宝塚記念
レース回顧

ミッキーロケットは内ラチ沿いの7番手から徐々に進出し、直線入り口で先頭に立つとメンバー2位の35.8秒で上がり、最後はワーザーの追撃をクビ差凌ぎ切ってレースを制した。勝ちタイムは2分11秒6。サイモンラムセスが逃げて前半5F59.4秒。後半5Fは60.2秒、後半3Fは36.3秒。中盤以降にラップの緩みがなく、スタミナと地力が問われるレースになった。馬場が稍重に回復したことで内をロスなく回った馬が有利になった。ミッキーロケットは2枠4番スタートから内ラチ沿いをロスなく回り、和田騎手が早めに仕掛けていい脚を長く使える持ち味をフルに発揮。3着に内ラチ沿いをロスなく回ったノーブルマーズが入っている。16年の神戸新聞杯でサトノダイヤモンドにクビ差の2着に入った馬が同じ阪神でG1初制覇。これで6〜9月は[3−2−0−1]。気温の上がるこの時期に走るタイプ。暑くて調子が上がらない馬が多い中、最終調教の動きが目立ったようにデキの良さもあるのだろう。和田騎手は01年天皇賞(春)のテイエムオペラオー以来17年ぶりのG1制覇となった。テイエムオペラオーは今年5月に急死。和田騎手はレース後に「オペラオーが後押ししてくれたんだと思う」とコメント。今後は休養して秋は京都大賞典で復帰し、ジャパンCに向かう予定。

ワーザーは後方から外を回ってメンバー最速の35.3秒で大外から追い込んでクビ差の2着。過去10年で7歳以上は[0−0−0−26]で3着以内がなかったが、G1−4勝の香港馬が高齢馬不振のデータを覆した。前走より馬体が27キロ減って少し腹目が細く映り、本調子ではなさそうだったが、外から差しにくい馬場で大外からクビ差の2着まで追い上げたようにかなりの能力がある。まともならあっさり勝たれていたかもしれない。馬体重発表前までは5番人気だったが、馬体27キロ減で10番人気まで急降下。香港G1馬の底力を見せつけられた。キタサンブラックが引退し、中長距離路線のレベルは下がっている。今年の日本ダービーを見ても今後もこの状況がしばらく続きそうだ。ボウマン騎手が騎乗するとこちらの想定以上に伸びる印象がある。ボウマン騎手はいずれ日本に来ることになるのではないか。モレイラ騎手が日本の騎手試験に受験する予定。数年後の日本の競馬は世界のトップジョッキーが当たり前のように騎乗する時代になっているかもしれない。

ノーブルマーズは内ラチ沿いの中団からメンバー4位の36.1秒で伸びて0.5秒差の3着。2着とは3馬身差。1枠2番スタートから内ラチ沿いをロスなく回って持ち味のしぶとさを発揮した。雨が降って馬場の内側が悪化すると思われたが、馬場が乾いて内を通った馬が有利になったことが大きかった。阪神芝2200mの三田特別でトップハンデ57.5キロを背負い、中団からメンバー最速の34.5秒で差し切って2分11秒4で勝った馬。前走目黒記念2着でG2にメドを立て、今回G1で3着に入った。ここにきて着実に力をつけている。今後は休養して秋はAR共和国杯で復帰する予定。

ヴィブロスは中団の後ろから外を回って進出し、メンバー4位の36.0秒で上がって0.5秒差の4着。3着とはクビ差。エリザベス女王杯と同様に道中折り合いを欠いていた。勝負どころで外から上がったサトノダイヤモンドを追いかけて外を回ったことも堪えている。阪神で外から差すには、4コーナー手前まで内にいて4コーナーで斜めに走って距離ロスなく外に出すのが理想(アンカツの乗り方)。折り合いを欠き、内が有利な馬場で外を回っ手追い上げたことで最後に伸び切れなかったのだろう。ドバイ明けでも仕上がりは良かった。

サトノダイヤモンドは後方から大外を捲って直線入り口で先頭に立ったが、そこから伸び切れず0.8秒差の6着。上がりはメンバー9位の36.6秒。出遅れて位置取りが悪くなり、内が有利な馬場でルメール騎手が強引に外から捲ったことが堪えている。前走大阪杯(戸崎騎手)で内で揉まれて不利を受けたため外に出して不利を受けないように乗ったのか。出遅れずに中団あたりにつけられれば、もう少しやれたのではないか。池江厩舎の管理馬は一旦調子を崩すと復活できない馬が多い。ダイヤモンドが輝きを失いかけている。

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