スプリンターズS
レース回顧
ウインカーネリアンは大外枠から2番手につけ、メンバー5位タイの33.0秒で上がって逃げたジューンブレアとの激しい叩き合いを制した。勝ちタイムは1分6秒9。ジューンブレアが逃げて前半3F33.7秒の緩い流れ。上がりは33.2秒、ラップは11.2−10.6−11.4秒。高速馬場にも関わらず流れが緩んで前に行った2頭で前残りになった。ウインカーネリアンはジューンブレアが内に切れ込みながらハナを切ったことで大外枠から楽に2番手につけることができた。ジューンブレアの武豊騎手が内に切れ込みながら睨みをきかせたことで各騎手が控えたこと、前に行くと思われたペアポルックスとルガルが出遅れたこと、3番手につけたトウシンマカオが勝負どころで動かず後続が渋滞し、そこで前と差が開いたことがプラスに働いている。
調教診断で4位に評価したように海外遠征明けを叩いたことで調子も良かったのだろう。アルクオーツスプリント(G1)で逃げて2着に粘ったのはダテではないことを示した。キャリア33戦目の8歳馬がG1−9戦目で初制覇を飾った。今年18年目の三浦騎手はG1を127戦目で初制覇。最後の直線で内に斜行してジューンブレア(武豊騎手)の進路を妨害したことで戒告処分を受けている。ゴールした後に武豊騎手は三浦騎手に「おめでとう、長かったな」と声をかけた模様。武豊騎手の俺について来いといったような乗り方は、G1を勝てない三浦騎手を導いているように見えたのは気のせいか。8歳の日本馬がJRA芝G1を制したのは11年高松宮記念のキンシャサノキセキ以来14年ぶり。次走は体調が整えば香港スプリントに使ってくるか。
ジューンブレアは7枠13番から内に切れ込んでハナを切り、メンバー9位タイの33.2秒で上がって頭差の2着。直線でウインカーネリアンに寄られて狭くなり、武豊騎手は追いにくそうだった。それでも武豊騎手は三浦騎手におめでとうと声をかけている。前半3F33.7秒の緩い流れで進み、ラスト3Fは11.2−10.6−11.4秒。ラスト2F目に10秒台のラップで後続を引き離したことで差し馬は物理的に厳しくなった。前に行くペアポルックスとルガルが出遅れたことがプラスに働いたが、前に行って33.2秒台で上がって1分6秒9で走っており、スプリント能力が高いからこその2着ともいえる。これで芝1200mは[4−3−0−0]で重賞で3戦連続2着。スピードの絶対値が高く、前に行って折り合えることは今後も武器になる。
ナムラクレアは11番手からメンバー最速の32.7秒で上がって0.3秒差の3着。4コーナーから直線で外の前にいたサトノレーヴの後ろにつけ、最後にサトノレーヴの叩き合いをハナ差で制したが、前の2頭には水をあけられた。ルメール騎手は道中脚をタメてサトノレーヴとの叩き合いに勝てば勝てるという乗り方をしてその通りの騎乗ができている。ナムラクレアはメンバー最速の32.7秒で上がっており、特殊な展開でなければ勝ち負けできたかもしれない。スプリンターズSは3年連続3着、高松宮記念は3年連続2着。6歳牝馬でも能力、末脚の威力が落ちないのだから大したもの。次走は阪神カップか、香港スプリントになりそうだ。
サトノレーヴは6、7番手からメンバー5位タイの33.0秒で上がって0.3秒差の4着。最後に直線で尾行してきたルメール騎手のナムラクレアにハナ差交わされた。スタート後の直線でジューンブレアが外から内に切れ込んできたことで減速せざるをえなくなり、外からウインカーネリアン、トウシンマカオに前に入られたことがマイナスに働いた。ラスト3Fで前のトウシンマカオが動かず、外からカピリナに来られて動けず追い出しが遅れ、そこで前の2頭に離されたことも堪えた。モレイラ騎手が制裁を気にして強気な騎乗ができないこともあるか。流れが緩んでも勝ちタイムは1分6秒9。最終週でも高速過ぎる馬場も微妙に影響している。
ママコチャは5番手からメンバー9位タイの33.2秒で上がって0.4秒差の6着。外からジューンブレアに前に入られて減速したことで頭を上げて折り合いを欠いていた。それによって緩い流れでも控える形になり、直線で狭いところに突っ込んだが伸び切れなかった。3着ナムラクレアとは0.1秒差。もう1列前につけられれば3着があったかもしれない。結果的に内枠がアダになった。6歳牝馬でも相手なりに堅実に走っている。
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