ステイヤーズS
レース回顧
アイアンバローズは1周目の向こう正面で先頭に立って大逃げし、2周目の3コーナーで2、3番手の馬に追いつけられたが、メンバー9位の35.6秒で上がって後続を完封しレースを制した。勝ちタイムは3分45秒4。前半5F63.9秒、後半よりの中盤5F64.3秒、後半5F60.1秒。中盤に流れが緩んでも大逃げの形になり、かつ3コーナーで4番手以下に10馬身差以上の差があった。6番手から2着に入ったテーオーロイヤルの上がりは33.9秒でアイアンバローズとは1.7秒差。後続が1番人気のキングズレインをマークして動かなかったことでアイアンバローズが楽逃げになった。
これでステイヤーズSは2、4、1着。半弟に阪神大賞典と天皇賞(春)を連勝したジャスティンパレス。元々馬体の造りが目立つ馬だが、ひと叩きしたことでパドックでは馬体、気配が良くなっていた。20年以降のステイヤーズSでオルフェーヴル産駒は[3−2−1−6]で4年連続連対となった。最近の長距離重賞ではオルフェーヴル産駒の活躍が目立つ。次走は同馬主のジャスティンパレスが出走する有馬記念に向かうことになりそうだ。
テーオーロイヤルは道中6番手を進み、メンバー最速の33.9秒で上がって0.4秒差の2着。直線で外からしぶとく伸びて最速上がりを繰り出したが、逃げたアイアンバローズを捕まえられなかった。ダイヤモンドSを勝ち、天皇賞(春)で3着に入った馬がようやく復調気配を見せた。調教診断で2位に評価したように調子が上向いていたのだろう。パドックでもひと叩きしたことで気配が良くなっていた。次走は有馬記念に登録して状態面に問題がなければ使うことになりそうだ。
マイネルウィルトスは8番手から徐々に進出し、メンバー2位の34.2秒で上がって0.5秒差の3着。直線で2番手に押し上げたが、最後にテーオーロイヤルに交わされた。前走AR共和国杯と同様にいい脚を長く使ったように7歳馬でも今調子がいいのだろう。横山武騎手は「前の3頭よりも後ろの馬が相手だと思っていた。前が止まらなかったのが想定外」とコメント。ちなみに芝3000m以上で横山武騎手は[1−1−2−8]で勝ったのは菊花賞を逃げ切ったタイトルホルダーのみ。
ワープスピードは5番手からメンバー6位タイの34.5秒で上がって0.7秒差の4着。1枠2番から内ラチ沿いをロスなく回ってきたが、直線でジリジリとしか伸びなかった。前走古都Sは7番手から2位の35.3秒で上がって勝っている。それより0.8秒速い上がりを繰り出しただけに荻野騎手が道中タメ過ぎたことが影響したのだろう。
キングズレインは1枠1番から内ラチ沿いの6番手を進み、メンバー6位タイの34.5秒で上がって0.9秒差の5着。勝ったアイアンバローズより上がりが1.1秒速いことを考えると位置取り負けだが、同じ位置にいた馬に競り負けたように現時点では力負け。道中折り合っていたように長距離の適性はあるが、ベストは芝2400m前後か。
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