阪神大賞典
レース回顧

ユーキャンスマイルは後方から内をロスなく回って押し上げ、メンバー最速タイの35.8秒で差し切りレースを制した。勝ちタイムは3分3秒0。ドレッドノータスが逃げて前半5F62.6秒のスローペース。ラスト7Fから11秒台のラップが5F続き、ラスト2Fが12.0−12.5秒。早めにラップが上がったことで上がりの掛かる消耗戦になった。ユーキャンスマイルはインを突くのが上手い岩田騎手が内から捌いて抜け出し快勝。菊花賞3着、ダイヤモンドS1着があるステイヤーが2番人気で重賞3勝目を挙げた。昨年秋のG1は4、5着に終わったが、強いメンバーと戦って地力が強化されている。次走は天皇賞(春)。立ち回り次第でチャンスがありそうだ。

トーセンカンビーナは出遅れて後方2番手からメンバー最速タイの35.8秒で馬群を捌いて突っ込み0.3秒差の2着。出遅れて最後方からのレースになったが、末脚の威力で最後に突っ込んできた。昨年秋以降4戦3勝で前走3勝クラスを勝った馬がいきなりG2で連対した。今年は重賞実績のある上位人気馬が不振に終わり、上がり馬が激走することが非常に多い。競走馬のレベルが下がっているのではないか。折り合いに不安がなく距離をこなすタイプ。末脚のしっかりした馬。今年はどこかで重賞を勝てそうだ。

メイショウテンゲンは中団の後ろからメンバー3位の36.0秒で大外から伸びて0.4秒差の3着。上がりの掛かる消耗戦になり、最後に大外から突っ込んできた。勝ち切れないが、ステイヤーズS4着、ダイヤモンドS2着、阪神大賞典3着と長距離戦で堅実に走っている。母メイショウベルーガは5歳になって本格化した。メイショウテンゲンはレースを使われながら着実に地力が強化されている。

ムイトオブリガードは4番手から早めに動いて直線で先頭に立ったが、そこから甘くなって0.4秒差の4着。上がりはメンバー5位の36.3秒。前に行った馬の中では最先着。ラスト7Fからペースアップして差し馬向きの展開になったことが堪えている。調教の動きは良かったが、馬体が18キロ増えていた。次走はひと叩きされて上積みが見込める。

キセキは大きく出遅れて最後方からスタンド前で押し上げて3番手につけたが、直線で伸び切れず0.6秒差の7着。上がりはメンバー8位の36.7秒。前走有馬記念でも出遅れたように馬が走りに前向きでなくなってきている。G1で厳しいレースが続いたせいなのか。角居調教師がどう立て直してくるか注目したい。

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