中日新聞杯
レース回顧

シェイクユアハートは中団の馬込みを進み、勝負どころで外に出すとメンバー2位タイの33.2秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分57秒6。ホウオウプロサンゲが逃げて前半5F60.3秒、後半5F57.3秒、上がり34.1秒。ラスト4Fは11.2−11.3−11.3−11.5秒。開催2週目の高速馬場で流れが緩んで高速ラップの持続力と最後に抜け出す瞬発力が問われるレースになった。シェイクユアハートは中団の外から豪快に差し切り、乗り慣れた古川吉騎手で3番人気で重賞初制覇を飾った。

これで23年秋以降、芝2000mでは[3−7−3−1]で複勝率92.9%。相手なりに堅実に走るタイプが高速決着に対応してパフォーマンスを引き上げた。調教の動きは地味だったが、パドックでは少しチャカついていたが、馬体、気配は落ちていなかった。宮厩舎は14年高松宮記念のコパノリチャード以来11年ぶりの重賞制覇となった。今後は芝2000mのG3を使いながらG2、G1とステップアップを目指すことになりそうだ。中京の金鯱賞、阪神の大阪杯が視野に入る。

レッドバリエンテはスタートを決めて4番手につけ、メンバー9位タイの33.8秒で上がって0.2秒差の2着。勝負どころで西村淳騎手手が激しく動いたが、内から馬群を捌いてしぶとく伸びてきた。前走アンドロメダSは長期休養明け、馬体16キロ増で7着に終わったが、叩き2戦目、西村淳騎手で走りが一変した。6歳馬でもディープインパクト産駒は高齢になってもパフォーマンスが落ちない馬が多い。これで中京芝は[3−2−0−1]。芝2000mの高速決着に対応できたことで使えるレースの幅が広がった。

ジューンテイクは12番手から外を通って4コーナーで6番手に押し上げ、メンバー7位の33.6秒で上がって0.2秒差の3着。前4走10着以下が続いていたが、休養して立て直し走りが一変した。これで中京芝は[2−1−1−0]。中京芝2200mの神戸新聞杯でメイショウタバル(宝塚記念優勝)に0.1秒差の2着があるのはダテではない。京都新聞杯を勝った実力馬がようやく復調してきた。

シンハナーダは後方からメンバー2位タイの33.2秒で上がって0.2秒差の4着。2着とはハナ+ハナ差。大外から鋭く伸びてきたが、あと一歩足りなかった。4コーナーで他馬にぶつけられて少し減速し、トップギアに入るタイミングが遅れたことが堪えた。そこがスムーズなら際どいレースになったのではないか。馬体に派手さはないが、末脚の威力は相当。国枝調教師が引退する前に重賞制覇がありそうだ。

メリオーレムは後方からメンバー2位タイの33.2秒で上がって0.5秒差の5着。武豊騎手が後方の内でタメて4コーナーから直線で外に出して前にいたシンハナーダを追ったが、最後は切れ負けして突き放された。武豊騎手が鮫島駿騎手を外から抜かそうとしていたのが印象的。まだ根に持っているのか。前2走は10、9着に終わったが、パドック気配が良くなって復調してきた。マイルを使うと一変の可能性がある。

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