安田記念
レース回顧

ソングラインは大外18番枠から11番手につけ、メンバー2位の33.1秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分31秒4。ウインカーネリアンが逃げて前半3F34.2秒、5F57.6秒。中盤に11.8−11.6と緩んで上がりは33.8秒、ラップは11.1−11.2−11.5秒。道中11−4−15番手につけた社台馬主の4−3−1番人気で決着。連対した2頭は昨年の安田記念勝ち馬ソングラインとマイルCS勝ち馬セリフォス。前半から流れたことで地力が問われるレースになった。

ソングラインは内隣のウインカーネリアンが内に切れ込んで逃げたことで楽に中団につけることができ、直線で自分のスペースを確保し、スムーズなレースができた。過去10年で大外枠は[0−0−0−10]だったが、データを覆した。前走ヴィクトリアマイルで攻めて仕上げて勝ち、今回もかなり攻めて仕上げており調教診断2位評価。これだけ攻めてG1を連勝したように丈夫な体質の馬なのだろう。これで東京芝1600mは[5−1−0−1]でG1を3勝。今秋はブリーダーズカップマイルに挑戦する予定。

セリフォスは内ラチ沿いの4番手を進み、直線で内から狭いところを捌いてメンバー6位タイの33.6秒で上がり0.2秒差の2着。昨年のマイルCSで大外一気を決めた馬が好位の内につけてレーン騎手が持ってきた。今日の馬場で内枠から追い込むレースでは厳しく、かつレーン騎手は東京の重賞で差し追い込みで不振傾向。それらを好位につけてあっさり覆した。5月13日以降の重賞でレーン騎手は[2−2−0−2]。G1で中内田厩舎の古馬(4歳以上)は[0−3−0−11]で未勝利。勝てないデータはまだ生きている。

シュネルマイスターは15番手からメンバー最速の32.8秒で大外から追い込んで0.2秒差の3着。大外から強烈な末脚を繰り出したが、位置取りが後ろ過ぎた。1番人気に支持されただけにルメール騎手はもう1、2列前につけるなど工夫できなかったか。過去10年でマイラーズC組は[1−0−4−32]で3着が多いが、その通りの結果になった。これで国内マイルG1は[1−2−2−1]、1分31秒台の決着では[2−0−2−0]。外国産馬は急に走らなくなることがあるが、一時期の不振は完全に脱している。

ガイアフォースは9番手からメンバー3位タイの33.3秒で上がって0.2秒差の4着。初マイルのマイラーズCで1分31秒5で走ってシュネルマイスターにクビ差の2着に入ったことがフロックでないことを示した。前走と同様に今回も馬体の造り、気配が地味に映ったが、それでもパフォーマンスを引き上げた。尻上がりラップになった小倉新馬戦でドウデュースと接戦した馬。これから馬体が成長してパンとすれば、大きくパフォーマンスアップする可能性がある。

レッドモンレーヴは12番手からメンバー5位の33.5秒で上がって0.6秒差の6着。直線でソングラインと叩き合いに負けて伸び切れなかった。スタートで内に寄れ、外から前に入られて位置取りが悪くなったことが堪えた。外を回って2着セリフォスの上がりを0.1秒上回っただけに中団につけられれば、もっとやれたのではないか。レースを使いながら着実にパフォーマンスを引き上げている。

ソウルラッシュはスタートで外から寄られて位置取りが悪くなり、道中馬場の荒れた内をロスなく進み、直線で荒れた内からメンバー6位タイの33.6秒で上がって0.8秒差の9着。スタートを決めて中団より前の外につけたかったが、荒れた内から追い込むレースでは厳しかった。叩き2戦目で馬体が10キロ絞れて仕上がりはかなり良さそうに映った。池江調教師が外国人騎手を乗せてきたら要注意。

イルーシヴパンサーは12番手からメンバー8位の33.7秒で上がって0.8秒差の10着。直線でごちゃついて昨年と同様に捌きながら伸びてきた。芝G1で岩田望騎手は逃げはなく、先行[0−0−0−6]、差し[0−1−0−18](2着は高松宮記念・ロータスランド)、追込[0−0−0−13]。G1だと位置取りが悪くなる傾向がある。イルーシヴパンサーはサマーマイルシリーズ狙いか。

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