関屋記念
2025/7/27 新潟競馬場 芝1600m

レース展望

過去10年で1番人気は[3−0−4−3]で3連対。単勝4倍以上は[1−0−2−3]で1連対のみ。2番人気は[1−1−1−7]、3番人気は[2−0−1−7]で各2連対。6〜9番人気が7連対、10番人気以下が1連対。過去5年の馬連は72倍、67倍、111倍、18倍、37倍で荒れている。22年は1−12番人気で万馬券が飛び出した。人気馬に人気薄を絡めて中穴以上を狙うのが妙味。

3歳[1−0−2−5]、4歳[2−1−2−24]、5歳[5−7−5−51]、6歳[2−2−1−28]、7歳以上[0−0−0−24]で5歳馬が活躍。3歳馬は1番人気[1−0−1−0]、2番人気以下[0−0−1−5]。7歳馬は出番なし。6〜8番人気で連対した7頭のうち3頭に重賞勝ち、残る4頭のうち3頭に重賞3着以内が3回あった。穴で前走負けて7番人気前後になった重賞実績馬を絡めたい。

ボンドガールは秋華賞2着馬で重賞2着が5回ある。芝1600m重賞は[0−3−0−3]で3走前の東京新聞杯は6番手から7位タイの33.7秒で上がってウォーターリヒトにクビ差の2着。阪神牝馬Sは前残りの展開で大外から2位の32.9秒で追い込んで0.2秒差の5着。前走ヴィクトリアマイルはスタートで躓いて後方のまま見せ場なく16着。G3以下の東京芝1600mは[1−2−0−0]。重賞未勝利馬だが、実質トップハンデの56キロ(牡馬換算58キロ)。前8走騎乗した武豊騎手からルメール騎手に乗り替わる。

カナテープは東京芝[4−4−1−1]で前走府中牝馬Sを6番手から5位タイの35.2秒で上がって0.2秒差の2着。勝ったセキトバイーストより2.5キロ軽い53キロだったが、4ヶ月半ぶりのレースで馬体が12キロ増えていた。芝1600mは[0−2−1−1]で分倍河原Sで1分32秒6で走ってラケマーダに半馬身差の2着がある。新潟芝は1勝Cで8着、佐渡S(3勝C)で3着。ハンデは前走より1キロ増の54キロ。キング騎手では2走前に初音Sを直線一気で勝っている。キング騎手は2週連続重賞制覇なるか。

芝1600m[3−1−0−0]のフォーチュンタイム、ニュージーランドT勝ち馬イミグラントソング、芝1600m[1−2−1−0]のレガーロデルシエロ、しらさぎS4着馬ダイシンヤマト、都大路S3着馬トランキリテ、2走前に3勝Cを勝ったシヴァース、前走3勝Cを勝ったアルセナールなど。フォーチュンタイムは秋風Sでトロヴァトーレに0.3秒差の2着がある。前走阪急杯は4番手から伸び切れず0.3秒差の5着。荒れた内を通っていた。土曜に栗坂で1番時計をマーク。今年の重賞で吉岡厩舎は[0−0−1−5]。

イミグラントソングはニュージーランドTで10番手から最速の33.1秒で差し切り1分32秒4で優勝。前走NHKマイルCは前半5F56.4秒のハイペースで4番手につけ、直線で一杯になって0.7秒差の11着。過去10年で3歳牡馬は[0−0−1−5]。ルメール騎手から石川騎手に戻る。シヴァースは昨年夏に新潟芝1600mの1勝Cを1分32秒5で優勝。2走前の夢州Sは3番手から抜け出して1分32秒3で優勝。友道厩舎のモーリス産駒で母はヴィブロス。先行して高速ラップでまとめる持ち味を生かせるレースになれば。


調教診断

★キョウエイブリッサ
美坂で2頭併せで馬なりのまま相手を突き放した。活気がありキビキビとしたフットワークで余力十分。1週前に美坂で相手を突き放した。前走惨敗したが、デキは上向き。

★シヴァース
栗坂で馬なり調教。小柄でもしっかりとした脚捌きで最後まで集中して走っていた。1週前に栗CWで馬なりのままラスト11.1秒。前走惨敗したが、叩いて若干上向き。

★カナテープ
南Wで2頭併せで馬なりのまま併入。キング騎手が騎乗して余力十分にラスト11.4秒。1週前に南Wで2頭併せで馬なりのままラスト11.5秒。叩いて動き、気配良化。

★アルセナール
南Wで3頭併せで馬なりのまま併入。気合乗りが良く、余力十分にラスト11.3秒。1週前に南Wで2頭併せで馬なりのまま併入。リフレッシュして気配が良くなった。

★ダイシンヤマト
南Wで2頭併せで馬なりのまま併入。余力十分にラスト11.2秒。1週前に南Wで2頭併せで馬なりのままラスト11.5秒で先着。一連のデキをがっちりキープ。

次点(上位5頭に入らなかった馬)
☆ボンドガール


レース回顧

2025年 7月27日(日) 2回新潟2日  天候: 晴   馬場状態: 良 
7R  第60回関屋記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指)  芝 1600m・外   18頭立
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着枠 馬  馬名               性齢 騎手     斤量 タイム  3F  人体重     廐舎
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1 7 14  カナテープ         牝 6 キング    54  1.31.0 32.5  1 482 (美)堀宣行
2 1  1 $オフトレイル       牡 4 菅原明良 57.5 1.31.0 32.7 10 464 (栗)吉村圭司
2 6 11  ボンドガール       牝 4 ルメール  56  1.31.0 32.8  2 456 (美)手塚貴久
4 5 10  トランキリテ       牡 6 荻野極    56  1.31.2 32.7 11 474 (栗)松永幹夫
5 4  8  シヴァース         牡 4 内田博幸  56  1.31.2 33.5  4 458 (栗)友道康夫
6 3  6  ニシノスーベニア   牡 6 大野拓弥  56  1.31.3 33.5 12 536 (美)上原博之
7 2  4  レガーロデルシエロ 牡 4 戸崎圭太  56  1.31.3 33.4  6 526 (美)栗田徹
8 6 12  メイショウシンタケ 牡 7 菊沢一樹  55  1.31.6 33.2 15 488 (栗)千田輝彦
9 8 16  フォーチュンタイム 牡 4 三浦皇成 56.5 1.31.6 33.4  3 502 (栗)吉岡辰弥
10 1  2 $シンフォーエバー   牡 3 江田照男  53  1.31.7 34.8  8 500 (栗)森秀行
11 7 15  イミグラントソング 牡 3 石川裕紀  55  1.31.9 33.1  5 488 (美)辻哲英
12 2  3  ジョウショーホープ 牡 5 西塚洸二  56  1.31.9 33.8 18 480 (栗)新谷功一
13 8 18  ダイシンヤマト     牡 5 吉田豊    56  1.31.9 33.5  9 516 (美)戸田博文
14 5  9  キョウエイブリッサ 牡 5 丸田恭介  55  1.32.3 33.5 14 490 (美)武市康男
15 8 17  アルセナール       牝 4 杉原誠人  53  1.32.3 34.6  7 462 (美)木村哲也
16 4  7  ハクサンバード     牡 5 小崎綾也  54  1.32.4 34.8 13 486 (栗)高橋一哉
17 7 13  リフレーミング     牡 7 石橋脩    58  1.32.6 33.6 16 468 (栗)藤野健太
18 3  5 $ゴールデンシロップ 牡 7 原優介    54  1.32.8 34.9 17 538 (美)鈴木慎太
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LAP :12.2-10.6-11.1-11.6-11.4-11.1-11.5-11.5
通過:33.9-45.5-56.9-68.0  上り:68.2-57.1-45.5-34.1  平均:1F:11.38 / 3F:34.13
単勝   14 \440 
複勝   14 \170 / 1 \570 / 11 \220 
枠連   1-7 \890 (10) / 6-7 \420 (2) 
馬連   01-14 \3620 (32) / 11-14 \760 (1) 
ワイド 01-14 \2000 (26)/ 11-14 \600 (1)/ 01-11 \2610 (37) 
馬単   14-01 \5940 (54) / 14-11 \1310 (2) 
3連複 01-11-14 \12750 (40/816) 
3連単 14-01-11 \39780 (265/4896) / 14-11-01 \24760 (143/4896) 

カナテープは道中15番手を進み、直線で大外に持ち出すとメンバー最速の32.5秒で差し切ってレースを制した。勝ちタイム1分31秒0はレコード。シンフォーエバーが大逃げして前半3F33.9秒、5F56.9秒のハイペース。2番手は5馬身程度離れており、実質は平均より少し速い流れ。流れたことで決め手が問われるレースになり、後方から32秒台で上がった馬が上位を独占した。関屋記念は直線が長い外回りコースでも前が残ることが多いが、今年はシンフォーエバーがハイペースで飛ばしたことでスピードと末脚の威力が問われるレースになった。

カナテープは後方で脚をタメ、大外から豪快に差し切って重賞初制覇。メンバー最速の32.5秒の末脚は強烈だった。キング騎手は2走前の初音Sでもカナテープで大外一気を決めている。これまでより後ろから差し切れたのは、キング騎手によるところが大きいのだろう。馬へのあたりが柔らかく、コース取りに無駄がない。2着同着のボンドガールは直線で前が壁になって内に切れ込むロスがあった。キング騎手は函館2歳Sをエイシンディードで制しており2週連続重賞制覇となった。カナテープはサマーマイルシリーズの優勝を目指して中京記念、または京成杯AHに使ってきそうだ。

オフトレイルは1枠1番から内ラチ沿いの11番手につけ、メンバー2位タイの32.7秒で上がってクビ差の2着同着。前2走芝1200mを使ったこと、1枠1番からスタートを決めたことで中団で流れに乗れたことが大きかった。これで直線が平坦なコースでは[2−4−1−0]で上がりは全て3位以内。京都G2のスワンSで2着、阪神カップで3着がある。1枠1番はアダにもなる枠だが、菅原明騎手がスタートを決めて上手く乗っている。これまで左回りでは東京と中京で連対がなかったが、直線が平坦な新潟は合っているのだろう。

ボンドガールは9番手からメンバー4位の32.8秒で上がってクビ差の2着同着。直線で前が壁になって内に切れ込み、最後はオフトレイルの内に潜り込んで2着同着に持ち込んだ。勝ったカナテープより2キロ重い56キロを背負い、直線で追い出しが遅れたことを考えると勝ちに等しい内容。これまで重賞で2着が5回あるのはダテではないことを示した。中団より前につけるレースができるようになれば安定して走りそうだ。

シヴァースは3番手からメンバー9位タイの33.5秒で上がって0.2秒差の5着。差し追い込み馬向きのレースになり、前に行った馬の中では最先着。関屋記念は前残りが多いが、シンフォーエバーが飛ばしたことがマイナスに働いた。それでも1分31秒2で走って0.2秒差の4着なら今後のメドは立った。もう少し緩い流れで高速ラップの持続力を生かせるレースになれば、重賞でも勝ち負けできる。

イミグラントソングは16番手からメンバー5位の33.1秒で大外から追い込んで0.9秒差の11着。石川騎手が外枠から後方に控えて追い込むレースをしたが、32秒台の上がりを繰り出せず伸び切れなかった。NHKマイルCはハイペースで先行し11着。今回は後方に控え過ぎて11着。中山のひいらぎ賞、ニュージーランドTは強い内容だった。右回りの中山芝1600mに使ってきたら見直したい。



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