マーメイドS
レース回顧

アンドリエッテは2枠3番スタートから内ラチ沿いの後方を進み、直線で内から馬群を割ってメンバー最速の34.4秒で抜け出してレースを制した。勝ちタイムは1分59秒1。トーセンビクトリーが逃げて前半5F59.6秒。6F目に12.7秒と流れが緩んでラスト4Fが11.8−11.5−11.6−11.9秒。勝負どころで高速ラップが刻まれたため、そこで外から動いた馬は厳しくなり、内でタメていた2頭で決着。アンドリエッテは前走パールS(1600万条件)で3着に負けて格上挑戦だったが、テン乗りの国分恭騎手が内から上手く捌いて持ってきた。15年の秋華賞で1分57秒2で走って0.3秒差の4着に入ったが、3着マキシマムドパリが昨年のマーメイドSで55キロを背負って勝っていた。格上挑戦、距離2000mが嫌われて10番人気の低評価だったが、そのあたりを考慮すると狙い目はあったか。チューリップ賞2着馬が得意の阪神で重賞初制覇。51キロの軽ハンデだったが、パフォーマンスを引き上げた。次走はクイーンSに向かう予定。枠順にもよるが、今後は内から捌くことに拘りそうだ。

ワンブレスアウェイは1枠1番から中団の内ラチ沿いを進み、直線で少し外に持ち出して馬群を割ってメンバー2位の34.6秒で伸びてクビ差の2着。勝ったアンドリエッテと同様に勝負どころでペースアップしたときに内ラチ沿いをロスなく回ったことが最後の伸びに繋がったのだろう。近走は出遅れたり、折り合いを欠いて不振が続いていたが、今回はスタートを決めて中団の内で折り合いがつき、最後もしっかり伸びた。勝ったアンドリエッテとは斤量2キロ差があり、実質は勝ちに等しい内容。条件戦時代は堅実に走っていた馬が、ようやくまともなレースができて復調してきた。ただし今回は枠順、コース取りに恵まれたことを考慮する必要がある。

ミエノサクシードは4、5番手の外からメンバー4位タイの35.1秒で伸びて0.3秒差の3着。好位の外から早めに動いて勝ちに行ったが、最後は脚色が鈍って内から2頭に交わされた。7枠12番スタートから終始外を回ったことが堪えている。距離2000mが微妙に長いこともあるのだろう。直線の長いコースの芝1600〜1800mで脚をタメて切れ味で勝負するタイプ。次走は中京記念に向かう予定。

レイホーロマンスは後方からメンバー4位タイの35.1秒で伸びて0.7秒差の6着。直線で外に持ち出して大外から伸びてきたが、位置取りが後ろ過ぎた。前走福島牝馬Sでは好位の内につけたがごちゃついて5着に終わったため、好走した愛知杯、中山牝馬Sの乗り方に戻したのだろう。1番人気に支持されたが、結果的に後方でタメる乗り方がアダになった。

キンショーユキヒメは中団の外から伸び切れず0.7秒差の7着。上がりはメンバー7位の35.2秒。大型馬だけに勢いをつけたまま直線に向きたかったが、勝負どころで軽量馬に外から来られてスムーズさを欠き、直線で伸び切れなかった。勝負どころで反応が悪かったのは、他馬より重い55キロが影響したのだろう。パドックで前捌きが少しおかしかった。前捌きが硬いと走らない傾向がある。

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