小倉大賞典
レース回顧
ロングランは内ラチ沿いの11番手を進み、3、4コーナー中間で外に持ち出すとメンバー最速の34.0秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分46秒1。セルバーグが大逃げして前半3F35.9秒、5F58.6秒。上がりは36.2秒、ラップは11.6−12.1−12.5秒。前に行った馬は消耗戦になったが、後方でタメた馬は実質は上がり勝負になった。ロングランは外から豪快に差し切って重賞初制覇。これで右回りの芝1800mは[4−1−1−4]で小倉大賞典は4、2、1着、中京記念(小倉)は4着。追い込んで届かないレースが続いていたが、丹内騎手が内をロスなく回って脚をタメたことで強烈な末脚を繰り出した。
丹内騎手は今年の小倉でトップの16勝。土曜は[2−1−3−3]、日曜は[3−1−2−3]で土日とも活躍が目立った。今年の重賞は[2−2−0−2]で4、7番人気で勝ち、6、7番人気で2着。単勝回収率223%、複勝回収率235%。今年の重賞ではルメール、川田騎手より活躍している。昨年は70勝でリーディング12位だったが、今年は19勝でリーディング4位。今年150戦で幸騎手と並んでトップ。39歳になって本格化してきている。今年は騎乗馬の質が上がれば、G1初制覇が視野に入りそうだ。
ショウナンアデイブは6枠10番からスタートを決めて4番手につけ、メンバー2位タイの34.3秒で上がってクビ差の2着。勝負どころで丸山騎手の手が動いたが、最後までしぶとく伸びてきた。セレクトセールで5億6100万円で取り引きされたディープインパクト産駒。前走中山金杯は好位から伸び切れず7着に終わったが、今回は7番人気で2着に入って穴をあけた。これで賞金はようやく1億円を超えた。
ラケマーダは少し出遅れて10番手を進み、メンバー2位チアの34.3秒で上がって0.3秒差の3着。前4走18、8、6、9着に終わった馬が12番人気で激走した。昨年分倍河原S(3勝C)でカナテープ(前走初音Sを1分45秒5で優勝)に勝った馬。前3走は着順は悪いが、0.7秒、0.6秒、0.4秒と差を詰めていた。秋山騎手は昨年のシリウスSで13番人気のフタイテンロックで3着に入っている。
エピファニーは7番手の外からメンバー6位タイの34.5秒で上がって0.3秒差の5着。昨年の小倉大賞典は前半5F57.2秒のハイペースで7番手から押し上げて1分45秒1で勝ったが、今年は昨年より緩い流れで外々を回って直線で伸び切れなかった。ハイペースに強いタイプだけにもう少し離れずについて行った方が良かったか。昨年は叩き3戦目で57キロ。今年は休み明けでトップハンデ58.5キロだった。
シルトホルンは出遅れて最後方を進み、メンバー2位タイの34.3秒で上がって0.5秒差の8着。前に行ってしぶとい脚を使うタイプが、出遅れて追い込むレースでは厳しかった。昨年12月14日以降、吉田隼騎手は[1−1−2−42]、5番人気以内では[0−1−2−8]。落馬負傷から復帰してカペラSをガビーズシスターで勝ったが、まだ復調途上なのだろう。
ヤマニンウルスは離れた2番手から直線で前を追ったが、ラスト1Fで一杯になって0.9秒差の10着。直線でひと伸びすれば勝てそうだったが、初芝なのか、過去最高の600キロが堪えたのか、伸び切れなかった。初芝でトップハンデ58.5キロ。厳しい条件だっただけに馬体を見ると陣営はそれほど仕上げていなかった。次走はダートに戻すのだろう。
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