日本ダービー
レース回顧

コントレイルは内枠スタートから内ラチ沿いの3番手につけ、メンバー最速の34.0秒で抜け出して3馬身差でレースを制した。勝ちタイムは2分24秒1。ウインカーネリアンが逃げて前半5F61.7秒のスローペース。後半5F58.4秒、ラップは12.3−11.8−11.3−11.3−11.7秒。流れが緩んでラスト4Fの持続力勝負になった。コントレイルは直線で外に寄れながら遊びながら走って3馬身差で圧勝。強い馬が内ラチ沿いの好位につけてロスなく回ってきた。JRAが3枠5番に入れた時点で勝負あったか。道中社台のヴェルトライゼンデに外からマークされたが、勝負どころで振り切り、直線では追い出しを待つ余裕があった。サリオスが10番手の外に控えたことで直線で仕掛けを待つことができたことも大きかった。デビューから全て最速上がりで5戦5勝、無敗で皐月賞、日本ダービー制覇は父ディープインパクトと同じ。これまでの名馬とは馬体の造りが全く違うが、心肺機能の高さを父ディープインパクトから受け継いだのだろう。今後はひと息入れて菊花賞で無敗の3冠を目指すことになりそうだ。ジャパンCでアーモンドアイ、デアリングタクトと対決が実現して欲しい。

サリオスは10番手の外からメンバー2位タイの34.1秒で伸びて0.5秒差の2着。これまで5番手以内につけていた馬がコントレイルより後ろで進めて差すレースになった。社台はヴェルトライゼンデにコントレイルをマークさせてサリオスが外から差す作戦だったのか。コントレイルが簡単にはバテないことを考えるとサリオスは前につけてコントレイルとガチンコ勝負をした方が良かったのではないか。レーン騎手は前に行くと崩れる可能性があると考えたのか、コントレイルに勝たれたら仕方ないという乗り方だった。まだ少し太いが、一戦ごとに馬体が絞れて少しずつ引き締まってきている。まだ馬体はゴロンとしてマイラーっぽい感じはあるが、奥手のハーツクライ産駒。これからどう成長していくのか注目したい。ハーツクライ産駒のリスグラシューは5歳になって本格化しG1を3勝連勝している。

ヴェルトライゼンデは5番手からメンバー8位タイの34.7秒で伸びて0.8秒差の3着。勝負どころでコントレイルに競り負けて外に振られるロスがあったが、最後までしぶとく伸びて10番人気で激走した。これまで全て重い馬場で走っており、距離延長、軽い馬場で一変する可能性があるとみて穴馬で狙ったが、その通りになった。萩S(稍重)で騎乗したスミヨン騎手は硬い馬場が合うタイプとコメントしている。半兄ワールドプレミアは菊花賞を制している。2冠馬コントレイルは強いが、距離3000mでどこまで差を詰められるか。

サトノインプレッサは1枠1番スタートから11番手を進み、メンバー4位の34.3秒で内から伸びて0.8秒差の4着。3着とは頭差で馬券圏内まであと一歩だった。やはり1枠1番は有利なのだろう。脚捌きが硬いのが気になるが、それが解消されれば1800mあたりで走ってきそう。道悪巧者だけに来年のエプソムCに出走したら要注意か。内から捌けるため、岩田康騎手が合いそう。

ワーケアは内枠スタートか8番手につけ、直線でコントレイルを追ったが引き離され1.0秒差の8着。上がりはメンバー11位の34.8秒。これまで外から差すレースをしていたため、馬群を割るレースで馬が戸惑った面もあるか。最後は狭くなってルメール騎手は追っていなかった。ルメール騎手は流れが速くならなかったことでスタミナを生かせなかった、瞬発力に欠けるとコメント。デビューから2戦を最速上がりで圧勝したように強烈な決め手があるが、中山の重い馬場を使って地力タイプに変貌したのか。奥手のハーツクライ産駒。まずはどこかで重賞を勝って賞金を加算しておきたい。

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