菊花賞
レース回顧

エネルジコは少し出遅れて15番手を進み、向こう正面から徐々に進出して4コーナーで4番手に押し上げるとメンバー最速の35.0秒で抜け出して2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは3分4秒0(稍重)。ジーティーアダマンが逃げて前半5F60.秒、中盤5F63.8秒。後半5F59.4秒、上がり35.3秒、ラップは11.9−11.5−11.9秒。逃げると思われたマイユニバースが出遅れたことで隊列が縦長にならず、しかもジーティーアダマンが飛ばしても各馬一団で進んだことで差し馬向きの展開になり、後方から捲ってきた人気馬2頭での決着になった。

エネルジコはルメール騎手が向こう正面で武豊騎手のマイユニバースの後ろにつけて楽に上がって行けたことが大きかった。京都は基本的に内を通った馬が有利だが、馬場の内側が荒れ、雨で稍重に渋ったことで馬場のいい外を通った馬が有利になった。エネルジコは芝3000mで外を回っていい脚を長く使い、長距離適性を示した。前走古馬相手の新潟記念で56キロを背負ってシランケドの2着に入ったのはダテではなかった。これで過去5年の菊花賞でドゥラメンテ産駒が3勝。ルメール騎手は菊花賞3連覇となった。初の右回りは全く問題なし。次走は有馬記念か。

エリキングは出遅れて後方2番手を進み、4コーナーで8番手に押し上げるとメンバー3位タイの35.2秒で上がって0.3秒差の2着。向こう正面でマイユニバースの後ろにルメール騎手がつけると川田騎手も動いてその後ろにつけて上がってきた。最終週で雨が降って外が伸びる馬場になったことも良かったのだろう。中団あたりにつけられるが、前週の秋華賞で川田騎手はカムニャックで先行して惨敗したこともあるのだろう。関西圏では[4−1−0−0]で連対を確保。次走は選出されれば香港ヴァーズか。馬主が藤田氏だけに来年は凱旋門賞挑戦もありそうだ。

エキサイトバイオは7枠14番から4番手につけ、3コーナーで先頭に並びかけるとメンバー8位タイの35.7秒で上がって0.4秒差の3着。前走ラジオNIKKEI賞を勝った馬が13番人気で激走した。荻野極騎手が早めに先頭に立つ強気なレースをしたが、馬が最後までしぶとく踏ん張った。レイデオロ産駒で母は秋華賞2着馬アニメイトバイオ。母系のレインボーアンバーは89年菊花賞2着馬で道悪巧者だった。距離延びてステイヤー一族の血が騒いだか。パドックではテンションが高かったが、パンパンに張った雄大な馬体は目立っていた。来年の天皇賞(春)は要注意。

ゲルチュタールは9番手を進み、メンバー3位タイの35.2秒で上がって0.4秒差の4着。切れより地力タイプで早めに仕掛けたかったが、向こう正面からマイユニバース、エネルジコ、エリキングと次々と外からマークされて外に出せず、追い出しが遅れたことが堪えた。最後までしぶとく伸びており、スムーズなら馬券圏内があったかもしれない。スタミナがあるため、ステイヤーズS、ダイヤモンドSに出走したら注意したい。

レッドバンデは大外18番枠から7番手につけ、道中馬込みの中を少しずつ押し上げ、メンバー7位の35.5秒で上がって0.5秒差の5着。佐々木騎手が馬込みに入れてある程度ロスなく進めてきたが、直線で伸び切れなかった。それでも不利な大外枠だったことを考えるよく走っている。青葉賞4着、セントライト記念3着、菊花賞5着と勝ち切れないが、着実に地力が強化されている。来年の目黒記念、AR共和国杯は要注意。

ライトトラックは2枠3番から内ラチ沿いの6番手につけ、メンバー12位の36.3秒で上がって1.5秒差の12着。内ラチ沿いをロスなく回ってきたが、勝負どころでズブさを出して和田騎手の手が動き、直線で追っても伸び切れなかった。通常の京都なら内をロスなく回れば有利になるが、菊花賞では外を回った馬しか伸びていなかった。勝負どころで外から上がられて後退し揉まれてことも堪えたか。このメンバーでも馬体の造りは目立っていた。次走は3勝Cを使う予定。友道調教師が距離適性をどう考えるか。

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