頭とも器用さがないので外を回る競馬になるとロスが大きく届かない 可能性が高いし切れ味も削がれる。そのあたりで斤量は相殺できるとみて 本命にしたい。

 対抗は、ノボリユキオー。この馬も雨で時計がかかるのはいいタイプ。 徐々に調子を上げているので、馬場悪化も含めてサイキョウサンデーを 逆転できるはずだ。最初から外目を通れるのも有利に働きそうだ。

 準対抗は、サイキョウサンデー。前走で馬群を割って伸びたところを 評価。今回はその経験が生かせそうだが、馬場が渋るのは歓迎ではない。 その分狙いを下げたが、現時点での仕上がり状態と勢いは見逃せない。

 あとは、GU優勝後55キロで出走できるのは有利なリキアイタイカン、 スプリンターズSでトロットスターと0.1秒差なら逆転があっていい ジョンカラノテガミを押えたい。

     ◎トロットスター
     ○ノボリユキオー
     ▲サイキョウサンデー
     △リキアイタイカン
     注ジョンカラノテガミ
     注キタサンチャンネル


レース結果

 2002年2回京都4日( 2月 3日) 11R  
 第7回 シルクロードステークス(GIII) 
 サラ系4歳以上 1200m 芝・右  
 (混)[指] オープン ハンデ 
 本賞金: 4300、 1700、 1100、 650、 430万円 発走 15:45 
 天候:曇  芝:良  
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 着 予 枠 馬      馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1   2  4 (外)ゲイリーフラッシュ 牡 9 52.0kg  小林徹弥 1:08.7        446Kg  +2 安田伊佐 14
  2 ▲ 5 10    サイキョウサンデー 牡 6 55.0kg  四位洋文 1:08.8 1/2馬身  486Kg   0 坂口正大  2
  3   4  8    アイティースワロー せ 5 53.0kg  太宰啓介 1:08.8 クビ     486Kg  +4 柴田光陽 10
  4   4  7 (父)ナムラマイカ    牝 5 51.0kg  渡辺薫彦 1:08.9 クビ     454Kg  +2 福島信晴  9
  5   1  2 (外)タイキダイヤ    牝 6 53.0kg  秋山真一 1:08.9 クビ     478Kg  +4 田中清隆  8
  6 ◎ 7 14    トロットスター   牡 6 59.5kg  蛯名正義 1:09.0 クビ     452Kg  +8 中野栄治  1
  7 ○ 8 15    ノボリユキオー   牡 6 54.0kg  福永祐一 1:09.1 1/2馬身  460Kg  -2 瀬戸口勉  5
  8 注 3  5 (外)ジョンカラノテガミ 牡 7 56.0kg  佐藤哲三 1:09.2 1/2馬身  512Kg  +4 阿部新生  3
  9 △ 3  6    リキアイタイカン  牡 4 55.0kg  山田泰誠 1:09.3 3/4馬身  482Kg   0 松田正弘  6
 10 注 6 12    キタサンチャンネル 牡 4 54.0kg  小牧太  1:09.3 アタマ    490Kg  -4 橋口弘次  4
 11   2  3    フサイチオーレ   牡 4 53.0kg  和田竜二 1:09.4 1/2馬身  446Kg  +4 森秀行  11
 12   8 16 (外)ロッキーアピール  牡 4 52.0kg  松永幹夫 1:09.5 1/2馬身  480Kg  +2 松田国英  7
 13   1  1 (父)スニーカー     牝 6 49.0kg  川島信二 1:09.6 クビ     446Kg  +4 鈴木伸尋 12
 14   5  9    ケイワンバイキング せ 9 54.0kg  池添謙一 1:09.8 1 1/4馬身  446Kg -10 奥平真治 13
 15   6 11 (父)フレンチパッション 牝 6 49.0kg  原田聖二 1:10.0 1 1/2馬身  456Kg  +4 福島信晴 15
 16   7 13 (父)ラムジェットシチー 牡 6 54.0kg  飯田祐史 1:10.1 1/2馬身  524Kg  +4 佐々木晶 16
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 ハロンタイム  12.3 - 10.7 - 10.9 - 11.2 - 11.6 - 12.0  
 上り  4F 45.7 - 3F 34.8 
 3コーナー  7(8,11,13)(2,4,15)10(12,16)(3,14)6(1,5)9  
 4コーナー  (*7,8)(4,13)11,15(2,10)(3,12,16,14)(1,5,6)9  

 <払戻金> 
 単勝 04 9,750円 14番人気  枠連   2- 5  5,880円 24番人気
 複勝 04 1,540円 14番人気  馬連  04-10 21,650円 64番人気
    10   190円  2番人気  ワイド 04-10  5,300円 65番人気
    08   620円 10番人気      04-08  9,260円 77番人気
                         08-10  1,390円 13番人気

レース回顧

14番人気のゲイリーフラッシュが好位差し切りを決めてJRA史上初の9歳馬に よる重賞制覇を成し遂げた。前半33.9秒とペースが緩く、前残りの展開で後続が 不発に終ったこともあるが、勝ちは勝ちで鞍上の小林徹騎手とも ども誉めるしかない。高松宮記念では人気にはならないだろうが、 頑張ってもらいたい。

それにしても納得いかないのがトロットスター。いかにも高松宮記念を 意識した騎乗で直線でムチもほとんど入れずに流した程度で終って しまった。次走のために余裕を残したのだろうが、GT2勝馬、それ も今回1番人気の馬がこういうことをしてはいけない。いつもは 強気に追いまくる蛯名騎手だけにそのあたりが非常に目立って いた。厳しい言い方かもしれないが、これでは競馬ファンは逃げてい っても仕方がない。中野栄調教師だけにこういうことはないと信 じていたが、考え直さないといけなくなった。高松宮記念は、トロットスター を負かせる馬を徹底的に探したい。こんなレースをしているようでは スプリンターズSのように内がポッカリ開くような幸運が訪れることは ないだろう。

ゲイリーフラッシュ
5番手を進み、絶好の手応えで直線に向くとゴール前で逃げた2頭を キッチリ捕えて優勝した。スタートからゴールまで全てが上手くいった 感じでもう1度やったら着順はあっさり変わりそうだ。あまり 評価はできない勝利。それでも9歳馬ながら重賞を制したのだから 立派。高松宮記念では別定だけに人気にならないだろうが、今回 とメンバーがあまり変わらなければ少し押えたい気もする。
サイキョウサンデー
中団を進み、直線で馬群に包まれて抜け出すのに苦労したが、 抜け出してからの末脚は素晴らしく2着を確保した。今の充実ぶり を示すかのような末脚の切れ味で非常に見どころがあった。馬群 を割れるところがこの馬のセールスポイントなので覚えておきたい。 パドックでは落ち着いて気合の良さを見せていたようにここに来て の気性の成長が堅実に走れるようになった一つの要因だろう。 次走は高松宮記念になるが、使い込んでいるので今の調子をキープ できるかがポイント。好調をキープできれば十分好勝負になる。
アイティースワロー
2番手から粘り込んで3着。ペースが緩く、ハンデも53キロと恵まれた が、ここにきて馬体に身が入って良くなってきている点は見逃せ ない。ただしGTでは荷が重いかもしれない。オープンクラスなら十分 本命がつけられる馬。
トロットスター
後方を進み、3,4コーナーでもじっとしたままで直線に向き気合を つけて伸びたが、前を捕えれるところまで行かずに6着敗退。 久々でも仕上がりはまずまずで、パドック、返し馬をみる限りは、 少なくとも昨年の高松宮記念やスプリンターズSのときより良く見え た。走れない状態だったのではなく、目一杯に走らせなか ったというのが正解だろう。ひとつ気になるのは、こういうレース をして馬の闘争心がなくなること。この馬の場合は特に精神面で 走るところがあるので心配だ。楽をさせられたGT馬が、次走 の高松宮記念でどういう走りを見せるのか、ある意味楽しみだ。
ノボリユキオー
6,7番手を進み、絶好の手応えで直線に向いたが、伸び切れずに 8着敗退。調子もアップしていただけに期待したが、34秒台の上が り勝負になっただけに仕方がないところ。ダートでも走れるだけ にもっと馬場が悪化すればといったところか。高松宮記念に向 かうか分からないが、最終週で馬場が悪化するようなら出番が あるだろう。
ジョンカラノテガミ
後方2,3番手を進み、直線勝負に徹したが、伸び切れずに8着 敗退。あれだけ位置取りが後ろでこのペースでは届かない。調子 は良かったが、展開が嵌らないと好走できないのがこの馬の 弱み。スプリンターズSの着差とハンデを考えれば本命でもと思って しまうが、まだそれほど信頼できるほどのレベルではない。この 馬に限ってはハイペース必死で前崩れの展開になる確率が高いと きだけに絞った方がいいかもしれない。デキはいいので、高松 宮記念でも超ハイペースになれば出番があるかもしれない。
リキアイタイカン
スタートで後手を踏んだ時点で終ってしまったが、道中追っつけ ぱなしの割りに9着ならまずまずか。パドックでは、馬体をスッキリ 見せ、気合乗りも良く、非常に良く見せていただけに惜しまれ る。馬体も徐々に成長し、まだひ弱さは残るが、だいぶ良くな ってきた印象。CBC賞の勝ち馬だけに高松宮記念では当然上位 争いができる存在。
キタサンチャンネル
中団を進んだが、直線でも伸び脚は目立たずに10着に敗退。 1200mで折り合いはついていたようだが、直線では全くいい ところがなかった。馬体の作り、毛づやなどは非常に目立つが ここ数戦のレースぶりから評価を下げざるを得ない。1200mで 期待するところはあったが、この結果だとマイルで平均以上の ペースで淡々と逃げるという戦法の方がいい気がする。

次走の狙い馬 サイキョウサンデー
今回は直線で前が詰まる不利がありながらの2着で末脚の切れ味 は素晴らしいものがあった。馬群を割れるセールスポイントは、多頭数 になる高松宮記念では大きなアドバンテージになるはずだ。四位騎手 も脚が計れているだけに競馬はしやすいだろう。以前、中日スポーツ 杯4歳S(中京、芝1200m)でトロットスターを2着に退けて優勝したことが あるところは見逃せない。好状態をキープしていることを条件に 狙ってみたい。




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