ダービー卿CT
レース回顧

ヒーズインラブは中団の馬込みで進み、直線で馬群を捌いてメンバー最速タイの34.1秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイムは1分32秒2。マルターズアポジーが逃げて前半3F35.0秒、5F57.4秒の速い流れになり、3〜5着には追い込み馬が入った。ヒーズインラブは前走1600万条件を勝って昇級戦だったが、ハンデ55キロを味方に重賞初制覇。自在性があり、直線で追われてからの反応がいいタイプ。そのあたりが小回りの中山が合うのだろう。昨年の春興Sを1分32秒5で勝ったように高速決着に対応できるタイプ。これで中山芝1600mは[3−1−1−1]、休み明けを除くと[3−0−1−0]となった。春は安田記念を目標に次走はマイラーズCを使うことになりそうだ。1〜4着馬は520キロを超える大型馬。中山は高速化してきたが、馬格のある大型馬が活躍する傾向が強まっている。

キャンベルジュニアは好スタートから内ラチ沿いの3、4番手を進み、直線でメンバー7位タイの34.7秒で抜け出したが、最後にヒーズインラブに差されて0.1秒差の2着。昨年の2着馬が2年連続で2着。昨年は前半5F60.0秒の緩い流れだったが、今年は前半5F57.4秒の速い流れで今年の方がレースレベルが高い。前に行った馬で粘ったのはキャンベルジュニアだけ。速い流れの地力勝負に強いタイプが持ち味をフルに発揮した。前走1600万条件を勝ったヒーズインラブが55キロで昨年の2着馬キャンベルジュニアも55キロ。前3走10着以下に惨敗したこともあるが、ハンデは恵まれていた。社台、特に吉田和美氏の馬はハンデが恵まれることが多い。休み明けで馬体が10キロ増えており、少し余裕のある造りだった。叩いた次走は上積みが見込めるが、中山芝1600mがベストで適鞍は少ない。

ストーミーシーは後方から3、4コーナーで外を回って進出し、大外からメンバー最速タイの34.1秒で伸びて0.2秒差の3着。不利な外枠から外を回って進出したため、最後は脚色が鈍ったが、最速上がりを繰り出したようにここにきて力をつけている。展開が嵌まるか、渋った馬場でタフなレースになると重賞で連対圏がありえる。母リーベストラウムも切れる脚を使える馬だった。条件が揃いそうなときは注意したい。

テオドールは後方からメンバー3位タイの34.2秒で伸びて0.4秒差の4着。直線で前が壁になって実質追えたのはラスト1Fを過ぎたあたりでかなり脚を余している。最後の伸び脚を伸びる限り、もう少しまともレースができれば勝ち負けできたのではないか。折り合いを気にして控え過ぎては勝ち負けできなくて当たり前。これまで外国人騎手が騎乗したときは[3−3−1−1]。今回はテン乗りの吉田隼騎手がモロに影響している。マイルで1分35秒5の持ちタイムしかなかった馬が1分32秒6で走ったようにマイル適性は高い。

グレーターロンドンは後方からメンバー5位タイの34.3秒で内から伸びて0.5秒差の5着。直線で内を突き、前が壁になってほとんどまともに追えなかった。内枠に入ったためロスなく進めたが、全く力を出せなかった。1分32秒2の高速決着になっただけに大外をブン回しても厳しかったか。ロンドンブリッジの子供は連続して好走するが、それが一旦途絶えると不調になり、復活まで時間が掛かることが多い。惨敗が続いてみんなが注目しなくなり、人気がなくなったときに狙いたい。

レッドアンシェルは中団の内から伸び切れず0.5秒差の7着。上がりはメンバー7位タイの34.7秒。直線でスペースはあったが、追っても抜け出せなかった。これまで前半5F59秒台のレースである程度前につけて好走してきた馬。速い流れで中団から抜け出す脚はないのだろう。馬格がなく、急坂のある中山では少しパワー不足の印象を受けた。緩い流れで立ち回りの上手さを生かせそうなときは注意したい。

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