新潟大賞典
レース回顧
シリウスコルトはハナを切って前半5F61.3秒のスローペースで逃げ、メンバー6位の34.6秒で後続を突き放し2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは2分00秒5(稍重)。後半5F59.2秒、上がり34.6秒、ラップは11.1−11.4−12.1秒。最後にラップが落ちており、この上がりなら差し馬が勝ってもおかしくないが、切れる脚を使える馬がスローペースにも関わらず後方から進めていた。シリウスコルトはマイペースで逃げてそのまま押し切り重賞初制覇を飾った。田中勝調教師も重賞初制覇となった。前走福島民報杯を勝った馬が8番人気の低評価を覆して激走した。昨年の新潟大賞典はヤマニンサルバムが逃げ切っている。新潟大賞典は直線が長い新潟外回りでも地力タイプの前残りが多い。夏場も走るため、サマー2000シリーズに使ってくるか。
サブマリーナは出遅れて後方を進み、直線で大外に持ち出すとメンバー最速の33.8秒で上がって0.3秒差の2着。出遅れて位置取りが悪くなり、道中少し折り合いを欠き、直線で馬群が横に広がったため、大外に持ち出すロスがあった。これだけロスがありながら勝ったシリウスコルトの上がりを0.8秒上回っている。ここまで下手に乗らなければ、あっさり勝っていたのではないか。レジェンドには申し訳ないが、最近は2年目の吉村誠之助騎手の方が上手く乗っている。1番人気でも人気がなくても後方から追い込むレースで展開が嵌まらないと来ないレースを続けている。ただしこういう騎乗を続けてもダービーだけは死ぬ気で本気を出すため注意したい。
ハピは10番手あたりを進み、直線で外に出すとメンバー2位の34.0秒で上がって0.3秒差の3着。2着とはクビ差。芝では大阪−ハンブルクC9着、天皇賞(春)競走中止しかなかったが、10番人気で激走した。大阪−ハンブルクCでは直線で内を突いて前が壁になって追えなかったが、手応えを見ると前が空いていれば突き抜けていた。陣営はその走りから芝でもやれるとみて新潟大賞典に使ってきたのだろう。稍重で時計、上がりの掛かる馬場もプラスに働いている。
ディマイザキッドは出遅れて後方を進み、直線で馬群に突っ込んでメンバー4位の34.2秒で上がって0.8秒差の8着。スローペースで逃げた馬が圧勝するレースで位置取りが後ろ過ぎ、かつ直線で馬群に突っ込んでスムーズさを欠いたことが堪えた。道悪を苦にせず、末脚に持続力があり、勝負根性もあるが、それらを全く生かせなかった。こういう馬はキャリアを積んでレース慣れすると必ず走ってくる。今は人気になっているが、負けが続いて人気が落ちたときは思い切って狙いたい。
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