フローラS
レース回顧

カムニャックは5枠10番からスタートを決めて中団の馬込みを進み、メンバー3位タイの33.4秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分58秒6。ロートホルンが逃げて前半5F59.9秒、後半5F58.7秒、上がり34.2秒、ラップは11.4−11.2−11.6秒。中盤に流れが緩んで上がり勝負になり、33秒台上がった馬が上位を独占した。カムニャックは前半頭を上げて折り合いを欠いたが、シュタルケ騎手が馬を前に置いて何とかなだめ、直線で豪快に差し切って7番人気で重賞初制覇を飾った。

超スローになった中京芝2000mの新馬戦を最速の33.6秒で差し切って3馬身半差で圧勝した馬。レースのラスト3Fは12.2−10.9−10.9秒だった。前2走は芝1600mを使ったが、芝2000mでゆったりと進め、上がり勝負になって持ち味を生かせたのだろう。前2走は調子落ち。今回は友道厩舎が調教で攻めたようにデキが戻ったのだろう。シュタルケ騎手は17年ニュージーランドTのジョーストリクトリ以来8年ぶりの重賞制覇になった。ブラックタイド産駒でキープカルムの半妹。ようやく馬体の造りに能力が追いついてきた。友道厩舎は東京芝2400mの重賞に強い。10年のサンテミリオン以来となるフローラS勝ち馬のオークス制覇なるか。

ヴァルキリーバースは10番手からメンバー5位の33.6秒で上がって0.2秒差の2着。道中カムニャックの外にいたが、直線で先にカムニャックに狭いところに入られたことでスペースがなくなり、内、外に切り替えるロスがあった。前半内にいたカムニャックにつられて折り合いを欠いたことも微妙に影響している。前走10キロ減った馬体が4キロ増えていたが、まだ腹目が細めに映った。2着に入ってオークスの出走権を確保したが、レース後に右前脚のヒザ裏が軽く腫れていることが判明。オークスは回避することになった。

タイセイプランセスは出遅れて後方を進み、メンバー最速の33.0秒で外から追い込んで0.2秒差の3着。単勝304倍の最低人気が2着にハナ差まで迫った。直線でヴェルキュリーバースの後ろにいたが、前が空かず、挟まれて減速する不利があったが、そこから外に持ち出すと強烈な末脚で突っ込んだ。競馬にタラレバは禁物といわれるが、出遅れずに直線スムーズなら差し切っていた可能性がある。406キロの小柄な牝馬だが、末脚の威力は相当。オークス4着馬ピンハイのようなタイプか。

エストゥペンダは大外枠から前半は10番手につけたが、向こう正面で外から先頭に立つとメンバー12位タイの34.5秒で上がって0.3秒差の4着。フェアリーS、クイーンCで後方から最速上がりで追い込んで3着に入ったが、差し追い込みが決まるレースで三浦騎手が向こう正面で動いて先頭に立ったことが堪えた。開幕週でも重い馬場だったことを考慮できなかったか。なんでと頭を抱える騎乗が多く、個人的には重賞では買えない騎手という評価が定着しているが、今年18年目になるだけにひと皮むけて欲しいところ。

エンジェルブリーズは2枠4番から内ラチ沿いの3番手につけたが、直線で全く伸びず1.0秒差の14着。道中ずっと折り合いを欠いていた。デビュー戦の未勝利戦が強い内容で能力はあるが、今回は全く力を出せなかった。

ロジャリーマインは後方のまま見せ場なく1.3秒差の17着。外枠から終始外を回ってこともあるが、直線で全く伸びなかった。小柄な牝馬で仕上がり早だが、中身が伴っていなかったか。母はマリアライト。少し長い目でみたい。

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