紫苑S
レース回顧

ケリフレッドアスクは前半5F60.1秒のスローペースで逃げ、メンバー9位の34.0秒で後続を完封しレースを制した。中盤に12.6−12.8−13.1秒とラップを落とし、ラスト4F11.9−11.7−11.1−11.2秒。ロートホルンが前に行けず、中盤に流れが緩んだことで上がり勝負になり、5番手以内につけた馬が上位を独占した。ケリフレッドアスクはオークスで2番手から1.0秒の8着に粘り、桜花賞馬で9着のエンブロイダリーに先着した馬。西塚騎手が強気にハナを切って飛ばした後にペースを落とし、開幕週の馬場を味方にまんまと逃げ切り、7番人気で重賞初制覇を飾った。馬場と展開が味方した感が強い。今年4年目の西塚騎手は重賞16戦目で初制覇。昨年から重賞で乗せてきた藤原英調教師の期待に応えた。

ジョスランは5番手の外からメンバー3位タイの33.6秒で上がってクビ差の2着。ルメール騎手が開幕週の馬場を考慮して前を射程圏に入れて進め、直線で外から伸びたが、逃げたケリフレッドアスクを捕まえられなかった。エフフォーリアの全妹が2着に入って秋華賞の出走権を確保した。前走10キロ減った馬体が6キロ増えて少し造りが良くなっていたが、まだバランスが悪く、パドックでテンションが高い。本番に向けて課題はあるが、芝2000mで好位からのレースができたことは今後に繋がりそうだ。

ダノンフェアレディは3番手を進み、直線で内からメンバー5位の33.8秒で上がって0.2秒差の3着。戸崎騎手が勝負どころで内ラチ沿いに入れて直線で追ったが、逃げたケリフレッドアスクの後ろに入って少しスムーズさを欠いた。それでも3着に入って秋華賞の出走権を確保した。438キロでデビューした馬が4戦連続で馬体が増えて482キロ。これだけ増えても太くはなく充実してきている。次走は秋華賞に向かう予定。

エストゥペンダは出遅れて最後方を進み、メンバー最速タイの33.3秒で追い込んで0.3秒差の5着。勝ち馬の上がりを0.7秒上回ったが、出遅れ、大外ブン回しで届かなかった。前走中郷特別を1分44秒8の好タイムで3馬身差で圧勝したが、考えられる中で最悪のレースぶりだった。今年の芝2000m以上の重賞で菅原明騎手は[0−0−3−9]。勝負どころで抑えて上がって行かなかったのは、社台のジョスランに権利を獲らせるためと受け取られてもおかしくない騎乗だった。

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