宝塚記念
レース回顧

メイショウタバルはハナを切って前半3F34.6秒、5F59.1秒で逃げ、メンバー6位の36.0秒で上がって3馬身差で圧勝した。勝ちタイムは2分11秒1(稍重)。中盤に12.1−12.2−12.2秒とラップを落とし、後半5F59.8秒、ラップは11.9−11.9−11.8−11.7−12.5秒。隊列が縦長になり、中盤から各馬が押し上げたいところでラップを徐々に上げて脚を使わせ、2着ベラジオオペラ以外の先行馬に大きな差をつけ、3〜6着には後方から追い込んだ馬が入った。花のみちS(3勝C)で1分32秒6(稍重)が出て馬場は回復してきたように映ったが、実際は馬場は回復しておらず、湿り気が残って緩い状態だったようだ。

メイショウタバルは菊花賞16着、日経新春杯11着、ドバイターフ5着に終わったが、武豊騎手が2戦連続騎乗でG1初制覇を飾った。武豊騎手はジャックドールで大阪杯を逃げ切ったときのように中盤からラップを落とさず後続に脚を使わせて粘り込んだ。道悪では[3−0−0−1]で毎日杯、神戸新聞杯、宝塚記念を3連勝。湿り気が残った馬場が有利に働いている。さらに土曜から芝戦はかなり前残り傾向が強かった。これらが上手く噛み合って一気にパフォーマンスを引き上げた。父ゴールドシップは宝塚記念を2連覇しており父子制覇となった。馬の脚質は違うが、父から持久力を受け継いでいる。ドバイ遠征で精神面が成長したのか、調教で折り合って動きが良くなっていた。秋は海外G1が視野に入るが、国内でも道悪になれば侮れない。

ベラジオオペラは内ラチ沿いの4番手を進み、向こう正面で外に持ち出すとメンバー9位の36.4秒で上がって0.5秒差の2着。ファン投票1位、1番人気が4コーナーでメイショウタバルに並びかけて勝ちに行ったが、直線で一杯になって突き放された。これで2200m以上は4、2、3、4、2着。先行した馬が崩れる中、2着に粘ったことは評価できるが、ベストは2000mなのだろう。夏場は良くないタイプだけに気温が高くなったことも微妙に影響したか。4歳以降G1では全て先行し[2−1−1−2]で勝ち馬とは0.5秒差以内。立ち回りが上手いレース巧者らしく安定して走っている。秋は天皇賞(秋)から香港カップか。

ジャスティンパレスは14番手から大外をブン回してメンバー最速の35.1秒で上がり0.5秒差の3着。2着ベラジオオペラとはクビ差。最後に外から強烈な末脚で追い込んできたが、前に行った馬が残るレースになり位置取りが後ろ過ぎた。近走5着前後が続いていた馬が10番人気で激走した。23年の天皇賞(秋)2着以降8戦連続で馬券圏内がなかったが、天皇賞(秋)以来となる最速上がりで3着に突っ込んだ。これで外国人騎手では[4−1−1−3]。今回はディー騎手がテン乗りだった。色気を出して途中で動いて勝ちに行くと詰めが甘くなるため、こういうレースを続けて展開が嵌まるのを待つことになりそうだ。

ショウナンラプンタは11番手の外から勝負どころで外を回って押し上げ、メンバー4位タイの35.9秒で上がって0.7秒差の4着。外を回っていい脚を長く使っている。天皇賞(春)で4番人気で3着に入った馬が11番人気の低評価を覆した。これで昨年の神戸新聞杯からG1、G2を使って3、4、2、4、3、4着で4着以内を確保。まだ重賞を勝っていないが、一線級を相手に善戦を続けている。

ロードデルレイは外枠スタートから後方を進み、3コーナーで内に入れてロスなく回ってきたが、直線で伸び切れず1.2秒差の8着。直線で外に出せず内に切り替えたが、前にいたチャックネイトがフラフラしてまともに追えなかった。道中の位置取りが悪く、勝負どころでも手応えが良くなかった。暑さに弱いタイプだけに気温が上がったことが影響したか。左回りは[5−1−0−0]。秋は天皇賞(秋)を狙ってくる。

ドゥレッツァは内めの6番手から伸び切れず1.3秒差の8着。アーバンシックは14番手から伸び切れず2.4秒差の14着。過去2年の菊花賞馬が全くいいところがなかった。20年以降に菊花賞をルメール騎手で連対した馬はアリストテレス、オーソクレース、ドゥレッツァ、アーバンシック。菊花賞後に勝ったのはアリストテレス(AJCC)のみ。流れが緩む菊花賞はルメール騎手の神騎乗だったのか・・・。

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