オークス
レース回顧

ジュウリョクピエロは16番枠スタートから13番手を進み、直線で馬群に突っ込むとメンバー最速タイの33.1秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分25秒6。トリニティが逃げて前半5F62.2秒、後半5F58.9秒、上がり34.8秒、ラップは11.6−11.4−11.8秒。前半スローペースになったが、向こう正面でリアライズルミナスが外から2番手に押し上げたことで流れが速くなり、10番手以下から追い込んだ馬が1、3、4、6、7着に入った。前半スローペースになったことで前に行った馬も残れるレースになった。牝馬限定G1は22年桜花賞から先週のヴィクトリアマイルまでノーザンF&社台F生産馬が26連勝中だったが、飛野牧場生産のジュウリョクピエロが社台の連勝を止めた。

ジュウリョクピエロは後方でじっくり脚をタメ、直線では外に出さずに馬群に突っ込むとドリームコアが外に寄れたことでスペースができ、そこに突っ込んで差し切った。ゴール直後の今村聖騎手のガッツポーズが印象的。ゴール前の激戦は記憶に残る好レースだった。忘れな草賞を最後方から大外捲りで圧勝したのはやはりダテではなかった。向こう正面でリアライズルミナスが動いたことである程度持久力が問われるレースになったことも良かったのだろう。パドックでは発汗して少しテンションが高かったが、スタンド前からスタートを決めて13番手で折り合って進むことができた。今村聖騎手がこれまでのように先輩騎手に遠慮して大外をブン回していたら届かなかったのではないか。

今村聖騎手は東京芝[0−3−0−20]で勝ったことがなく、東京芝2400mは初騎乗だったが、直線で落ち着いて馬群を捌いて勝利に導いた。今村聖騎手は日本人女性騎手によるJRAG1初制覇。クラシック初騎乗初制覇という偉業を成し遂げた。これからG1レースの常連になるような活躍を期待したい。オークスは父の今村康成元騎手が調教助手で担当したメイショウマンボが勝ったレース。今村聖騎手はレース前からオークスには縁を感じていたとコメントしていた。寺島調教師はJRAG1を24戦目で初制覇となった。ジュウリョクピエロは芝を使って全て最速上がりで3連勝。まだこれからさらに強くなる。父オルフェーヴルは凱旋門賞2年連続2着。秋は凱旋門賞か、秋華賞か、ジャパンCか。

ドリームコアは12番枠から4番手につけ、メンバー9位タイの34.3秒で上がってクビ差の2着。スタートで内と外から寄られてぶつけられたが、ルメール騎手が引かずに4番手につけて馬場のいいところを通ってきた。ヴィクトリアマイルのエンブロイダリーと同様にルメール騎手が展開と位置取りをマッチさせ、その日伸びるコースを走らせている。ルメール騎手の立ち回りの上手さで切れる馬を完封し2着を確保。前半スローになったこともプラスに働いている。調教診断で2位評価したように萩原厩舎スタッフが攻めて仕上げた効果もあったのだろう。2走前に東京芝1600m重賞を勝った桜花賞惨敗馬は巻き返すデータ通りの結果になった。過去10年でルメール騎手は[4−3−0−2]。東京芝2400mのG1でルメール騎手は外せない。

ラフターラインズは大外18番枠から10番手の外を進み、メンバー3位の33.3秒で追い込んでクビ+クビ差の3着。2コーナーで内からリアライズルミナスが外に出てきたため、外に振られるロスがあった。4コーナーから直線でも外に振られるロスもあった。レーン騎手がそのあたりを上手くカバーしたが、ロスがあったぶん少し足りなかった。父アルアイン、母バンゴールで芝2400mがドンと来いというタイプではないだけに前半がスローになり上がり勝負に傾いたことも良かったのだろう。不利な大外18番枠から同タイムの3着は評価できる。出遅れがなければ、秋華賞でも勝ち負けできそうだ。

リアライズルミナスは10番手から向こう正面で大外から2番手に押し上げ、メンバー13位の34.6秒で上がって0.1秒差の4着。直線で抜け出したが、坂を上がってから脚が鈍って外から3頭に交わされた。10番人気を穴馬で狙ったが、見せ場十分のレースだった。前半スローになっただけにスタートを決めて先行していれば、勝ち負けできたかもしれない。津村騎手は19年にカレンブーケドール(12人気)で先行して2着。前半の位置取りが悪くなったことが想定外だった。フローラSはスローの上がり勝負で切れ負けした3着に負けたが、ハイペースの未勝利戦を2番手から押し切ったように持久力がある馬。今回はある程度持ち味を出せた。

スウィートハピネスは好位からメンバー8位の34.1秒で上がって0.1秒差の5着。11番人気を大穴馬で狙ったが少し足りなかった。桜花賞は13着に終わったが、前半ごちゃつく不利があり、同じように不利を受けたドリームコアも9着だった。阪神JFは0.3秒差の4着に負けたが、直線で前が壁になって外に切り替えるロスがあり、上がりはスターアニスと同じメンバー2位の34.5秒だった。エルフィンSは最後方からメンバー2位を0.8秒上回る最速の34.1秒で差し切り1分33秒0で勝ったが、荒れた内を突いて一瞬のうちに突き抜けたところにスタミナと地力を感じさせた。人気になりにくいタイプ。またどこかで狙いたい。

エンネはスタートで内に寄れてドリームコアと接触して17番手を進み、メンバー最速タイの33.1秒で内から追い込んで0.3秒差の7着。出遅れて位置取りが悪くなり、スローペースでも道中17番手から動かず、直線で荒れた内を突いたことが堪えた。勝ったジュウリョクピエロと同じメンバー最速の33.1秒で上がったように能力は示したが、出遅れて内を突いては厳しかった。4コーナーから直線で外に出すスペースはあったが、坂井騎手は敢えて伸びない内に突っ込んだのはなぜなのか。大人か男の事情でもあるのだろう。エンネは3戦して上がりは全て最速。相馬眼的にG1を狙える馬。秋華賞、エリザベス女王杯で期待したい。

スターアニスは8番手からメンバー9位タイの34.3秒で上がって0.8秒差の12着。阪神JF、桜花賞を連勝して1番人気に支持されたが、見せ場なく惨敗した。1コーナーで頭を上げて折り合いを欠き、向こう正面でもずっと力みながら走っていた。前半5Fは阪神JFが57.3秒、桜花賞が57.2秒、今回が62.2秒。初の東京コースで前2走と全く違う流れに馬が戸惑ったのだろう。折り合ってスムーズなレースでどこまで走れるのかが見たかったというのが正直な印象。昨年はエンブロイダリーが桜花賞1着、オークス9着、秋華賞1着。スターアニスは秋華賞を使うのか、マイル路線に行くのか、陣営は迷うことになりそうだ。

[Home]