小倉大賞典
2002/02/03　小倉競馬場　G3　芝1800m

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■ レース展望

■ 出走有力馬

■ ダイタクバートラム
前走の寿Ｓは中団から３４．２秒の切れ味で勝ちパターンに持ち込んだ が、外からアンクルスーパーに差されて惜しい２着。ここ３戦３４秒台 の脚を使っているようにここに来ての充実ぶりは目を引く。馬体のひ弱 さが抜けて、だいぶ力強さが出てきたのもいい。武豊騎手がわざわざ 小倉に行くように勝負気配が伺える。条件馬だが上位争いできるだろう。
■ ウインシュナイト
クリスマルキャロルＣで後の日経新春杯の勝ち馬トップコマンダーと差 のない競馬をしていることに注目。５００万条件の頃から能力のあると ころを見せていたので期待していた馬だが、ついに重賞に挑戦するとこ ろにきた。かなり能力があるので、条件馬だが重賞でも全く気にならな い。今回かもしれないが、近いうちに重賞を勝てる馬。
■ アンクルスーパー
寿Ｓのレースぶりが圧巻。上がり３Ｆ３３．８秒の切れ味で大外一気で ダイタクバートラムを差し切った。母はクイーンＣを勝ったサークルシ ョウワでこの馬も末脚の切れ味はいいものがあったが、それをしっかり 受継いだようだ。今本当に調子が良く、勢いならこの馬。一気の重賞 制覇もありかもしれない。
■ ジョービッグバン
一昨年の宝塚記念で３着していらい不甲斐ないレースが続くが、そろそ ろ復活はないか。前走の鳴尾記念は８着だったが、徐々に良化してき ている。００年の小倉大賞典を勝っているように平坦の中距離を最も 得意にしている。そろそろ注意したい。


■ 過去のレース結果　

年１着馬２着馬３着馬馬連配当
１９９６年 アラタマワンダー サマニベッピン スプリングバンブー ３，０４０円
１９９７年 オースミマックス ケントニーオー トウカイサイレンス ９，９３０円
１９９８年 サイレンススズカ ツルマルガイセン ナムラキントウン ４９０円
１９９９年 スエヒロコマンダー トゥナンテ マルカコマチ ５，１４０円
２０００年 ジョービッグバン ロードサクセサー ドラゴンライト １，７７０円
２００１年 ミスズシャルダン マイネルブラウ ロードプラチナム ２，０７０円


■ 調教診断

■ アンクルスーパー　Ａ／
栗ＣＷで一杯に追われて、重心の低い走りで最後までしっかり伸び た。前脚の捌きが軽く、動きの良さが目立った。馬体もしっかりし てきた印象でここにきての充実びりが目立つ。ほば万全の仕上がり。
■ ダイタクバートラム　Ａ→
栗坂でキタサンチャンネルと併せて強めに追われた。道中多少フワ フワした感じあったが、脚捌きは力強く、前走同様好調をキープし ている。馬体もだいぶしっかりしてきたのも好印象。
■ ウインシュナイト　Ａ→
南Ｗせ３頭併せの真中でがっちり手綱を抑えて併入した。それほど 目立った動きではないが、調教で動く馬ではないのでこれでいいだ ろう。前走のデキをがっちりキープ。
■ バンブーマリアッチ　Ｂ／
栗坂で一杯に追われて、ラストも時計がかかったが、馬の雰囲気 が少し変わってきたところに注目。前走馬体が１０キロ増えて戻し ていたが、更に筋肉がついてきた感じで良く見せている。Ａ評価 まではいかないが良化している。

■ 相馬眼予想

　荒れるハンデ重賞「小倉大賞典」。過去１０年で３桁配当になったのは サイレンススズカが１番人気で制したときだけで、５０００円以上が５回 もありかなり荒れている。今年もフルゲートの１６頭で条件クラスの馬が 人気になっており、いかにも荒れそうだ。ただし、オープン、重賞常連組 も近走不振馬ばかりで、確たる馬がいないので、条件クラスでもという気 になってくる。ハンデ戦だけに斤量とあとは荒れてきた小倉の馬場を考慮 して予想していくことにする。

　まず小倉の馬場だが、内側がかなり掘れてきてだいぶ悪化している。 よほど荒れ馬場を苦にしないタイプでない限り、外目を通らないと伸びない。 ただし大外を回してはコースロスが大きく、そこから直線一気は苦しい。 ある程度前に行って、馬場のいいところを選んで走れる馬が有利になる。

　次に各馬の調子だが、アンクルスーパー、ダイタクバートラム、ウイン シュナイトの動きと気配が目立った。特にアンクルスーパーの動きが良く、 前走勝った勢いをそのまま持続している。あとはバンブーマリアッチが 若干良化。それ以外は特に目立った馬はいないが、歴戦の古馬だけに 調子が悪い馬というのも見当たらない。

　次に展開だが、逃げるのは１番枠を引いたアグネスストームだろう。 １６頭数の多頭数で馬場荒れを考慮して各騎手たちはいい位置取りを 取るために仕掛け気味に行くのでペースは早くなる。前に行った馬は息が 入れられずバテて下がってくるので、後ろの馬は馬群を捌くのに苦労し そうだ。ハイペースでも好位につけてそのまま押し切れる馬を狙いたい。 差し馬なら早めに上がって４角で好位につけれる馬でないと苦しいだろう。

　本命は、ウインシュナイト。スローペースの経験しかないのが不安だが、 競馬センスがいいので好位に取りつけると判断した。やや強引 な判断だが、それよりもこの馬の能力の方を高く評価したい。未勝利を 勝ったばかりで札幌記念に出走して５着は普通の馬ができる芸当ではない。 前走でも日経新春杯を勝ったトップコマンダーと差のないレースをして おり、能力が重賞級であることは明らか。直線早めに抜け出してそのまま 粘り込む競馬で結果を出すとみている。ファロン騎手の日本初重賞制覇は目前だ。

　対抗は、ダイタクバートラム。ペース不問で溜めて乗れば必ずいい脚 を使う。この点に注目して武豊騎手は直線で前をぎりぎり捕まえられえる 位置取りからスパートするので、今度はアンクルスーパーには差されない と判断した。馬場荒れで前に行った馬の上がりがかかるのはこの馬には 好都合だろう。

　準対抗は、アンクルスーパー。寿Ｓの末脚は鮮やかだったが今度は 小倉コースだけに割り引いた。ただし、状態は非常にいいので、鈴来 騎手がダイタクバートラムを徹底的にマークできれば、逆転があるかも しれない。鞍上にかかっている。

　あとは、荒れ馬場得意でワイドも妙味があるバンブーマリアッチ、 徐々に良化気配がある実績馬ジョービッグバン とトーホウドリームを押えたい。

　　　　　◎ウインシュナイト
　　　　　○ダイタクバートラム
　　　　　▲アンクルスーパー
　　　　　△バンブーマリアッチ
　　　　　注ジョービッグバン
　　　　　注ウインマーベラス

■ レース結果

 2002年1回小倉6日( 2月 3日) 11Ｒ  
 第36回 小倉大賞典(ＧＩＩＩ) 
 サラ系４歳以上 1800ｍ 芝・右  
 オープン ハンデ 
 本賞金： 4300、 1700、 1100、 650、 430万円 発走 15:30 
 天候：晴　 芝：良　 
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 着 予 枠 馬    　　馬  名         性齢  重量     騎手   タイム   着差       馬体重   調教師  人気
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  1 　 8 16  　 タマモヒビキ　　　 牡 6 53.0kg  小原義之 1:48.0 　　　　　  514Kg   0 小原伊佐 13
  2 ◎ 7 14 (市)ウインシュナイト　 牡 4 53.0kg  ファロン 1:48.0 クビ　　　  498Kg  -4 藤沢和雄  2
  3 ○ 7 13 (父)ダイタクバートラム 牡 4 53.0kg  武豊　　 1:48.3 １ 3/4馬身  490Kg   0 橋口弘次  1
  4 ▲ 2  4 (市)アンクルスーパー　 牡 5 54.0kg  鈴来直人 1:48.6 １ 3/4馬身  508Kg  +6 田島良保  4
  5 △ 8 15 (父)バンブーマリアッチ 牡 7 53.0kg  幸英明　 1:48.9 １ 3/4馬身  458Kg   0 梅内忍　  9
  6 　 3  6  　 オースミブライト　 牡 6 55.0kg  常石勝義 1:49.1 １ 1/4馬身  444Kg  -2 中尾正　 14
  7 　 1  2 (抽)ミヤギロドリゴ　　 牡 8 54.0kg  大西直宏 1:49.2 １／２馬身  538Kg  +6 高市圭二 10
  8 注 5  9  　 ウインマーベラス　 牡 5 55.0kg  ビエトリ 1:49.4 １ 1/4馬身  460Kg  -6 森秀行　  3
  9 　 1  1  　 アグネスストーム　 牡 4 50.0kg  金折知則 1:49.5 ３／４馬身  498Kg  -8 浜田光正  6
 10 　 3  5  　 プレミアムバラード 牡 7 50.0kg  小池隆生 1:49.6 クビ　　　  478Kg  -2 大根田裕 16
 11 　 6 12 (父)トーホウドリーム　 牡 5 57.0kg  加藤和宏 1:49.6 ハナ　　　  468Kg  -2 田島良保  5
 12 　 4  7 (市)マイネルタンゴ　　 牡 6 52.0kg  宝来城多 1:49.8 １馬身　　  490Kg   0 佐々木晶 15
 13 　 5 10  　 コンタクト　　　　 牡 6 54.0kg  芹沢純一 1:50.0 １ 1/2馬身  454Kg  -4 安田隆行 11
 14 注 4  8  　 ジョービッグバン　 牡 7 56.0kg  山田和広 1:50.4 ２ 1/2馬身  462Kg   0 坪正直　  8
 15 　 6 11  　 クラフトマンシップ 牡 7 55.0kg  蓑島靖典 1:51.9 ９馬身　　  422Kg   0 後藤由之  7
 16 　 2  3  　 マイネルライツ　　 牡 4 51.0kg  中舘英二 1:52.0 １／２馬身  502Kg  -2 相沢郁　 12
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 ハロンタイム　 12.2 - 11.3 - 11.5 - 11.7 - 12.0 - 12.2 - 12.4 - 12.3 - 12.4  
 上り 　4F 49.3 - 3F 37.1 
 1コーナー　 (*1,3,7)8-9(5,10)14,16(4,11)(2,15)6(13,12)  
 2コーナー　 (*1,3)7(9,8)-(5,10)14,16(4,11)(2,15)(13,6,12)  
 3コーナー　 1(7,9,8)(3,14,5,10)16(4,2)(13,15)(11,12)6  
 4コーナー　 (*1,14)(9,16)(7,10)(4,13,8,2)5(6,15,12)-3-11  

 ＜払戻金＞ 
 単勝 16 3,860円 13番人気  枠連　  7- 8  1,240円  6番人気
 複勝 16   700円 13番人気  馬連　 14-16 11,270円 38番人気
 　　 14   150円  2番人気  ワイド 14-16  3,230円 44番人気
 　　 13   120円  1番人気  　　　 13-16  2,030円 23番人気
 　　         　   　　　  　　　 13-14    250円  1番人気

■ レース回顧

１３番人気のタマモヒビキが低評価をあざ笑うかのような快走を見せ 重賞初制覇。１８００ｍ戦４勝はメンバー中で最も多い勝ち星だったが、 これまでの逃げてバテるイメージがあり手を出せなかった。結果 論だが、前走の京都金杯で差す競馬をしていたこと、外枠から スムーズな競馬ができることを考慮すれば、中心視まではいかなく ても抑えることはできたはずだ。

それにしても小倉の馬場は荒れてきた。内側はかなり掘れて外 でないと伸びない。内枠の馬も外に出せないことはないが、 出すにはある程度負担がかかる。その点、外枠はスムーズに進 められるのだから有利だ。小倉はあと２日あるので、外枠から スムーズに行ける馬を上位に取り上げた方がいいだろう。

■ タマモヒビキ
大外枠からスタートし後方から徐々に進出すると４コーナーで先行集団 に取りついた。ウィンシュナイトが早めに抜け出したところを外から から捻じ伏せるように差し切って初重賞制覇。これまで前に 行って粘り込むのがこの馬のパターンだったが、前走の京都金杯 で後方から追い込んだ経験を生かして一気に差し切った。外 枠で馬場のいいところを通れたのは有利だったが、内容的に は完勝。こういうレースができれば、今後も楽しめそうだ。
■ ウインシュナイト
中団から徐々に進出し４コーナー２番手から直線早めに抜け出した が、タマモヒビキにクビ差競り負けて惜しい２着。負けはしたが、今回 も能力の一端を見せたように条件馬だが重賞で十分通用する。 まだ馬が若く競馬もぎこちないところがあるが、経験を積めば もっといい競馬ができるだろう。馬体はまだ緩いところがある が、これからの成長を考えると逆にそれが魅力。秋には重賞 の１つや２つ勝っているだろう。毎回堅実に走るので馬券的 にも妙味のある馬。追いかけたい。
■ ダイタクバートラム
後方を進み、３，４コーナーで内を回って直線外に出す武豊騎手の 絶妙な手綱捌きで前に迫ったが、最後は脚色が一緒になって ３着まで。武豊騎手の小倉での追い込みはこうやるのだという お手本のような騎乗だったが、最後伸び切れなかった。小倉の 忙しい競馬はあまり向かないようだ。昨年より馬体はだいぶ しっかりしてきているが、まだ緩いところがあるので、そのあ たりが改善されればもっと走れるだろう。現状は、昨年のトウカイ オーザと同じようなイメージ。
■ アンクルスーパー
後方から追い込んだがトップとは０．６秒差の４着まで。パドック でも調子は良く見えたが、忙しい競馬と荒れ馬場で持ち味が 生かせなかったようだ。今調子がいいので、条件させ揃えば Ｇ３クラスなら十分好勝負ができるだろう。
■ バンブーマリアッチ
後方から追い込んで５着に食い込んだ。９番人気と人気はなか ったが、調子の良さと得意の荒れ馬場ならこれくらい走れて 当然の馬。７歳になったが馬は元気一杯。もっと馬場が荒れた ときにワイドで狙ってみたい。

★ 次走の狙い馬　アンクルスーパー
２着したウインシュナイトは追いかけるとして、次走狙いたいのは アンクルスーパー。今回は忙しい競馬と荒れ馬場で持ち味を殺され たが、調子の良さは目立っていた。重賞を１回使われた経験は 大きく、ペースにも慣れてくるだろう。切れ味の生かせる馬場 という条件をつけて狙ってみたい。



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