チャンピオンズC
レース回顧

ダブルハートボンドは1枠2番から3番手につけ、メンバー4位の37.1秒で上がってハナ差の接戦を制した。勝ちタイムは1分50秒2。ウィリアムバローズが逃げて前半5F60.3秒。上がりは37.3秒、ラップは12.9−12.3−12.1秒で尻上がり。ラスト4Fから12.6−12.9秒と流れが緩んだことで上がりが速いレースになった。過去10年でラスト3Fが尻上がりラップになったのは初めて。ダブルハートボンドは3番人気に支持され、3番手から抜け出す正攻法のレースでG1初制覇。大久保龍厩舎のキズナ産駒。これで中央ダートでは7戦7勝となった。牝馬の優勝は15年サンビスタ以来2頭目。

パドックでは前走同様ダート馬としては腹目が細く映ったが、これが今の仕上げられた姿なのだろう。前走みやこSから中3週で調教では最後の伸びが少し物足りなかったが、レース後に坂井騎手は「馬がレースで本気で走ればいいと分かっていたのではないか」とコメント。中京ダ1800mは未勝利戦を6馬身差、1勝Cを大差、2勝Cを3馬身差で圧勝した馬。やはり左回りが得意なのだろう。勝ったことでサウジCの優先出走権を確保。国内のフェブラリーSとどちらに出走するか、陣営は迷うことになりそうだ。半姉パーシーズベストは16年に相馬眼ニュースで取り上げた馬。あれから9年経って半妹がG1を制した。

ウィルソンテソーロは4枠8番から内ラチ沿いの10番手につけ、勝負どころで6番手に押し上げるとメンバー2位の36.8秒で上がってハナ差の2着。直線で川田騎手がシックスペンスの外に出して交わし、最後は内に切れ込んで鋭く伸びたが、ダブルハートボンドとの首の上げ下げになり9センチ差で敗れた。これでチャンピオンズCは3年連続で2着。前走JBCクラシックは好位から失速して2.2秒差の5着に終わったが、2走前の南部杯で圧勝したのが本来の姿なのだろう。パドックでは気合乗りが良く、後肢の踏み込みがしっかりしていた。次走は東京大賞典には使わず、フェブラリーSに直行する予定。南部杯を勝った後、川田騎手はダ1600mがベストとコメントしている。

ラムジェットは道中12番手を進み、直線で外からメンバー3位の36.9秒で上がって0.4秒差の3着。4コーナーから直線で外からメイショウハリオに交わされて前に入られたが、そこから外に出して立て直すとしぶとく伸びて3着争いを制した。昨年の東京大賞典でフォーエバーヤング、ウィルソンテソーロの3着に入った馬。前走みやこSでメンバー最速の35.3秒で追い込んで4着。後方でタメることで末脚の威力が戻ってきた。今年のサウジCは2.4秒差の6着、ドバイWCは1.8秒差の9着。来年も海外遠征か。

メイショウハリオは道中12番手を進み、4コーナーで外に出してスパートするとメンバー最速の36.7秒で上がって0.4秒差の4着。直線でラムジェットの前に出たが、最後に差し返された。8歳馬で今回がラストランといわれていたが、いい脚を長く使って最速上がりを繰り出して善戦したため、状態面次第で東京大賞典を使うことになった。大井ダ2000mは[2−0−1−2]で22、23年の帝王賞を制している。

ナルカミは少し出遅れた後に押して4番手につけたが、直線で一杯になって2.4秒差の13着。単勝2.2倍の1番人気に支持されたが、全く力を発揮できなかった。馬場に入場したときにラチに接触して戸崎騎手が落馬しそうになっていた。パドックでは落ち着いていたが、1勝クラスで惨敗した中京コースで馬がテンションが上がってしまったか。田中博厩舎が上手く仕上げていたが、3歳馬でまだ精神的に難しい部分があるようだ。

ルクソールカフェは大外16番枠から5番手の外につけたが、直線入り口で外から前に入られ、その後は流して3.4秒差の15着。前半5F60.3秒で流れたが、2、3列目に馬が集中したことでかなり外を回され、4コーナーの急カーブを回るのに苦労していた。外枠から外を回っても大排気量エンジンで対応できるとみていたが、古馬一線級が揃ったG1で甘くはなかった。全兄カフェファラオはチャンピオンズC6、11着、フェブラリーS1、1着、南部杯1着。次走はフェブラリーSに直行することになりそうだ。

[Home]