大阪杯
レース回顧

アルアインは内枠スタートから内ラチ沿いの4番手につけ、メンバー4位タイの35.2秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは2分1秒0。エポカドーロが逃げて前半5F61.3秒のスローペースになり、前につけて内をロスなく回った馬での決着になった。アルアインは先行して抜け出す正攻法のレースで皐月賞以来2年ぶりの勝利となった。スローペースで前が残る展開、良発表でも緩く時計、上がりの掛かる馬場、ロスなく回れる内枠と全てが上手く噛み合っての勝利。G1、G2で善戦止まりが続いていたが、今回はこれまで先着を許してきたレイデオロ、スワーヴリチャード、ダノンプレミアムがいなかったことも良かったのだろう。北村友騎手は高松宮記念で1番人気のダノンスマッシュで4着に終わったが、1週遅れで中央G1初制覇となった。アルアインは皐月賞に続き9番人気での勝利。2度あることは3度あるかもしれない。今後は安田記念または宝塚記念に向かうことになりそうだ。

キセキは少しスタートが遅く2番手を進み、メンバー7位の35.4秒で抜け出したが、内からアルアインに交わされてクビ差の2着。スタートが遅かったこともあるが、川田騎手はスローペースに同調し、ハナを切らなかった。もっとタフな流れでもしぶとい脚を使えるタイプ。緩く重い馬場で上がりが掛かったところを見ると飛ばしていたら止まっていた可能性もあるだけに、この乗り方が一概に悪いとは言い切れない。ただし能力が接近したメンバーのG1は攻めないと勝てないという面もある。休み明けでも仕上がりは良さそうだった。この乗り方を見て次走の天皇賞(春)を意識しているのかと思われたが、今後は天皇賞(春)は使わずに宝塚記念に向かう予定。川田騎手の不可解なスローペース。非社台の馬が勝ってはいけない闇のルールでもあるのか。

ワグネリアンは1枠1番から内ラチ沿いの7、8番手を進み、メンバー2位の35.1秒で最内から伸びて0.1秒差の3着。福永騎手が内枠からラチ沿いをロスなく回って持ってきた。本来は馬場のいい外に出して末を生かすタイプだが、外を回った馬は壊滅的になっただけにこの乗り方が正解だった。長期休み明け、初の古馬相手、時計&上がりの掛かる緩い重い馬場で0.1秒差の3着なら今後のメドは立った。直線の長いコースでは[5−0−0−0]。天皇賞(春)は距離が長く、宝塚記念は阪神内回り。次走は香港のクイーンエリザベス2世Cか。能力の絶対値が足りるか微妙だが、秋は天皇賞(秋)、ジャパンCが目標になる。

マカヒキは出遅れて最後方からメンバー最速の34.9秒で追い込んで0.2秒差の4着。スローペースで前が残る展開で届かなかったが、岩田騎手が内から捌いてメンバー最速上がりで伸びてきた。タフな馬場が合うタイプで重い馬場は良かったが、流れが遅くなり過ぎた。ここにきて馬体がマッチョ化してきており、距離適性が短い方に傾いている。ダービー馬だが、少し目先を変えてもいいのかもしれない。

エアウィンザーは7番手からメンバー4位タイの35.2秒で伸びて0.2秒差の5着。勝ったアルアインと同じ上がりを繰り出したが、位置取りの差が出た。それでも最後までしぶとく伸びており、G1で通用するメドはある程度立った。外国人騎手では[5−2−0−0]、日本人騎手では[1−3−2−2]。角居調教師が外国人騎手を乗せてきたら注意したい。

ブラストワンピースは後方から外を回って上がってメンバー6位の35.3秒で上がって0.3秒差の6着。スタート後に外枠の馬が内に切れ込んできたことで位置取りが悪くなり、勝負どころで大外をブン回して伸び切れなかった。内をロスなく回って勝ったアルアインより上がりが0.1秒遅いのは、内をロスなく回った馬が有利な馬場&展開だったことを示している。これで57キロでは[0−0−0−3]でいずれもスローペースで切れ負けしている。次走は天皇賞(春)をパスして宝塚記念になりそうだ。昨年の有馬記念を勝ったが、能力の絶対値がそれほど高くない可能性がある。

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