エプソムC
レース回顧

サトノアーサーは大外枠から6番手につけ、メンバー3位タイの35.2秒で差し切ってレースを制した。重馬場で勝ちタイムは1分47秒4。スマートオーディンが逃げて前半5F59.8秒。雨で馬場が悪化しタフなレースになり、ラスト3Fは11.6−11.8−12.5秒。ラスト1Fのラップが落ち、差し追い込み馬が上位を独占。サトノアーサーは外を回って好位から抜け出す正攻法のレースで重賞初制覇。道悪は得意ではなく不良馬場の菊花賞で惨敗したが、稍重&重では[2−1−0−0]で極端に悪化しなければこなせるタイプ。馬場が良く極端に悪くない東京で地力を発揮した。これで池江厩舎は08年以降のエプソムCで[2−3−0−3]、2番人気以内なら[2−3−0−0]で連対率100%。前週に鳴尾記念を4連覇したように池江厩舎はこの時期の重賞に強い。サトノアーサーは重賞を勝って賞金を加算できたのは今後に向けて大きい。秋は毎日王冠から天皇賞(秋)を目指すことになりそうだ。

ハクサンルドルフは後方からメンバー最速の34.7秒で最後に突っ込んで半馬身差の2着。昨年不良馬場の甲斐路S(東京芝1800m)を勝った道悪巧者。長期休養明けのスマートオーディンが掛かって飛ばしたことで上がりが掛かる展開になり、かつ予報よりも雨が降って馬場が重に悪化したことで最後に突っ込んできた。これで稍重以上では[2−2−0−1]、直線に坂のあるコースでは[2−2−0−0]で上がりは全てメンバー最速。アドマイヤムーン産駒は道悪が得意な馬が多い。良馬場でも展開が味方すればやれるが、坂のあるコースで馬場が渋ったときは特に注意したい。

グリュイエールは中団からメンバー2位の35.1秒で伸びて0.2秒差の3着。直線で内にモタれ、福永騎手が左鞭で立て直しながら追ったが、そのぶん伸び切れなかった。最後までバテていないだけにもう一列前で進められれば、2着と際どかったかもしれない。前走2年ぶりのレースを勝ってオープン入りし、これまで結果が出てない重賞で3着。絶対能力が高いことを示した。6歳馬だが、まだ14戦しかしていない。大事に使う藤原英厩舎。どこかで重賞制覇のチャンスがありそうだ。

サーブルオールは後方から徐々に進出し、メンバー3位タイの35.2秒で上がって0.3秒差の4着。直線で内に切れ込んで一瞬見せ場を作ったが、重馬場が影響したのか、最後に一杯になった。それでも昇級戦で0.3秒差の4着なら今後のメドは立った。ルメール騎手はすぐに重賞を勝てるとコメントしている。洋芝をこなすタイプ。ハンデG3の函館記念に出走したら注意したい。

エアアンセムは中団につけたが、外から来られて位置取りが悪くなり、メンバー3位タイの35.2秒で伸びて0.7秒差の5着。好位から抜け出すタイプだが、1番人気のダイワキャグニー(道悪が影響して14着)をマークしたため、位置取りが悪くなった模様。それほど切れる脚を使えるタイプではないだけに重馬場で後方からでは厳しかった。

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