阪神JF
レース回顧

リバティアイランドはスタートを決めて中団につけ、メンバー3位の35.5秒で外から豪快に差し切って2馬身半差で圧勝。勝ちタイムは1分33秒1。サンティーテソーロが逃げて前半3F33.7秒、5F57.0秒。上がりは36.1秒、ラップは11.1−12.5−12.5秒。速い流れで消耗戦になり、内が有利な馬場で内をロスなく回った馬が2、3、4着に入った。リバティアイランドは中団の外から力で捻じ伏せる強い内容で圧勝。初の右回りを克服し、パフォーマンスを引き上げた。内が有利な馬場で外を回って勝ったように今回のメンバーでは力が抜けていたのではないか。

休み明けの前走アルテミスSで余裕残しの仕上げで目一杯走らずに余裕を残せたことも良かったのだろう。パドックでは馬体が6キロ絞れて引き締まり、雄大でバランスのいい馬体が目立っていた。ドゥラメンテ産駒はタイトルホルダーが天皇賞(春)、宝塚記念、スターズオンアースが桜花賞、オークスを制しており、今年のG1−5勝目となった。中内田厩舎は2歳G1[4−1−1−4]、1番人気なら[3−1−0−1]。社台は早い時期から走るタイプを中内田厩舎に入れている。今後は休養して来年は桜花賞、オークスを目指す。

シンリョクカは2枠3番スタートから内ラチ沿いの8番手につけ、メンバー4位タイの35.9秒で上がって0.4秒差の2着。道中内ラチ沿いをロスなく回り、直線で馬群を割って抜け出してきた。過去10年で前走新馬戦を勝った馬は[0−0−1−13]で12年にレッドセシリア(10人気)の3着があるのみ。データを覆して12番人気で激走した。東京芝1600mの新馬戦は5番手からメンバー最速の33.4秒で抜け出して1分36秒8(稍重)で3馬身半差で圧勝。

稍重でラスト3Fは11.6−11.0−11.1秒の高速ラップ。上がり33.4秒はこの日最速だった。新種牡馬サトノダイヤモンド産駒で母はターコイズS勝ち馬レイカーラで半妹にアネモネSを勝ったインターミッションがいる。新馬戦でキラリ光るものを見せていたが、前半5F62.9秒のスローペースで勝ちタイムが平凡なため人気の盲点になった。重賞で木幡初騎手は[0−0−1−12]で初めて馬券圏内に入った。今後はひと息入れてクイーンSから桜花賞、または桜花賞に直行することになりそうだ。

ドウゥアイズは7枠13番スタートから12番手の内を進み、直線で馬群を捌きながらメンバー2位の35.4秒で上がって0.4秒差の3着。吉田隼騎手が外枠から内に入れて直線で馬群を捌いて持ってきた。ハイペースの消耗戦で最後はバテ合いになったが、芝1800mで上がりの掛かるレースを経験してきたことで最後までしぶとく伸びてきた。切れより地力タイプだけに消耗戦で上がりが掛かったことがプラスに働いている。コスモス賞はモリアーナに0.3秒差の2着、札幌2歳Sはドゥーラに0.1秒差の2着に負けた馬が勝った2頭に先着し、10番人気で激走した。

アロマデローサは2枠4番スタートから6番手につけ、メンバー8位の36.3秒で上がって0.5秒差の4着。内枠から好位の内につけて直線でイーガン騎手がガツンと追って粘らせえた。前走ファンタジーSは1番人気で外を回って直線で挟まれて10着に終わったが、初の芝1600mで能力を示した。パドックでは2キロ増でも馬体が引き締まり、気合乗りが良くなっていた。ききょうSを1分20秒4のレコードで勝った馬。ファルコンS、フィリーズレビューに出走したら注意したい。

サンティーテソーロは1枠1番から抜群のスタートでハナを切って前半5F57.0秒のハイペースで飛ばし、メンバー12位タイの37.2秒で上がって1.1秒差の7着。1200m通過は1分8秒1で過去10年で最速。2位は19年のレシステンシアで1分8秒7。スタートが速く、スピードの絶対値が高い。横山和騎手は「短距離で大きいところを狙える馬」とコメント。母ナガラフラワーはCBC賞2着馬。芝1200mの2勝クラス以上[0−1−0−29]のエピファネイア産駒からスプリンターが誕生するのか注目したい。

ラヴェルは大外18番枠から出遅れて後方2番手からメンバー7位の36.1秒で上がって1.7秒差の11着。出遅れて位置取りが悪くなり、道中ずっと力みながら走っていた。内を通った馬が有利な馬場で出遅れて後方から大外ブン回しでは厳しかった。パドックでは少し腹目が細くなっていた。前走アルテミスSで走り過ぎた影響があったのではないか。チューリップ賞を勝ち、オークス3着、秋華賞2着のナミュールの半妹。出遅れ癖を克服する必要があるが、矢作厩舎が上手く立て直せば桜花賞で巻き返してくる。

モリアーナは3枠5番から6番手につけたが、直線で一杯になって1.7秒差の12着。新馬戦は前半5F63.6秒、コスモス賞は前半5F61.8秒のスローペース。今回は前半5F57.0秒のハイペースで好位につけて外々を回っては厳しかった。武藤騎手が能力を過信して強気に乗り過ぎたか。休み明けで阪神に輸送して馬体14キロ増で少し余裕があったことも影響したか。東京芝1600mの新馬戦を最速の33.0秒(ラスト3F11.2−11.0−11.1秒)で3馬身差で圧勝した馬。次走はクイーンCに向かう予定。

ウンブライルは8枠17番から出遅れて後方を進み、直線で挟まれて追うのを止めて2.1秒差の15着。本来の行きっぷりがなく、全く走らなかった。関東馬が2戦連続で阪神に輸送したことが堪えたのか、馬体が8キロ減っていた。木村厩舎は阪神のG1[0−1−1−10]で1連対のみ。美浦でG1仕様の仕上げをして阪神に輸送すると馬体が減って馬券圏外に終わることが多い。昨年はステルナティーアが10キロ減で7着だった。相馬眼的に評価できる馬。次走は未定だが、東京または中山でルメール騎手が騎乗したら注目したい。

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