オークス
レース回顧

デアリングタクトは1、2コーナーでごちゃついて後方を進み、直線で馬群を捌くに手間取ったが、メンバー最速の33.1秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは2分24秒4。スマイルカナが逃げて前半5F59.8秒。中盤に12.7−13.0−12.6秒と流れが緩んで後半5F58.9秒。上がりは34.2秒、ラップは11.2−11.2−11.8秒。オークスは中盤に流れが緩むことは少ないが、今年は緩んで前が残る展開になった。デアリングタクトは直線で前が詰まって内に切れ込むロスがあったが、そこから一気に加速してきっちり差し切った。一頭だけ次元の違うレースぶりで無敗で2冠を達成。無敗の2冠達成は1957年のミスオンワード以来63年ぶり。パドックでは牡馬のような馬体で一頭だけ抜けて良く見えた。桜花賞のときよりもさらにパワーアップし、今後の可能性を感じさせた。無事に秋を迎えて3冠を達成すれば、ジャパンCでアーモンドアイと対決することになりそうだ。

ウインマリリンは8枠16番スタートから内ラチ沿いの2番手につけ、メンバー7位の34.0秒で最内から抜け出して0.1秒差の2着。横山典騎手がスタートを決めて不利な外枠をクリアさせた。3、4コーナーでタメて少し下げたことも最後の伸びに繋がったのだろう。流れが緩んで内ラチ沿いをロスなく回った馬が2、3着に入った。ウインマリリン、ウインマイティーはガツンと切れないが、それでもデアリングタクト以外を完封できたのは4着以下のレベルが低かったからか。芝1800mの若竹賞で5着に終わったが、芝2000m以上では[3−1−0−0]。レースが上手く好位につけてしぶとい脚を使えるタイプで本来は直線の短いコースが合っている。秋華賞で内枠から強気なレースをしてデアリングタクトをどこまで苦しめるか。

ウインマイティーは内ラチ沿いの好位からメンバー8位タイの34.1秒で直線で早めに抜け出して0.2秒差の3着。昨年2着のカレンブーケドールは12番人気。今年は13番人気が波乱を演出した。緩い流れで前につけてしぶとい脚を使えるタイプ。最後に止まりかけたのは早めの動いたぶんと距離2400mのせいか。桜花賞馬が勝ち、前走芝2000mを勝った馬が2、3着。重馬場でハイペースの桜花賞を使った馬はデアリングタクト、ミヤビザクラを除き、気配が落ちた馬が多かった。和田騎手は高松宮記念でクリノガウディーが1位降着になってから福島牝馬S・フェアリーポルカ1着、京都新聞杯・ディープボンド1着など重賞で乗れている。

リアアメリアは中団からメンバー4位の33.7秒で伸びて0.3秒差の4着。阪神JFはハイペース、桜花賞は重馬場で惨敗したが、アルテミスSを勝った直線の長い東京コース、良馬場、緩い流れで切れ脚を使ってパフォーマンスを引き上げた。道中折り合い、勝負どころで外に出してスムーズなレースができたことは今後に繋がりそうだ。まだ後脚の踏み込みに力強さが足りない。本質的には中距離タイプか。

マジックキャッスルは後方から馬群を捌いてメンバー2位タイの33.4秒で追い込んで0.4秒差の5着。直線でデアリングタクトに前に入られて詰まるロスがあったが、そこから鋭く伸びて5着まで追い上げた。直線でスムーズなら3着と際どかったかもしれない。距離に不安があったが、ある程度こなすメドが立った。

デゼルは後方から大外をブン回してメンバー5位の33.8秒で伸びて0.7秒差の11着。向こう正面で前が詰まって減速する不利が2回あった。1枠1番を生かせず大外をブン回すレースでは厳しかった。中2週で東京に輸送し、馬体が8キロ減って腹目が細くなっていた。関西馬にはローテーションが厳しかったか。

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