京都大賞典
レース回顧

グローリーヴェイズは5番手からメンバー4位の34.5秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分25秒6(稍重)。ダンビュライトが逃げて前半5F60.4秒の平均ペース。中盤に12.7−12.8秒と流れが緩んで上がりは35.0秒、ラップは11.6−11.6−11,8秒。ダンビュライト、ステイフーリッシュが粘ってもおかしくない展開だったが、G1馬2頭と前走G2を勝った上がり馬が2頭よりも速い上がりを繰り出して上位を独占。グローリーヴェイズは好位から抜け出す正攻法のレースで快勝。日経新春杯1着、天皇賞(春)2着がある京都巧者。改修工事に入る前に社台は勝っておこうと考え、川田騎手を確保していた。タフな馬場が合うため、今日の稍重の馬場も味方したのだろう。キセキが最後方から大外をブン回し、キングオブコージの仕掛けが遅れたことも有利に働いている。騎手たちは社台が勝たせたい馬がいるときは空気を読んで忖度しているように見える。川田騎手は重賞で不振が続いていたが、9月以降は[2−2−1−2]、3番人気以内なら[2−2−1−1]。人気馬で結果を出すようになった。グローリーヴェイズは次走未定だが、社台は使い分けのため香港ヴァーズの連覇を目指す可能性が高そうだ。

キセキは出遅れて最後方から大外をブン回し、メンバー最速の34.3秒で追い込んで0.1秒差の2着。かなりロスがあったが、G1実績馬が地力を示した。これで国内の芝2400mは[0−3−0−0]。出遅れ、折り合いなど課題はあるが、宝塚記念と同様に後方から捲るレースで復調してきた。不良馬場の菊花賞を後方から捲って勝った馬。稍重の時計の掛かる馬場も合うのだろう。武豊騎手が凱旋門賞遠征後の隔離で騎乗できなかったが、次走の天皇賞(秋)は騎乗することになった。芝2000mは[2−1−1−0]で18年の天皇賞(秋)で逃げて1分57秒0で走って0.2秒差の2着がある。祖母はロンドンブリッジ。高速決着に対応できるスピードも備えている。武豊騎手はメイショウサムソンで勝ったが、サイレンススズカの1枠1番に入ったら要注意か。

キングオブコージは中団の後ろからメンバー2位の34.4秒で伸びて0.3秒差の3着。勝負どころで動かず、外から前に出たキセキが邪魔になって追い出しが遅れるロスがあった。横山典騎手が間違っても社台のグローリーヴェイズを交わさないように騎乗していた感がある。休み明けで馬体の張りはひと息だったが、そのデキでG1馬2頭と接戦したことを評価したい。今後のメドは立ったのではないか。ロードカナロア産駒の4歳馬。これからキャリアを積んで地力が強化されれば、G1で活躍する馬になりそうだ。次走はジャパンC、AR共和国杯あたりになりそうだ。

シルヴァンシャーは中団からメンバー5位の34.6秒で伸びて0.3秒差の4着。3着とはクビ差。休み明けでも馬体が10キロ絞れて仕上げてきていた。昨年は内を通って前に行った馬が有利な馬場&展開で外を回って3着に入ったが、今年は昨年より強いメンバーだった。骨折などがあり、5歳馬でまだ11戦しかしていない。直線に坂があるコースの長距離戦が合うため、賞金を加算して有馬記念に出走したら注意したい。

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