チャンピオンズC
レース回顧

ジュンライトボルトは好スタートを決めて中団の内から2列目をロスなく進み、直線で外に出しながら馬群を捌くとメンバー最速の36.2秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分51秒9。レッドソルダートが逃げて前半5F62.4秒のスローペース。後半5F62.1秒、上がりは36.9秒、ラップは12.7−11.9−12.3秒。過去3年は1分48秒3〜1分49秒7の高速決着だったが、今年は例年よりも重いダート、スローペースで時計、上がりが掛かるレースになった。スローペースで前に行った馬が有利な展開になり、2、3番手につけた馬が2、3着に粘っている。

ジュンライボルトはダートを使って2、1、1、1着でG1初制覇。前週のジャパンCはダートを使っていたヴェラアズールが芝を使って1、3、3、1、1、1着で優勝。ダートでは芝を使っていたウシュバテソーロがダートで1、3、1、1着で頂点に立てそうなパオフォーマンスを見せている。ジュンライボルトは内でタメて直線でスパッと抜け出す前週のジャパンCのヴェラアズールと同じような勝ち方だった。和製ムーアと言われる石川騎手がジャパンCのムーア騎手を意識した乗り方でG1初制覇を飾った。勝利騎手インタビューで「ブラボー」と叫んだのが印象的。今後は休養に入り、来年はサウジC、ドバイWCが視野に入る。

クラウンプライドは2番手からメンバー2位タイの36.7秒で抜け出したが、最後にジュンライボルトに交わされてクビ差の2着。福永騎手がスローペースの2番手で折り合って直線でタイミング良く抜け出して外から来たテーオーケインズを完封したが、内でタメたジュンライボルトに切れ負けした。今年のUAEダービーを勝った3歳馬がJBCクラシックに続き、G1で2着に粘り能力を示した。前に行ってしぶとい脚を使えるのは、今後も大きな武器になる。今後は休養に入り、来年はサウジC、ドバイWCが視野に入る。福永騎手は調教師試験に合格し、来年2月末で騎手を引退する。2月末のサウジCを最後の騎乗にしないで国内で騎乗して欲しい。

ハピは2枠3番から好スタートを決めて内ラチ沿いの3、4番手につけ、メンバー2位タイの36.7秒で上がって0.2秒差の3着。内をロスなく回ってクラウンプライドを追ったが、最後まで追いつけなかった。それでも4着テーオーケインズにクビ差先着している。横山典騎手は後方ポツンがよくあるが、今回はスローペースなると読んだのか、いつもより前につけて持ってきた。中京のシリウスSでもパピで内を突いて2着に入っており、その経験を活かせたのだろう。重賞では4、3、2、4、3着で勝ち切れないが、ダート馬としては小柄な3歳馬がレースを使いながら一戦ごとにパフォーマンスを引き上げている。

テーオーケインズは少し出遅れた後に6番手の外につけ、メンバー5位タイの36.8秒で上がって0.3秒差の4着。3、4コーナーで少し押し上げて直線入り口で前を射程圏に入れたが、松山騎手が追っても伸び切れなかった。JBCクラシックで0.4秒差をつけたクラウンプライドに0.3秒差先着を許した。直線で外からジュンライボルトに交わされたときは、馬が俺を外から交わす馬がいるのかと驚いて外を向いていた。普通に走れば勝てる相手だが、重い馬場での上がり勝負が合わないこともあるか。これで昨年6月から1→4→1→8→1→4→1→4着で一戦ごとに勝ち負けを繰り返している。今回は馬体7キロ減。これまで馬体が減ったときは[0−1−1−3]で勝てない傾向がある点に注意したい。

シャマルは7枠13番スタートから3番手につけ、メンバー11位タイの37.2秒で上がって0.6秒差の5着。直線でテーオーケインズと併せて最後までしぶとく伸びていた。初のダ1800mだったが、外を回って5着なら距離をこなすメドは立った。地方交流重賞を3勝しているが、今後はさらに地方交流重賞で勝ち星を積み上げそうだ。次走は兵庫ゴールドTに向かう予定。

スマッシングハーツは2枠4番から内ラチ沿いの6番手につけ、メンバー8位の37.0秒で上がって0.7秒差の7着。後方から追い込むレースを続けていたが、鮫島駿騎手がレース傾向を考慮して好位の内につけたが、直線で捌くのに苦労し伸び切れなかった。こういう騎乗を続けていけば、そのうち重賞で激走がありそうだ。鮫島駿騎手は考えられた騎乗をする。今後も注目していきたい。

タガノビューティーは後方3番手からメンバー6位の36.8秒で上がって0.8秒差の10着。前走武蔵野Sは内を突いて6着まで追い上げたが、今回は外から追い込むいつも通りのレースで届かなかった。ダ1400〜1600mで速い流れで走ってきた馬でこの流れなら何か工夫できそうだが、石橋騎手は何の工夫もなかった。来年は根岸SからフェブラリーSを目指すことになりそうだ。

グロリアムンディは1枠1番から内ラチ沿いの後方を進み、メンバー9位タイの37.1秒で上がって1.1秒差の12着。スタート後にムーア騎手が押しても進んで行かず、直線では前が壁になって捌き切れなかった。それほど速い上がりを繰り出せるタイプではないため、スローの上がり勝負で後方からでは厳しかった。休み明けでズブさを感じさせる走り。次走東京大賞典は一変に注意。

[Home]