阪神カップ
レース回顧

ナムラクレアは8枠16番から後方を進み、大外からメンバー3位の33.3秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分20秒2。アサカラキングが逃げて前半3F34.5秒。上がりは34.4秒、ラップは11.5−11.4−11.5秒。昨年は前半3F33.9秒、上がり35.9秒だったが、今年は流れが緩んで前が残ってもおかしくない展開になったが、追い込み馬が1、3、4着に突っ込んだ。ナムレクレアは今年重賞で2、2、5、3着で勝ち切れないレースが続いていたが、テン乗りのルメール騎手に乗り替わると外からあっさり差し切って重賞5勝目を挙げた。前走スプリンターズSでメンバー最速の33.2秒で上がったように5歳牝馬でも衰えはなく、末脚の威力が増している。これで芝1400mは全て重賞で[1−3−0−0]。ルメール騎手はG1を勝てるとコメント。休み明けは[3−2−1−1]。次走はルメール騎手で高松宮記念に直行する予定。

マッドクールは6枠11番手から3番手につけ、メンバー13位タイの34.2秒で上がって0.1秒差の2着。先行して4コーナーから直線で馬場にいい外に出してしぶとく伸びたが、大外から差してきたナムラクレアに切れ負けした。重馬場の高松宮記念ではナムラクレアに頭差で勝ったが、上がりはナムラクレアより0.5秒遅い、メンバー2位の33.7秒だった。今回は上がり0.9秒差。ナムラクレアの方が芝1400m適性が高いのだろう。それでも香港のチェアマンズスプリントプライズで11着、スプリンターズSで12着に終わった馬が2着に入って復調気配を見せた。来年は高松宮記念2連覇を狙うことになりそうだ。

オフトレイルは16番手からメンバー2位の33.2秒で上がって0.2秒差の3着。武豊騎手が病気のため、テン乗りの菱田騎手が騎乗したが、直線で前が壁になって荒れた内に切れ込んで馬群を捌くロスがあった。かなりブレーキをかけており、スムーズなら勝ち負けできたかもしれない。スワンSでメンバー最速の33.1秒で追い込んで2着に入ったのはダテではない。スワンより2キロ重い57キロを背負っていたが、末脚の威力は落ちなかった。見た目の馬体の造りより末脚の威力がある。次走は東京新聞杯に使うプランがあるようだ。

セリフォスは2枠3番から14番手を進み、メンバー4位の33.5秒で上がって0.2秒差の4着。ラストランだったが、流れに乗れず位置取りが悪くなり、4コーナーから直線で外に持ち出したが、ガツンと切れる脚を使えなかった。今年の芝重賞でムーア騎手は[0−0−0−7]でセリフォスの4着が最高。位置取りが悪くなり、追い込んで届かないレースが多かった。21年以降、重賞で1、2番人気では[0−0−0−5]。ヴェラアズールでジャパンCを勝ったときは狭い内から捌く凄い騎乗だったが、人気馬では不振が続いている。

ママコチャは7枠15番から4番手につけ、メンバー11位タイの34.1秒で上がって0.2秒差の5着。外枠から好位につけて流れに乗ったが、直線で切れる脚を使えなかった。荒れ馬場が影響していそうだが、昨年よりかなり緩い流れを考えると物足りない内容。平坦コースは得意なタイプだが、5歳になって最後のひと伸びがなくなってきている。

ソーダズリングは1枠1番から12番手につけ、直線で内からメンバー5位の33.6秒で上がって0.3秒差。直線で内から伸びかけて見せ場を作ったが、最後は馬場のいい外を通った馬に切れ負けした。それでも休み明け、古馬混合G2で6着なら今後のメドは立った。京都が得意だが、来年から京都牝馬Sが愛知杯に名称変更され、中京芝1400mで行われるのは痛い。

ウインマーベルは6枠12番から6番手につけ、メンバー11位タイの34.1秒で上がって0.4秒差の8着。芝1400mでは阪神カップ、阪急杯、京王杯SCを3連勝中だったが、直線が平坦の京都で上がり勝負になって厳しくなった。切れより地力勝負を得意にしており、直線に坂があり上がりが掛かった方がいいタイプ。直線が平坦の京都で昨年より流れが緩んで上がり勝負になったことが堪えた。

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