富士S
レース回顧

ロジクライは2番手を進み、直線でマルターズアポジーを交わして先頭に立ち、メンバー9位タイの33.9秒でまとめて2馬身差で圧勝した。勝ちタイムは1分31秒7。マルターズアポジーが前半5F57.4秒の速い流れ。ロジクライは離れた2番手から上がりを33秒台でまとめて快勝。前半5F57.0秒のハイペースになった中京記念で4番手から0.1秒差の2着に粘った馬。ルメール騎手が騎乗して一気にパフォーマンスを引き上げた。シンザン記念で後の桜花賞馬ジュエラーに勝った馬が骨折による長期休養を克服し本格化した。中京記念は2着、京成杯AHは3着に終わったが、その2戦よりメンバーが揃った富士Sを2馬身差で圧勝。ルメール騎手が騎乗するとここまで違うのかというのが正直な印象。次走はマイルCS。高速決着に対応できる強みを生かして先行して粘り込むか。

ワントゥワンは14番手からメンバー最速の33.2秒で追い込んで0.3秒差の2着。夏に使った影響で調教の動きがひと息に映り、パドックでも前走より気配が少し地味になっていたが、それでこのパフォーマンス。想定より流れが速くなって展開が向いたこともあるが、モレイラ騎手による部分もあるのだろう。この2着で関屋記念を勝ったプリモシーンの強さを裏付けた。これで3戦連続マイル重賞で2着。小柄な牝馬が牡馬を相手によく走っている。スプリンターズSのラブカンプーと同じパターンでマイルCSでも激走する可能性がある。高速決着に対応できるようになっている。

レッドアヴァンセは7番手の外からメンバー6位の33.7秒で伸びて0.2秒差の3着。2着ワントゥワンとはハナ差。スローの上がり勝負に強いタイプ。ハイペースになったため位置取りで調整し、33秒台で上がって2着争いに持ち込んだ。稍重のヴィクトリアマイルで1分32秒3で走ってタイム差なしの3着に入り、4着アエロリットに先着したのはダテではない。クラレント、レッドヴェイロンなど、この一族は東京芝1600mに強い。マイルCSは賞金的に厳しいか。出走できなければキャピタルSになりそうだ。

エアスピネルは好位からメンバー9位タイの33.9秒で伸びて0.4秒差の4着。速い流れでも上がりが速くなり切れ負け。これまで最速上がりを1回しか繰り出したことがないジリ脚タイプ。昨年の富士Sは不良馬場、マイルCSは稍重でジリ脚をカバーできたが、良馬場の上がりの速いレースになり伸び切れなかった。ただし今回は長期休み明けで調教の動きが地味に映ったように本調子ではなかった。次走はマイルCS。得意の京都、叩き2戦目で外国人騎手に乗り替われば激走があってもおかしくない。

ペルシアンナイトは中団からメンバー7位タイの33.8秒で伸びて0.5秒差の5着。直線でスムーズさを欠いて脚を余した。安田記念より酷くはなかったが、またしても全力を出せずに5着。59キロを背負っていたため、追われてからの反応が鈍くなったことも影響している。次走はマイルCS。叩き2戦目、他馬と同じ57キロと条件が好転する。メンバーは揃いそうだが、スムーズなレースができれば2連覇がありえる。

ジャンダルムは大外枠から外を回って11番手につけ、メンバー7位タイの33.8秒で伸びて0.7秒差の7着同着。速い持ちタイムがない馬が1分32秒4で走ったが、1分31秒台の決着で時計が速くなり過ぎた。大外枠で脚がタメにくかったことも影響している。内枠で脚をタメれば一変する可能性があるが、現時点ではG3レベルなのではないか。

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