東京新聞杯
レース回顧

ウォーターリヒトは6枠12番スタートから12番手を進み、直線で外に出すとメンバー最速タイの33.2秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分32秒6。メイショウチタンが逃げて前半5F57.7秒の速い流れ。3番手以下は5馬身以上離れており、実質は平均程度の流れで上がり勝負。逃げて3着に粘ったメイショウチタンを除き、33秒台で上がった馬が1、2、4着に入った。今年は厳寒期でも重賞実績馬が揃ってメンバーレベルが高く、安田記念、マイルCSに繋がる可能性がある。

ウォーターリヒトは直線に向いたときに前とはかなり差があったが、いい脚を長く使って差し切り重賞初制覇を飾った。昨年秋に復帰して芝1600mを使い[3−1−0−0]で上がりは全て最速。一戦ごとに着実にパフォーマンスを引き上げている。キャピタルSを1分32秒3の好タイムでトロヴァトーレに勝ったのはダテではなかった。引退が近い河内調教師は18年平安Sのサンライズソア以来7年ぶりの重賞制覇となった。今後は福永厩舎に転厩してマイラーズCから安田記念を目指すことになりそうだ。

ボンドガールは2枠4番からスタートを決めて6番手につけ、メンバー7位タイの33.7秒で上がってクビ差の2着。直線で追ってもエンジンの掛かりが遅かったが、そこからいい脚を長く使ってしぶとく伸びてくるのが持ち味。武豊騎手が馬込みでロスなく進めて、直線ですぐに自分のスペースを確保でき、スムーズなレースができたことが大きかった。これで芝1600mは[1−3−0−1]で不利があったNHKマイルCを除き連対を確保。今回が重賞で5回目の2着。今後はヴィクトリアマイルを目標に阪神牝馬Sに向かう予定。

メイショウチタンは前半5F57.7秒で逃げ、メンバー15位タイの35.1秒で上がって0.2秒差の3着。単勝257倍の最低16番人気が大波乱を演出した。東京芝1400mは[0−3−1−2]、逃げたときは[0−2−1−1]。芝1400mで逃げるときのペースで飛ばして粘り込んだ。昨年芝1600mの谷川岳Sを2番手から1分33秒6で勝っていたが、前3走13、15、10着に終わったことで全く人気がなかった。これで東京で吉田豊騎手では[0−1−2−0]。1枠から飛ばして上手く持ち味を引き出した。

ブレイディヴェーグは伸び上がるようにスタートした後に9番手に押し上げ、メンバー3位の33.6秒で上がって0.2秒差の4着。出遅れて前半に脚を使ったこと、道中ジュンブロッサムに外からマークされて直線で追い出しが遅れたことが堪えた。休み明けで馬体が14キロ増えて過去最高体重だったことも影響したのだろう。能力&適性で負けたのではない。昨年11月以降の重賞でルメール騎手は[1−0−1−13]で勝率&連対率6.7%。最近はルメール騎手が社台の馬に騎乗しても戸崎騎手が容赦なくマークして潰しに来ている。

マテンロウスカイは7枠14番からスタートを決めて3番手につけ、3、4コーナーで内ラチ沿いをロスなく回って直線に向くとメンバー9位タイの34.4秒で上がって0.3秒差の5着。横山典騎手が内に切れ込みながら3番手につけ、3、4コーナーで内ラチ沿いをロスなく回ってきたことが良かったのだろう。上がり勝負のマイル重賞で抜け出すほどの瞬発力はないが、今回は59キロを背負っており、実質は馬券圏内レベル。ベストはスピードと持久力を生かせる芝1800m。次走は中山記念で2連覇を狙うことになりそうだ。

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