京都新聞杯
レース回顧

ショウヘイはスタートを決めて2番手につけ、メンバー最速タイの33.8秒で抜け出して2馬身半差で圧勝した。勝ちタイムは2分14秒7(稍重)。ナグルファルが逃げて前半5F63.3秒のスローペース。後半5F58.0秒、上がり33.8秒。スローの上がり勝負になり、2番手につけた馬と内ラチ沿いをロスなく回ってきた馬で決着。後半4F45.2秒でラップは11.4−11.6−10.9−11.3秒。昨年ダノンデサイルが勝ったダービーは前半5F62.2秒、後半4F45.1秒で前残りになり、最速上がりで追い込んだレガレイラは0.7秒差の5着。展開的な紛れが大きなレースになった。

ショウヘイは2番手から抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇。前走きさらぎ賞で4着に負けたことで5番人気に落ちていた。これで前半5Fが61.6秒以上のスローペースなら[2−1−0−0]。きさらぎ賞は前半5F58.7秒(稍重)のタフな流れだった。友道厩舎のサートゥルナーリア産駒で近親にミッキークイーン、ブレイディヴェーグがいる。ダービー3勝の友道厩舎は土壇場でショウヘイがダービー出走に漕ぎ着けた。京都コースしか走っておらず、輸送がある東京、左回り、距離2400mなど課題があるが、昨年のようにスローペースになれば持ち味を生かせる。ロジャーバローズのようなレースか。

エムズは内ラチ沿いの4、5番手につけ、直線で内からメンバー最速タイの33.8秒で上がって0.4秒差の2着。前走大寒桜賞を3馬身半差で圧勝した馬が3番人気で2着に入って賞金を加算した。タフな馬場の大寒桜賞を勝ってきたように切れより地力タイプだが、ロスなく回ったことでスローの上がり勝負に対応できた。池江厩舎のドゥラメンテ産駒で阪神JFを制したダノンファンタジーの半妹。京都新聞杯はダービートライアルではないため出走権はないが、今年は賞金上位の登録馬が少なく、賞金的に出走できることになった。

デルアヴァーは6番手の外から早めに押し上げ、メンバー5位の34.0秒で上がって0.5秒差の3着。直線で外からトッピボーンに交わされかけたが、最後にひと伸びして3着を確保した。スローの上がり勝負で自分から外から動いたことを考えるとよく走っている。前走福島芝2000mのひめさゆり賞は後方から差し切る強い勝ち方。芝2000mの小回りコースに出走したら要注意。

トッピボーンは出遅れて後方2番手を進み、3、4コーナーで大外から少し押し上げ、メンバー最速タイの33.8秒で上がって0.5秒差の4着。出遅れて位置取りが悪くなり、道中ずっと折り合いを欠き、4コーナーで外に膨れていた。前走1勝C(前半5F58.9秒)を1分57秒9の好タイムで4馬身差で圧勝したが、今回は前半5Fが前走より4.4秒も遅い流れだった。

前半5F63.3秒のスローペースで後半4F45.2秒。この流れで後方から大外を回って差し切るのは物理的に難しい。武豊騎手は出遅れや折り合いを欠くことが非常に多いが、その悪い面がモロで出た印象。ただしパドックを見ると馬体の張り、気配が落ちており、前走好タイムで走った反動があったのではないか。一瞬でトップギアに入るようにスジ力が強くG1級の資質を秘めている。ダービー出走は2/3の抽選になる。

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