天皇賞(春)
レース回顧

タイトルホルダーは8枠16番スタートから押してハナを切って前半5F60.5秒で進み、中盤にラップを落とし、後半6Fからペースアップし、メンバー最速の36.4秒で後続を突き放し7馬身差で圧勝した。勝ちタイムは3分16秒2(稍重)。横山和騎手は親子3代で天皇賞(春)制覇となった。前半5F60.6秒、中盤6F75.4秒(最も速い11.9秒を除くと中盤5F63.2秒)、後半5F60.3秒。ラスト6Fは12.3−12.0−11.9−11.5−11.7−13.2秒。菊花賞は前半5F60.0秒、中盤5F65.4秒、後半5F59.2秒。菊花賞と同様に前半飛ばしてアドバンテージを取り、中盤にラップを落として後続を引きつけ、後半に徐々にペースアップして4コーナーから直線で後続を引き離して圧勝した。

スタート直後に落馬したシルヴァーソニックが道中タイトルホルダーとラチの間に入ろうとしていたため、後ろにいた騎手たちは事故に巻き込まれないように外を回し、それによって早めに上がってタイトルホルダーにプレッシャーをかける馬がいなかった。ただしシルヴァーソニックがタイトルホルダーに接近して走り、最後の直線でも狭い内から迫っただけに不利に働いた部分もある。逃げて最速上がりを繰り出した圧勝したようにかなり強い内容。横山和騎手がスタート後に押してハナを切ったときのダッシュ力、4コーナーから直線入り口で一気に後続を引き離したときの走りはインパクトがあった。秋は凱旋門賞に挑戦することになるかもしれない。次走は宝塚記念か。パンサラッサとの逃げ争いが楽しみだ。

ディープボンドは大外枠から押して4番手につけ、メンバー3位の37.1秒で上がって1.1秒差の2着。最後はテーオーロイヤルを地力で交わして2着を確保したが、勝ったタイトルホルダーには7馬身差をつけられた。和田騎手は今日は相手が強かったとコメント。タイトルホルダーがラップを上げたときに外から動いても差が詰まらなかった。自分のペースで逃げたときのタイトルホルダーには敵わなかったが、1番人気であらためてスタミナと地力を示した。これで国内G1は[0−3−0−4]で3戦連続2着が続いている。ひと叩きしたことでパドックでは仕上がりの良さが目立っていた。次走は重い馬場になりやすい宝塚記念か。

テーオーロイヤルは内ラチ沿いの4番手から徐々に押し上げ、メンバー4位の37.4秒で上がって1.2秒差の3着。直線でタイトルホルダーに迫ったが、途中から突き放され、最後はディープボンドに交わされた。菱田騎手が絶好位につけて力を出し切ったが、現時点では長距離G1実績のある2頭が上だった。それでもスタミナと体力を示し、G1で通用することを示した。菱田騎手は今日初めてテーオーロイヤルが疲れたところを見たとコメント。小柄な馬が前走ダイヤモンドSより4キロ重い58キロを背負ってよく走っている。

アイアンバローズは6番手からメンバー7位の37.7秒で上がって2.1秒差の5着。1枠1番からもっと前につけるかと思われたが、位置取りが悪くなり、勝負どころで外を回して一杯になった。石橋騎手は折り合いをつけて切れ味を引き出す作戦だったようだ。前走阪神大賞典の内容、内&前が有利な馬場で考えられない作戦だった。大外枠から押してハナを切ったタイトルホルダーとは対照的な乗り方。1枠1番の好枠に入っただけにもっと押して前に行くべきだったのではないか。

マイネルファンロンは内ラチ沿いの9番手を進み、メンバー9位の37.9秒で上がって2.5秒差の6着。前にカラ馬がいて動くに動けなかったことが響いた。1〜5着馬は5番人気以内。14番人気で人気薄では最先着だった。松岡騎手は芝2500mなら重賞でも勝負できるとコメント。松岡騎手が手の内に入れているため、またどこかで激走がありそうだ。高齢になっても走るステイゴールド産駒。暮れの有馬記念を狙ってくるか。

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